「あれ、急に画面が固まった…」
「作業中にエラーが出てデータが消えちゃった!」
Windowsを使っていると、予期せぬトラブルに見舞われることがありますよね。そんな時、慌てずに自分でできる対処法を知っておけば、被害を最小限に抑え、スムーズに復旧できる可能性が高まります。
このページでは、エラーコードがよくわからないときでも、初心者の方が順番に試せる「基本の手順」と、日頃からできる予防策をまとめました。困ったときの「チェックリスト」としても使っていただけます。
エラー対処の前に必ず確認したい3つのこと
いきなり難しい操作をする前に、まずは次の3つを確認しておきましょう。ここで原因に心当たりがあれば、深刻なトラブルを防げることも多いです。
① 直前の操作を思い出す
特定のソフトをインストールしたり、ドライバー更新・設定変更を行った直後にエラーが出た場合、その操作が原因になっている可能性が高いです。
・最近入れたアプリ
・周辺機器(プリンタ・外付けHDDなど)
・レジストリ編集や設定の変更
などを思い出してみましょう。
② 再起動を試す
一時的な不具合であれば、パソコンを再起動するだけで解消することも少なくありません。
・保存できるデータは保存してからシャットダウン or 再起動
・可能であれば、周辺機器(USB機器など)を一度外して再起動
を試してみてください。
③ バックアップを意識する
すでにトラブルが起きている場合でも、これ以上の被害を増やさないために、今後は定期的なバックアップを必ず習慣化しておきましょう。
・外付けHDDやSSD
・クラウドストレージ(OneDrive、Google Driveなど)
を使って、重要なデータだけでもコピーしておくと安心です。
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✔ もしものときに備えて、重要なデータだけでもUSBメモリにコピーしておくと安心です。
「とりあえずここに入れておく用」の1本があると、トラブル時の心の余裕が全然違います。
ステップ1:まずは標準ツールでエラーチェック
再起動しても改善しない場合は、Windowsに標準搭載されているツールを使って、ディスクやシステムのエラーをチェックしてみましょう。
ディスクのエラーチェック(chkdsk)

ディスク上のエラーは、突然のフリーズやファイル破損の原因になります。以下の手順でチェックしてみましょう。
① スタートメニューを右クリックし、「ターミナル (管理者)」または「Windows PowerShell (管理者)」を選択します。
② 表示された画面に次のコマンドを入力し、Enterキーを押します。
chkdsk /f /r C:
▶ C: は通常、Windowsがインストールされているドライブです。必要に応じてドライブレターを変更してください。
▶ /f はエラーを自動的に修復するオプションです。
▶ /r は不良セクタを特定し、読み取り可能な情報を回復するオプションです(時間がかかる場合があります)。
③「次回のシステム再起動時に、ボリュームのチェックを実行しますか? (Y/N)」と表示されたら、「Y」と入力してEnterキーを押します。
④ パソコンを再起動すると、ディスクのエラーチェックが自動的に実行されます。完了までしばらく待ちましょう。(ノートPCの場合は、ACアダプタを接続しておくと安心です)
システムファイルチェッカー(sfc /scannow)
Windowsのシステムファイルが破損していると、謎のエラーが繰り返し発生する原因になります。以下の手順で修復を試みましょう。
① スタートメニューを右クリックし、「ターミナル (管理者)」または「Windows PowerShell (管理者)」を選択します。
② 次のコマンドを入力し、Enterキーを押します。
sfc /scannow
▶ システムファイルのスキャンと修復が自動的に開始されます。完了までしばらく待ちましょう。
DISM(Deployment Image Servicing and Management)でWindowsイメージを修復
sfcで修復できなかった場合、Windows本体のイメージが破損している可能性があります。DISMツールを使って、より根本的な修復を行います。
① スタートメニューを右クリックし、「ターミナル (管理者)」または「Windows PowerShell (管理者)」を選択します。
② 以下のコマンドを順番に入力し、それぞれEnterキーを押します。
DISM /Online /Cleanup-Image /CheckHealth (コンポーネントストアに破損があるか確認)
DISM /Online /Cleanup-Image /ScanHealth (破損をスキャン)
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth (破損を修復)
▶ 修復には時間がかかる場合があります。PCを使わない時間帯に実行するのがおすすめです。
ステップ2:パソコンが重い・フリーズするときのチェックポイント
エラー表示は出ていなくても、「重い」「固まる」「頻繁に落ちる」といった症状が続く場合も、内部で何かしらのトラブルが起きているサインです。次のポイントを確認してみましょう。
