
Windows 11 を使っていてイベントビューアーを確認したところ、
「Config Read Failed: More data is available」
という赤いエラーが毎回表示され、不安になった方はいませんか?
本記事では、このエラーの正体と実害の有無、そして必要な対処法について、初心者でも安心できるように丁寧に解説します。
ファイアウォールは、パソコンと外部ネットワーク(インターネット)の間に立ち、通信を監視・制御する「防御壁」です。
不正アクセスやマルウェアによる攻撃からPCを守るための基本的なセキュリティ機能で、Windowsには「Windows Defender Firewall」が標準搭載されています。
エラーの概要
イベントビューアーは、Windowsの内部ログを確認できるツールです。
赤いエラーが表示されると「システムが壊れてしまったのでは?」と心配になりますよね。
最近よく報告されているのが、「Microsoft-Windows-Windows Firewall with Advanced Security」 に記録される以下のエラーメッセージです。
Config Read Failed: More data is available
- 主に Windows 11 バージョン24H2以降 で見られる
- 再起動のたびに複数回出ることもある
- 見た目は深刻そうだが、実害は報告されていない
なぜ起こるのか?(原因)
Microsoftの説明によれば、このエラーは 「ファイアウォール機能に影響しない軽微な不具合」 です。
技術的な背景(少し専門的な補足)
- Firewallは起動時に「ルール」「ポリシー」などの設定情報を読み込みます
- 一部の環境では、空の値や不完全な応答が返る
- それを「追加データが必要」と誤解釈してエラーログに残してしまう
- 実際には処理は完了しており、セキュリティ機能は通常通り動作する
つまり「壊れた」わけではなく、「空欄を拾っただけなのにエラー扱いしてしまう」ログ仕様の問題なのです。
実害はあるのか?
結論:ありません。
- 通信の許可・遮断ルールは正常に動作しています
- 実際のセキュリティには影響なし
- Microsoftも「ログ上の表示だけ」と説明
注意:本当に危険なFirewallエラーとの違い
- 危険:Firewallサービスが停止した/ルールファイル破損で起動できない
- 今回のケース:サービス稼働中で、通信制御も正常 → 問題なし
ユーザーができる対処法
1. 基本は放置でOK
このエラーは 機能に影響がないため無視しても大丈夫 です。
ただし、毎回ログに出て気になる場合は以下を試しましょう。
2. 最新の更新を適用する
- Windows Update で累積更新プログラムを適用
- Microsoftは今後の更新で修正予定としています
3. Defender定義ファイルを更新
「Windows セキュリティ」→「ウイルスと脅威の防止」から定義ファイルを最新にすると改善する場合があります。
4. Firewallルールをリセット(PowerShell)
netsh advfirewall reset
を実行して、ルールを初期化 → 再設定することで改善するケースもあります。
エラーの背景とMicrosoftの対応姿勢
今回の 「Config Read Failed: More data is available」 エラーは、見た目は不安をあおるのに、Microsoftは「影響なし」として冷静に扱っています。
この対応にはいくつか裏事情があると考えられます。
1. ログ出力の“お作法”に起因する可能性
Windowsは内部処理をイベントビューアーに細かく記録しますが、必ずしも「ユーザーに見せる前提」で設計されているわけではありません。
そのため「開発者向けにデバッグ用として残しているログ」が、正式版でもそのまま残ってしまうことがあります。
今回のケースも、本来は“情報ログ”で済む内容が“エラーログ”扱いになってしまい、結果として赤い警告が出るようになったと推測されます。
2. 影響が軽微=修正優先度が低い
Microsoftが修正を後回しにしているのは、実害がないからです。
Windows Updateの失敗やセキュリティホールにつながるバグと違い、この不具合は「ログが汚れる」だけ。
セキュリティチームの優先順位としては低く、次の累積更新や機能更新のタイミングでまとめて修正される可能性が高いです。
他のFirewall関連トラブルとの比較
実は、Windows Defender Firewallには過去にも細かな不具合が報告されています。
- ルールが勝手に追加される問題
一部の環境で、更新後に自動で「不明なアプリ許可ルール」が増えることがありました。これはセキュリティパッチ適用の副作用で、後に修正済み。 - 特定アプリとの競合
VPNクライアントやセキュリティソフトが独自のフィルタドライバを追加することで、Firewallと競合 → 通信遮断や予期せぬブロックが発生することがあります。 - イベントビューアーの誤解釈
他にも「失敗」と表示されても実際には正常に動作しているケースがあり、特にセキュリティ関連ログは“厳しめの基準”で出ることが多いのです。
これらと比べても、今回の「Config Read Failed」は最も軽微な部類だと言えるでしょう。
セキュリティ観点からの考え方
今回のエラーに限らず、セキュリティ系のログをどう扱うかは大切な視点です。
- 不安だからと機能を無効にするのは危険
「エラーが出るからFirewallを切ってしまおう」は本末転倒です。むしろ有効にしておくことが重要。 - 複数のセキュリティ層で守るのがベスト
Windows Defender Firewallは標準で強力ですが、追加でVPNやセキュリティソフトを導入すると、侵入や情報漏えいのリスクをさらに下げられます。 - 管理者・IT担当者の姿勢
ログのすべてを「エラー=危険」と扱うのではなく、「本当に影響するもの」と「無視してよいもの」を見分けることが重要です。
今後の展望:修正はいつ?
Insider Previewのフォーラムを見ると、すでにこの問題は「既知の不具合」として扱われています。
つまり、Microsoft内部では原因を把握済みで、修正コードも準備中と考えられます。
- 短期的には:累積更新プログラムのリリースノートに「軽微なログエラー修正」として載る可能性がある
- 中期的には:Windows 11 24H2 の正式リリース安定版にて解消される可能性が高い
- 長期的には:Windows 12(仮)世代ではログ出力の精度がさらに見直される見込みです。
企業や管理者向け補足
大量のPCを管理している場合、このエラーがすべての端末で出ると監視システムに「異常多数」として誤検知されることがあります。
一時的な対応
- Intune/Defender for Endpoint で「情報レベルのログ」として扱い、通知を抑制
- ルールポリシーが問題なく反映されているかだけ確認し、修正を待つ
裏ネタ:なぜMicrosoftは“軽微”とするのか?
開発者ブログやInsider向けの議論を見ると、このエラーは Insider Preview段階から既知のバグ でした。
本番環境に波及してしまったものの、セキュリティ上のリスクがないため「修正優先度は高くない」とされているようです。
つまり、「見た目が気になるだけ」の典型的な軽微バグ。
今後の累積更新プログラムで徐々に修正される見込みです。
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- 大容量USBメモリ(回復ドライブやセキュリティツール作成用に)
※Firewallや更新トラブルに備えて、バックアップ媒体は必ず暗号化して活用しましょう。
まとめ
- 「Config Read Failed: More data is available」エラーは無害
- Firewall自体は正常に動作しており、セキュリティに影響なし
- 気になる場合は「最新更新適用」「ルールリセット」で軽減可能
- 企業環境では監視ツールの誤検知に注意
見た目は不安になりますが、実際には 心配しなくてよいログエラー です。
もしどうしても気になる場合は、最新アップデートを適用して様子を見るのがおすすめのようです。
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