【Windowsエラー0xc0000098】システムが起動しない原因と対策|2025年6月最新版

突然、Windowsパソコンが「起動しない」「自動修復もできない」という深刻な状況に陥ることがあります。今回ご紹介するエラーコード「0xc0000098」は、システムの重要なブート情報が読み込めなくなったときに発生します。原因は様々ですが、適切な対処をすれば復旧できる可能性は高いです。この記事では、初心者の方にもわかりやすく、順を追って対処法を解説します。

A girl looking frustrated due to a PC error.

そもそもエラー 0xc0000098 とは?

このエラーは、Windowsのブートマネージャー(Boot Manager)が起動情報を正しく読み込めなかったときに表示されます。

具体的には「BCD(ブート構成データ)」の破損・消失・不整合が主な原因です。

画面には以下のようなメッセージが表示されることがあります。

  • 重要なシステムドライバが見つからない
  • オペレーティングシステムを読み込めませんでした
  • ファイル: \windows\system32\drivers\wdf01000.sys
  • ステータス: 0xc0000098

主な原因

原因内容
BCDの破損ブート構成データが破損・消失している
新しいハードウェア追加ドライバの不整合が発生
システムファイル破損突然の電源断、強制終了など
Windowsアップデート失敗更新途中のエラー

このように、エラー0xc0000098は多くの場合、ブート構成やシステムファイルの破損が原因です。特にBCDの破損は比較的よく起こるトラブルであり、適切な修復手順を行えば復旧できるケースが多いので、順番に対処していきましょう。

対処法

対処① スタートアップ修復を試す

  1. Windowsインストールメディア(USB/DVD)を用意してPCを起動
  2. 「コンピューターを修復する」を選択
  3. 「トラブルシューティング」→「スタートアップ修復」を実行

* 軽度なBCDの破損なら、これで修復できる場合があります。

対処② BCDを手動で修復する(コマンド利用)

もしスタートアップ修復で直らない場合、コマンド操作が必要です:

  1. 同じくインストールメディアから「コマンドプロンプト」を管理者として開く
  2. 以下のコマンドを順に入力
bootrec /fixmbr
bootrec /fixboot
bootrec /scanos
bootrec /rebuildbcd

特に最後の /rebuildbcd で、破損したBCDを再構成します。

対処③ システムファイルの整合性を確認する

コマンドプロンプトを管理者として開き

sfc /scannow

を入力して実行し、続けて

chkdsk C: /f /r

を入力し、実行しておくとより安全です。

*システムファイルやディスクの不良セクターも確認できます。

対処④ メモリやストレージの物理不良確認

  • メモリ診断(Windowsメモリ診断ツール)
  • ストレージ診断(メーカー提供の診断ツールなど)

👉 「wdf01000.sys」などのドライバファイル名が出る場合、ハードウェア障害の影響も考えます。

対処⑤ 最終手段:Windowsのクリーンインストール

どうしても復旧できない場合は、OSの再インストールも選択肢になります。

※可能な限り、データのバックアップを行ってから進めてください。

補足:事前の準備に役立つもの

ツール用途
WindowsインストールUSB修復の基本ツール
外付けストレージバックアップ用途
別PCダウンロードや情報確認用

これらのツールを事前に用意しておくことで、トラブル発生時に落ち着いて対応ができます。特にインストールUSBは、万一のブートエラー時の強力な修復手段になるので、日頃から準備しておくと安心です。

誰でもわかる専門用語の解説

用語解説①【ブート構成データ(BCD)とは?】

Windowsは、電源を入れるとまず「ブートマネージャー(Boot Manager)」が起動し、そこからOS本体を読み込みます。このとき、どのOSを起動するか、起動に必要なファイルはどこにあるかといった情報を管理しているのが「ブート構成データ(BCD)」です。BCDは「隠し領域」に保存されており、通常の操作では触れることはありません。

ところが、以下のような場面でBCDが破損してしまうことがあります。

  • 突然の電源断(停電、強制終了など)
  • アップデート中のエラー
  • ハードディスクやSSDの不良セクター
  • ドライバの不整合や削除ミス
  • 一部のウイルス・マルウェア感染

BCDが壊れると、Windowsはどのファイルを読み込めば良いのか分からなくなり、結果として「起動できない」「0xc0000098」といったエラーが表示されます。

自動修復が失敗する理由

Windowsは起動に失敗すると「自動修復」を試みます。しかし、BCD自体が破損していると、そもそも自動修復を動かす情報すら読み込めなくなることがあります。こうなると、インストールメディアを使った外部からの修復作業が必要になります。

用語解説②【wdf01000.sys とは何か?】

wdf01000.sys は「Windows Driver Framework(WDF)」の一部で、ドライバが正常に動作するための仕組みを提供しています。WDFは、各種ハードウェアがWindowsと正しく連携するために必要な共通ライブラリです。

通常は消えたり壊れたりしないファイルですが、以下のようなときに不具合が生じます:

  • 誤ってドライバを削除した
  • 破損したドライバをインストールしてしまった
  • ストレージ障害で読み込めなくなった
  • マルウェアがシステムファイルを攻撃した

wdf01000.sys という特定のファイル名が出ている場合、そのドライバ周辺の障害を疑うことも重要です。

ブートエラーを予防するための工夫

・日頃からシャットダウンは正しく行う

・突然の電源断を避ける(UPSの導入も有効)

・定期的にWindows Updateを適用して安定版を維持

・SSDやHDDの健康状態を定期的に診断する

・定期的にシステムイメージのバックアップを取る

ブートエラーは誰にでも突然起こりえます。しかし、これらの習慣を持つことで、被害を最小限に抑えたり、復旧が容易になります。

まとめ

エラーコード「0xc0000098」は、Windowsのブート構成データ(BCD)が破損したり不整合が生じたときによく発生する深刻なトラブルです。突然パソコンが起動しなくなるため、非常に焦ってしまうかもしれません。しかし、今回ご紹介したように、スタートアップ修復やコマンドプロンプトを使ったBCDの修復、システムファイルの整合性チェックを順番に実行していけば、多くの場合は復旧が可能です。

特に、ブートエラーは「物理的なハードウェアの故障」と思いがちですが、実はソフトウェア的な設定不良が原因であることが多く、正しい手順を踏めば十分に直せる可能性があります。どうしても解決できない場合でも、インストールメディアを利用したクリーンインストールという選択肢も残っています。日頃からバックアップを取っておく習慣を持っておくことも、こうしたトラブルに備えるうえで非常に有効です。

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