
PowerPointでプレゼン資料を作っていて、
「文字だけでは伝わりきらない」
「自分の声でも説明したい」
と感じたことはありませんか?
実は、Windows版PowerPointにはスライドごとにナレーションを録音したり、スライドショーを再生しながら一括で録音したりできる機能が標準で用意されています。録音した音声付きスライドは、そのまま再生するだけでなく、MP4動画として書き出してYouTubeや社内ポータルで共有することもできます。
この記事では、Windows版PowerPointを使った音声録音の基本から、うまく録音できないときの対処法、録音を成功させるコツ、AI音声や外部ツールとの組み合わせまで、初心者の方にもわかりやすく解説します。
※本記事の画面・メニュー名は、主に Microsoft 365 / PowerPoint 2021/2019(Windows版)の最新UIを基準にしています。一部、バージョンにより表記が異なる場合があります。
- 1 1. PowerPointで音声を録音すると何ができる?
- 2 2. 録音前にチェックしておきたい「準備」と環境設定
- 3 3. スライドごとに音声を録音する方法(個別録音)
- 4 4. スライドショーを進めながら音声を一括録音する方法
- 5 5. 録音済みナレーションの確認・修正・削除の方法
- 6 6. 録音したスライドを動画(MP4)として書き出す方法
- 7 7. 録音できない・再生されないときのチェックポイント
- 8 8. 音声録音を成功させるコツとおすすめのやり方
- 9 9. 【応用編】外部音声・AI音声をPowerPointに挿入する方法
- 10 10. PowerPoint録音の活用シーンとアイデア
- 11 まとめ:ナレーション付きPowerPointで「伝わる」資料に
1. PowerPointで音声を録音すると何ができる?
まずは、「PowerPointで音声を録音すると何が便利なのか」をざっくり整理しておきます。
- スライドごとに自分の声で説明を付けられる
- スライドショーを進めながら一気にナレーションを録音できる
- 録音した音声付きスライドをMP4動画として書き出しできる
- 自分で録音した声だけでなく、既存のMP3/WAV音声ファイルを挿入して再生できる
プレゼンの本番で話す内容を録音しておけば、
- 対面説明が難しい相手にも「録画プレゼン」を配布できる
- 授業・研修・マニュアル動画として何度も繰り返し使える
- 自分の説明のクセを客観的に見直すことができる
といったメリットがあります。
PowerPointでの録音方法は、大きく次の2パターンです。
- ① スライドごとに個別で録音する方法
- ② スライドショーを再生しながら一括で録音する方法
初めての方は、まずは失敗してもやり直しやすい「スライドごとに録音」から慣れるのがおすすめです。
2. 録音前にチェックしておきたい「準備」と環境設定
いきなり録音を始める前に、次の3つだけ確認しておきましょう。
① マイクがPCに正しく接続されているか
- ノートPCの内蔵マイクを使う場合 … そのままでもOKですが、周囲の雑音を拾いやすいです。
- ヘッドセットやUSBマイクを使う場合 … プラグをしっかり奥まで挿すか、USBポートに接続します。
録音品質を上げたい場合は、外付けのUSBマイクやヘッドセットマイクの利用がおすすめです。
② Windows側でマイクが認識されているか確認
Windows 11 の場合
- [スタート] → [設定] → [システム] → [サウンド] を開く
- [入力] の「マイク」に、使用したいマイクが表示されているか確認
- 話しながら「テスト中」のメーターが反応するかチェック
反応がない場合は、マイクがミュートになっている・入力音量が0に近いなどの可能性があります。
③ プライバシー設定でマイクが許可されているか
マイクが認識されていても、プライバシー設定でブロックされているとPowerPointから録音できません。
- [設定] → [プライバシーとセキュリティ] → [マイク] を開く
- 「アプリがマイクにアクセスできるようにする」がオンになっているか確認
