
Windows 11 への移行や端末入れ替えを前に、ユーザーの作業環境をすばやく復元したい・・
そんな現場ニーズに応えるのが Windows Backup for Organizations です。
これは従来の“丸ごとバックアップ”ではなく、設定・スタート/タスクバーの配置・Microsoft Store アプリのリストなどをクラウドに保存し、新端末や再イメージ後の初回サインイン時に自動で復元する仕組みです。2025年8月に一般提供が告知され、運用ガイドとFAQも公開されています。
これは何を解決してくれるのか
- MTTP(業務復帰時間)の短縮:端末交換やOSリフレッシュ後、ユーザーが「いつもの見た目・並び」で作業を再開できます。
- “入口だけ戻す”のではなく“環境を再現”:スタートのピン留めや既定設定を復元。アプリ本体やローカルファイルの丸ごと復旧は対象外です。
対応要件
・対象デバイス:Microsoft Entra 参加(Entra joined/Hybrid joined)の Windows デバイス。
・バックアップ:Windows 10/11 で可能。
・復元(Restore 体験):Windows 11 22H2 以降で提供・最適化。
OOBE(初回セットアップ)や初回サインイン時に自動で走ります。
※補足:Windows 10 は 2025年10月14日に最終サポート終了しました。移行計画と組み合わせることで導入効果が高まります。
バックアップされるもの/されないもの
| バックアップされるもの | 対象外(別途対策が必要) |
|---|---|
| ユーザー設定(言語・既定アプリ・テーマ等) | ローカル保存ファイル(ドキュメント/ピクチャ等) |
| スタート メニュー/タスクバーのピン・レイアウト | 非 Store のデスクトップアプリ(例:Win32アプリ、Adobe、ブラウザ拡張など) |
| Microsoft Store アプリの一覧(再取得のため) | ドライバ、周辺機器設定、OS/システム イメージ |
| 一部アクセシビリティ設定 |
結論:環境の“型”は Windows Backup、データとWin32アプリは別レイヤーで守る(OneDrive/SharePoint、外付けSSD、サードパーティ製バックアップ等)。これが実務での最適解です。
どんな場面で効く?
- Windows 10 → 11 への一括リプレース:ユーザーは新PCにサインインするだけで“いつもの配置と設定”が戻り、案内工数を削減。
- 故障・紛失時の暫定機貸与:予備機へサインインし、最低限の作業環境を即時再現。
- 学内PCの年度更新:学生・教職員アカウントで環境が自動復元し、IT担当の初期設定作業を圧縮
導入のながれ
- Intune(またはポリシー)で“組織向けバックアップ”を有効化
管理者がバックアップと復元を許可するポリシーを構成(既定は無効)。対象と範囲(設定・アプリ リスト等)を定めます。 - ユーザーは新端末でサインイン
OOBE/初回サインイン時にバックアップの検出→復元フローが自動開始。ユーザー操作は最小化されます。 - 既知の制限をドキュメント化
「ローカルファイル/非Storeアプリは対象外」であることを周知。併用バックアップの標準(OneDrive/外付け/サードパーティ)を整備します。
運用での“コツ”
- 復元完了=“全部戻る”ではないことを周知(Store以外のアプリは別手順)。
- 部門ポータルに“直リンク集”(Teams/OneDrive/各業務SaaS)を置き、復元後の初動を短縮。
- 障害時テンプレ(連絡・Q&A)を用意し、復元が終わる前でも業務を動かせる分業手順を決める。
(復元の考え方とFAQは公式ドキュメントにまとまっています)
Windows 10 サポート終了とあわせて考える
2025年10月14日で Windows 10 22H2 は最終サポートが終了しました。ESU(拡張セキュリティ更新)案内も出ていますが、基本方針は Windows 11 への移行です。組織移行では「Windows Backup で“環境”、別レイヤーで“データ/アプリ”」の二段構えが、コストと工数のバランスに優れます。
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組織のPC移行やバックアップとあわせて、業務ソフトも最新の環境に整えておくと安心です。Microsoft 365 を導入すれば、Officeアプリやクラウド連携を一元的に利用できます。
よくある質問
Q. 個人の Microsoft アカウントでも使えますか?
A. 組織機能は Entra 参加デバイスが前提です。個人MSAのみの環境は対象外。
Q. 復元は Windows 10 でも同等ですか?
A. バックアップは Win10/11 で可能ですが、復元体験は Windows 11 22H2+ を前提に最適化されています。
Q. アプリ本体を戻したい
A. Win32/非Storeアプリの再配布は、Intune/会社ポータルやソフト配布基盤でカバーします(Windows Backupは“配置情報”中心)。
まとめ
・Windows Backup for Organizations は「万能バックアップ」ではなく、“環境の即時再現”に特化したクラウド復元機能です。
・Entra 参加+Win11 22H2+での復元最適化を理解し、データ/Win32アプリは別レイヤーで守る設計が現実的です。
Windows 10のサポートはすでに終了し、多くの企業や学校ではWindows 11への移行が待ったなしの状況になっています。今後は、「どう移行するか」よりも「どう効率よく環境を引き継ぐか」が重要な視点になります。
Windows Backup for Organizationsは、まさにその課題に対応するための仕組みです。従来のように設定を一つずつ戻したり、ユーザーごとに環境を再構築する必要はありません。サインインするだけで作業環境が戻る――これは、Windows 10時代にはなかった新しい標準の移行方法です。
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