
2025年8月13日(日本時間)、Microsoftは毎月恒例のセキュリティ更新「Patch Tuesday」を配信しました。
今月は合計107件の脆弱性が修正され、そのうち1件はゼロデイ脆弱性(CVE-2025-53779、Windows Kerberos特権昇格)で、既に悪用が確認されています。
対象OSはWindows 10/11、Windows Server各バージョンに加え、Microsoft OfficeやAzureなどの製品も含まれます。
修正された脆弱性の内訳
今月の修正は以下の通りです。
- リモートコード実行(Remote Code Execution):35件
→ ネットワーク経由で任意コードを実行される危険があるため、特に早めの更新が必要です。 - 権限昇格(Elevation of Privilege):40件
→ ユーザー権限を管理者権限に引き上げる攻撃が可能になるケース。ゼロデイ脆弱性もここに該当します。 - 情報漏洩(Information Disclosure):16件
- なりすまし(Spoofing):10件
- サービス拒否(DoS):5件
- 改ざん(Tampering):1件
特にゼロデイ脆弱性(CVE-2025-53779)はKerberos認証の欠陥で、ドメイン環境の企業ネットワークでは深刻な影響が出る可能性があります。
Windows 11 24H2向け 新機能・変更点
今月のアップデートは、セキュリティ修正に加え、新機能追加の規模も大きいのが特徴です。
- Quick Machine Recovery
→ 起動失敗時に自動で修復を試みる新機能。再インストール前に復旧できる可能性が高まります。 - Black Screen of Death(BSODの黒背景化)
→ 従来の青から黒へ変更。UI改善の一環で、文字コントラストも調整されています。 - Recall機能のEU提供開始 & エクスポート機能
→ EUユーザーにもRecallが利用可能に。データを外部出力できるようになり、利便性が向上。 - Click to Do機能強化
→ Reading Coach、Immersive Reader、Wordの下書き作成、Teamsでの即時メッセージ送信などがワンクリックで可能に。 - SettingsアプリにAIエージェント追加
→ Copilot+ PCで自然言語による設定検索・変更が可能に。 - Snap Layouts改良
→ ウィンドウ配置時にガイドがインライン表示され、操作が直感的に。
インストール時の注意点
- バックアップ推奨:特に業務PCや複雑な周辺機器構成の環境では、更新前にシステム復元ポイントやイメージバックアップを作成してください。
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- ドライバ互換性:GPUやUSBデバイスのドライバが未対応の場合、更新直後に不具合が出る可能性があります。
更新を様子見した方がよい可能性のあるPC環境
過去のPatch Tuesdayや大型更新では、以下のような環境で不具合報告が比較的多く見られます。必ず発生するわけではありませんが、業務用や重要データを扱うPCでは、数日〜1週間程度様子を見るのも選択肢です。
- 古い世代のCPUやメモリ容量が少ないPC(4GB以下)
→ 更新直後に動作が重くなる、アプリの起動が遅くなる例あり。 - 特殊な周辺機器や旧型ドライバを使用中のPC
→ USBデバイスやプリンタが認識されなくなるケースが報告されることがあります。 - 企業ネットワークドメインに参加しているPC
→ Kerberos関連の変更で一部認証が通らなくなる事例が過去にあり。 - グラフィックドライバが最新ではないPC
→ 更新後に画面のちらつきや解像度変更の不具合が出る場合あり。
💡 不具合防止のため、事前に ドライバ更新ツール やメーカー提供の最新ドライバをインストールしておくことをおすすめします。
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7月との比較と傾向
・ 脆弱性件数は7月の102件から5件増加。
・ ゼロデイ脆弱性は7月も1件、今月も1件で横ばい。
今月は機能追加の規模が大きいため、企業ユーザーよりも一般ユーザーへのインパクトが大きい印象です。
今後の予測(2025年9月 Patch Tuesday)
- AI統合機能やUI改善が継続的に追加される可能性が高い。
- セキュリティ面では、特権昇格とRCEの修正が来月も多数含まれる見込み。
- 秋の大型更新前に大規模な下準備アップデートが行われる可能性があります。
まとめ
8月のPatch Tuesdayは、セキュリティ修正(107件)と新機能追加が同時に行われた大型更新です。
特にWindows 11 24H2ユーザーは、AIエージェントやQuick Machine Recoveryなどの恩恵が大きい一方で、ゼロデイ脆弱性の悪用も確認されているため、早めの適用が推奨されます。
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