【2025年最新】WindowsのPINが消せない・作れない・リセットできない原因と対処法まとめ

WindowsでPINがリセットできず困っているユーザーがパソコンの前で悩んでいるイラスト。画面には「PINエラー」の警告ウインドウが表示され、背景にはカギマークや警告アイコンが浮かぶ。PINリセット不能のトラブル解決記事のイメージ。
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はじめに

Windows 10やWindows 11では、Microsoftアカウントと連動した「PINサインイン(Windows Hello)」が標準になりつつあります。本来であれば、数クリックで簡単に設定・変更・削除できるものですが、ある日突然「PINのリセットができません」「PINの作成に失敗しました」と表示されて、先に進めなくなるケースが増えています。

特に、Windows 11 24H2以降の大型アップデート後や、TPM(セキュリティチップ)周りのトラブルがきっかけで、PINだけがおかしくなるパターンも多く報告されています。

この記事では、PC初心者の方でも順番に試せる基本対処から、技術者向けの深掘り・裏技まで、原因の切り分けから解決までを1本でカバーする「完全ガイド」として整理しました。

主なエラー例

  • 「PINを作成できませんでした」
  • 「PINのリセット中にエラーが発生しました」
  • 「このデバイスではPINを設定できません」
  • 「PINサービスに接続できませんでした」
  • 「PINが削除できません」
  • 「セットアップした暗証番号(PIN)が使えなくなりました」

これらのエラーは、単に「PINがおかしい」というよりも、その奥にある仕組み(Windows Hello・Microsoftアカウント・TPMなど)のどれかが不調になっているサインです。単純な再起動では直らないことも多く、やみくもに操作すると、かえってサインインできなくなるリスクもあります。

ここからは、まずは安全にできる確認から始めて、徐々に専門的な対策へステップアップしていきましょう。

主な原因一覧

原因詳細
NGCフォルダ破損PIN情報を格納する「NGC」フォルダが壊れている・アクセス権がおかしい
Windows Hello サービス不具合Windows Hello関連サービスや認証周りが異常終了している
Microsoftアカウント同期失敗クラウド上のアカウント情報とPC側の情報がずれている
ポリシー・グループポリシー制限企業・学校環境で管理者がPIN利用を禁止している
TPMの問題TPM(セキュリティチップ)に登録された情報との整合性が取れない
システムファイル破損OSのシステムファイルが壊れていて、PIN設定画面そのものが正常に動かない

実際の現場では、「NGCフォルダ破損」「Microsoftアカウントの同期不良」「TPMの誤動作」が三大原因です。職場PCや学校PCを利用している場合は、そもそも管理者がポリシーでPINを禁止しているケースもあるため、その場合は自分で直そうとせず、システム管理者に相談してください。

最初に確認すべき基本チェック

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■ インターネット接続の確認

PINのリセットや再設定では、Microsoftアカウントと連携して確認が行われることがあります。

・Wi-Fiや有線LANが切れていないか、機内モードになっていないか確認しましょう。
・別のサイト(例:ニュースサイト)を開けるかどうかもチェックすると安心です。

■ セキュリティソフトを一時停止

一部のサードパーティ製セキュリティソフトは、誤検知でPIN関連のプロセスや通信をブロックすることがあります。

・常駐型のセキュリティソフトをお使いの場合は、一時停止(10〜15分程度)してからPINの操作を再試行してみてください。
・作業が終わったら、必ず元に戻すのを忘れないようにしましょう。

■ Windows Updateの適用状況

過去の累積更新プログラムで、「PINが作成できない」「Windows Helloが使えない」といった不具合が修正された例もあります。逆に、アップデート直後に不具合が出ている場合は、後日配信された修正版で直ることもあります。

・「設定」→「Windows Update」から、最新の重要な更新が入っているかチェックしましょう。
・大型アップデート直後に発生した場合は、数日〜数週間後に配信される修正パッチ情報も確認すると安心です。

有効な対策

対策1:NGCフォルダの完全削除(PIN情報のリセット)

PINの設定情報は、Windows内部の「NGC」というフォルダに保存されています。このフォルダが壊れていると、いくらPINを作り直そうとしてもエラーになります。

【NGCフォルダ完全削除の手順】

1.管理者権限のアカウントでサインイン
2.エクスプローラーで以下のフォルダへ移動

C:\Windows\ServiceProfiles\LocalService\AppData\Local\Microsoft\NGC

3.念のためNGCフォルダを別の場所にコピーしてバックアップ
4.元のNGCフォルダを完全削除

※ フォルダにアクセスできない場合は、フォルダの所有権とアクセス許可を変更します。

① NGCフォルダを右クリック →「プロパティ」→「セキュリティ」タブ
②「詳細設定」をクリック
③「所有者」を自分のユーザー(またはAdministrators)に変更
④ 必要に応じて、自分のユーザーに「フルコントロール」を付与

NGCフォルダを削除したあとPCを再起動すると、初期状態からPINを作り直せるようになるケースが非常に多いです。

対策2:Windows Hello(PIN)設定のやり直し

Windows Hello周りの内部状態が不安定になっているだけなら、設定画面からの「削除 → 再作成」で復旧することもあります。

【手順】

① 「設定」→「アカウント」→「サインイン オプション」
② 「PIN(Windows Hello)」に「削除」ボタンがある場合は一度削除
③ 再起動後、同じ画面から「PINの設定」「PINの追加」で新しいPINを作成

