
はじめに
2025年7月現在、世界中で報告が相次いでいるWindows Updateエラー「0x8007371b」。
このエラーは、Windowsの累積更新プログラムの適用時に突然表示され、アップデートのインストールに失敗する原因となります。
この記事では、エラーの正体や原因、そして自力で行える具体的な解決策を、初心者の方にもわかりやすく丁寧に解説します。
エラーコード「0x8007371b」の意味とは?
エラー「0x8007371b」は、Windowsの内部的なコード「CBS_E_CANNOT_UNINSTALL」に対応しています。これは「Windowsのコンポーネントをアンインストールできない」という意味です。
累積更新プログラムの適用時に、過去にインストールされた特定のモジュールやコンポーネントの整合性が取れず、更新がブロックされてしまうのが主な原因です。
多くのユーザーがこのエラーを「単なる一時的な不具合」と捉えがちですが、実際にはシステム内部の整合性エラーであるため、根本的な対処が必要です。特に法人・業務用PCでは、過去にカスタマイズされた環境が原因でアップデートに失敗するケースもあります。
よく似たエラーコードとの比較
エラーコード | 内容 | 主な原因 |
---|---|---|
0x8007371b | CBS_E_CANNOT_UNINSTALL | 更新対象のコンポーネントに不整合 |
0x800f081f | ソースファイルが見つからない | Windowsの一部構成ファイルが欠落 |
0x800705b4 | タイムアウト | Windows Updateの処理が完了しない |
これらのエラーコードは一見似ていても、原因や対処法が微妙に異なります。
0x8007371bエラーは、システム内部の構成情報に問題があるケースが多いため、単なる再起動や一時的なネットワーク障害では解決しにくいのが特徴です。正しいエラーコードの意味を理解し、それぞれに適した対処を行うことが重要です。
このエラーが出やすい環境とは?
特定の環境では「0x8007371b」エラーが出やすい傾向があります。
- 長期間アップデートを適用していなかったPC
- セキュリティソフトや最適化ツールでシステム構成に干渉があった
- カスタムISOでインストールした非公式のWindows
- グループポリシーやWSUSでアップデート制御をしている法人PC
こうした条件が重なると、Windowsがコンポーネントの整合性を正しく判断できず、更新を拒否することがあります。
原因:Windows構成ファイルの不整合
Windowsの「コンポーネントストア(WinSxS)」に何らかの破損や不整合がある場合に発生するこのエラーは、特に以下のような状況で起きやすくなります。
- 中断された過去のアップデート
- 不完全な削除・アンインストール
- セキュリティソフトや最適化ツールによる干渉
- システムファイルの破損
Windowsの「コンポーネントベースのサービス(CBS)」は、OSを構成するモジュールの管理を行っており、この層に破損や中途半端な削除があると、アップデート時に整合性チェックで弾かれることがあります。これはシステムの深部に関わるため、単純なファイル修復だけでは改善しないこともあります。
解決策①:DISMとSFCでシステム修復
まず最初に試したいのが、DISMとSFCコマンドを使ったシステムの自己修復です。
実行方法
- [スタートメニュー]を右クリックし、「Windowsターミナル(管理者)」を開く
- 以下のコマンドを1つずつ実行します
まず以下を入力し実行(コピペOK)
次に以下を入力し実行します
【補足】
- DISMはWindows Update経由で必要な修復ファイルをダウンロードします。
- SFCは、破損したシステムファイルを自動的に検出・修復します。
- 修復後は、必ずPCを再起動してください。
また、企業ネットワークやVPNを使用している場合、一部のセキュリティ制限によりDISMのオンライン修復がブロックされることがあります。その際は、ローカルにある修復イメージを指定するオプション(/Source)を活用する方法も検討してください。
▪️手動での修復が不安な方へ
システム修復コマンドは初心者には少し難しいと感じるかもしれません。そんなときは、パソコンの最適化や不要ファイルの自動クリーンアップ、エラー修復を一括で行ってくれる便利なツールの導入も選択肢のひとつです。
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◆ 総合メンテナンスソフト
👉 Glary Utilities Pro 6(ダウンロード版)
👉 IObit Advanced SystemCare(Windows10対応の無料版)
解決策②:Windows Updateコンポーネントのリセット
次に、Windows Updateに関わる内部サービスとキャッシュを手動でリセットします。
実行手順
- 管理者でコマンドプロンプトを開く
- 以下のコマンドを一行づつ順番に実行
net stop cryptSvc
net stop bits
net stop msiserver
ren C:\Windows\SoftwareDistribution SoftwareDistribution.old
ren C:\Windows\System32\catroot2 catroot2.old
net start wuauserv
net start cryptSvc
net start bits
net start msiserver
【補足】
- 「SoftwareDistribution」や「catroot2」は、Windows Updateの一時ファイルを保存しているフォルダです。
- 名前を変更すると、次回自動的に再生成されます。
特に「SoftwareDistribution」フォルダの破損は、長期間アップデートしていなかったPCに多く見られます。フォルダをリネームすることでキャッシュが初期化され、新鮮な状態で再構築されます。なお、この処理を行うと一時的に更新履歴が消える場合がありますが、機能に支障はありません。
解決策③:Windows Updateトラブルシューティングツールの実行
Windowsには、アップデート関連の問題を自動的に診断・修復してくれるツールが用意されています。
手順
- [設定] → [システム] → [トラブルシューティング]
- [その他のトラブルシューティングツール] をクリック
- 「Windows Update」 → [実行] を選択
ツールが自動的に問題を検出し、修復してくれることがあります。
解決策④:クリーンブートで再実行
セキュリティソフトや常駐プログラムが干渉している場合には、クリーンブート(最小構成での起動)も効果的です。
- 「msconfig」と検索して「システム構成」を開く
- [サービス]タブで「Microsoftのサービスをすべて隠す」にチェックを入れる
- 残りのすべてのサービスのチェックを外す
- [スタートアップ]タブ → [タスクマネージャーを開く]
- 無効化できる項目をすべて無効にする
- PCを再起動して、Windows Updateを再試行する
それでも解決しないときは
上記すべての手順を実行しても解決しない場合、以下を検討してください。
- システムの復元:更新が正常に行えていた時点に戻す
- インプレースアップグレード:Windowsを初期状態に近い形で再構成(ファイルは保持可能)
🔸詳しい手順はこちら>【公式裏ワザ】インプレースアップグレード手順
- Microsoftのサポート窓口へ問い合わせ:特定のKB番号(例:KB5043064)との相性不具合であれば報告済みの可能性あり
インプレースアップグレードは「設定」や「個人ファイル」を保持したまま、Windowsのシステムファイルだけを再インストールする方法です。Microsoftの公式サイトから最新のインストールメディアを用意し、既存のWindowsを上書きすることで、多くのトラブルが解消されます。これにより、エラーの根本原因である構成情報の不整合が修正されるケースも多数報告されています。
まとめ
エラーコード「0x8007371b(CBS_E_CANNOT_UNINSTALL)」は、単なる一時的なエラーではなく、Windowsの構成ファイルの破損が深く関係しています。ですが、今回ご紹介した手順を試せば、多くのケースで正常にアップデートを再開することができます。
繰り返すような場合は、OSの再構成(インプレースアップグレード)や、周辺ソフトとの相性を疑うことも重要です。
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