2025年9月最新版【Windowsエラー1053】サービスが起動しない原因と対処法

Windows Update中に表示されたエラー1053の警告ウインドウ。『サービスは起動しなかったまたは制御のリクエストにタイムリーに応答しませんでした』と表示されている。

Windowsアップデートの後や、ソフトウェアをインストールした後に、

「エラー 1053: サービスは開始または制御要求にタイムリーに応答しませんでした」といった表示が、突然現れて戸惑った経験はありませんか?

一見専門的なエラーメッセージですが、原因は意外と身近なところにあることも多いです。

そこで今日は、原因と対策をくわしく解説していきます。

エラー1053とは?

Windowsで何らかのサービス(バックグラウンドで動く重要なプログラム)が起動しようとしたときに、一定時間内に正しく起動できなかった場合に発生するエラーです。

主な原因

以下に、主な原因と詳細を表にしてみました。

原因の分類詳細
Windows Update後の不整合更新によってサービス関連ファイルや依存関係が壊れた
.NET Frameworkの不具合サービスの多くが.NETを使用しており、バージョン不整合で起動に失敗
セキュリティソフトの干渉ウイルス対策ソフトがサービスの起動をブロック
ドライバーの異常特にサーバー系サービスで依存しているドライバーが正常に起動しない
起動タイムアウトの値が短すぎるレジストリの設定により、起動が間に合わず失敗する
サービス本体の破損実行ファイル自体が破損しているケース

表の通り、エラー1053の原因はさまざまですが、特に多いのは

「Windows Update直後」

「セキュリティソフトの干渉」

「.NET Framework関連」

「依存サービスの起動遅延」

などです。原因が複雑に絡み合うことも多いため、順番に一つずつ確認していくことが重要になります。

対処法

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対策① パソコンを再起動する

まず基本ですが、Windows Update後は一度完全に再起動を行います。

✔️一時的な読み込み失敗で発生している場合は、これだけで解消することがあります。

対策② セーフモードで確認する

通常の起動ではエラー1053が頻発して原因が特定できない場合、セーフモードでの起動が効果的です。セーフモードでは最低限のドライバとサービスのみを読み込むため、不要なアプリや常駐ソフトの影響を切り離して動作確認ができます。

【セーフモードの起動手順】

  1. 電源ボタンを入れた直後に、強制終了を2〜3回繰り返すと「自動修復の準備」画面が表示されます。
  2. そこから「詳細オプション」→「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」を選択。
  3. 再起動後に出るメニューで「セーフモード」または「セーフモードとネットワーク」を選びます。

※ Windowsがまだ起動できる場合は、「設定 → 更新とセキュリティ → 回復 → 今すぐ再起動」から同じ手順で進めます。

【診断のポイント】

セーフモードでは出ない場合 → 常駐アプリやセキュリティソフト、ドライバとの競合が原因の可能性が高いです。

セーフモードでも同じくエラー1053が出る場合 → サービス自体の破損や.NET Frameworkの不具合が疑われます。

対策③ .NET Frameworkの確認

サービスが.NET Frameworkに依存している場合

  • Windowsの「アプリと機能」から.NETを再インストール
  • 必要に応じて最新版を手動ダウンロードしてインストール

を試してください。

*インストールされている.NETのバージョンを確認したい場合は、以下のフォルダを開いてください。

C:\Windows\Microsoft.NET\Framework

ここに表示される「v4.0.30319」などが、インストール済みのバージョンになります。

もし.NETが不足している・破損している場合は、Microsoft公式サイトから最新版をダウンロードして再インストールしてください。

セキュリティソフトが.NET Frameworkやサービスの起動を妨げるケースもあります。
安心して使える総合セキュリティソフトを導入することで、干渉を回避しながら安全な動作環境を確保しましょう。

対策④ セキュリティソフトを一時停止してみる

セキュリティソフトが「保護のための遅延」動作を行い、起動が間に合わなくなるケースもあります。一時的に無効化して確認してください。

対策⑤ サービス起動タイムアウト値を変更する(上級者向け)

既定では30秒以内に起動できないと1053が発生します

これを少し延長することで回避できるケースもあります。

【手順】

  1. レジストリエディタを起動します。
  2. HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control
    の下にある “ServicesPipeTimeout” を探します。なければ新規作成します(DWORD 32bit)。
  3. 値を「60000(ミリ秒。=60秒)」に設定して再起動します。

※ レジストリを変更する前には、念のためバックアップを取っておくことをおすすめします。レジストリエディタで「ファイル」→「エクスポート」を選び、現在の状態を保存しておきましょう。

頻繁にシステムエラーが起きる場合は、ソフマップのBTOパソコンなどへの乗り換えもおすすめです。最新ハードなら安定性も抜群。

対策⑥ サービス本体の修復

該当サービスが特定のアプリに属している場合は、アプリの「修復」や「再インストール」を行うことで解消する場合があります。「アプリと機能」から操作できます。

もし複数のサービスが同時に起動失敗しているなら?

