
パソコンに突然、
「ウイルスに感染しています」
「今すぐ対処してください」
「PCが危険な状態です」
このような警告が表示されると、本当に感染したのではないかと焦ってしまいますよね。
しかし、画面に警告が出たからといって、必ずしもパソコンがウイルスに感染しているとは限りません。Webサイトや広告を開いたときに表示される、偽の警告画面であることも多くあります。
表示されたボタンを押したり、案内されたソフトを入れたりする前に、まずはWindowsに標準搭載されている「Windows セキュリティ」でウイルスチェックをしてみましょう。
この記事では、無料でできるウイルスチェックの方法と、偽警告が表示された場合の安全な閉じ方を、Windows 11・10を使用している方に向けてわかりやすく解説します。
すでに警告画面が表示されている場合も、慌てて電話をかけたり、個人情報を入力したりせず、順番に確認していきましょう。
※Windows 10は2025年10月14日に通常サポートが終了しています。ウイルスチェック機能が動作していても、OSの脆弱性がすべて解消されるわけではありません。ESUを利用していない場合は、Windows 11への移行も検討してください。
変な警告が出ても、すぐにウイルス感染とは限りません
ブラウザを見ているときに突然「ウイルスに感染しています」と表示されても、その画面だけで本当に感染しているとは判断できません。
特に、次のような特徴がある場合は、Windowsからの通知ではなく、Webサイトや広告による偽警告の可能性があります。
- 「今すぐ電話してください」と電話番号が表示される
- 「閉じないでください」「数分以内に対処してください」と急かされる
- 大きな警告音や音声が流れる
- 画面いっぱいに警告が表示される
- 「今すぐ修復」「今すぐスキャン」などのボタンを何度も押させようとする
- ソフトの購入やクレジットカード情報の入力を求められる
- 遠隔操作アプリをインストールするよう案内される
こうした警告は、不安をあおって電話をかけさせたり、不要なソフトを購入させたりする「サポート詐欺」の可能性があります。
警告画面に表示された電話番号へ連絡してはいけません。また、画面内のボタンや「×」が本物の閉じるボタンとは限らないため、むやみにクリックしないようにしましょう。
Windows セキュリティの通知との見分け方
Windows セキュリティが脅威を検出した場合は、通常、Windowsの通知や「Windows セキュリティ」アプリ内に結果が表示されます。
警告が本物か迷ったときは、表示中の画面に従うのではなく、自分でスタートメニューから「Windows セキュリティ」を開いて確認してください。
- 電話番号へ連絡するよう求めない
- クレジットカード情報や代金の支払いを求めない
- 知らない遠隔操作アプリのインストールを求めない
- 検出内容は「保護の履歴」から確認できる
ブラウザ上の警告が消えても心配な場合は、次に紹介する方法でウイルスチェックを行いましょう。
無料でできるウイルスチェック方法
Windows 11・10には、「Windows セキュリティ」という保護機能が標準搭載されています。
別のウイルス対策ソフトを使っていない場合は、Microsoft Defender ウイルス対策がパソコンを保護しているため、新しいアプリを追加しなくても無料でウイルスチェックができます。
まずは短時間で確認できる「クイックスキャン」を行い、それでも不安な場合は「フルスキャン」や「Microsoft Defender オフライン スキャン」へ進みましょう。
※ウイルスバスターやノートンなど、ほかのウイルス対策ソフトが有効になっているパソコンでは、Microsoft Defenderの一部機能が表示されないことがあります。その場合は、使用中のウイルス対策ソフトからスキャンを実行してください。
① Windows セキュリティでクイックスキャンする
変な警告が表示されたときや、パソコンの動作に不安を感じたときは、最初にクイックスキャンを実行してみましょう。
クイックスキャンでは、実行中のプログラムやシステム領域など、マルウェアが見つかりやすい場所を中心に確認します。
クイックスキャンの手順
- スタートボタンをクリックします。
- 検索欄に「Windows セキュリティ」と入力して、表示されたアプリを開きます。
- 「ウイルスと脅威の防止」をクリックします。
- 「クイック スキャン」をクリックします。
スキャンが終わるまで、画面を閉じずに待ちましょう。脅威が見つかった場合は、画面に表示された内容を確認し、Windows セキュリティの案内に従って削除や隔離を行います。
過去に検出された脅威や処理結果は、「ウイルスと脅威の防止」にある「保護の履歴」から確認できます。
クイックスキャンで何も見つからなければ大丈夫?
