
最近、「パソコンが急に重い」
「ファンが回りっぱなし」
「タスク マネージャーで“SearchIndexer.exe / SearchHost.exe”が上位にいる」
といったご相談をよくいただきます。これは、Windowsの検索を速くするための仕組み「Search Indexer(検索インデクサー)」が、ファイル内容を“索引化(インデックス化)”している最中に負荷が上がるのが主な理由です。正しく設定すれば安全に軽くできますので、むやみに機能を止めず、これからご紹介する順番で対処してみてください。
Search Indexerとは?
- 役割:PC内のファイル名・本文・メール等をあらかじめ読み取り、索引(インデックス)を作っておく仕組み。検索が速くなる代わりに、作業中はCPUやディスクを使います。
- 特性:Windowsは高負荷やバッテリー駆動時に自動で控えめにする/一時停止する仕組みを持っています。つまり「常に悪者」ではありません。負荷が続く時は設定や環境の見直しが効果的です。
まずは安全に「状態」を確認しましょう
- タスク マネージャーを開き、「プロセス」または「詳細」で
- SearchIndexer.exe / SearchHost.exe のCPU・ディスク使用率を確認。
- しばらく様子を見る(大きな更新直後・大量ファイルの追加直後は一時的に上がります)。
- [設定] → [プライバシーとセキュリティ] → [Windows の検索] を開き、インデックスの対象や一時停止の状態をチェック。
- ここから「インデックスの詳細(旧コントロールパネル)」にも移動できます。
ワンポイント
大規模アップデート(例:24H2/25H2相当)後は、検索ページが見直され項目名が変わることがあります。場所が多少違っても“Windows の検索(Searching Windows)”を探せばOKです。
よくある“重い原因”と対処(やさしい順)
① インデックス対象が広すぎる(写真・動画・外付けHDDも全部)
- 対処:検索設定の「除外されたフォルダー」に容量の大きいフォルダー(例:動画、仮想マシン、アーカイブ置き場など)を追加。
- 効果:読み取り対象が減るため、負荷と待ち時間が下がる。
- 操作手順
- [設定] → [プライバシーとセキュリティ] → [Windows の検索]
- 「除外されたフォルダー」に不要な場所を追加。
② インデックスのデータベースが壊れている/古くなっている
- 症状:いつまでもCPU使用が高止まり/検索結果が出ない・偏る
- 対処(再構築)
- スタートで「インデックス オプション」と検索 → 開く
- [詳細設定] → [トラブルシューティング] → [再構築]
※再構築中は検索が一時的に遅くなりますが、完了後は安定しやすくなります。
③ ネットワーク/外付けドライブの影響
- 症状:外付けHDDやNASをつなぐと重い
- 対処:外付け/ネットワークの大容量フォルダーを除外、またはインデックス対象をローカル中心に絞る。
④ ウイルス対策との競合・大量の小さいファイル
- 対処:セキュリティを損なわない範囲で、特定の開発フォルダー等を除外(例:ビルド生成物・巨大なログ)。
- ※Defenderを無効化する必要はありません。無効化はセキュリティ低下のため推奨しません。除外・対象見直しで解決を目指します。
それでも重いときの「正攻法」チェックリスト
A. 検索トラブルシューティングを実行
方法1:設定アプリから実行(推奨)
- 設定 → システム → トラブルシューティング → その他のトラブルシューティング
- 「検索とインデックス作成」 を実行 → 該当する症状にチェック → 自動修復。
方法2:コマンドから直接起動(古い手順が必要な環境向け)
- 検索ボックスに「cmd」と入力 → 管理者として実行 → 次を貼り付けて Enter
msdt.exe -ep WindowsHelp id SearchDiagnostic
- 画面の指示に沿って診断・修復を進めます。
※ 一部の新しいWindowsでは MSDT系トラブルシューティングが段階的に廃止されつつあり、起動できない場合があります。その場合は上の「設定アプリ」ルートをご利用ください。
メモ:MSDT(古い方式)は将来的に削除予定です。見当たらない・起動しない場合は不具合ではなく仕様変更の可能性が高いです。
B. Windows Searchサービスを再起動(動作が固まった時のリフレッシュ)
画面操作で再起動
- Win + R →
services.msc
