
2025年10月14日、Windows 10の通常サポートは終了しました。
しかし、Windows 10のパソコンに入っているWordやExcelが、サポート終了と同時に起動しなくなったわけではありません。現在もそのまま使えている方は多いでしょう。
ただし、Microsoft 365のWord・Excelと、買い切り版のOffice 2021・2019では、更新を受けられる期間が異なります。
特に注意したいのは、Microsoft 365 Appsには2028年10月10日までセキュリティ更新が提供される一方で、Windows 10自体の安全性まで同じ期間保証されるわけではないことです。
この記事では、Windows 10でWordやExcelをいつまで使えるのか、Microsoft 365と買い切り版Officeの違い、Web版へ移行する場合の注意点を分かりやすく解説します。
Windows 10のサポート終了後もWord・Excelは起動できる
Windows 10のサポートが終了しても、インストール済みのWordやExcelが直ちに使えなくなるわけではありません。
ただし、「起動できること」と「安全にサポートを受けながら使えること」は別です。
利用しているOfficeの種類によって、現在の状況は次のように異なります。
| 製品 | 2026年8月時点の状況 |
|---|---|
| Microsoft 365 Apps | Windows 10上でも利用可能。バージョン2608までは機能更新、その後は2028年10月10日までセキュリティ更新が提供される予定 |
| Office 2021/Office LTSC 2021 | 2026年10月13日にサポート終了予定 |
| Office 2019 | 2025年10月14日にサポート終了済み |
| Office 2016 | 2025年10月14日にサポート終了済み |
| Word・ExcelのWeb版 | 対応ブラウザとインターネット環境があればWindows 10からも利用可能 |
Microsoft 365 Appsについては、Windows 10上でも2028年10月10日までセキュリティ更新が提供されます。ただし、機能更新はバージョン2608までとなり、その後は新機能が追加されない状態でセキュリティ更新のみが続きます。
また、問題がWindows 10上でのみ発生する場合、MicrosoftからWindows 11への移行を案内され、十分な解決策が提供されない可能性があります。
ここで注意したいのは、2028年まで更新されるのはMicrosoft 365 Appsであり、Windows 10自体ではないことです。Windows 10本体のセキュリティ更新を受けるには、対象となるESUへ登録する必要があります。
Microsoftの現在の公式案内とも一致しています。👉Microsoft 365 AppsとWindows 10のサポートについて
「2028年まで使える」とはどういう意味?
Microsoftは、Windows 10上で動作するMicrosoft 365 Appsに対し、2028年10月10日までセキュリティ更新を提供すると案内しています。
ただし、これはWindows 10のパソコンを2028年まで安全に使えるという意味ではありません。
更新の対象は、Microsoft 365のWord・Excel・Outlookなどです。Windows 10本体の通常サポートは、すでに2025年10月14日に終了しています。
そのため、Windows 10を使い続ける場合は、次の2つを分けて考える必要があります。
- Windows 10本体のセキュリティ
- Microsoft 365 Appsのセキュリティ
Windows 10本体のセキュリティ更新を受けるには、対象となる拡張セキュリティ更新プログラム「ESU」への登録が必要です。
一方、Microsoft 365 Appsのセキュリティ更新は、Windows 10のESUへ登録しているかどうかにかかわらず、2028年10月10日まで提供される予定です。
機能更新はバージョン2608まで
Windows 10上のMicrosoft 365 Appsには、バージョン2608が提供されるまで、新機能やCopilot関連の更新が行われます。
その後はバージョン2608に固定され、新機能の追加は原則として行われません。2028年10月10日までは、脆弱性を修正するセキュリティ更新のみが提供されます。
つまり、今後は次のような状態になります。
- WordやExcelは引き続き起動できる
- 文書や表計算ファイルも編集できる
- 2028年10月10日まではセキュリティ更新を受けられる
- バージョン2608以降の新機能は追加されない
- Windows 10だけで発生する問題では、Windows 11への移行を案内されることがある
- Windows 10特有の不具合は十分に解決されない可能性がある
すぐに使えなくなるわけではありませんが、あくまでWindows 11へ移行するまでの猶予期間と考えたほうがよいでしょう。
Office 2021・2019などの買い切り版はいつまで使える?