クイックスキャンで脅威が見つからなかった場合でも、それだけで感染の可能性を完全に否定できるわけではありません。
次のような症状が続いている場合は、より広い範囲を調べる「フルスキャン」も実行してみましょう。
- 警告や広告が何度も表示される
- パソコンが急に重くなった
- 見覚えのないアプリが追加されている
- ブラウザのホームページや検索エンジンが勝手に変わった
- セキュリティ設定が勝手に無効になる
② フルスキャンでパソコン全体を確認する
クイックスキャンで問題が見つからなくても不審な症状が続く場合や、ダウンロードしたファイルに不安がある場合は、フルスキャンを実行します。
フルスキャンでは、パソコン内のファイルや実行中のプログラムなどを広く確認するため、クイックスキャンより時間がかかります。
フルスキャンの手順
- 「Windows セキュリティ」を開きます。
- 「ウイルスと脅威の防止」をクリックします。
- 「スキャンのオプション」をクリックします。
- 「フル スキャン」を選択します。
- 「今すぐスキャン」をクリックします。
保存されているファイルの数やパソコンの性能によっては、完了まで1時間以上かかることもあります。時間に余裕があるときに実行しましょう。
スキャン中もパソコンを操作できますが、動作が重くなることがあります。ノートパソコンの場合は、途中で電源が切れないよう電源アダプターを接続しておくと安心です。
③ Microsoft Defender オフライン スキャンを使う
脅威を削除しても再び検出される場合や、通常のスキャンでは問題が見つからないのに不審な症状が続く場合は、「Microsoft Defender オフライン スキャン」を試します。
オフライン スキャンは、Windowsを読み込まずに再起動した状態で実行されます。そのため、Windowsの動作中に自身を隠したり、削除を妨げたりするマルウェアを確認するときに役立ちます。
オフライン スキャンの手順
- 作業中のファイルを保存し、開いているアプリを閉じます。
- 「Windows セキュリティ」を開きます。
- 「ウイルスと脅威の防止」をクリックします。
- 「スキャンのオプション」をクリックします。
- 「Microsoft Defender オフライン スキャン」を選択します。
- 「今すぐスキャン」をクリックします。
確認画面が表示されたあと、パソコンが自動的に再起動してスキャンが始まります。作業中の内容が消えないよう、必ず保存してから実行してください。
スキャンが終わるとWindowsが再起動します。結果は「Windows セキュリティ」→「ウイルスと脅威の防止」→「保護の履歴」から確認できます。
※ほかのウイルス対策ソフトが有効な環境では、Microsoft Defender オフライン スキャンが表示されない場合があります。
ウイルスが見つからないのに症状が続く場合
ウイルスチェックで脅威が見つからなくても、警告や広告が表示されたり、パソコンの動作が重くなったりすることがあります。
その場合は、ブラウザの通知や拡張機能、スタートアップアプリなど、ウイルス以外の原因も確認してみましょう。
① ブラウザの通知を確認する
Webサイトを閉じたあとも、画面右下に「ウイルスが検出されました」「今すぐ削除してください」といった通知が出る場合は、ブラウザの通知機能が使われている可能性があります。
サイトを開いたときに表示された「通知を許可しますか?」という確認画面で「許可」を押すと、そのサイトからWindowsの通知欄へメッセージを送れるようになります。
この通知だけで、パソコンがウイルスに感染しているとは限りません。通知内の「削除」「今すぐスキャン」などは押さず、ブラウザの設定から通知の許可を削除しましょう。
Chromeで通知を停止する方法
- Chromeの右上にある「︙」をクリックします。
- 「設定」を開きます。
- 「プライバシーとセキュリティ」→「サイトの設定」と進みます。
- 「通知」を開きます。
- 通知の送信を許可しているサイトを確認し、見覚えのないサイトを削除またはブロックします。
Edgeで通知を停止する方法
- Edgeの右上にある「…」をクリックします。
- 「設定」を開きます。
- 「プライバシー、検索、サービス」を開きます。
- 「サイトのアクセス許可」または「すべてのサイト」を開きます。
- 通知を止めたいサイトを選び、「通知」を「ブロック」に変更します。
Edgeのバージョンによっては、「設定」→「Cookieとサイトのアクセス許可」→「通知」から確認できる場合もあります。
② ブラウザの拡張機能を確認する
