【Windowsエラー0xc0000098】システムが起動しない原因と対策|2025年9月最新版

Windowsエラー0xc0000098を表示したブルー背景のアイキャッチ

突然、Windowsパソコンが「起動しない」「自動修復もできない」という深刻な状況に陥ることがあります。その代表的な症状のひとつが、エラーコード「0xc0000098」です。これは、システムの起動に必要な情報が読み込めなくなったときに表示されるエラーで、原因を正しく把握し手順を踏めば、復旧できる可能性が高いトラブルです。この記事では、初心者の方でも理解できるよう、わかりやすく順を追って対処法を解説します。

A girl looking frustrated due to a PC error.

エラー 0xc0000098 とは?

このエラーは、Windowsのブートマネージャー(Boot Manager)が「BCD(ブート構成データ)」を正しく読み込めなかったときに発生します。

表示される典型的なメッセージ例

・重要なシステムドライバが見つからない

・オペレーティングシステムを読み込めませんでした

・ファイル: \windows\system32\drivers\wdf01000.sys

・ステータス: 0xc0000098

主な原因

原因内容
BCDの破損ブート構成データが破損・消失している
新しいハードウェア追加ドライバの不整合が発生
システムファイル破損電源断・強制終了などで破損
Windows Update失敗更新途中のエラー

👉 特に「BCD破損」はよくある原因で、適切な修復手順を踏めば直せることが多いです。

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対処法

対処① スタートアップ修復を試す

①Windowsインストールメディア(USB/DVD)から起動

②「コンピューターを修復する」を選択

③「トラブルシューティング」→「スタートアップ修復」を実行

💡 軽度なBCDの破損なら、これだけで復旧するケースがあります。

インストールメディア作成には、信頼できるUSBメモリが必須です。
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対処② BCDを手動修復(bootrecコマンド)

スタートアップ修復で直らない場合は、以下のコマンドを実行してBCDを再構築します。

bootrec /fixmbr
bootrec /fixboot
bootrec /scanos
bootrec /rebuildbcd

⚠️ 「アクセスが拒否されました」と出る場合は
bootsect /nt60 sys を試してください(一部環境では無効な場合あり)。

対処③ システムファイルとディスクの修復

管理者コマンドプロンプトから次を実行:

sfc /scannow
chkdsk C: /f /r

・sfc はシステムファイルの整合性を修復
・chkdsk はディスクの不良セクタをチェック

👉 これでも直らない場合は、DISMでシステムイメージを修復します。

DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth

対処④ ハードウェアの不具合確認

・「Windowsメモリ診断ツール」でメモリをチェック
・メーカー提供のSSD/HDD診断ツールでストレージを確認

【参照】メーカー公式サイトのリンク

SeaTools(Seagate)→ Seagate社が公式に配布しているHDD/SSD診断ツールのページです。
Crucial System Scanner→ Micron/Crucial社の公式ページで、メモリやSSDの状態を診断できるツールです。

対処⑤ クリーンインストール(最終手段)

すべて試しても起動できない場合は、Windowsの再インストールを検討してください。
必ずデータのバックアップを取ってから実施しましょう。

補足:事前に用意しておくと安心なもの

ツール用途
WindowsインストールUSB修復・再インストール用
外付けSSD/HDDデータ退避・バックアップ
別のPC情報検索・修復メディア作成用

専門用語のやさしい解説

BCD(ブート構成データ)

Windowsが「どのOSを起動するか・必要ファイルはどこか」を記録している情報。破損すると起動できなくなる。

wdf01000.sys

Windows Driver Frameworkの一部。ドライバを正しく動かす仕組み。破損や削除でエラーに直結する。

予防策

・シャットダウンを正しく行う

・停電対策にUPSを導入

・Windows Updateを定期的に適用

・ストレージの健康状態を診断

・定期的にシステムイメージをバックアップ

・BIOS/UEFIを適切に更新

特にノートPCや小型PCでは、バッテリー劣化や電源アダプターの接触不良が原因で突然の電源断が発生しやすくなります。こうした物理的な要因もブートエラーのきっかけになるため、普段から電源環境の見直しやUPSの導入を検討すると安心です。また、バックアップは「内蔵ドライブだけ」ではなく、外付けHDDやクラウドも組み合わせることで、障害時の復旧スピードが大きく変わります。

【2025年9月時点の追加情報】

一部PCメーカー(富士通・GIGABYTE・ThundeRobot・Mouseなど)で、最新Update後に互換性不具合から0xc0000098が頻発する事例が報告されています。
この場合は、

・メーカーサポートに確認

・BIOS/UEFIのアップデート有無を確認

・Microsoftの追加パッチを待つ

を優先しましょう。無理な修復や再インストールは控えてください。

💡補足解説

エラー0xc0000098に遭遇すると「すぐ直さなきゃ」と焦りがちですが、実は最初に確認すべきは「データの安全確保」です。復旧作業を繰り返すうちに状態が悪化したり、誤操作でデータを失うリスクもあります。そのため、まずは外付けストレージや別PCでデータの救出を試み、次に修復へと進むのが安心です。さらに、メーカー製PCでは独自のリカバリー領域が存在することも多く、これを消してしまうと工場出荷状態に戻すことが難しくなるため注意が必要です。復旧作業では「原因の切り分け」と「データ保全」を優先し、無理な操作を避けることが成功率を高めるポイントになります。

よくある質問(FAQ)

Q. 起動しないけど、データだけ取り出せますか?

A. ストレージ自体が無事なら、別PCに接続するかLinuxブートUSBでアクセス可能です。


Q. BCD修復コマンドを打っても「OSが見つかりません」と表示されます。

A. これはブート領域が正しく認識されていない可能性があります。ディスク構成が変わっていたり、MBRとGPTの不整合がある場合に発生します。別PCでディスクの状態を確認するか、Windowsインストールメディアの「diskpart」コマンドでパーティション構成を確認してから修復を試してください。


Q. セーフモードでも起動できません。どうすれば?

A. セーフモードも起動できない場合は、OSのブートに必要な情報が完全に壊れている可能性が高いです。この場合はインストールメディアから修復コマンドを実行するか、データを優先する場合は外付けケースでストレージを別PCに接続してファイルを救出しましょう。復旧より先に「データ保全」を意識するのがポイントです。

まとめ

エラー「0xc0000098」は、BCD破損やシステムファイル不具合で発生する起動トラブルです。
スタートアップ修復 → bootrecコマンド → sfc/chkdsk/DISM → ハード診断 → クリーンインストールの順に進めれば、多くは復旧できます。

日頃からバックアップとインストールUSBを準備しておくことが、最も効果的な予防策です

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