
Windowsで次のような表示が重なって出て、不安になったことはありませんか?
- 「セキュアブートが無効になっている」
- 「セキュアブート変数を更新できない」
- 「DCOMサーバーを起動できない」「サーバーを起動できない」
- さらに、クラッシュ・再起動ループ・起動不能が起きる
一見バラバラのトラブルに見えますが、実際は
- UEFI(BIOS)側のSecure Boot設定
- Windowsの起動方式(UEFI/GPTか、レガシー/MBRか)
- ブート構成(BCD)やドライバの不整合
- Windows内部の権限・サービス周り(DCOMログ)
が絡み合って、同時に症状が出ることがあります。
ただし大事なのは、DCOMのログは“出ている=故障”ではないという点です。
体感の不具合がない「警告」レベルは放置で問題ないケースも多く、クラッシュや起動不能がある場合は、DCOMより先にブート構成やSecure Boot、ドライバ側を優先して確認するのが安全です。
- 1 まず結論(ここだけ読めばOK)
- 2 1. Secure Boot(セキュアブート)とは?
- 3 2. まず確認:Secure Bootが有効かどうか(Windows側)
- 4 3. Secure Bootが有効にならない主な理由
- 5 4. 重要:MBRかGPTかを確認する(Windowsが起動できる場合)
- 6 5. MBR → GPTに変換する(データ保持あり:起動できる場合)
- 7 6. PCがクラッシュ/起動ループ/起動不能のとき(ここが最優先)
- 8 7. DCOMエラーは「触っていいケース」だけ対応する
- 9 ①(必要な場合のみ)DCOM権限の見直し手順(最小限)
- 10 8. 仕上げ:Windows側の修復(起動できる場合)
- 11 よくある症状と対処のまとめ(早見表)
まず結論(ここだけ読めばOK)
- 起動できるなら:Secure Bootの状態確認 → 起動方式(MBR/GPT)確認 → 更新/ドライバ更新 → システム修復(SFC/DISM)
- 起動できない・再起動ループなら:WinRE(回復環境)で「スタートアップ修復」→ BCD修復(bcdboot等)→ 必要なら復元/上書きインストール
- DCOMは原則:実害(アプリが落ちる・サービス停止)があり、原因(APPID/CLSID)が特定できた場合のみ“最小限”で対応
1. Secure Boot(セキュアブート)とは?
Secure Boot はUEFI(BIOS)の機能で、信頼できるOSやドライバだけを起動させるための仕組みです。
これが無効だったり、Secure Bootの内部情報(キーや変数)の更新に失敗すると、Windows更新やドライバ導入のタイミングでエラーが出ることがあります。
「セキュアブート変数を更新できない」は、ざっくり言うと
- UEFI設定(Secure Boot/キー)が不整合
- Windowsの起動方式がSecure Boot前提とズレている(MBR/レガシー起動など)
- 署名やドライバ更新と衝突している
といった“土台”の問題を疑うサインです。
2. まず確認:Secure Bootが有効かどうか(Windows側)
msinfo32で確認する
- Windowsキー + R
msinfo32→ Enter- 「システムの概要」→ セキュア ブートの状態 を確認
| 表示 | 意味 |
|---|---|
| 有効 | Secure Bootは有効 |
| 無効 | UEFI設定で無効の可能性 |
| サポートされていません | MBR/レガシー起動などでSecure Bootを使えないことが多い |
「サポートされていません」は、Windows側だけで解決しないことが多いので、次の「起動方式(MBR/GPT)」確認へ進みます。
3. Secure Bootが有効にならない主な理由
よくある原因はこのあたりです。
- Windowsが MBR(レガシーBIOS) でインストールされている
- UEFI画面でSecure Bootが Disabled のまま
- Secure Bootキーが壊れている/不整合(「既定キーの再適用」が必要な場合)
- 古いドライバや古い構成が足を引っ張っている
4. 重要:MBRかGPTかを確認する(Windowsが起動できる場合)
- Windowsキー + X →「ディスクの管理」
- システムディスク(通常はDisk 0)を右クリック →「プロパティ」
- 「ボリューム」タブ →「パーティションのスタイル」
- GPT:UEFI/Secure Bootと相性が良い
- MBR:Secure Bootが使えない/不利になりやすい
MBRだった場合、次が選択肢です。
5. MBR → GPTに変換する(データ保持あり:起動できる場合)