広告が急に増えた、検索結果がいつもと違う、知らないページが勝手に開くといった場合は、ブラウザに追加されている拡張機能も確認します。
便利な拡張機能に見えても、広告を表示したり、ブラウザの設定を変更したりするものがあります。
Chromeで確認する方法
Chromeの右上にある「︙」→「拡張機能」→「拡張機能を管理」の順に開きます。
Edgeで確認する方法
Edgeの右上にある「…」→「拡張機能」→「拡張機能の管理」の順に開きます。
最近追加したものや、見覚えのない拡張機能がある場合は、まずスイッチをオフにして症状が改善するか確認します。
ただし、名前を知らないという理由だけで危険とは判断できません。必要な拡張機能かどうかわからない場合は、名前や提供元を確認してから削除しましょう。
③ スタートアップアプリを確認する
パソコンの起動が遅い、起動直後から動作が重いという場合は、ウイルスではなく、起動時に自動実行されるアプリが多すぎる可能性もあります。
スタートアップアプリの確認方法
- 「Ctrl」+「Shift」+「Esc」キーを押して、タスクマネージャーを開きます。
- 左側のメニューから「スタートアップ アプリ」をクリックします。
- 自動起動が不要なアプリを選び、「無効化」をクリックします。
「スタートアップへの負荷」が高いアプリを無効にすると、起動時の負担を減らせる場合があります。
ただし、負荷が高いことや、発行元が表示されていないことだけで、危険なアプリとは判断できません。セキュリティソフトやドライバー関連など、必要なものを誤って無効にしないよう注意してください。
偽のウイルス警告が表示された場合の閉じ方
ブラウザに偽のウイルス警告が表示された場合は、警告画面の中にあるボタンや電話番号には触れず、ブラウザを閉じます。
通常どおりブラウザを閉じる
まずは、ブラウザ右上の「×」を押して閉じます。全画面表示になっている場合は、「Esc」キーまたは「F11」キーを押すと、通常の画面に戻せることがあります。
警告ページ内に描かれた「×」は広告の一部である可能性があるため、ページの中ではなく、ブラウザ本体の右上にある「×」を使ってください。
閉じられない場合はタスクマネージャーを使う
- 「Ctrl」+「Shift」+「Esc」キーを押します。
- タスクマネージャーで、使用中のChromeまたはEdgeを選択します。
- 「タスクを終了する」をクリックします。
ブラウザを開き直したときに「ページを復元しますか?」と表示されても、偽警告が出たページは復元しないでください。
画面を閉じただけで、電話や入力、ダウンロードなどを何もしていなければ、必ずしもウイルス感染しているわけではありません。心配な場合は、Windows セキュリティでクイックスキャンを行っておきましょう。
電話や入力、ダウンロードをしてしまった場合
警告画面を閉じただけでなく、表示された案内に従って操作してしまった場合は、対応が変わります。
- ソフトをダウンロードした:ファイルを開かずに削除し、フルスキャンを実行する
- ソフトをインストールした:インターネット接続を切り、信頼できる専門窓口へ相談する
- 遠隔操作を許可した:インターネット接続を切り、遠隔操作アプリを終了する
- パスワードを入力した:安全な別の端末から、該当するサービスのパスワードを変更する
- カード情報を入力した:カード会社へ連絡し、利用停止や不正利用の確認を依頼する
- お金を支払った:金融機関や決済事業者へ連絡し、警察にも相談する
遠隔操作を許可したパソコンでは、画面上で見える操作だけでなく、情報を抜き取られている可能性もあります。そのパソコンからパスワード変更やネットバンキングの操作をするのは避けましょう。
ウイルス感染の可能性を詳しく調べた方がよい症状
ブラウザに偽警告が表示されただけなら、画面を閉じてウイルスチェックを行うことで対処できる場合があります。
ただし、次のような症状がある場合は、マルウェアや不審なソフトが入り込んでいないか、詳しく調べた方がよいでしょう。
- Windows セキュリティで脅威が検出された
- 削除したはずの脅威が何度も検出される
- Windows セキュリティやウイルス対策ソフトが開かない
- リアルタイム保護などの設定が勝手に無効になる
- 見覚えのないアプリがインストールされている
- ファイルの名前や拡張子が勝手に変わり、開けなくなった
- 身に覚えのない操作や送信が行われている
- ブラウザの設定を直しても、広告や知らないページが繰り返し表示される
