【Windowsエラー0x8007371b】インストール失敗の原因と対処法|2025年10月最新版

Windowsアップデート中に「0x8007371b」と表示されたノートパソコンと、困った表情のユーザーのイラスト。CBS_E_CANNOT_UNINSTALLのエラーを視覚的に表現。

2025年10月時点でも、Windows 11 24H2 のプレビュー累積 KB5062660(2025/07/22)や、Windows 10 22H2 の KB5043064(2024/09/10)の適用時に 0x8007371B が報告されています(個別の環境要因に左右されます)。

この記事では、エラーの正体や原因、そして自力で行える具体的な解決策を、わかりやすく解説します。


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エラー「0x8007371B」の正しい意味

  • 0x8007371B = ERROR_SXS_TRANSACTION_CLOSURE_INCOMPLETE
    更新のトランザクションが正常に“閉じられない(未完了)”状態です。依存関係の不足・矛盾、コンポーネント ストア破損などで発生。対処は DISM /RestoreHealth → SFC /Scannow → 再起動が基本です。

※似た用語として CBS_E_CANNOT_UNINSTALL(0x800F0825) がありますが、別のエラーです。混同しないよう注意してください。


発生条件

  • 長期間更新していない/途中で中断した更新が残っている
  • 最適化ツール・セキュリティ製品・チューニングがシステムに深く干渉
  • カスタム ISO/非公式改変環境での導入履歴
  • 企業・学校環境での WSUS/プロキシ/VPN 経由の配布(経路要件・権限の影響)

Windows Update は、内部的に「コンポーネント ストア(WinSxS)」と呼ばれる仕組みで更新内容を管理しています。
このストアは、過去の更新履歴や差分ファイルを多数保持しており、長期間の未更新や中断・不完全なアンインストールがあると、依存関係の整合性が崩れやすくなります。

さらに、セキュリティソフトや“最適化系ツール”がシステムファイルやレジストリを自動調整していると、Windows Update が参照する構成情報が変化し、更新トランザクション(処理の一連の流れ)が完了できなくなることがあります。
この状態で累積更新を適用しようとすると、内部で「依存モジュールの閉鎖(Closure)」が行えず、結果として 0x8007371B(ERROR_SXS_TRANSACTION_CLOSURE_INCOMPLETE) が発生します。

つまりこのエラーは、単なる通信や一時的な不具合ではなく、Windows の“構造的な整合性エラー”です。
定期的な更新・不要ソフトの見直し・システムのクリーンアップを行っておくことで、将来的な再発を予防できます。


まずはこれ:公式推奨の修復フロー(基本編)

手順1:DISM と SFC で構成ストアを修復(管理者権限で)

スタート右クリック → Windows ターミナル(管理者)

1) 診断(ScanHealth)→ 修復(RestoreHealth)

DISM /Online /Cleanup-Image /ScanHealthDISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth

2) システム ファイル検査

sfc /scannow

3) 再起動 → Windows Update を再試行

  • これらは Microsoft 公式の「一般的な Windows Update エラー」でも推奨される基本対処です。
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うまくいかないとき(企業・学校 PC でありがち)

  • VPN/プロキシ/WSUS が影響して DISM のオンライン修復が通らない場合があります。再試行前に一時的に VPN/プロキシを外す、または管理者に WinHTTP/WSUS 設定を確認してもらいましょう。

代替策A:インストール メディアを使った“オフライン修復”(上級)

オンライン修復がブロックされる・失敗する場合、同一ビルドの ISO から install.wim を指定して修復します。

  1. ISO をマウント(例:D:)
  2. WIM のインデックスを確認(該当エディションの番号を把握)
dism /Get-WimInfo /WimFile:D:\sources\install.wim
  1. 修復を実行(:Index は 2) の結果に合わせて変更)
Dism /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth /Source:D:\sources\install.wim:1 /LimitAccesssfc /scannow
  1. 再起動 → Windows Update を再試行

ポイント:エディション/ビルドが一致するメディアを使うこと。/LimitAccess でローカルのみを参照します。

さらに詳しい解説記事はこちら≫インストールメディア完全ガイド


代替策B:Windows Update コンポーネントのリセット

管理者の コマンド プロンプトで、次を1行ずつ実行します

net stop wuauservnet stop cryptSvcnet stop bitsnet stop msiserverren C:\Windows\SoftwareDistribution SoftwareDistribution.oldren C:\Windows\System32\catroot2 catroot2.oldnet start wuauservnet start cryptSvcnet start bitsnet start msiserver

