
― 第2段階のごみ箱・復元・バージョン履歴まで、やることを順番に ―
「昨日まで開けたExcelが見当たらない」「ごみ箱にもない」—そんな時は、とにかく順番が命です。闇雲に探すより、OneDriveの仕組みに沿ってチェックすると、意外と早く見つかります。本記事では、個人のOneDriveと仕事/学校(OneDrive for Business)の違いにも触れながら、復旧の可能性を最大化する手順をやさしくご案内します。
まずは落ち着いて:原因の切り分けのコツ
消えたと感じる多くのケースは、実は「削除ではなく移動や改名」「別アカウントに保存」「共有ファイルの所有者側ごみ箱」といった見え方の問題です。最初に次の3点を確認しましょう。
- 保存場所の確認
- OneDrive(個人)か、仕事/学校アカウントか。
- 右上のアイコン(プロフィール)から今サインイン中のアカウントを確認します。
- 同期の状態
- PC右下のOneDriveアイコンが緑のチェックか、同期中/エラーになっていないか。
- 同期不調だと、ローカルにあるのにWebでは見えないことがあります。
- 共有ファイルか
- 他人から共有されたExcelは、削除すると所有者側のごみ箱に入ります。自分のごみ箱に出ない点に注意です。
【最短5分】“行方不明”を見つけるためのファーストチェック
1) Web版 OneDrive で検索する
- Web版の検索ボックスにファイル名の一部や拡張子(.xlsx)を入れて探します。
- あわせて「最近」ビュー(最近使ったファイルの一覧)も確認します。
- 「移動/改名」されていても、最近の操作履歴から辿れることが多いです。
2) 「ごみ箱」を開く(個人/仕事・学校共通)
- 左メニューのごみ箱を確認します。
- 見つからない場合でも、“第2段階のごみ箱”があるか次でチェックします。
3) 第2段階のごみ箱(仕事/学校アカウント)
- OneDrive for Business/SharePointには2段階のごみ箱があり、1段目からさらに第2段階へ移ることがあります。
- ごみ箱ページの最下部付近のリンクから移動できることが多いので、必ず確認します。
4) 共有ファイルの場合:所有者に確認
- 自分のごみ箱に入らないため、ファイルの所有者(共有元)に「所有者側ごみ箱」を見てもらいます。
- 共有リンクの再送や、バージョン履歴の復元を依頼しましょう。
5) Excelの未保存データ(AutoRecover)を確認
- Excelを開き、[ファイル] → [情報] → [ブックの管理] → [保存されていないブックの回復] を確認します。
- OneDrive保存と別に、PCローカルの一時保存に残っていることがあります。
それでも見つからない:復元機能を使う(時限性あり)
6) 「OneDrive を復元」を使う(通常は過去30日程度)
- ランサムウェア被害や大量削除など、広い範囲の巻き戻しに有効です。
- Web版OneDriveの設定(歯車)やストレージ設定から「復元」を選び、日付やイベントを指定します。
- 注意:復元ポイントより新しい変更や新規ファイルはごみ箱行きになることがあります。実行前に説明をよく読み、必要な新規ファイルを控えておきます。
7) バージョン履歴から“旧版”を取り戻す
- フォルダーやファイルの右クリック → [バージョン履歴]。
- 誰かが上書きしてしまった場合でも、過去バージョンに戻せることがあります。
- 共有ファイルなら、所有者や編集権限のあるメンバーにも協力してもらいましょう。
アカウント/保存場所の取り違えを解消する
8) 個人 vs 仕事・学校 の見分け
- 同じPCで2つ以上のOneDriveを使っていると、“別アカウントのOneDriveに保存した”という取り違えが起きがちです。
- Webの右上アイコンからアカウントを切り替え、それぞれで検索します。
9) Personal Vault(個人のOneDrive)
- Personal Vault(個人用の金庫)に保存していると、Vaultがロック中は検索結果に出ないことがあります。
- Vaultを開錠してから検索し直します。
10) ローカルのごみ箱/未同期の可能性
- OneDriveアプリの不調や一時停止で、ローカル側だけ削除されたものがPCのWindowsごみ箱に残っているケースがあります。
- エクスプローラーのOneDriveフォルダーの状態アイコン(チェック/雲/一時停止/×)も確認します。
それでもダメなときの“最後の手段”
11) 管理者に監査ログの確認を依頼(仕事/学校)