Microsoft 365は毎月または毎年料金を支払うサブスクリプション版ですが、Office 2021やOffice 2019は、一度購入して使う買い切り版です。
買い切り版Officeには製品ごとにサポート期限があり、Microsoft 365 Appsに対する「2028年10月10日までのセキュリティ更新」は適用されません。
Office 2021は2026年10月13日にサポート終了
Office 2021およびOffice LTSC 2021のサポートは、2026年10月13日に終了する予定です。
サポート終了後も、インストール済みのWordやExcelが突然起動しなくなるわけではありません。ただし、セキュリティ更新や不具合修正、Microsoftによる技術サポートは受けられなくなります。
Windows 10とOffice 2021を組み合わせて使用している場合、Windows 10はすでに通常サポートが終了しており、Office 2021も間もなくサポート終了を迎えることになります。
重要な文書や個人情報を扱うパソコンでは、早めにWindows 11とサポート対象のOffice環境へ移行することをおすすめします。
Office 2019・2016はすでにサポート終了
Office 2019とOffice 2016は、2025年10月14日にサポートが終了しました。
現在もWordやExcelを起動できる場合がありますが、新たな脆弱性が見つかっても原則としてセキュリティ更新は提供されません。
「今も動いているから大丈夫」とは限らないため、メールに添付されたOfficeファイルを開く、インターネットからダウンロードしたファイルを編集するといった使い方には、特に注意が必要です。
買い切り版Officeを使っている方は、まず自分のOfficeのバージョンを確認しておきましょう。WordまたはExcelを開き、通常は「ファイル」→「アカウント」の順に進むと、製品名を確認できます。
Word・ExcelのWeb版へ移行する方法もある
Windows 10のパソコンをすぐに買い替えられない場合は、WordやExcelのWeb版を利用する方法もあります。
Web版はパソコンへアプリをインストールする必要がなく、EdgeやChromeなどのブラウザから利用できます。Microsoftアカウントでサインインし、Microsoft 365のWebサイトを開けば、文書や表計算ファイルの作成・編集が可能です。
無料のMicrosoftアカウントでも基本機能を利用できますが、デスクトップ版のWord・Excelとまったく同じではありません。
Web版でできること
Word・ExcelのWeb版では、主に次の操作ができます。
- 文書や表計算ファイルの新規作成
- 既存ファイルの閲覧・編集
- OneDriveへの自動保存
- ファイルの共有
- 複数人での共同編集
- コメントの追加
- 基本的な文字装飾や表の作成
- 一般的な関数や数式の使用
案内文や簡単な表を作成する程度であれば、Web版でも十分対応できる可能性があります。
Web版では難しいこと
一方で、次のような使い方にはデスクトップ版が必要になることがあります。
- VBAマクロの作成や実行
- 一部のアドインの利用
- 複雑な印刷設定
- 高度なレイアウト調整
- 外部データとの接続
- 大容量のExcelファイルの編集
- 特殊なフォントやテンプレートの利用
- インターネットに接続できない環境での作業
特に、会社や会計事務所などで使用しているマクロ付きExcelファイルは、Web版では正常に動作しない可能性があります。
「ファイルを開けたから移行できた」と判断せず、計算結果、マクロ、印刷範囲、改ページ、レイアウトまで確認しましょう。
Web版へ移行する前に確認したいこと
Web版を本格的に使い始める前に、現在のWord・Excelファイルが問題なく扱えるかを試しておくことが大切です。
重要なファイルをOneDriveへ保存する
Web版のWord・Excelは、基本的にOneDrive上のファイルを開いて編集します。
最初からすべてのファイルを移動するのではなく、テスト用にコピーしたファイルをOneDriveへ保存し、Web版で開いてみましょう。
元のファイルをパソコンや外付けストレージにも残しておけば、表示や書式が崩れた場合にも戻せます。
なお、OneDriveはバックアップ専用サービスではありません。同期によって、パソコン側で行った削除や変更がOneDrive側にも反映されることがあります。重要なファイルは、外付けSSDなど別の場所にもバックアップしておくと安心です。
マクロやアドインの有無を確認する
ExcelでVBAマクロやアドインを使用している場合、Web版だけへの移行は難しくなります。
ファイル名の末尾が「.xlsm」になっているファイルには、マクロが含まれている可能性があります。
Web版で開いて内容を確認できる場合でも、マクロを実行したり編集したりすることはできません。業務で必要なマクロがある場合は、Windows 11上のデスクトップ版Excelへ移行するのが現実的です。