SoftwareDistributioncatroot2 は更新の作業領域です。リネームすると自動再生成され、破損キャッシュが原因の失敗を避けられます。

一時的に 更新履歴が見えなくなる場合がありますが、機能上の問題はありません。


代替策C:Windows Update トラブルシューティング ツール

  • 設定 → システム → トラブルシューティング → その他のトラブルシューティング ツール → Windows Update[実行]

自動診断で既知の不整合やサービス状態が正されることがあります。


代替策D:クリーン ブートで再試行

常駐ソフトやドライバーが干渉する場合は、最小構成で更新をかけると成功率が上がります。

  • 「msconfig」→ サービス タブで「Microsoft のサービスをすべて隠す」→ 残りを無効
  • 「スタートアップ」→ タスク マネージャー から不要項目を無効 → 再起動 → 更新を再試行

それでもダメなら:インプレース アップグレード

個人ファイルや設定を保持したまま、Windows のシステムだけを上書き再構成する方法です。ストアの不整合や未完了状態を“一掃”できるため、0x8007371B のような構成エラーに有効な“最終手段”としてよく使われます。公式手順で最新メディアを用意して実行してください。
→ 詳細ガイドはこちら:【公式裏ワザ】インプレースアップグレード手順


よくある取り違え:似ているエラーの見分け方

エラーコード公式名ざっくり症状代表的な対処
0x8007371BERROR_SXS_TRANSACTION_CLOSURE_INCOMPLETE更新トランザクション未完了(依存関係/構成不整合)DISM → SFC → 再起動、必要に応じ オフライン修復インプレースMicrosoft Learn
0x800F0825CBS_E_CANNOT_UNINSTALLパッケージのアンインストール不可(部分適用・ストア破損)直前の更新の再適用/巻き戻し、DISM/SFC、構成ストア再構築。Microsoft Learn
0x800705B4タイムアウト更新処理が時間内に終わらないコンポーネント リセット、クリーンブート、回線/VPN見直し。Microsoft Learn

KB個別メモ

  • KB5062660(Windows 11 24H2 プレビュー, 2025/07/22)
    OS ビルド 26100.4770、SSU(KB5064485)同梱。既知問題の修正を含みます。Update Catalogサポート記事を併記しておくと裏取りが明確です。
  • KB5043064(Windows 10 22H2, 2024/09/10)
    Update Catalog/サポート記事あり。適用時に 0x8007371B を訴えるコミュニティ投稿も見られます(個別環境依存)。

Windows 10 をお使いの方へ

  • Windows 10 は 2025年10月14日でサポート終了です。その後は更新が届きません。
  • 継続利用が必要な場合、ESU(延長セキュリティ更新)で最大 2026/10/13 まで重要なセキュリティ更新を受けられます(地域・提供条件により内容差あり)。

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接点・配線の見直しに:定番ツール

※ 更新中の画面確認や復帰後の映像トラブル切り分けに。まず“物理”を疑うと解決が早いケースも。

参考:ツール併用について(注意点)

最適化ツールやクリーナー類は、環境によっては更新処理を逆に不安定化させることがあります。まずは公式手順(DISM/SFC・WUリセット)での修復を優先し、ツールの導入は自己責任で慎重に判断してください。

まとめ

0x8007371Bは「更新トランザクション未完了」が本質。まずは DISM(ScanHealth→RestoreHealth)→ SFC → 再起動

・通らない場合は WU コンポーネントのリセットクリーンブートオフライン修復

・最後は インプレース アップグレードで構成の不整合を“初期化”する。

・Windows 10 は 2025/10/14 EoS。必要なら ESU を検討。

トラブルが続くとつい「もうダメかも」と感じてしまいますが、ほとんどの更新エラーは正しい順序で直せるものです。
もし焦ったときは、この記事を思い出して、まずは DISM → SFC → 再起動 の基本から。
小さな積み重ねで、Windowsは必ず元の安定した状態に戻ります。今日も一歩ずつ、焦らずに進めていきましょう。

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