- 組織版では、Microsoft 365管理センターの監査ログから「削除」「移動」「共有」などの操作履歴を追える場合があります。
- ファイル名、だいたいの日時、操作した可能性のあるユーザー名を添えて相談します。
12) 復元期限を超えている場合
- 仕事/学校のごみ箱には保持期間(一般的に通算93日程度)、OneDriveの全体復元にはおおむね過去30日という時限があります。
- どちらも期限切れの場合は、残念ながら復旧できない可能性が高いです。今後の再発防止に向けて、次の「予防策」を必ず実施しましょう。
すぐできる再発防止(今日からの対策)
- 自動保存(AutoSave)を有効化
- Excel右上の[自動保存]をオンにし、編集中の細かな変更をクラウドへ。
- 重要フォルダーのバックアップ(PCフォルダーのバックアップ)
- OneDriveのデスクトップ/ドキュメント/ピクチャのバックアップ設定を有効にします。PCの買い替えや初期化時も復元が簡単です。
- バージョン履歴を前提に運用
- 大切なブックは小刻みに名前を付けて保存するか、共有編集でも上書き前にバージョン履歴を確認する習慣をつけます。
- 共有の“所有者”を明確に
- 共有で使う重要ファイルは所有者を1人に固定し、削除時の連絡ルールを決めます。
- 同期アイコンを“毎回見る”
- 保存や移動の直後は、タスクトレイのOneDriveアイコンが緑のチェックになるまで待つ癖をつけると安心です。
- 二重保険としての外部バックアップ
- 仕事の要ファイルは、外付けSSDや別クラウドにも時々コピーしておくと、万一の誤削除やサービス障害でも心強いです。
代表的な“ひっかけ”ポイント Q&A
Q1. 共同編集していたブックが急に見えません。
A. 所有者が移動/削除している可能性があります。所有者のごみ箱や移動先フォルダーを確認してもらってください。
Q2. ファイル名は覚えていません。どう探せば?
A. Excelを開き、[ホーム] → [最近使ったアイテム] からたどる方法があります。Web版OneDriveでも**[最近]**を確認しましょう。
Q3. 復元(30日)で戻すと他のファイルに影響は?
A. 復元ポイントより新しい変更はごみ箱へ移動されることがあります。復元後に必要な新規ファイルを元に戻す手間が発生する点にご注意ください。
Q4. PCのごみ箱にはあるのに、OneDriveのごみ箱にないのはなぜ?
A. 同期が止まっていた可能性があります。ローカルで削除 → 同期していないためクラウドに反映されていないパターンです。OneDriveクライアントの状態を確認しましょう。
Q5. OneDriveの検索で出ないのに、たしかに保存したはず…
A. Personal Vaultがロックされている、別アカウントに保存した、別名で保存した等が考えられます。Vaultを開錠し、アカウントを切り替え、拡張子(.xlsx)で広く検索してみてください。
迷ったらこの順番(テキスト版フローチャート)
- Web版で検索(「最近」も)
- ごみ箱 →(仕事/学校なら)第2段階
- 共有なら所有者側ごみ箱を確認依頼
- Excelの[保存されていないブックの回復]
- OneDrive を復元(30日内)
- バージョン履歴から復元
- ローカルごみ箱/同期状態を確認
- (組織)管理者に監査ログの確認依頼
- 期限切れなら再発防止に舵(自動保存・バックアップ・運用ルール)
[PR] 作業効率とOneDrive運用を安定化させたい方へ
無料アプリとあわせて導入すると最強なのが「Microsoft 365」。
Word・Excel・PowerPointが常に最新で使え、1TBのOneDriveクラウドストレージ付き。
バージョン履歴や復元機能も活用でき、“消えた”トラブルの備えになります。
まとめ
- 「ごみ箱にもない」ケースの多くは、共有の所有者側ごみ箱、第2段階のごみ箱、アカウント違い、移動/改名が原因です。
- 復元の時限(例:過去30日/ごみ箱の保持)があるため、気づいたらすぐに上の順番で確認しましょう。
- 復旧後は自動保存・バージョン履歴・バックアップの三本柱で、再発防止の体制を整えるのがおすすめです。
おすすめ関連記事
・はじめてでも迷わない:Google連絡先をOutlookに取り込む完全ガイド
・新しいPCで古いExcelが開けない・使えないを防ぐ!廃棄前から始めるデータ移行完全ガイド
・WordやExcelが急に起動しない?最近増えているOfficeトラブルの原因と対処法
・知らないと損!Windowsで資産管理を効率化する無料ツールとNISA活用法