複数のサービスが一斉に1053を出している場合は、

  • Windows Update自体の不整合
  • Windowsコンポーネントストアの破損(DISM修復で回復可能)

も疑われます。

以下のコマンドで修復できます。

手順① コマンドプロンプトを管理者で開く

① スタートボタンを右クリックします。

②「ターミナル(管理者)」 または 「コマンドプロンプト(管理者)」 を選びます。
※「管理者」で開くことが重要です。

手順② 以下のコマンドを順番に実行する

① まず以下のコマンドを入力してEnterを押します。

以下のコマンドは、Windowsのシステムファイルの破損や不整合を修復するための標準ツールです。特にUpdate後の不具合に有効です。

DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth

② 処理が終わるまでしばらく待ちます(数分かかる場合があります)。

③ 続いて以下のコマンドを実行します。

sfc /scannow

④ システムファイルの整合性をチェックし、自動修復が行われます。

手順③ 終了後に再起動する

すべての処理が完了したら、念のためパソコンを再起動します。

「なぜサービスは起動に失敗するのか?」のしくみ解説

エラー1053は「サービスの起動タイムアウト」が本質的な原因ですが、そうなってしまう仕組みを解説します。

サービスの起動とは?

Windowsには、多くの「サービス」と呼ばれる裏方プログラムがあります。たとえば、

  • Windows Update
  • プリンタスプーラ
  • Bluetooth サポートサービス
  • Windows Defender など

これらはPC起動時や必要に応じて自動で起動しますが、必ず「一定時間内に正常に起動すること」が求められます。

もし、ドライバーの読み込みが遅れたり、サービス間の依存関係がこじれたり、ウイルス対策ソフトが邪魔したりすると、サービスの準備が完了するまでに時間がかかり「間に合わなかった」と判定されます。

その際に出るのが「1053: タイムリーに応答しなかった」というエラーなのです。

サービス依存関係の落とし穴

複数のサービスは「他のサービスが先に起動している必要がある」という依存関係を持つことがあります。

【例】

  • プリンタスプーラ → Remote Procedure Call (RPC) サービスに依存
  • Windows Update → Windows Installer や BITS サービスに依存

もし「親サービス」が遅延・失敗すれば、子サービスも連鎖的に1053エラーになります。

そのため、1053が出たときは「該当サービスの依存関係も確認する」とスムーズに解決するヒントになることがあります。

企業・サーバーでよく出るケース

エラー1053は一般の家庭用PCよりも、以下の環境でよく報告されています。

  • Active Directory 環境(ドメイン参加PC)
  • SQL Server などの重いバックエンドサービス
  • サードパーティ製バックアップツール
  • VPN接続時のサービス起動失敗

こうした環境では、ネットワークの起動遅延やドライバーのロード待ちなどが引き金となることもあります。

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“エラー1053”の原因切り分け&再発防止に

サービス起動エラーは、干渉のない安全な環境データ保護、そして基礎知識の習得で大きく減らせます。用途別におすすめをまとめました。

① セキュリティソフト(干渉の少ない安定運用に)

セキュリティソフトの挙動が起動遅延を招くケースがあります。
動作が軽く干渉の少ない製品に切り替えるのも有効です。

▶ 総合セキュリティソフトをチェック

② 外付けSSD / HDD(バックアップ・復旧用)

サービス障害が長引く前に、まずはデータ保全を。
バックアップがあれば、修復・再インストールも安心して進められます。

▶ ソフマップ:外付けSSD/HDDを探す

※回復ドライブ用のUSBメモリ(8GB以上)も併せて用意しておくと安心です。

③ Windowsトラブル解説本(仕組みを理解して再発予防)

仕組みを理解できると、原因切り分けが速くなります。
エラー対応の“判断軸”づくりにどうぞ。

▶ Windowsトラブル解説本を見る

※リンクはプロモーションを含みます。バックアップは「外付け+クラウド」の二重化がおすすめです。

まとめ

エラー1053は「深刻そうに見えて、意外と簡単に直るケースも多いエラー」です。

多くの場合、サービス依存の.NETの問題、セキュリティソフト干渉、ドライバー不整合が原因となります。焦らず順番に確認していけば解決できることがほとんどです。

もし何度試しても直らない場合は、ハードウェア障害や深刻なシステム破損の可能性もあるため、専門のサポートに相談することも検討してみてください。特にWindows Update後の不具合でお困りの方は、本記事の手順を一つずつ試してみてください。

そして一時的なエラーに終わらず再発を防ぐために、更新管理とバックアップを日常化しましょう

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