はじめに
2025年10月14日、Windows 10のサポートが終了する予定です。
これまでは「有料の延長保証(ESU)しかない」とされていましたが、ついに2025年6月、Microsoftから個人ユーザー向けに“条件付きで1年間の無償延長”が提供されることが発表されました。
これにより「今すぐWindows 11に移行すべきか?」「このままWindows 10を使い続けても安全か?」と迷っている方にとって、大きな判断材料となります。
本記事では、無償延長の条件や申請方法、そしてご自身のPCがWindows 11に対応しているかどうかの確認方法まで、わかりやすく丁寧に解説していきます。
【2025年最新】Windows 10の無償延長プログラムとは?
Microsoftは、Windows 10 Home / Pro をお使いの個人ユーザー向けに、以下のいずれかの条件を満たすことで、無償で2026年10月13日までセキュリティ更新を受けられる新制度を発表しました。
▪️詳細記事>【朗報】Windows 10を使い続けたい方へ|無償で1年間セキュリティ更新を延長する方法
無償ESUを受け取る条件(次のいずれか)
- Windows バックアップを有効にし、OneDriveと設定・フォルダを同期
- Microsoft Rewardsのポイントを1,000ポイント使用
この登録は2025年7月以降に、Windowsの設定画面からアクセスできる「登録ウィザード」を通じて簡単に申請できます。
※技術サポートや新機能追加は含まれず、「重要なセキュリティ更新のみ」が対象となります。
条件を満たさない場合は有償
もし上記の条件に当てはまらない場合は、1年間30ドル(約4,500円)で有償のESUを購入することも可能です。
それでもWindows 11に移行した方がよい理由
無償延長は嬉しいニュースですが、それでもWindows 11への移行を検討すべき理由もあります。
- 最新のセキュリティ機能(TPM・セキュアブートなど)が標準搭載
- 動作の軽快さやバッテリー効率の改善
- サードパーティ製ソフトの互換性が高まる
- 将来的な無償ESU終了への備え
特にTPMやセキュアブートといった機能は、サイバー攻撃の被害を未然に防ぐために導入が推奨されています。
自分のPCはWindows 11に対応している?
ここからは、ご自身のPCがWindows 11に対応しているかどうかを確認する手順をご紹介します。
主なシステム要件(2025年時点)
- CPU:Intel 第8世代以降、または AMD Ryzen 2000以降
- メモリ:4GB以上
- ストレージ:64GB以上
- TPM 2.0:対応・有効化されていること
- セキュアブート:有効
- ディスプレイ:9インチ以上・720p以上
- グラフィック:DirectX 12対応GPU
互換性をチェックする2つの方法
① Microsoft「PC正常性チェック」ツール
- Microsoft公式ページからダウンロード
- アプリを実行して「今すぐチェック」をクリック
- 結果により「Windows 11を実行できます/できません」が表示されます
② WhyNotWin11(詳細診断)
- GitHubから無料ダウンロード
- 実行すると、CPUやTPMなどを項目ごとに診断してくれます
もし「対応していない」と言われたら
1. BIOS設定を見直す
多くのPCでTPM 2.0やセキュアブートが「無効」になっているだけのことがあります。
BIOS(UEFI)を開いて、設定を「有効化」することで、Windows 11に対応するケースが少なくありません。
2. バイパスインストールという選択肢
Microsoft非推奨ですが、レジストリを変更して対応外PCにインストールする方法もあります(自己責任)。
3. 延長保証を活用しつつ、今後に備える
今回の無償ESUで1年間の猶予が得られるため、2026年10月までに移行計画を立てれば安心です。
時間をかけて、移行・買い替えを検討していきましょう。
Windows 11へ移行する場合の流れと注意点
互換性チェックの結果、お使いのPCがWindows 11に対応しているとわかった場合は、以下の手順でアップグレードできます。
- 最新のWindows Updateを適用する
- バックアップを取っておく(万が一のため)
- 「設定」>「更新とセキュリティ」>「Windows Update」からアップグレードを選択
- 手順に従ってインストールを進める
インストールにかかる時間はインターネット速度やPCの性能にもよりますが、おおよそ30〜60分程度です。
移行前にやっておくべき準備
Windows 11への移行をスムーズに行うために、次のような準備をおすすめします。
- 重要なデータのバックアップ(外付けHDDまたはOneDrive)
- Microsoftアカウントの確認・整理(複数使っている方は特に注意)
- 不要なソフトやファイルの整理(空き容量を増やすため)
また、セキュリティソフトが原因でアップグレードに失敗するケースもあるため、一時的に無効にするか、公式対応状況を事前に調べておくと安心です。
移行時によくある誤解やトラブル
実際にユーザーから寄せられる声として、次のような誤解やトラブルがあります。
- 「TPMがないから絶対に無理」→ 実際はBIOSで無効になっているだけのことも
- 「古いソフトが使えなくなる」→ 多くのソフトは互換モードで動作可能です
- 「途中で固まったまま動かない」→ 更新中に再起動が数回入るのは正常な動作です
特にBIOS設定まわりの知識がないと、誤ってアップグレード不可と判断してしまうケースが多いため、確認方法を丁寧に確認することが重要です。
「無償延長」より移行を選ぶべき人とは?
今回の無償延長は魅力的な制度ですが、次のような方は早めにWindows 11への移行をおすすめします。
- オンラインバンキングやクレジット決済をよく使う方
- 仕事や副業で日常的にPCを使う方
- セキュリティに対して不安を感じている方
- RewardsやOneDriveを利用していない方(無償延長の条件が合わない)
1年の猶予は大きな安心ですが、それを「安全な準備期間」ととらえて、なるべく早めに行動に移すことが、長い目で見て快適なPCライフにつながります。
まとめ
2025年6月に発表された新しい無償延長プログラムにより、Windows 10のままでも“1年間は安全に使える”道が開かれました。
とはいえ、これは一時的な猶予期間です。長期的に見れば、Windows 11への移行は避けて通れないテーマとなります。まずはご自身のPCが対応しているかを確認し、移行するか、1年の猶予を使うか、ご自身にとって最適な選択肢を見つけてみてください。
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