WindowsパソコンでCドライブの「プロパティ > セキュリティ」を操作してしまい、突然ソフトが起動しなくなった、ファイルが開けなくなった…。そんなトラブルが今、急増しているようで質問を受けました。
そこで今日は、Cドライブのアクセス権限を間違って変更してしまった場合の復元手順をわかりやすく解説します。もし、あなたが「よくわからないアカウントの羅列を消してしまった」「フルコントロールを付けたけど大丈夫?」と不安になっているなら、ぜひ読み進めてください。
なぜアクセス権をいじると危険なのか?
Cドライブは、Windowsのシステムやアプリが動作する最重要領域です。アクセス権限(セキュリティ設定)には、重要なアカウントがいくつも含まれており、それぞれ役割があります。
たとえば
- TrustedInstaller:Windows Updateやシステムファイルを守る特権ユーザー
- SYSTEM:OS内部の重要なプロセスが使うアカウント
- Administrators:管理者権限ユーザー
- Users:通常ユーザー
これらを削除・編集してしまうと、Windowsの動作そのものが破壊されてしまう可能性があります。
よくあるトラブルの症状
アクセス権限を変更してしまった後に、次のような症状が現れる場合があります。
- アプリやソフトが「アクセスが拒否されました」と表示して起動できない
- Windows Updateが失敗する
- ファイルエクスプローラーが開かない、または遅くなる
- コマンドプロンプトなどが「アクセス不可」となる
これは大事なアカウントにアクセス許可がなくなった状態で起きる現象です。
アクセス権を手動で復元する方法
ステップ①:セーフモードで起動
まず、セーフモードで起動します。通常のモードでは操作すらできないことがあります。
Shiftキーを押しながら「再起動」→ トラブルシューティング → 詳細オプション → スタートアップ設定 → 再起動 → [4]キーでセーフモード
ステップ②:権限を再設定
セーフモードで、Cドライブのプロパティ → 「セキュリティ」タブ → 「編集」→「追加」から、以下のユーザーを再登録します。
アカウント名 | 権限 |
---|---|
SYSTEM | フルコントロール |
Administrators | フルコントロール |
Users | 読み取りと実行 |
TrustedInstaller | 読み取りと実行(またはそのまま) |
※NT SERVICE\TrustedInstaller
の追加には手順が少し特殊です。後述のコマンドで対応可能です。
コマンドで一括修復する方法(上級者向け)
管理者としてコマンドプロンプトを開き、以下のコマンドを実行します。
takeown /F C:\ /R /D Y icacls C:\ /grant administrators:F /T icacls C:\ /grant system:F /T icacls C:\ /grant users:R /T icacls C:\ /setowner "NT SERVICE\TrustedInstaller" /T
この手順で、基本的な権限構成を復元できます。ただし、完全な復旧には限界がある場合もあるため、失敗時は次の方法へ進んでください。

どうしても直らない時の最終手段!
- 復元ポイントを使う: システムの復元で、変更前の状態に戻す
- 修復インストール: Windowsの上書きインストール(データはそのまま)
- 初期化: 最終手段として、Windowsの初期化を検討
>最終手段を取る場合は、事前に大切なデータのバックアップを必ず行ってください。特に「初期化」や「修復インストール」は、設定やインストール済みのアプリに影響が出る可能性があります。
>また、PCメーカー製の機種では独自のリカバリツールが搭載されていることもあるため、公式サイトやマニュアルも一度確認しておくと安心です。
「ここまで試したけれど手に負えない」と感じた場合は、無理をせず、専門のサポート窓口や信頼できる修理店に相談するのもひとつの選択肢です。
よくある質問
ここまでの手順で多くのケースは改善されると思いますが、それでも「TrustedInstallerの追加方法がよくわからない」「このまま使っていて大丈夫なのか不安」といった声も多く寄せられています。
そこで、読者の方から実際によくいただく質問を、Q&A形式でまとめました。該当するものがあれば、ぜひ参考にしてください。
Q1. TrustedInstallerを元に戻す方法は?
手動追加が難しいため、icaclsコマンドで復元するのが確実です。
Q2. 権限が原因でアプリが動きません。どうしたら?
該当フォルダ単位で再設定するか、上記コマンドで一括修復を行ってください。
Q3. 何もできないレベルでおかしい場合は?
セーフモードで復元ポイントを適用するか、回復ディスクを使って修復を行いましょう。
まとめ・アクセス権限の変更は慎重に!
Cドライブの「プロパティ > セキュリティ」画面は、基本的には触らないのが安全です。もし変更する場合は、復元ポイントを作っておく、変更内容を記録しておくなど、万が一に備えましょう。
今回ご紹介した手順を使えば、多くのケースで復元可能ですが、それでも直らない場合は専門サポートの利用もご検討ください。
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