
はじめに
Windowsで「0x80040154」というエラーが表示され、「Class not registered(クラスが登録されていません)」というメッセージに困っていませんか?
このエラーは、一見シンプルなようでいて、COMコンポーネントの異常・破損・未登録などが絡む深刻な問題です。Windows Update、SFC、DISMが動かないときや、アプリが起動しないときにも発生します。
この記事では、0x80040154の原因と、初心者でもできる対処法、そしてあまり知られていない裏技まで詳しく紹介します。
0x80040154エラーとは?
エラーコード「0x80040154」は「クラスが登録されていません(Class not registered)」という意味で、Windowsが内部的に必要とするCOMコンポーネントが正しく登録されていない状態です。
【発生する主な場面】
- Windows Updateの初期化時
- sfc /scannow や DISM が実行できない
- 特定のアプリやタスクが起動できない
【なぜこれが起こる?】
破損したDLLファイル、レジストリの不整合、またはアップデート後の設定ミスが原因です。
対処①:Windows Updateコンポーネントをリセット
以下のコマンドを「管理者として実行したコマンドプロンプト」に順に入力します。
net stop cryptSvc
net stop bits
net stop msiserver
ren C:\Windows\SoftwareDistribution SoftwareDistribution.old
ren C:\Windows\System32\catroot2 catroot2.old
net start wuauserv
net start cryptSvc
net start bits
net start msiserver
Windows Update関連のキャッシュや構成ファイルに破損があると、エラーが発生します。これらを一度退避・再生成させることで、正常な状態に戻す効果があります。
対処②:COMコンポーネントの再登録(regsvr32)
管理者コマンドプロンプトで、以下のようにDLLを再登録します。
regsvr32 wuapi.dll
regsvr32 wuaueng.dll
regsvr32 wups.dll
regsvr32 wups2.dll
regsvr32 wuwebv.dll
これらはWindows UpdateやAPI呼び出しに使われるCOMクラスです。未登録や破損していると、初期化時にエラー0x80040154が発生します。
対処③:SFCとDISMでシステムファイルを修復
管理者コマンドプロンプトで以下を実行します。
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
破損したシステムファイルやレジストリの不整合があると、DLLやCOMの呼び出しに失敗する場合があります。これらのコマンドで、修復と再構築が行えます。
対処④:Windowsの修復インストール(インプレースアップグレード)
Microsoft公式のWindows 10/11インストールメディアを使って「このPCを今すぐアップグレード」を実行します(個人データは保持)。
通常の方法では復旧できないほど深刻なCOM構成の問題も、OS上書きによって再構成できます。最も根本的な修復手段です。
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なぜ「クラスが登録されていません」が頻発するのか?
最近のWindows 10・11では、内部的に多くの機能が「COM(コンポーネント・オブジェクト・モデル)」という仕組みで動作しています。例えば、Windows Update、ストアアプリの起動、セキュリティセンター、システム設定の読み込みなども、裏ではCOMコンポーネントを通じて動いています。
そのため、Windowsのアップデートやレジストリの変更、サードパーティ製ソフトのアンインストール・削除などで、COM登録情報に破損があると、見た目には関係なさそうな場所でも「0x80040154」が出ることがあります。これが、このエラーが特定の操作に限られず広範囲で起きる理由です。
複数の原因が重なっているケースもあるため、ひとつの方法で改善しなくても諦めずに他の方法も試してみてください。根気強い対応が、このトラブル解決のカギです。
裏技①:Windows Update Reset スクリプトを使う
ネット上で配布されている「Windows Update Reset Tool(バッチファイル)」を使うと、上記のコマンドを一括で実行可能。
【⚠️注意点】このパッチファイルは、信頼できるサイトから入手してください。
複雑な操作を自動化できるので、初心者にもミスなく実行できます。
裏技②:レジストリ設定の初期化
場合によっては、以下のレジストリキーを削除または初期化することで解消するケースもあります。
※必ずバックアップを取ってから編集してください
Windows Update設定の破損や誤設定によって、コンポーネントの呼び出しが失敗していることがあります。
最後の手段:クリーンインストール
上記すべてを試しても改善しない場合、バックアップを取ったうえでWindowsを初期化するのが最も確実な方法です。
よくある質問(FAQ)
Q:更新プログラムだけで0x80040154になることはありますか?
はい。更新途中にCOM構成が壊れた場合などに発生することがあります。
Q:エラーが出たまま放置しても大丈夫?
更新やアプリの起動ができなくなるため、セキュリティ上のリスクがあります。放置はおすすめしません。
また、最初は「コンポーネントのリセット(対処①)」→「COM再登録(対処②)」を順に試すのがおすすめです。
まとめ:0x80040154は慎重な対処がカギ
「0x80040154」は単なる一時的なエラーではなく、Windows内部のCOM構成やシステムファイルに関わる深刻な不具合です。そのため、表面的な再起動や更新の再試行では改善しないことも多く、この記事で紹介したような段階的かつ丁寧な修復手順が重要です。
また、レジストリやCOM再登録といった操作は慎重に行う必要がありますが、それでも改善しない場合は、インプレースアップグレードやクリーンインストールといった強力な方法に切り替えることも検討してください。
焦らず、順を追って対応していけば、きっとエラーは解決できます。どうしても解決しない場合は、別のエラーコードの可能性もあるため、状況をメモしておくこともおすすめです。
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