パソコンを起動しようとしたとき、「セキュアブートがサポートされていません」と表示されて驚いたことはありませんか?

このエラーは、BIOS/UEFIの設定や構成に何らかの不一致があるときに出ることがあり、特にWindows 11を使っている方や、PCのパーツを変更した後によく報告されています。
この記事では、初心者の方でも安心して読めるように、エラーの原因や対処法をわかりやすく丁寧に解説します。
セキュアブートとは?なぜ重要?
セキュアブート(Secure Boot)とは、Windowsの起動時にマルウェアなどの不正なプログラムが読み込まれないように制御するセキュリティ機能です。
Windows 11の動作要件にも含まれており、BIOS/UEFI上で「有効化」されている必要があります。
この機能が無効になっていたり、正しく動作していないと、システムが起動できなかったり、エラーが表示されることがあります。
まず確認するべきポイント
- 最近ハードウェア(SSD・マザーボード)を交換していないか?
- Windowsを再インストール・アップグレードした直後ではないか?
- BIOS/UEFIを初期化した覚えはないか?
このエラーは、何かしらの「構成変更」や「起動方式の不一致」があったときに起きやすいのです。
対処法① BIOS/UEFI設定でSecure Bootを確認する
- パソコンを再起動し、起動中に「F2」「Delete」「Esc」「F10」などのキーを押してBIOS/UEFI設定画面を開きます。
- 「Boot」や「Security」タブに進み、「Secure Boot」という項目を探します。
- 「Secure Boot」がDisabled(無効)になっていたらEnabled(有効)に変更します。
- グレーアウトして変更できない場合、「OS Mode Selection」や「OS Type」を「UEFI OS」「Windows UEFI Mode」などに変更してから再確認します。
- 設定を保存して再起動します(Save & Exit)。
Secure Bootの有効化には、WindowsがUEFIモードでインストールされている必要があります。レガシーBIOSモードでは使用できません。
対処法② Platform Key(PK)の読み込み
Secure Bootを有効にするには、認証に必要な「Platform Key(PK)」が登録されている必要があります。
- BIOS/UEFI内で「Key Management」「PK Management」などの項目を開きます。
- 「Install Default Keys」「Restore Factory Keys」などを選択して、初期キーを読み込みます。
これによって、「セキュアブートがサポートされていません」という表示が消える場合があります。
対処法③ CSM(Compatibility Support Module)の無効化
CSM(旧BIOSとの互換機能)が有効になっていると、Secure Bootが利用できなくなります。
- BIOS/UEFI設定画面で「CSM Support」「Legacy Support」などを探します。
- それらを「Disabled(無効)」に変更して再起動します。
⚠️注意: 古い周辺機器や古いOSを使用している場合、CSMを無効にすると動作しなくなることがあるので、ご注意ください。
対処法④ BIOS/UEFIのアップデート
PCメーカーがSecure Bootの不具合を修正したBIOS/UEFIの更新を提供していることがあります。
メーカーの公式サイトで機種ごとの最新BIOSが配布されていないか確認し、安全な手順でアップデートしましょう。
補足:Windows上から実行できるBIOS更新ツールがある場合は、そちらの利用をおすすめします。
最終手段:OSをクリーンインストールする
Secure Bootがどうしても有効にできない場合、OSのインストール形式(UEFI/Legacy)に問題があることもあります。
メディア作成ツールで起動用USBメモリを作成し、UEFIモードでWindowsをクリーンインストールすることで解決するケースもあります。
<解説ページ>Windowsを完全リセット!失敗しない「クリーンインストール」のやり方を徹底解説
▪️クリーンインストールにはUSBメモリが必要です。
原因と対処法の整理
原因 | 対処法 |
---|---|
Secure Bootが無効 | BIOSでEnabledに設定 |
Platform Keyが未登録 | Key Managementで「Install Default PK」実行 |
CSMが有効 | CSM Supportを「Disabled」にする |
OSがLegacyモードでインストールされている | UEFIでクリーンインストール |
BIOSが古い | メーカー公式サイトから更新 |
この表を参考に、まずはご自身のパソコンの状態と照らし合わせながら、一つひとつ落ち着いて確認していきましょう。多くの場合、BIOS/UEFIの設定を見直すことで解決に近づけます。
裏技:それでも直らないときの“見落としがちな落とし穴”
「Secure Bootを有効にしているはずなのに、エラーが消えない…」
そんなときは、以下のような“意外な設定”が影響しているケースもあります。
起動デバイスの優先順位がずれている
セキュアブートは、UEFI対応のデバイスから起動した場合にのみ有効になります。BIOSの「Boot Priority(起動順)」で、USBや古いHDDが優先されていると、Secure Bootのチェックがスキップされてしまうことがあります。
自作PC・古いPCではSecure Boot非対応の構成もある
特に2015年以前のマザーボードでは、そもそもSecure Bootに対応していない製品もあります。この場合、設定をいくら変更してもエラーは解消できません。
マザーボードの型番を調べ、メーカーサイトで「Secure Boot対応」と明記されているか確認しましょう。
WindowsがUEFIモードでインストールされていない
現在のWindowsが「MBR(レガシーBIOS)」形式でインストールされていると、Secure Bootの恩恵を受けられません。
「msinfo32」コマンドで「BIOSモード」が「UEFI」と表示されるかどうか確認してみてください。
BIOSモードが「UEFI」かどうか確認する方法
Secure Bootを有効にするためには、Windowsが「UEFIモード」でインストールされている必要があります。これを簡単に確認する方法が、「msinfo32」というコマンドです。
- キーボードで「Windowsキー + R」を押して、「ファイル名を指定して実行」を開きます。
- 入力欄に
msinfo32
と入力し、「OK」をクリックします。 - 「システム情報」ウィンドウが開きます。
- 右側の項目から「BIOSモード」を探し、表示が「UEFI」になっているか確認します。
BIOSモードの表示例
・ UEFI・・・セキュアブートが使える状態です。・ レガシーまたは旧BIOS・・・セキュアブートは無効になります。(再インストールが必要)
【補足】
「レガシー BIOS モード」でインストールされているWindowsは、たとえBIOS上でSecure Bootを有効にしていても、OS側では利用できません。そのため、エラーが出続ける場合は、Windowsのクリーンインストール時にUEFI形式でセットアップし直す必要があります。
重要なのは、焦らず順を追って試すことです。
セキュアブートのエラーは「パソコンが壊れている」ということではなく、構成や設定にちょっとしたズレがあるだけのケースも多く見られます。難しい操作に感じるかもしれませんが、しっかり手順を守れば初めての方でも対処できます。どうしても不安な場合は、専門のサポートやパソコン修理サービスを活用するのもひとつの方法です。
おわりに
「セキュアブートがサポートされていません」というエラーは、BIOS設定・起動モード・鍵管理など、複数の要因が関係しています。
あわてずにひとつずつ確認すれば、多くの場合は解決可能です。
もし設定変更が不安な場合は、メーカーサポートやパソコン修理サービスを利用するのもひとつの手です。
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