- 一覧の中に「PowerPoint」があれば、それもオンにする
ここまで確認できたら、いよいよPowerPoint側での録音に進みます。
3. スライドごとに音声を録音する方法(個別録音)
まずは、1枚のスライドにだけ試しに音声を入れてみる方法です。失敗してもそのスライドだけ録り直せるので、初心者の方にもおすすめです。
① 「挿入」メニューから録音する方法
- 音声を入れたいスライドを表示する
- PowerPoint上部のメニューから[挿入]タブを開く
- [オーディオ] → [オーディオの録音](または「このスライドに録音」)をクリック
- 「オーディオの録音」ダイアログが表示されたら、わかりやすい名前を入力(例:「スライド1説明」など)
- ●(赤い録音ボタン)をクリックして話し始める
- 録音が終わったら[■ 停止]ボタンをクリック
- [▶ 再生]ボタンで音声を確認し、問題なければ[OK]をクリック
スライド上にスピーカーのアイコン(音声オブジェクト)が表示されれば成功です。
スライドショーを実行すると、そのスライドに来たときに音声が再生されます。
② 音量・再生タイミングを調整する
スピーカーアイコンをクリックして選択すると、メニューに[再生]タブが表示されます(バージョンによっては「オーディオの書式」と分かれていることもあります)。
- [開始] … 「クリック時」か「自動」を選択
- [スライドショーが停止するまで再生] … スライドの途中でループ再生したい場合に使用
- 音量 … 小さすぎる/大きすぎる場合に調整
気に入らない場合は、スピーカーアイコンを削除して、もう一度録音し直すこともできます。
4. スライドショーを進めながら音声を一括録音する方法
プレゼン全体を通してしゃべりたい場合は、スライドショーを再生しながら一気に録音する方法が便利です。
① 「スライドショーの記録」または「記録」タブを使う
PowerPointのバージョンにより表示が少し異なりますが、基本的な流れは同じです。
- PowerPoint上部の[スライドショー]タブ、または[記録]タブを開く
- [スライドショーの記録](または「最初から記録」「現在のスライドから記録」)をクリック
- 録音開始用の画面が表示されるので、マイク・カメラの設定を確認
- [● 記録]ボタンを押すと、1枚目のスライドから録音が始まる
- 説明しながら、[→]キー や マウスクリックでスライドを進める
- 最後のスライドまで話し終えたら、録音を停止する
録音が完了すると、各スライドにナレーションが割り当てられ、タイミング情報(スライドを表示していた時間)も自動的に保存されます。
②. カメラ映像も一緒に録画する
新しいPowerPointでは、録音画面でカメラをオンにすると、
- 話している自分の顔を小さなウィンドウで表示
- 背景をぼかしてプライバシーを保護
- レーザーポインタやペンでスライドに書き込みながら説明
といったことも可能です。
eラーニング教材や会社紹介動画など、「話し手の表情も見せたい」場面では、カメラも一緒に録画しておくと、より伝わりやすくなります。
5. 録音済みナレーションの確認・修正・削除の方法
一括録音をすると、どうしても「このスライドだけ噛んでしまった」「一部だけ録り直したい」という場面が出てきます。そんなときは、対象のスライドだけ録音し直すこともできます。
① 録音済みナレーションを再生して確認する
- 録音を確認したいスライドを表示
- スライドショーの[現在のスライドから]を実行する
- そのスライドに入ったタイミングで、自動的に音声が再生される
または、スピーカーアイコンを選択して、[再生]ボタンから個別に確認することもできます。
② 一部のスライドだけ録音をやり直す
- 録り直したいスライドを表示
- スピーカーアイコンを削除する(Deleteキー)
- あらためて「挿入 → オーディオの録音」または「現在のスライドから記録」を行う
このように、気に入らないスライドだけ局所的に録り直すことも可能です。
6. 録音したスライドを動画(MP4)として書き出す方法