印刷結果とレイアウトを確認する
WordやExcelのWeb版では、デスクトップ版と印刷結果が異なることがあります。
次のような文書を扱う場合は、事前に印刷プレビューを確認してください。
- 請求書や見積書
- 宛名ラベル
- ページ数の多い文書
- 図形や画像を多く配置したファイル
- 複雑な改ページを設定したExcelファイル
レイアウトを崩したくない完成済みの文書は、PDF形式でも保存しておくと安心です。
Windows 10でWord・Excelを使っている人の選択肢
Windows 10のサポートが終了したからといって、すべての人が同じ方法で移行する必要はありません。
使用しているOfficeの種類や、マクロ・印刷機能の必要性によって、適した方法は異なります。
Windows 11へ移行してデスクトップ版を使う
最も安全で確実なのは、Windows 11へ移行し、サポート対象のMicrosoft 365またはOfficeを使用する方法です。
次のような方には、Windows 11への移行が向いています。
- Word・Excelを仕事で使用している
- VBAマクロやアドインを使用している
- 請求書や帳票を細かく設定して印刷している
- 個人情報や重要なデータを扱っている
- オフラインでもWord・Excelを使用したい
- 今後も同じパソコンを長く使いたい
現在のパソコンがWindows 11の動作要件を満たしている場合は、アップグレードできる可能性があります。
要件を満たしていないパソコンへ、制限を回避してWindows 11をインストールする方法もありますが、更新や動作が保証されないため、仕事用のパソコンではおすすめできません。
Windows 10 ESUを利用しながら移行準備をする
すぐにパソコンを買い替えられない場合は、Windows 10の拡張セキュリティ更新プログラム「ESU」を利用しながら移行準備を進める方法があります。
ESUは、Windows 10のサポート終了後も、一定期間セキュリティ更新を受けられる仕組みです。
ただし、ESUによってWindows 10の通常サポートが再開するわけではありません。新機能の追加や一般的な不具合修正まで保証されるものではなく、あくまで移行までの猶予を確保するための対策です。
ESUを利用している間に、次の準備を進めておきましょう。
- 新しいパソコンの購入時期を決める
- Word・Excelファイルを整理する
- 使用しているマクロやアドインを確認する
- Microsoftアカウントの情報を確認する
- Microsoft 365やOfficeのライセンスを確認する
- 外付けストレージにもバックアップを作成する
Web版を中心に使う
簡単な文書作成や表計算が中心であれば、Word・ExcelのWeb版へ移行する方法もあります。
次のような方にはWeb版が向いています。
- Wordでは文章入力と簡単な装飾しか使わない
- Excelでは家計簿や簡単な一覧表を作成している
- VBAマクロや特殊なアドインを使っていない
- インターネットへ常時接続できる
- OneDriveでファイルを管理しても問題ない
- 複数の端末から同じファイルを編集したい
Web版を利用すれば、Windows 10にインストールされている古いOfficeへ依存せずに作業できます。
ただし、Windows 10本体の脆弱性が解消されるわけではありません。Web版を使う場合でも、Windows 10の安全対策や将来的なパソコンの買い替えは必要です。
Microsoft 365の更新だけではWindows 10を守れない
Microsoft 365 Appsにセキュリティ更新が届いていれば、パソコン全体も安全だと思ってしまうかもしれません。
しかし、Microsoft 365 Appsの更新で保護されるのは、主にWord・Excel・Outlookなどのアプリです。
Windows 10本体、ドライバー、そのほかのインストール済みソフトに見つかった脆弱性まで、Microsoft 365の更新で修正されるわけではありません。
例えば、WordやExcelが最新の状態でも、Windows 10本体に未修正の脆弱性が残っていれば、次のような経路から被害を受ける可能性があります。
- 不正なWebサイト
- メールの添付ファイル
- 悪意のある広告
- 古いドライバーや周辺機器用ソフト
- サポートが終了した別のアプリ
- ネットワーク経由の攻撃
「WordとExcelが更新されているから、Windows 10も2028年まで安全」とは考えないようにしましょう。
Windows 10を使い続ける期間は、ESUへの登録、ブラウザやセキュリティソフトの更新、データのバックアップなどを組み合わせる必要があります。最終的には、Windows 11を搭載したパソコンへ移行するのが基本です。
よくある質問
Windows 10のサポート終了後もWord・Excelは使えますか?