① 起動しているプログラムの確認
不要なプログラムが多数起動していると、動作が重くなります。
・Ctrl + Shift + Escキーでタスクマネージャーを開く
・「プロセス」タブで、今動いているアプリやバックグラウンドプロセスを確認
・心当たりのないアプリや不要なものは選択して「タスクの終了」をクリック
② ハードディスク(SSD)の空き容量
ディスクの空き容量が少ないと、Windowsが一時ファイルを置けず、極端な動作不良につながります。
・エクスプローラーで「PC」を開き、Cドライブの空き容量を確認
・不要なファイル(ダウンロードフォルダの古いファイル・不要な動画など)を削除
・大きなデータは外付けHDDやクラウドに移動して、空き容量を確保しましょう。
③ CPUやメモリの使用率
常にCPU使用率やメモリ使用率が高い状態だと、操作がカクカクしたりフリーズの原因になります。
・タスクマネージャーの「パフォーマンス」タブでCPU・メモリの使用状況を確認
・「プロセス」タブで、特定のアプリが常に高い数値を示していないかチェック
・異常に重いアプリがあれば、設定を見直すか、必要に応じてアンインストールを検討しましょう。
ステップ3:原因を詳しく調べる(イベントビューアー)
基本的なチェックでは原因が分からない場合、Windowsの「イベントビューアー」でより詳しいエラーメッセージを確認できます。
① スタートメニューで「イベントビューアー」と検索し、起動します。
② 左側のメニューから「Windowsログ」を展開し、「システム」または「アプリケーション」を選択します。
③ エラーが発生した日時を目安に、「エラー」や「警告」のアイコンが付いたログを探し、ダブルクリックして詳細を確認します。
ログには、エラーの原因となっている可能性のあるプログラム名やサービス名が表示されることがあります。英語のメッセージが多いですが、エラーコードやモジュール名をコピーして検索することで、詳しい情報にたどり着けます。
ステップ4:初期化の前に試したい復旧方法
「もう初期化しかないかも…」と思ったときも、いきなりPCを真っさらにするのは危険です。その前に、次の2つを試してみましょう。
システムの復元
システムの復元は、Windowsやアプリの状態だけを過去の日付に戻す機能です。個人データ(ドキュメントや写真など)は基本的にそのまま残ります。
① スタートメニューで「復元ポイントの作成」と検索して起動
② 「システムの保護」タブで「システムの復元」ボタンをクリック
③ エラーが出る前の日付の復元ポイントを選び、画面の指示に従います。
セーフモードで起動して原因を切り分ける
セーフモードは、必要最低限のドライバーとサービスだけでWindowsを起動するモードです。セーフモードでは問題が出ない場合、通常起動時に読み込まれるアプリやドライバーが原因の可能性が高くなります。
エラーの予防!日頃からできるメンテナンス術
エラーが起きてから対処するよりも、日頃から「エラーを起こしにくい環境」を作っておくことが何より大切です。次のポイントを意識しておくと、トラブルの発生率を大きく下げられます。
Windows Updateの習慣をつける
Windows Updateには、セキュリティ強化だけでなく、既知のエラーを修正するプログラムも含まれています。
・週に1度は「設定」→「Windows Update」を確認
・「更新プログラムのチェック」をクリックして最新の状態に保つ
ことを習慣にしましょう。
不要なアプリや一時ファイルの整理
使わないアプリや溜まり続ける一時ファイルは、ディスクを圧迫するだけでなく、動作不良の原因になることもあります。
・使っていないアプリはアンインストール
・「設定」→「システム」→「記憶域」から「ストレージセンサー」を活用
・一時ファイルや古いWindows Updateの残骸を定期的に削除
信頼できるセキュリティソフトの導入と定期スキャン
マルウェア感染は、予期せぬエラーメッセージや動作不良の大きな原因になります。
・Windows標準の「Microsoft Defender」を有効にする
・必要に応じて、信頼できるセキュリティソフトを併用
・週に1回〜月に1回はフルスキャンを実行
デバイスドライバーを最新の状態に保つ
グラフィックボードやネットワークアダプターなどのドライバーが古いと、互換性の問題やエラーの原因になります。
・「デバイスマネージャー」で「!」マークが付いていないか確認
・グラフィックドライバーなどは、メーカー(Intel・AMD・NVIDIAなど)の公式サイトで最新バージョンをチェック
まとめ:困ったときは「簡単なことから順番に」
Windowsでエラーやフリーズが発生したときは、いきなり難しいことをせず、「再起動 → 標準ツールでのチェック → 不要アプリの整理 → 詳細ログの確認」という順番で進めることが大切です。
焦って操作を増やすほど状況が悪化することもあるので、この記事を見ながら、一つずつ落ち着いてチェックしてみてください。
そして、日頃からのバックアップやメンテナンス習慣を身につけることで、「エラーが起きても怖くない」状態にしておきましょう。
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