ナレーション付きのスライドは、PowerPointのまま再生するだけでなく、動画ファイル(MP4)として書き出すことで、YouTubeやTeams、社内ポータルなどで配布しやすくなります。
MP4動画として書き出す手順
- ナレーションが完成したPowerPointファイルを開く
- [ファイル]タブ → [エクスポート] → [ビデオの作成]をクリック
- 「ビデオの品質」で Full HD(1080p) などを選択
- 「記録されたタイミングとナレーションを使用する」が選択されていることを確認
- [ビデオの作成]をクリックし、保存先とファイル名を指定
- PowerPoint右下のステータスバーに進行状況が表示されるので、完了まで待つ
作成されたMP4ファイルを再生すると、スライドの切り替えタイミングやアニメーション、レーザーポインタの動きなども含めて、そのまま動画として再生されます。
7. 録音できない・再生されないときのチェックポイント
ここからは、録音機能でトラブルが起きたときの代表的な例と対処法です。「録音ボタンが押せない」「再生されない」などのときは、次のポイントを順番に確認してみてください。
よくある症状と原因・対処の例
| 症状 | 主な原因 | 対処方法 |
|---|---|---|
| 録音ボタンがグレーアウトして使えない | マイクへのアクセスが拒否されている / PowerPointの更新が古い | Windowsの「プライバシー設定 → マイク」でPowerPointのアクセスを許可。 Officeの更新プログラムも最新にする。 |
| 録音はできるが、何も音が入っていない | マイクの入力デバイスが別の機器になっている | 「設定 → システム → サウンド」で、使用するマイクが入力デバイスに選択されているか確認。 「アプリの音量とデバイスの設定」でPowerPointの入力も確認する。 |
| 音が小さい / こもって聞き取りづらい | 内蔵マイクの性能が低い / 口から遠い / 周囲がうるさい | できればUSBマイクやヘッドセットを使用する。 録音時にマイクに近づき、静かな場所で話す。 |
| 再生しても音声が流れない | スピーカーアイコンが削除されている / 音量がゼロ | スライド上にスピーカーアイコンがあるか確認。 [再生]タブで音量と「開始」の設定(クリック時 / 自動)を確認。 |
| Web版PowerPointで録音ができない | ブラウザ版では録音機能が制限されている | 録音作業は、Windowsのデスクトップ版PowerPointで行う。 OneDrive上のファイルは、いったんPCに保存してから開く。 |
録音トラブルは、「マイクが正しく選ばれていない」「権限がオフになっている」ことがほとんどです。まずはWindows側の設定をじっくり見直してみましょう。
8. 音声録音を成功させるコツとおすすめのやり方
同じ機能でも、少し工夫するだけで「聞きやすさ」が大きく変わります。ここでは、録音品質を上げるためのちょっとしたコツをご紹介します。
①環境と話し方のコツ
- エアコンの風音やキーボードのタイピング音が入らない、できるだけ静かな場所で録音する
- マイクは口元からこぶし1つ分くらいの距離を目安にする
- 早口になりすぎないよう、ややゆっくり目に話す
- 噛んだり言い直したりしても、一度最後まで録ってから、必要なスライドだけ録り直す
②台本(スクリプト)を用意する
- 各スライドの要点を「1〜3文」くらいに絞ってメモしておく
- PowerPointの「ノート欄」に話す内容を書いておくと、録音中に下部に表示されて便利
- 文章は、読み上げやすいように話し言葉に近い表現で書く
ノート欄に台本を書いておいても、視聴者側の画面には表示されないので安心して利用できます。
編集したい場合は外部ツール+挿入もアリ
PowerPointの録音機能は「録る」「削除して録り直す」ことはできますが、細かい編集機能はあまりありません。以下のような場合は、
- ノイズ除去をしたい
- 咳払いの部分だけを消したい
- 複数の音声をつなぎ合わせたい
といった音声編集ソフト(例:Audacity、Windows用の簡易録音アプリなど)で録音・編集したものを、完成したMP3/WAVとしてPowerPointに挿入した方がきれいに仕上がることがあります。