インストール済みのWordやExcelが、Windows 10のサポート終了と同時に起動しなくなるわけではありません。
ただし、利用しているMicrosoft 365やOfficeの種類によって、セキュリティ更新を受けられる期間が異なります。起動できても、サポートや更新が終了している製品を使い続けることにはリスクがあります。
Microsoft 365はWindows 10でいつまで使えますか?
Windows 10上のMicrosoft 365 Appsには、2028年10月10日までセキュリティ更新が提供される予定です。
ただし、機能更新はバージョン2608までです。その後は新機能の追加が原則として停止し、セキュリティ更新のみが提供されます。
また、2028年まで更新されるのはMicrosoft 365 Appsであり、Windows 10本体ではありません。
Office 2021はいつまで使えますか?
Office 2021およびOffice LTSC 2021のサポート期限は、2026年10月13日です。
サポート終了後も起動できる可能性はありますが、セキュリティ更新、不具合修正、Microsoftによる技術サポートは原則として受けられなくなります。
Office 2019やOffice 2016はまだ使えますか?
Office 2019とOffice 2016は、2025年10月14日にサポートを終了しています。
現在も起動できる場合がありますが、すでにセキュリティ更新が原則として提供されない状態です。重要なデータを扱う場合は、Microsoft 365やサポート対象のOfficeへの移行をおすすめします。
Windows 10のESUへ登録すればOfficeも更新されますか?
Windows 10のESUと、Microsoft 365 Appsの更新は別の仕組みです。
ESUはWindows 10本体に重要なセキュリティ更新を提供するもので、Office 2019やOffice 2021のサポート期間を延長するものではありません。
Microsoft 365 Appsについては、Windows 10上でも2028年10月10日までセキュリティ更新が提供される予定です。
Word・ExcelのWeb版だけで仕事はできますか?
文章入力や簡単な表計算、ファイル共有などが中心であれば、Web版でも対応できる可能性があります。
一方、VBAマクロ、アドイン、複雑な印刷設定、高度なレイアウト調整などを使用する場合は、デスクトップ版が必要です。
いきなり完全移行するのではなく、コピーしたファイルをWeb版で開き、必要な機能や印刷結果を確認してから判断しましょう。
Windows 10でWeb版を使えば安全ですか?
Web版を使えば、サポートが終了した古いOfficeへの依存を減らせます。しかし、Windows 10本体の脆弱性が解消されるわけではありません。
Windows 10を使い続ける場合は、ESU、ブラウザの更新、セキュリティ対策、バックアップなども必要です。
まとめ
Windows 10のサポートが終了しても、WordやExcelが直ちに使えなくなるわけではありません。
ただし、利用している製品によって、更新を受けられる期限は異なります。
- Microsoft 365 Appsは、バージョン2608まで機能更新が提供される
- Windows 10上のMicrosoft 365 Appsには、2028年10月10日までセキュリティ更新が提供される
- Office 2021のサポートは、2026年10月13日に終了する
- Office 2019とOffice 2016は、すでにサポートを終了している
- Microsoft 365 Appsの更新とWindows 10本体の更新は別
- Web版では、VBAマクロや一部の高度な機能を利用できない
- Windows 10を使い続ける場合でも、最終的にはWindows 11への移行が必要
簡単な文書や表を扱うだけであれば、Word・ExcelのWeb版を一時的な移行先として利用できます。
一方、仕事でマクロや複雑な印刷設定を使用している方は、Windows 11とデスクトップ版Officeを組み合わせる方法が現実的です。
「まだ起動できるから大丈夫」と考えるのではなく、Officeの製品名とサポート期限を確認し、データのバックアップを取りながら移行準備を進めましょう。