→ Enter - 一覧から Windows Search(サービス名:WSearch)をダブルクリック
- 停止 → 数秒後に 開始(または再起動)を押す。
コマンドで再起動(上級向け・一発)
管理者のPowerShellで
Restart-Service WSearch
うまく再起動できない時はPCを再起動してください。
C. 公式の診断アプリ「Indexer Diagnostics」を使う
- Microsoft製の無料アプリ。インデクサーの状態、エラー、インデックス再構築の進み具合などを“見える化”し、よくある問題の解決手順に案内してくれます。
- Microsoft Storeから入手できます(管理者権限が必要な操作あり)。
使いどき
- 「いま何をしていて重いのか」を知りたい
- 再構築が進んでいるのか不安
- 具体的なエラーを確認したい
D. 公式ガイドに沿って“原因別”に詰める(長引く場合に)
- Microsoftの「検索のパフォーマンス問題」ガイドでは、
- インデックス対象の見直し
- 負荷が高い条件の回避(バッテリー時・大量ファイル更新直後 など)
- 再構築/エラー対処
を原因別に整理しています。長引く場合はここに当てはめながら、不要フォルダーの除外・再構築・サービス再起動の順で進めるのが安全です。
補足:環境によってはデータベース(Windows.edb)が肥大化している例もあります。極端に重い・サイズが巨大な場合は、まず除外の見直し→再構築で改善を狙い、それでもダメなら公式手順に沿って追加調査をしてみてください。
安全に“負荷を抑える”具体設定
- 「見つけ方」モードの見直し
- [Windows の検索] → “クラシック”(ユーザー フォルダー中心)にする
- “拡張(PC全体)”は便利ですが負荷増。必要時のみ。
- 除外フォルダーの活用
- 動画、仮想マシン、ビルド出力、巨大アーカイブ等は除外へ。
- 一時停止を活用
- ノートPCで作業中は一時停止→作業後・電源接続時に再開。
- Windowsは一時停止を一定時間で自動解除する挙動があります(再開し忘れ防止)。
- 再構築は“最後の手段”
- 効果は大。ただし完了までPCが重くなる時間帯も。外出中や夜間に。
[スポンサーリンク]
Windows検索・整理の基礎を一冊で
検索の仕組み・ファイル整理の型を知ると、インデックス対象の切り分けがスムーズに。OneDriveとあわせて “よく探す/滅多に探さない”を分けて保存すると、PCはさらに軽快になります。
Q&A(よくある疑問)
Q1:インデクサーは無効化してしまって大丈夫?
A:おすすめしません。検索が著しく遅くなり、Outlook検索などにも影響します。まずは対象の見直し・除外・再構築で負荷を下げるのが安全です。
Q2:アップデート後に重くなった気がします。
A:大規模更新後は、再インデックスのため一時的に負荷が上がることがあります。数時間~1日ほど様子を見つつ、上記の除外・一時停止を活用してください。設定画面の構成はバージョンで少し変わります。
Q3:検索ページに“新しい設定”や“AI検索”が出てきました。
A:Insider向けやCopilot+ PC向けに検索の強化(セマンティック検索など)がテストされています。お使いの環境で表示が異なる場合があります。基本の“インデックス対象と除外”の考え方は変わりません。
トラブルが深刻なときの“応急策”
- エクスプローラーが固まる/検索が全面的に不調
- サービス再起動(WSearch) → 2) トラブルシューティング → 3) 再構築の順で。
- 直近で大量のファイル操作がないか、外付け/NASを一時切断してみる。
- それでも改善しない場合は、イベント ビューアーでエラー(Search, SearchIndexer)を確認。
予防のコツ(ふだんからできる軽メンテ)
- 巨大フォルダーを定期的に整理(特にダウンロード/動画)
- 除外フォルダーを見直す(作業内容が変わったら更新)
- 大型アップデート後は“夜間にPCをつけておく”(再インデックスを完了させるため)
まとめ
検索インデクサーは便利さの代わりに一時的な負荷がかかる仕組みです。
まずは対象を絞る/除外を増やす/一時停止を使うで負荷を抑えられます。
再構築・サービス再起動・公式トラブルシュートで“直らない不調”にも正攻法で対応できます。
Defenderの無効化は不要です。セキュリティを落とさず、設定の最適化で“軽さ”を取り戻しましょう。
おすすめ関連記事
・Windowsのトラブルシューティングが失敗する原因と対処法