パソコンの音だけを録音したいけれど、「OBSの操作はちょっと難しそう…」「録画は要らないから音だけでいい」という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、OBS Studioを使わずに、Windowsで“内部音声だけ”を録音する簡単な方法を紹介します。
無料ツールを使った方法も含め、初心者でもできるように丁寧にご説明します。
OBS Studioとは?
OBS Studio(Open Broadcaster Software)は、無料で使える録画・配信ソフトです。画面録画、内部音声・マイク音のミックス、Webカメラの映像合成など、配信者や動画制作者にとって欠かせない多機能ツールとして知られています。
Windowsにも対応しており、内部音声だけを録音することも可能ですが、初期設定が少し複雑で、使いこなすには慣れが必要です。また、画面録画やライブ配信機能が中心のため、「音声だけ録りたい」というシンプルな目的には少々オーバースペックかもしれません。
そこでこの記事では、OBS Studioを使わずに、内部音声だけを簡単に録音する方法をご紹介します。シンプルな構成で、初心者の方でも気軽に試せる内容です。
「内部音声だけを録音する」とは?
ここでいう「内部音声」とは、次のようなPC内で再生される音を指します。
- YouTubeやZoomなどの音声
- ゲーム音
- Windowsのシステム音やアプリの通知音
自分の声(マイク音)や周囲の雑音を入れず、PCの音だけをクリアに録音したい場合に便利です。
方法①:Audacityの「WASAPIループバック」を使う(超おすすめ)
💡 Audacityとは?
- 完全無料の音声編集ソフト(録音機能付き)
- 軽量で初心者にも使いやすい
- 高音質で録音できる
【手順】
- 公式サイトからAudacityをダウンロードし、インストールします。
- Audacityを起動します。
- 上部の「音声ホスト」を「Windows WASAPI」に変更します。
- 次に、録音デバイスを「スピーカー(ループバック)」に設定します。
- 例:「Speakers (Realtek Audio) (loopback)」など
- 赤い録音ボタンをクリックすると、PC内の音だけを録音できます。
【 ポイント】
- 自分の声や環境音は一切入らず、内部音だけを高音質で記録可能です。
- 録音後は、カット編集や音量調整もAudacity内で可能です。
方法②:仮想オーディオデバイス「VB-Audio Cable」を使う
これは何?
「VB-Audio Cable」は、PC内部音声を仮想的なマイク信号として扱う無料ツールです。
【手順(やや中級者向け)】
- VB-Audio公式サイトからダウンロード
- インストーラーを実行 → 再起動
- 「再生デバイス(出力)」を「VB-Audio Cable」に変更
- 録音ソフト(ボイスレコーダーやAudacityなど)の「入力」にVB-Audioを選ぶ
- 録音開始!
⚠️【 注意点】
- この方法では録音中、音が聞こえなくなることがあります。
→「VoiceMeeter」などの仮想ミキサーを併用すれば、回避可能です。
方法③:Windows標準「ボイスレコーダー」+仮想デバイスの組み合わせ
最小構成で行うなら、Windows標準の「ボイスレコーダー」を使って録音することもできます。
ただし、この方法ではマイク音も拾ってしまうので、「VB-Audio Cable」などの仮想デバイスと組み合わせる必要があります。
▶︎ボイスレコーダーを起動 → 録音デバイスを「VB-Audio」に変更 → 内部音のみ録音
知っておくと得する!内部音録音のちょっと裏情報
裏情報・ちょっと高度なワザ&注意点
裏技1:WASAPI録音は「無音状態」も録音対象になる
- AudacityのWASAPIループバック録音では、再生されていない「無音」もそのまま記録されます。
- 編集時には、「無音部分をカットする」ことでファイルサイズを軽くし、聴きやすくできます。
- Audacity →「効果」→「無音部分を切り取り」機能などが便利
裏技2:「WAV形式」で録ると音質劣化ゼロ
- MP3は便利ですが、非可逆圧縮のため微細な音が削られます。
- 音質にこだわる場合はWAV形式で録音 → 必要に応じてMP3へ変換するのがベスト。
裏技3:仮想オーディオはループ配信にも応用できる
- VB-Audio Cableなどは、ZoomやTeamsなどの会議アプリに内部音声を「マイクとして」送ることも可能です。
- 例:BGMや効果音を共有しながら会議、ゲーム実況など
- 音声ループバック+VoiceMeeterを使えば、複数音源を混ぜて出力することも!
⚠️ 注意:仮想ケーブルを導入すると音声トラブルが増える場合も…
- 再起動後に音が出なくなる
- アプリごとに音が出なくなる など
【対処法】
- 再生・録音デバイスの既定設定を手動で戻す
- Windows設定 > システム > サウンドで再確認
仮想オーディオデバイスを導入すると、Windowsの音声出力や入力が意図せず切り替わっていることがあります。音が出ないと感じたときは、まず「出力デバイス」と「入力デバイス」が正しく設定されているかを確認しましょう。
特に、再生デバイスにVB-Audio Cableが設定されたままだと、スピーカーやヘッドホンから音が聞こえなくなります。必要に応じて、既定の再生デバイスを「Realtek Audio」や「ヘッドホン」などに戻すことで解消できます。
また、アプリごとに出力先を変更している場合は、「詳細サウンド設定(アプリの音量とデバイスの設定)」から、個別に確認することも有効です。
まとめ:OBSがなくても内部音は録音できる!
方法 | 特徴 | 難易度 |
---|---|---|
Audacity(WASAPI) | 高音質で内部音だけを録音可能。録音後の編集も簡単 | 初〜中級 |
VB-Audio Cable | 仮想デバイスで内部音をマイク入力として扱える | 中級 |
ボイスレコーダー+仮想デバイス | Windows標準アプリでも内部音録音が可能になる | 初〜中級 |
どの方法を選ぶかは、「録音の目的」や「パソコン操作の慣れ」によって変わります。とにかく簡単に始めたい方はAudacityが最もおすすめですし、細かくコントロールしたい場合はVB-Audio Cableを使うと柔軟に対応できます。
いずれの方法も無料で利用できるため、まずは一度試してみて、ご自身に合った録音スタイルを見つけてみてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 自分の声が入ってしまいます…
A. マイク入力が有効になっている可能性があります。無効にするか、仮想ケーブルを使って入力元を切り替えましょう。
Q. 音が録音できません
A. WASAPIや仮想ケーブルの設定ミス、または再生デバイスの不一致が考えられます。再起動やデバイスの再選択を試してください。
内部音声の録音は、最初は少し戸惑うかもしれませんが、慣れてしまえばとても便利です。今回ご紹介した方法はすべて無料で試せるものばかりなので、気軽にチャレンジしてみてください。
また、うまく録音できなかった場合でも、設定を見直したり、別の方法を試すことで解決できるケースがほとんどです。焦らず一つずつ確認していきましょう。
「音声だけ録音できたらいいのに…」という悩みは、実はとても多いです。この記事が、あなたの作業や趣味をより快適にするきっかけになれば幸いです。
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