特に、ファイルが突然開けなくなった、身代金を要求する画面が表示されたという場合は、ランサムウェアの可能性もあります。被害の拡大を防ぐため、Wi-FiをオフにするかLANケーブルを抜いて、パソコンをネットワークから切り離してください。
仕事で使用しているパソコンの場合は、自己判断で削除や初期化をせず、勤務先のシステム管理者へ連絡しましょう。
Windows セキュリティが開かない場合
Windows セキュリティが開かないからといって、すぐにウイルス感染と決まるわけではありません。アプリの一時的な不具合や、Windowsの更新後に発生した問題なども考えられます。
まずパソコンを再起動し、もう一度スタートメニューから「Windows セキュリティ」を開いてみましょう。
ウイルスバスターやノートンなど、ほかのウイルス対策ソフトを使用している場合は、Windows セキュリティではなく、そのソフトを直接開いてウイルスチェックを行ってください。
Windows セキュリティを修復する
ほかのウイルス対策ソフトを使用しておらず、再起動してもWindows セキュリティが開かない場合は、アプリの修復を試します。
- 「設定」を開きます。
- Windows 11では「アプリ」→「インストールされているアプリ」を開きます。Windows 10では「アプリ」→「アプリと機能」を開きます。
- 一覧から「Windows セキュリティ」を探します。
- 「詳細オプション」を開きます。
- 「修復」が表示されている場合はクリックします。
パソコンによっては、Windows セキュリティの「修復」や「詳細オプション」が表示されない場合があります。その場合は無理に操作せず、Windows Updateを確認してからパソコンを再起動してください。
セキュリティ設定が勝手に無効になる、何度試しても開かないといった症状が続く場合は、パソコンメーカーや信頼できる修理・サポート窓口へ相談しましょう。
・Microsoft公式:Windowsでアプリとプログラムを修復する
ウイルスチェックに関するよくある質問
Windows標準のウイルス対策だけで大丈夫ですか?
一般的な家庭での利用であれば、Windows セキュリティを最新の状態に保ち、Windows Updateを適用して使用することで、基本的な保護を受けられます。
ただし、どのウイルス対策ソフトを使っていても、偽サイトにカード情報を入力したり、遠隔操作を許可したりした場合の被害をすべて防げるわけではありません。警告画面の指示をすぐに信用しないことも大切です。
怪しいサイトを開いただけでウイルスに感染しますか?
警告画面を見ただけで、必ず感染するわけではありません。ボタンを押さず、ファイルのダウンロードやインストール、個人情報の入力をしていなければ、ブラウザを閉じてウイルスチェックを行いましょう。
ただし、ブラウザやWindowsが古いままだと、修正されていない脆弱性を悪用される可能性があります。Windows Updateとブラウザの更新も確認してください。
警告画面の「スキャン」ボタンを押してもよいですか?
押さないでください。Webサイト上に表示された「今すぐスキャン」「ウイルスを削除」などのボタンは、不要なソフトのダウンロードや別の詐欺ページにつながる可能性があります。
ウイルスチェックをするときは、警告画面からではなく、自分でスタートメニューから「Windows セキュリティ」を開いて実行してください。
まとめ
突然「ウイルスに感染しています」と表示されても、すぐに本当の感染だと決めつける必要はありません。
ブラウザに表示された電話番号へ連絡したり、案内されたソフトをインストールしたりせず、まずはWindows セキュリティを自分で開いてウイルスチェックを行いましょう。
| 確認方法 | 使う場面 |
|---|---|
| クイックスキャン | 最初に安全を確認したいとき |
| フルスキャン | 不審な症状が続いているとき |
| オフライン スキャン | 脅威が何度も検出されるとき |
| ブラウザの通知確認 | 画面右下に偽警告が繰り返し出るとき |
| 拡張機能の確認 | 広告や知らないページが勝手に開くとき |
警告画面を閉じただけで、電話や入力、ダウンロードなどをしていなければ、必ずしもパソコンが感染しているわけではありません。
一方で、遠隔操作を許可した、パスワードやカード情報を入力した、ファイルが突然開けなくなったといった場合は、ウイルスチェックだけでは不十分なことがあります。ネットワークから切り離し、カード会社や利用サービス、信頼できるサポート窓口へ早めに相談してください。
不安をあおる警告ほど、その場ですぐに操作せず、いったん画面を閉じて落ち着いて確認することが大切です。

