
はじめに
「Firefoxが起動しない」
「OperaやBraveが使えなくなった」
2025年6月以降、Windowsアップデート後にこのようなトラブルが急増しています。
しかも、ChromeとEdgeだけはなぜか普通に動くという、不可解な現象。
この記事では、このトラブルの原因と考えられている「Microsoft Family Safety機能」の影響について解説し、具体的な対処法を紹介します。
なぜChromeとEdgeだけ使えるの?
主な原因は「Microsoft Family Safety」
多くの報告によると、ブラウザの起動制限は「Microsoft Family Safety」という機能が影響しています。これは子供向けのアカウントで使われる保護者による制限機能で、特定のアプリやWebサイトの利用を制限できます。
この設定が有効になっていると、Microsoft Edgeのような「Microsoft製」ブラウザは除外されますが、FirefoxやBraveなどの他社製ブラウザはブロック対象となることがあります。
Microsoft Family Safetyの設定は、「子供アカウント」だけでなく、場合によっては大人のアカウントにも自動で適用されることがあるため、気づかないうちに制限がかかっているケースもあります。
対処法①:Family Safetyの設定を確認・無効化する
Windowsの設定や、MicrosoftのウェブポータルからFamily Safetyのフィルタ機能を確認し、「不適切なWebサイトのブロック」や「アプリ制限」をオフにします。
【手順例】
- https://family.microsoft.com にアクセス
- 自分または家族のアカウントを選択
- 「コンテンツフィルター」などの設定項目を確認
- アプリ制限がある場合は無効化
この設定を変えるには、保護者アカウントでのログインが必要です。
⚠️お子様のアカウント単独では変更できないため注意が必要です。
対処法②:Chromeや他ブラウザのファイル名を変更する(裏ワザ)
Family Safetyの制限は「chrome.exe」などの特定ファイル名を認識してブロックしています。そのため、ファイル名を変えることで制限を回避できる場合があります。
【例】
- chrome.exe → chrome1.exe
- firefox.exe → firefox_alt.exe
この方法は一時的な回避策であり、安全性が保証されるわけではありません。できる限り正規の方法で設定を変更する方が望ましいです。
対処法③:新しいアカウントを作成して確認する
現在のユーザーアカウントに何らかの制限がかかっている可能性もあります。新しく「管理者アカウント」を作成してログインし、ブラウザが正常に動作するか確認してみましょう。
新しいアカウントで正常に動作する場合は、現在のアカウントに問題があると判断できます。設定の引き継ぎや見直しも含めて再構成することが解決の近道になります。
その他の対策:ファイアウォールやアンチウイルスの設定確認
Windowsのセキュリティ設定や、他社製のセキュリティソフトが原因でブラウザが制限されている可能性もあります。一時的にファイアウォールやアンチウイルスソフトを無効にして試すのも一つの手です。
この方法は慎重に行う必要があります。設定を戻すことを忘れず、必ず信頼できるネットワーク環境下で実施してください。
裏情報①
「Microsoft Edge以外は許可されない」仕様は強化傾向にある
- Microsoftは近年、「Edge優先」の設計を明確に進めています。
- Family Safetyだけでなく、Windowsの一部設定でも「Edgeでしか開かない」「Edge以外は制限」される動きが見られます。
- これはセキュリティ強化の一環という名目ですが、他社製ブラウザユーザーには不便です。
*例えば、「ウィジェット」や「ニュース」から開くリンクは、Edgeでしか開かれません。
(レジストリ変更で回避可)
裏情報②
「SetUserFTA」などで既定のブラウザを強制設定できる(企業向け)
【概要】
- 企業環境では、Family Safetyではなくグループポリシーなどでブラウザ制限が入っていることがあります。
- その場合、SetUserFTA.exe というツールを使えば、ユーザーごとに既定のブラウザを強制設定できます。
▪️これは主にIT管理者向けですが、一般ユーザーでも環境次第で使えます。ただし公式非サポートのため、導入にはリスクを伴います。
裏情報③
Chromeクラッシュの根本対策は「クラッシュレポート機能の無効化」
- いくつかの家庭用PCでは、ChromeがFamily Safety下で即クラッシュする現象が報告されています。
- 一部では「クラッシュレポート(User Experience Metric)」の影響とされ、これを無効化すると回避できるケースがあります。
【手順】
- Chrome起動ショートカットを右クリック
- 「プロパティ」→「リンク先」に –disable-breakpad を追加
【手順の補足】
「リンク先に –disable-breakpad を追加」とは、Chromeのショートカットを右クリックして「プロパティ」を開くと、「リンク先」という欄に Chrome の実行ファイルのパス(例:“C:\Program Files\Google\Chrome\Application\chrome.exe”)が表示されます。この末尾に、半角スペースを空けて –disable-breakpad と書き加えることで、Chromeのクラッシュレポート機能を無効化する設定になります。操作後は「OK」で保存し、ショートカットからChromeを起動してください。
Windowsの今後のアップデートで改善される可能性も
この問題に関して、Microsoft側も一部のメディアを通じて事象を認識しており、将来的なアップデートでFamily Safetyの動作や互換性の見直しが行われる可能性があります。実際に、2025年6月中旬にはChromeの開発元であるGoogle側も、Microsoftとの間で一部のフィルタリング設定が影響している点を認め、再発防止に向けて調整を進めているとの報告がありました。
ただし、それまでの間はユーザー側での設定見直しや、制限の回避策を講じる必要があります。特に複数のユーザーが利用する家庭用PCや、子供の学習用デバイスなどでは、意図しない制限がかかることもあるため、保護者や管理者が状況を把握し、適切にコントロールしていくことが大切です。
まとめ
今回のブラウザ使用制限問題は、主に「Microsoft Family Safety」が関係しています。以下に対処法をまとめます。
原因・状況 | 推奨される対策 |
---|---|
Family Safetyによる制限 | Web設定でフィルター解除/ファイル名変更 |
子供アカウント制限が原因 | 保護者アカウントで許可または別アカウント作成 |
他ソフトとの競合・設定問題 | セーフモード・セキュリティソフト確認・ファイアウォール無効化 |
突然使えなくなったお気に入りのブラウザに、戸惑っている方も多いかと思います。しかし原因さえわかれば、意外とシンプルな設定変更で解決するケースも少なくありません。もしご自身だけで解決が難しい場合は、この記事を参考に周囲の方と協力して設定を見直してみてください。
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