「削除」ボタン自体がグレーアウトしている・エラーで押せない場合は、次の対策に進みます。


上記の操作ができない場合は、コマンドで認証サービスをリフレッシュする裏技を試します。

【コマンドを使う裏技】

1.「スタート」ボタンを右クリック →「Windows ターミナル(管理者)」または「コマンドプロンプト(管理者)」を開く
2.次のコマンドを順番に入力して Enter キーを押します。

sc stop wlidsvcsc start wlidsvc

これは、「Microsoft サインイン アシスタント(wlidsvc)」サービスを停止→再起動するコマンドです。Microsoftアカウント周りのキャッシュがリフレッシュされ、PIN設定が通るようになる場合があります。

対策3:TPMのリセット(セキュリティチップの初期化)

TPM(セキュリティプロセッサ)に保存されている情報と、Windows側の情報が食い違っていると、PINが突然使えなくなることがあります。TPMをリセットすることで解決するケースも多いです。

【手順】

  1. 「スタート」→「Windows セキュリティ」を開く
  2. 左メニューから「デバイス セキュリティ」を選択
  3. 「セキュリティ プロセッサ」欄の「セキュリティ プロセッサの詳細」をクリック
  4. 「セキュリティ プロセッサのトラブルシューティング」→「TPMをクリア」を実行

重要:TPMをクリアすると、BitLockerやWindows Helloなど、TPMに依存している機能の情報がリセットされることがあります。BitLockerを使っている場合は、必ず事前に回復キーをバックアップしてから実行してください。

対策4:ローカルアカウントに一度切り替えてから再度Microsoftアカウント紐付け

Microsoftアカウントの内部情報が壊れている場合は、いったんローカルアカウントに戻してから再度紐付けし直すと、認証情報が整理されて解決することがあります。

【手順】

  1. 「設定」→「アカウント」→「ユーザーの情報」から「ローカルアカウントでのサインインに切り替える」を選択
  2. ローカルアカウントに切り替えた状態でPCを再起動
  3. 再度「Microsoftアカウントでのサインインに切り替える」を実行
  4. サインイン後、「サインイン オプション」からPINの作成をやり直す

この方法は、特に「パスワードや他のサインイン方法は問題ないのに、PINだけがどうしても設定できない」という場合に有効です。

対策5:システムファイルの修復(SFC / DISM)

サインイン オプション画面が開かなかったり、開いてもすぐ閉じてしまう場合などは、Windowsのシステムファイル自体が壊れている可能性があります。

【コマンドプロンプト(管理者)で順番に実行】

sfc /scannow
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth

1つ目の「SFC」がシステムファイルをチェック・修復し、2つ目の「DISM」がWindowsイメージの破損を修復します。どちらも時間がかかる場合があるので、PCを使わない時間帯に実行するのがおすすめです。

対策6(裏技):サインインオプション画面を直接呼び出す

スタートメニューや設定アプリからうまくサインインオプションが開けない場合は、URIコマンドで直接呼び出すこともできます。

【手順】

  1. 「Win + R」キーを押して「ファイル名を指定して実行」を開く
  2. 次の文字列を入力して「OK」をクリック
ms-settings:signinoptions

サインイン オプション画面が直接開くので、そこから「PIN(Windows Hello)」の設定やリセットができるか試してみてください。

対策7:完全初期化の前に「修復インストール(上書きインストール)」を検討

ここまで試しても改善しない場合、OSそのものに深刻な不具合がある可能性があります。いきなりクリーンインストールをする前に、個人ファイルを残したままWindowsを上書きする「修復インストール(In-place Upgrade)」を検討してみましょう。

【補足】

・Microsoft公式サイトから「メディア作成ツール」またはインストールメディアを用意
・Windowsを起動した状態でセットアップを実行し、「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」を選択
・案内に従って進めると、Windowsが最新状態に「上書き」され、システムの不具合だけを修復できます

まとめ

この記事で紹介した対策を一覧にすると、次のようになります。

対策難易度おすすめ対象
NGCフォルダ削除最も多い原因。手順どおり慎重に進めれば初心者でも対応可
Windows Hello設定やり直しまず最初に試したい基本対策
wlidsvcサービス再起動Microsoftアカウント周りが怪しい場合に試す
TPMリセットTPMエラーが出ている場合や、24H2アップデート後のトラブル時
アカウント切り替え「パスワードはOKだがPINだけダメ」なケースで有効
SFC / DISM修復サインインオプション画面自体がおかしい場合
URIでサインインオプションを直接開く設定アプリがうまく開けないときの小技
修復インストール重症例・他の方法でどうしても直らないときの最終手段

PINのリセット不能は、一見シンプルに見えて実は奥が深いトラブルです。ただし、今回のように原因ごとに順番に試していけば、かなり高い確率で復旧が期待できます。

PC初心者の方は、まず「NGCフォルダ削除 → 再起動 → 新しいPIN作成」から。
それでもだめなら、TPMやシステムファイルの修復、修復インストールと、少しずつ踏み込んだ対処を試してみてください。

今後も、Windowsのアップデートや新しい既知の不具合情報が入り次第、この記事も随時更新していきます。

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