Windows 10/11では標準ツール mbr2gpt が使えます。
実行(管理者)
mbr2gpt /allowFullOS /convert事前に必ずやること(重要)
- 大事なデータのバックアップ
- BitLockerが有効なら一時停止/解除
- 変換後、UEFI(BIOS)で UEFI起動に切り替え が必要な場合あり
※ここはPCメーカーや機種によって画面が違うので、「UEFI設定でBoot ModeをUEFIに」「CSM/Legacyを無効」あたりが目印です。
6. PCがクラッシュ/起動ループ/起動不能のとき(ここが最優先)
Secure Bootやブート構成の不整合があると、Windowsが正常起動できずループすることがあります。
この場合、DCOMより先に起動回復をやります。
①まずスタートアップ修復(WinRE)
- 回復環境(WinRE)を起動
- 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→ スタートアップ修復
直るケースが意外と多いです。
②それでもダメなら:BCD再作成(WinREのコマンド)
WinREの「コマンドプロンプト」で、まずは定番の順番。
bootrec /scanosbootrec /rebuildbcd改善しない場合は、BCDを作り直す方が効くことがあります。
bcdboot C:\Windows※C: がWindowsのドライブとは限りません(WinREではドライブ文字がズレることがあります)。
迷う場合は dir C:\ で中身を確認し、Windowsフォルダがあるドライブを探します。
7. DCOMエラーは「触っていいケース」だけ対応する
ここが一番大事です。
イベントビューアーのDCOM関連は、ログが出るだけで問題ないことも多いです。
特に「警告」レベルは、体感不具合がなければ放置でOKな場合があります。
DCOM設定を触ってよい条件(この3つが揃うとき)
- イベントが「エラー」で
- 同時刻に アプリが落ちる/サービスが起動しないなど実害がある
- 発生源(APPID/CLSID)が特定でき、できればベンダー手順がある
当てはまらないなら、むやみに権限を広げずWindows Update・ドライバ更新・SFC/DISM・クリーンブートで切り分けする方が安全です。
①(必要な場合のみ)DCOM権限の見直し手順(最小限)
※会社PC(ドメイン参加)やEDR導入環境では、勝手に変更せず情シス/管理者の手順を優先してください。(作業前に復元ポイント推奨です。)
- Windowsキー + R →
dcomcnfg - 「コンポーネント サービス」→「コンピューター」→「マイ コンピューター」
- 「DCOM の構成」を開く
- 該当アプリを右クリック →「プロパティ」
- 「セキュリティ」タブ →「起動とアクティブ化のアクセス許可」→「編集」
- 必要な主体だけ(ログに出ているユーザー/サービス)に「ローカル起動」等を許可
⚠️ 不明なまま Everyone など広いグループに許可するのは避けてください。
(セキュリティリスク&別の不具合の原因になります)
変更後は再起動し、イベントの再発と実害が止まったか確認します。
8. 仕上げ:Windows側の修復(起動できる場合)
Secure Bootやブート構成を直しても不安定なら、OS側の破損を修復します。
管理者でターミナル(またはコマンドプロンプト)を開き、順番に実行します。
sfc /scannow
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
よくある症状と対処のまとめ(早見表)
| 症状 | 主な原因 | まずやること |
|---|---|---|
| セキュアブートが無効 / サポートされていない | UEFI設定/MBR/レガシー起動 | msinfo32確認 → MBR/GPT確認 → UEFI設定確認 |
| セキュアブート変数を更新できない | キー不整合/更新・ドライバ衝突/起動方式のズレ | 更新・ドライバ整理 → 必要なら既定キー再適用/MBR→GPT検討 |
| クラッシュ・再起動ループ・起動不能 | BCD破損/ドライバ/更新失敗 | WinRE → スタートアップ修復 → bcdboot等 |
| DCOMログが大量 | 権限メッセージ(実害なしのことも多い) | まず放置可。実害がある時だけ最小限で対応 |
Secure Boot/ブート構成/DCOMのメッセージが重なると、どうしても「全部直さなきゃ」と焦りがちですが、安全に進めるコツはとてもシンプルで、起動に直結する順番(Secure Boot・起動方式・BCD・ドライバ)を先に固めることです。
DCOMは「ログが出るだけ」のケースも多いので、実害がある時だけ最小限で触る——この方針で進めてみてください。

