
Windowsアップデートの後や、ソフトウェアをインストールした後に、
突然「エラー 1053: サービスは開始または制御要求にタイムリーに応答しませんでした」
と表示されて困ってしまった経験はありませんか?
一見専門的なエラーメッセージですが、原因は意外と身近なところにあることも多いです。
そこで今日は、原因と対策をくわしく解説していきます。
エラー1053とは?
Windowsで何らかのサービス(バックグラウンドで動く重要なプログラム)が起動しようとしたときに、一定時間内に正しく起動できなかった場合に発生するエラーです。
主な原因
以下に、主な原因と詳細を表にしてみました。
原因の分類 | 詳細 |
---|---|
Windows Update後の不整合 | 更新によってサービス関連ファイルや依存関係が壊れた |
.NET Frameworkの不具合 | サービスの多くが.NETを使用しており、バージョン不整合で起動に失敗 |
セキュリティソフトの干渉 | ウイルス対策ソフトがサービスの起動をブロック |
ドライバーの異常 | 特にサーバー系サービスで依存しているドライバーが正常に起動しない |
起動タイムアウトの値が短すぎる | レジストリのタイムアウト値不足 |
サービス本体の破損 | 実行ファイル自体が破損しているケース |
表の通り、エラー1053の原因はさまざまですが、特に多いのは
「Windows Update直後」
「セキュリティソフトの干渉」
「.NET Framework関連」
「依存サービスの起動遅延」
などです。原因が複雑に絡み合うことも多いため、順番に一つずつ確認していくことが重要になります。
対処法
対策① パソコンを再起動する
まず基本ですが、Windows Update後は一度完全に再起動を行います。
✔️一時的な読み込み失敗で発生している場合は、これだけで解消することがあります。
対策② セーフモードで確認する
セーフモードで起動しても同様に1053が出る場合は、サービス自体の破損が疑われます。出ない場合は、他のアプリやドライバとの競合が原因の可能性が高くなります。
対策③ .NET Frameworkの確認
サービスが.NET Frameworkに依存している場合
- Windowsの「アプリと機能」から.NETを再インストール
- 必要に応じて最新版を手動ダウンロードしてインストール
を試してください。
対策④ セキュリティソフトを一時停止してみる
セキュリティソフトが「保護のための遅延」動作を行い、起動が間に合わなくなるケースもあります。一時的に無効化して確認してください。
対策⑤ サービス起動タイムアウト値を変更する(上級者向け)
既定では30秒以内に起動できないと1053が発生します。
これを少し延長することで回避できるケースもあります。
【手順】
- レジストリエディタを起動します。
- HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control
の下にある “ServicesPipeTimeout” を探します。なければ新規作成します(DWORD 32bit)。 - 値を「60000(ミリ秒。=60秒)」に設定して再起動します。
※レジストリ操作は慎重に行ってください。
対策⑥ サービス本体の修復
該当のサービスがアプリケーション由来の場合は、そのアプリ自体の再インストール・修復インストールも検討します。
もし複数のサービスが同時に起動失敗しているなら?
複数のサービスが一斉に1053を出している場合は、
- Windows Update自体の不整合
- Windowsコンポーネントストアの破損(DISM修復で回復可能)
も疑われます。
以下のコマンドで修復できます。
手順① コマンドプロンプトを管理者で開く
- スタートボタンを右クリックします。
- 「ターミナル(管理者)」 または 「コマンドプロンプト(管理者)」 を選びます。
※「管理者」で開くことが重要です。
手順② 以下のコマンドを順番に実行する
- まず以下のコマンドを入力してEnterを押します。
- 処理が終わるまでしばらく待ちます(数分かかる場合があります)。
- 続いて以下のコマンドを実行します。
- システムファイルの整合性をチェックし、自動修復が行われます。
手順③ 終了後に再起動する
すべての処理が完了したら、念のためパソコンを再起動します。
「なぜサービスは起動に失敗するのか?」のしくみ解説
エラー1053は「サービスの起動タイムアウト」が本質的な原因ですが、そうなってしまう仕組みを解説します。
サービスの起動とは?
Windowsには、多くの「サービス」と呼ばれる裏方プログラムがあります。たとえば、
- Windows Update
- プリンタスプーラ
- Bluetooth サポートサービス
- Windows Defender など
これらはPC起動時や必要に応じて自動で起動しますが、必ず「一定時間内に正常に起動すること」が求められます。
もし、ドライバーの読み込みが遅れたり、サービス間の依存関係がこじれたり、ウイルス対策ソフトが邪魔したりすると、サービスの準備が完了するまでに時間がかかり「間に合わなかった」と判定されます。
その際に出るのが「1053: タイムリーに応答しなかった」というエラーなのです。
サービス依存関係の落とし穴
複数のサービスは「他のサービスが先に起動している必要がある」という依存関係を持つことがあります。
【例】
- プリンタスプーラ → Remote Procedure Call (RPC) サービスに依存
- Windows Update → Windows Installer や BITS サービスに依存
もし「親サービス」が遅延・失敗すれば、子サービスも連鎖的に1053エラーになります。
そのため、1053が出たときは「該当サービスの依存関係も確認する」とスムーズに解決するヒントになることがあります。
企業・サーバーでよく出るケース
エラー1053は一般の家庭用PCよりも、以下の環境でよく報告されています。
- Active Directory 環境(ドメイン参加PC)
- SQL Server などの重いバックエンドサービス
- サードパーティ製バックアップツール
- VPN接続時のサービス起動失敗
こうした環境では、ネットワークの起動遅延やドライバーのロード待ちなどが引き金となることもあります。
まとめ
エラー1053は「深刻そうに見えて、意外と簡単に直るケースも多いエラー」です。
多くの場合、サービス依存の.NETの問題、セキュリティソフト干渉、ドライバー不整合が原因となります。焦らず順番に確認していけば解決できることがほとんどです。
もし何度試しても直らない場合は、ハードウェア障害や深刻なシステム破損の可能性もあるため、専門のサポートに相談することも検討してみてください。この記事が少しでもお役に立てば幸いです。
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