
はじめに
Windowsでエラーコード「0x80040154」が表示され、「Class not registered(クラスが登録されていません)」というメッセージにお困りではありませんか?
このエラーは、一見シンプルなようでいて、COMコンポーネントの異常・破損・未登録などが絡む深刻な不具合です。Windows Update、SFC、DISMが動かないときや、アプリが起動しないときにも発生します。※2025年9月現在も、Windows 10/11 環境で「0x80040154(Class not registered)」の発生報告は継続しています。以下の手順は再現性が高い順に並べています。
この記事では、0x80040154の原因と、初心者でもできる対処法、そしてあまり知られていない裏技まで詳しく紹介します。
0x80040154エラーとは?
エラーコード「0x80040154」は「クラスが登録されていません(Class not registered)」という意味で、Windowsが内部的に必要とするCOMコンポーネントが正しく登録されていない状態です。
【発生する主な場面】
- Windows Updateの初期化時
- sfc /scannow や DISM が実行できない
- 特定のアプリやタスクが起動できない
【なぜこれが起こる?】
破損したDLLファイル、レジストリの不整合、またはアップデート後の設定ミスが原因です。
対処①:Windows Updateコンポーネントをリセット
以下のコマンドを管理者権限で起動したコマンドプロンプトに、順番に入力してください。
net stop cryptSvc
net stop bits
net stop msiserver
ren C:\Windows\SoftwareDistribution SoftwareDistribution.old
ren C:\Windows\System32\catroot2 catroot2.old
net start wuauserv
net start cryptSvc
net start bits
net start msiserver
Windows Update関連のキャッシュや構成ファイルに破損があると、エラーが発生します。これらを一度退避・再生成させることで、正常な状態に戻す効果があります。
対処②:COMコンポーネントの再登録(regsvr32)
管理者コマンドプロンプトで、64bit OS の場合は System32
(64bit)と SysWOW64
(32bit)双方で登録します。/s はサイレント実行です。
Windows Update 初期化や API 呼び出しに関連する主要 COM クラスを再登録します。実行後は再起動してください。
対処③:DISM → SFC の順でシステムを修復
コンポーネントストアを先に修復してからシステムファイル検査を行うと成功率が上がります。管理者コマンドプロンプトで次の順に実行します。
DISMでコンポーネントストア(更新の土台)を直したあと、SFCで壊れたシステムファイルを修復します。
対処④:Windowsの修復インストール(インプレースアップグレード)
Microsoft公式のWindows 10/11インストールメディアを使って「このPCを今すぐアップグレード」を実行します(個人データは保持)。
通常の方法では復旧できないほど深刻なCOM構成の問題も、OS上書きによって再構成できます。最も根本的な修復手段です。
✔️【公式裏ワザ】再インストール不要の“インプレースアップグレード”のやり方はこちら
対処:アプリ側で出る「Class not registered」への追加策
- WebView2 ランタイムを再配備:Edge や設定アプリ、各種デスクトップアプリは WebView2 に依存します。最新版の再インストールで改善する例が多いです。
- ストアアプリの再登録(管理者 PowerShell):
Get-AppxPackage -AllUsers | Foreach { Add-AppxPackage -DisableDevelopmentMode -Register "$($_.InstallLocation)\AppXManifest.xml" }
- 既定のアプリ/ファイル関連付けを初期化:設定 > アプリ > 既定のアプリから「既定にリセット」。関連 DLL 呼び出しの整合性が取れる場合があります。
※実施前に復元ポイントを作成しておくと安全です。
なぜ「クラスが登録されていません」が頻発するのか?
最近のWindows 10・11では、内部的に多くの機能が「COM(コンポーネント・オブジェクト・モデル)」という仕組みで動作しています。例えば、Windows Update、ストアアプリの起動、セキュリティセンター、システム設定の読み込みなども、裏ではCOMコンポーネントを通じて動いています。
そのため、Windowsのアップデートやレジストリの変更、サードパーティ製ソフトのアンインストール・削除などで、COM登録情報に破損があると、見た目には関係なさそうな場所でも「0x80040154」が出ることがあります。これが、このエラーが特定の操作に限られず広範囲で起きる理由です。
複数の原因が重なっているケースもあるため、ひとつの方法で改善しなくても諦めずに他の方法も試してみてください。根気強い対応が、このトラブル解決のカギです。
裏技①:Windows Update Reset スクリプトを使う
ネット上で配布されている「Windows Update Reset Tool(バッチファイル)」を利用すれば、上記のコマンド群を一括実行できます。
【⚠️注意点】このパッチファイルは、信頼できるサイトから入手してください。
複雑な操作を自動化できるので、初心者にもミスなく実行できます。
裏技②:レジストリ設定の初期化
場合によっては、以下のレジストリキーを削除または初期化することで解消するケースもあります。
※レジストリ編集やUEFI設定の変更はリスクを伴います。必ずバックアップや復元ポイントを作成し、変更内容を記録してから実施してください。
最後の手段:クリーンインストール
上記すべてを試しても改善しない場合、バックアップを取ったうえでWindowsを初期化するのが最も確実な方法です。
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インストールUSBの作成・バックアップに必須です。迷ったらこの2つから。
よくある質問(FAQ)
Q:更新プログラムだけで0x80040154になることはありますか?
はい。更新途中にCOM構成が壊れた場合などに発生することがあります。
Q:エラーが出たまま放置しても大丈夫?
更新やアプリの起動ができなくなるため、セキュリティ上のリスクがあります。放置はおすすめしません。
また、最初は「コンポーネントのリセット(対処①)」→「COM再登録(対処②)」を順に試すのがおすすめです。
再発防止のミニチェックリスト
- 月1回のWindows Update後にDISM→SFCで軽く点検
- メーカー提供の最新ドライバー/BIOS適用を習慣化
- 不要な常駐・チューナー系ソフトは整理(COM競合を減らす)
- WebView2・.NET 3.5/4.x を最新状態に保つ
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エラー「0x80040154」は、場合によっては修復インストールやクリーンインストールが必要になることもあります。
大切なデータを失わないよう、外付けSSDやUSBメモリにバックアップしておくと安心です。
まとめ:0x80040154は慎重な対処がカギ
「0x80040154」エラーは、一時的な不具合ではなく、Windows内部のCOM構成やシステムファイルに関連する深刻な問題です。そのため、表面的な再起動や更新の再試行では改善しないことも多く、この記事で紹介したような段階的かつ丁寧な修復手順が重要です。
また、レジストリやCOM再登録といった操作は慎重に行う必要がありますが、それでも改善しない場合は、インプレースアップグレードやクリーンインストールといった強力な方法に切り替えることも検討してください。
焦らず、順を追って対応していけば、きっとエラーは解決できます。どうしても解決しない場合は、別のエラーコードの可能性もあるため、状況をメモしておくこともおすすめです。
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