
はじめに
パスワードが“古くなる”時代が来た?
「Googleアカウントにログインしてください」と表示されたとき、あなたは何を入力しますか?
これまでなら「パスワード」が当たり前でした。でも今、GoogleをはじめAppleやMicrosoftなどが、「パスワードのない未来」を見据えて動いています。
その鍵となるのが、「パスキー(Passkey)」という新しい認証方式です。
「でも、それってiPhoneとかだけの話でしょ?」
いえいえ、Windowsユーザーにもすでに関係があります。
この記事では、パスキーの基本から、Windowsユーザーの視点での使い方、注意点、そして今後の動向まで、わかりやすくお伝えします。
パスキーとは?パスワードと何が違うの?
パスキー(Passkey)とは、パスワードの代わりになる新しい「ログイン手段」です。
基本的には、指紋認証・顔認証・PINなど、端末側の本人確認情報を使ってログインします。

一番のポイントは、以下のような違いです。
【HTML表】パスキーとパスワードの違い
比較項目 | パスワード | パスキー |
---|---|---|
入力の手間 | 毎回手動入力 | 顔認証や指紋で簡単 |
セキュリティ | 漏洩・使い回しのリスクあり | フィッシングや漏洩に強い |
保存場所 | Webサイトごとに登録 | 端末に保存(生体認証と連携) |
主な利用方法 | 文字列を記憶・入力 | デバイスが認証 |
簡単に言うと、「自分のデバイス自体が鍵になる」のがパスキーです。
だから、パスワードのように盗まれる心配も少なく、入力の手間も不要です。
なぜ今、Googleがパスキーを推しているのか?
Googleは2023年以降、ユーザーの初期ログイン方法としてパスキーを強く推奨しています。
その理由はシンプルで、パスワードがもう“限界”にきているからです。
- パスワードの使い回しが多く、漏洩しやすい
- フィッシング詐欺が年々増加している
- 安全なはずの2段階認証ですら、手間やSMSの問題がある
これらを解決するために、より簡単で安全な「パスキー」が選ばれているのです。
Windowsユーザーもすでに使えるって知ってた?
「でも自分はWindowsだから関係ないよね」と思う方も多いかもしれません。
しかし、実はWindows 10・11でもパスキーは利用可能です。
具体的には、以下の方法があります。
- Microsoft EdgeやChromeでパスキー対応サイトにアクセスすると、パスキーの保存・利用が可能
- Windows Hello(指紋認証・顔認証・PIN)と連携して、自分のWindowsデバイスで認証できる
つまり、Windows+Edge+Helloの組み合わせで、もうパスワードなしでログインできる時代が始まっているのです。
ご使用のPCに指紋認証機能がない場合も、USB接続の指紋リーダーを使えば、Windows Helloやパスキーが使えるようになります。
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これはPCにUSBを 差し込むだけで使えるので、簡単にセキュリティを強化したい方におすすめです。
パスキーのメリットとは?
Windowsユーザーとしても、パスキーには以下のようなメリットがあります。
- 入力の手間が大幅に減る
- 他人が使えないので乗っ取りに強い
- パスワード管理アプリに頼らなくてもいい
- GoogleやMicrosoftなど主要なサービスで使える
また、今後はAmazon・PayPay・銀行系のサイトにも広がる可能性が高く、「覚える必要のないログイン方式」が主流になるかもしれません。
パスキーを使う際の注意点は?
パスキーは便利ですが、いくつか注意点もあります。
- パスキーは基本的に「デバイス単位」で保存されるため、パソコン・スマホ・タブレット間で共有が必要になることがあります
- 古いPCやブラウザでは対応していない場合がある
- 家族や共有PCでは使いにくい(顔認証や指紋が使えないため)
また、パスキーを使い始めると、逆にパスワードを忘れてしまうリスクもあるので、緊急時用にバックアップ手段(例:リカバリ用メールアドレスなど)も設定しておくと安心です。
今後どうなる?移行の流れと備え
すぐにすべてのサービスがパスキーになるわけではありませんが、Google・Apple・Microsoftのような大手が動いている以上、中長期的に「パスキーが当たり前」になる未来は十分に考えられます。
特に、次のような流れが予想されます。
- 主要サービスでのログインに「パスキー優先」が進む
- Windows 11の標準設定にパスキーが統合される
- アカウント復旧も「顔認証+PIN」などになる
なお、こうした移行は突然すべてが切り替わるわけではありません。
補足解説・ パスワード廃止は“完全になくなる”という意味ではない
GoogleやMicrosoftが掲げている「パスワード廃止(Passwordless)」という言葉ですが、これは「すべての場面でパスワードが消える」という意味ではありません。
現時点では、次のような意味合いで使われています。
• ユーザーのメイン認証手段として、パスワードではなくパスキーや生体認証を使う方向にシフトする
• 新しいデバイスやアカウント登録時に、パスワードを設定しない選択肢を提供する
• フィッシングや漏洩のリスクを減らすため、ユーザーの操作フローからパスワード入力を減らしていく
つまり「パスワードは“なくしてもいい”時代に入った」というニュアンスで、「完全に使えなくなるわけではない」というのが実際のところです。
実際には「パスキー+パスワードの併用」がしばらく続く
たとえば、Googleアカウントではパスキーが優先されるようになりましたが、次のような場面では従来のパスワードが必要になります。
• パスキーを保存していたスマホやPCを失くしたとき
• 新しい端末でアカウントに初めてログインする時の本人確認
• パスキー認証が失敗した際の「バックアップ用認証手段」としてのパスワード入力
このため、GoogleやMicrosoftも「今すぐすべてのパスワードを消してください」とは言っていません。むしろ「まずはパスキーを日常的に使い始めてみましょう」というスタンスです。
今は“移行期”と考えよう
• 現在は「パスワードからパスキーへの移行期間」であり、併用が現実的な対策
• 将来的にはパスワード入力が減っていくが、当面は「廃止」ではなく「推奨からの置き換え」が進行中
• パスワードを覚える手間が減っていく一方で、リカバリ手段(代替認証)としてパスワードが生き残る場面もある
このように「廃止」という表現はやや強めではありますが、「主役の座をパスキーに譲っていく」という方向性で、確かに世界のセキュリティ環境は動いています。
パスキー対応サービスの一例(2025年7月時点)
サービス名 | パスキー対応状況 |
---|---|
◎ 初期設定でパスキーを推奨 | |
Microsoft | ○ Windows Hello経由で利用可能 |
Apple(iCloud, Safari) | ◎ 完全対応済み |
Amazon | △ 一部端末・国で試験導入中 |
PayPay | × 未対応(今後に期待) |
まとめ:今こそ「パスキー」を知っておこう
パスキーはまだ新しい技術ですが、セキュリティと利便性を両立できる画期的な仕組みです。
とくに、Windowsユーザーの皆さんにとっても、Edge+Helloで今すぐ使い始めることが可能です。
今後は、より多くのサイトやサービスがパスキーに対応していくと考えられます。
「まだ先の話」ではなく、「すでに始まっている話」なんです。
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