
はじめに
2025年6月以降に配信された Windows 11 の大型アップデートを適用したあと、
「パソコンが起動しなくなった」「メーカーのロゴ画面から先に進まない」といった深刻な不具合報告が相次いでいます。
特にノートパソコンでの事例が目立ち、再起動を繰り返しても BIOS にすら入れず、USBメディアからの起動も受け付けないというケースも少なくありません。突然のトラブルに直面すると「データは無事なのか?」「修理が必要なのか?」と不安になる方も多いはずです。
本記事では、実際に寄せられた症状や試された対処法、考えられる原因、そして復旧や予防のためにユーザーが取るべき行動を、初心者の方にもわかりやすく丁寧に解説します。
起動不能の症状とは?|ロゴでフリーズし、USBからも起動できない
今回のトラブルで報告されている症状は以下のとおりです。
- 再起動するとメーカーのロゴ画面で止まる
- キーボードやマウスが反応しない
- BIOS(UEFI)画面にも入れない(F2やDELキーを押しても無反応)
- USBメディアを挿しても外部起動できない
- ファンは回転しランプも点灯するため、通電はしている
つまり、OSが立ち上がる以前の「ブート処理段階」で完全に停止してしまっている状態です。一般的な回復オプションや初期化が利用できず、復旧難度が非常に高いトラブルといえます。
実際に試された対処法と結果
報告されている対処法とその結果を整理すると、以下のようになります。
| 対処法 | 結果 |
|---|---|
| 電源を長押しして強制終了 → 再起動 | 状況変わらずロゴ画面で停止 |
| F2 / DELキーでBIOS起動を試行 | 無反応 |
| USBからWindows再インストールを試みる | 認識せずブート不可 |
| PC修理専門店に持ち込み | データ救出は一部可能、システム復旧は不可の診断 |
このように、標準的な復旧手段では改善できないケースが多いのが特徴です。
なぜこんな深刻な不具合が起きるのか?
Windowsの大型アップデートは「OSを丸ごと再構築する」のに近い処理を行います。そのため、ストレージの不良セクタ、ドライバの互換性、UEFIの設定リセットなど、小さな不一致が大きな不具合に直結します。
特に GIGABYTE製ノートPCや一部メーカー機種では、セキュアブートやCSM設定がアップデートで初期化されるとブートローダーが正常に動作せず、起動できなくなる例が確認されています。
最新の報告から分かる要因(2025年9月時点)
- 24H2アップデート適用後にUEFI設定が初期化される
- ストレージドライバ(NVMe系)やグラフィックドライバの互換性問題
- BIOSが古いままで最新更新に対応できない
- セキュアブート/TPMの有効化状態が変化する
こうした要因が重なることで、起動不能の症状につながります。
この状態のPCは復旧できるのか?
主な原因の可能性
- BIOS/UEFIの破損または設定リセット
- マザーボード側のブート領域障害
- ファームウェア障害によりストレージやUSB認識が制限
BIOSクリア(CMOSリセット)
完全に起動できないPCでも、CMOSリセットで改善する可能性があります。ただし、ノートPCでは難易度が高く、
- バッテリーや裏蓋を外す
- CMOS電池の抜き差し
- リセットジャンパ短絡
といった作業が必要になるため、経験がなければ修理店やメーカーに依頼する方が安全です。
SSD自体は生きている場合が多い
OSが起動できなくてもSSDが物理的に壊れているわけではなく、データ救出が可能なケースもあります。M.2やSATAタイプのSSDなら取り外して別PCに接続することでファイルが取り出せる場合もあり、「データが完全に消える」とは限りません。
ただし、基板故障など物理的損傷がある場合は読み出しできないため、プロの業者に依頼するのが確実です。
修理費用の目安
- SSD取り出し・データ救出:5,000円〜1万円程度
- マザーボード交換:3万円〜5万円以上
- メーカー修理:全体交換対応で5万円超になることも多い
個人修理よりも費用が高くつくため、データ救出だけ依頼する選択も検討しましょう。
今後の予防策|大型アップデート前の準備がカギ
こうしたトラブルに備えるには、アップデート前の準備が重要です。
推奨される予防策
- 外付けSSD/HDDやクラウドにバックアップ
- Windowsの「回復ドライブ」をUSBで作成
- アップデートを数日様子見し、重大バグの有無を確認
- BIOSを最新化(ただし安定版を選ぶこと)
- セキュアブートやTPMの設定確認
これらを日常的に行うことで、アップデート後に「起動できない」という最悪の事態を防ぎやすくなります。
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【裏技】意外と効くかもしれない追加対策
深刻な起動トラブルに見舞われた場合でも、工夫次第で改善することがあります。ここでは、あまり一般的に紹介されていない「裏技的な手段」をまとめます。
- 外付け機器をすべて外す
USBメモリ、外付けHDD、プリンターなどが原因でブートシーケンスが乱れることがあります。周辺機器をすべて取り外してから電源を入れると、意外にすんなり起動するケースもあります。 - 放電リセット(ディープリセット)
バッテリーを外せるノートPCなら、電源ケーブルとバッテリーを抜いた状態で電源ボタンを30秒以上長押しします。内蔵コンデンサを完全放電させることで、UEFIや電源管理チップの一時的な不具合がリセットされ、再起動できることがあります。 - 別スロットのメモリで起動
アップデート後にBIOSが不安定化している場合、メモリスロットの認識不良が原因になることがあります。メモリを1枚だけ残して差し替え、最小構成で起動を試すと改善する場合があります。 - 外部ディスプレイへの出力確認
画面がロゴで止まっているように見えても、実際には映像出力の切り替えで止まっているだけのケースがあります。HDMIやUSB-Cで外部モニターに接続し、映像が出力されていないか確認するのも有効です。 - BIOSリカバリ機能の利用
メーカー製PCの中には、電源投入時に特定キーを押し続けることで「BIOSの自動修復」が走る機能を備えたものがあります。GIGABYTEやASUS製では「Q-Flash Plus」「BIOS Recovery」といった機能があり、起動不能でもファームウェアを再書き込みできる場合があります。
これらの方法は、公式のマニュアルには書かれていないことも多いですが、実際に現場で復旧につながった報告もあります。万策尽きたときの「最後の一手」として試してみる価値があります。
最新の追加情報(2025年9月)
9月時点でも「ロゴ画面で止まる」「起動できない」といった声は完全にはなくなっていません。特に24H2適用直後のPCで断続的に発生しています。
- Microsoftのリリースヘルスでも、起動トラブルに関する一部の調査が継続中
- 海外フォーラムやSNSでも「アップデート直後にUEFI初期化」「起動不能」の投稿が散発
- 最新のドライバやBIOS更新で改善した例もあり、ユーザー側の対策が依然として有効
つまり「稀ではあるが再現性のある不具合」であり、今後の更新でも似た症状が発生する可能性があります。
まとめ・深刻なトラブルに備える「転ばぬ先の対策」を
2025年6月以降のWindowsアップデートでは、一部のユーザーでPCが完全に起動できなくなる深刻な事例が報告されています。
もし同じ状況になったら
- データ救出を最優先に
- 自力復旧が難しければ修理店やメーカーに相談
- 他の端末からMicrosoftアカウントにサインインしてサポートへ連絡
そして、今後に備えるためにも、バックアップ・回復ドライブ・様子見といった予防策を徹底しておくことが大切です。
最新情報を常にチェックし、慌てず対応できるよう準備をしておきましょう。
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