9. 【応用編】外部音声・AI音声をPowerPointに挿入する方法
「自分の声を録音するのはちょっと抵抗がある」「AI音声でナレーションを作りたい」という場合は、外部の音声ファイルを作ってからPowerPointに挿入する方法も便利です。
①外部で録音した音声ファイルを挿入する
- あらかじめ、スマホや録音ソフトなどで音声ファイル(MP3/WAV)を作成しておく
- PowerPointで音声を挿入したいスライドを開く
- [挿入] → [オーディオ] → [このコンピューター上のオーディオ]をクリック
- 作成した音声ファイルを選択し、[挿入]をクリック
- スピーカーアイコンが表示されるので、再生タイミングや音量を調整する
②AI音声(合成音声)を使うときのポイント
最近は、AI音声合成を使って「自然な読み上げ」を作るサービスも増えています。台本をテキストで用意し、それをAI音声でMP3にしてからPowerPointに挿入すれば、
- 噛まずに安定したナレーションを作りたい
- 社内で共通の「案内用の声」を使いたい
といったニーズにも対応できます。
その際も、各スライドごとに音声を分けて作成しておくと、後から差し替えやすくなります。
10. PowerPoint録音の活用シーンとアイデア
最後に、実際にどんな場面で「音声付きPowerPoint」が使われているか、イメージしやすい活用例をまとめます。
教育・研修の現場で
- 学校の授業用スライドに先生の解説をつけて、自宅学習用の教材として配布
- 塾・予備校で、復習用に講義のポイントだけをまとめた短い解説動画を作成
- 新人研修用のマニュアルを、ナレーション付きで動画化
ビジネス・社内コミュニケーションで
- 新サービスや新機能の説明資料にナレーションをつけて、非同期で共有する
- 営業資料に「代表者による説明音声」をつけて、オンライン商談のフォローに使う
- 社内向けのお知らせ・ルール変更などを、文字と音声の両方で伝える
個人の発信・副業にも
- スライド解説系のYouTube動画(PC操作解説、ビジネス解説など)
- 趣味や学びをまとめた「スライド+ナレーション動画」をSNSで発信
- 高齢の家族向けに、文字だけでは難しい説明を音声付きスライドにして届ける
文字だけでは伝わりづらいニュアンスやテンポを、声で補うことで、聞き手の負担を減らし、理解度を高めることができます。
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PowerPointで本格的に録音するなら「Microsoft 365 Personal」が安心
今回ご紹介した「ナレーション録音」や「動画として書き出す」機能は、Microsoft 365版のPowerPointで使うのが一番安全でおすすめです。常に最新バージョンにアップデートされるので、録音まわりの不具合も起きにくくなります。
- PowerPoint・Word・ExcelなどOfficeアプリがまとめて使える
- 常に最新版に自動アップデートされるので、録音機能も安心
- 1TBのOneDrive付きで、録音済みプレゼン動画の保存にも便利
まとめ:ナレーション付きPowerPointで「伝わる」資料に
PowerPointの音声録音機能を使えば、
- スライドごとにナレーションを録音
- スライドショーを進めながら一括録音
- 音声付きスライドをMP4動画として書き出し
- 外部で作った音声ファイルやAI音声を挿入
といったことが、特別な動画編集ソフトなしで実現できます。
最初はうまく話せなかったり、録音ミスが多かったりするかもしれませんが、「1枚のスライドに短く説明を入れてみる」ことから始めて、少しずつ全体のナレーションに広げていくのがおすすめです。
慣れてくると、「文字+図+音声」で伝えられるようになり、対面ではない場面でも、あなたの意図がしっかり届くプレゼン資料が作れるようになります。ぜひ、身近なスライドから、音声録音にチャレンジしてみてください。
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