Windows 10 22H2 を使っていて、「申し訳ございません。PCをバックアップできませんでした」というメッセージが何度も表示されることがあります。
バックアップは万が一に備えるための大事な機能。しかしこのエラー、表示されるだけでなく、何度対処しても再発するという声も多く見られます。
そこでこの記事では、信頼性の高い情報を元に原因を特定し、対処法をまとめました。さらに、Microsoftコミュニティでも注目されたポイントや追加で試すべき手順も網羅しています。
よくある原因とチェックすべきポイント
「バックアップできませんでした」というメッセージの原因はひとつではありません。パソコンの設定や環境によって、複数の要因が絡んでいるケースもあります。
以下に、特に報告の多い「よくある原因」と、その確認ポイントをまとめました。ご自身のPC環境と照らし合わせて、該当しそうな項目からチェックしていきましょう。
原因 | 説明 | 確認方法 |
---|---|---|
バックアップ設定ミス | OneDrive連携やアカウント設定の不具合 | 設定 → アカウント → Windowsバックアップ |
レジストリまたはポリシー制限 | DisableBackupUI=1などでUIが無効に | regeditで該当キーを確認 |
必要なサービスが停止中 | File History Serviceが無効化されている | services.mscでステータス確認 |
外部ドライブの認識不良 | 接続エラーや容量不足 | エクスプローラーとディスクの管理で確認 |
Windows Update未適用 | バックアップ関連のバグ修正が未反映 | Windows Updateを手動実行 |
この表にある項目のいずれかが原因となっている場合、個別に対処することでエラーが解消する可能性が高いです。特に、外部ドライブやOneDriveとの連携不良は、気づかないうちに問題を引き起こしていることがあります。

対処法①:Windowsバックアップ設定を確認
「設定」→「アカウント」→「Windowsバックアップ」を開き、以下の点をチェックしてください。
- OneDriveが正しくサインインされているか
- 個人用フォルダーのバックアップがオンになっているか
- 不要なバックアップ項目がないか(ネットワークドライブなど)
▪️OneDrive連携のエラーが根本原因となっていることもあります。ログアウト後、再サインインするだけで解消するケースも多々あるので、ぜひバックアップ設定を見直してみてください。
対処法②レジストリまたはグループポリシーを確認
レジストリエディタで以下のキーを開きます。
「DisableBackupUI」の値が 1 になっている場合、バックアップ機能が無効化されています。
- ダブルクリックで値を 0 にする
- ない場合は、そのままでOKです
⚠️ 注意:レジストリ編集は自己責任で。作業前にバックアップを取ることをおすすめします。
対処法③:バックアップに必要なサービスが動作しているか確認
「Win + R」で services.msc を開き、以下のサービスを確認
サービス名 | ステータス | 対処法 |
---|---|---|
File History Service | 実行中が理想 | 無効になっていたら右クリック→「開始」を選択 |
Windows Search | 実行中が望ましい | 停止していたら同様に「開始」へ |
Volume Shadow Copy | 自動または手動で動作 | バックアップのスナップショット作成に必要。停止している場合は「自動」に設定 |
Microsoft Software Shadow Copy Provider | 必要に応じて実行 | Volume Shadow Copyと連携するため、有効化推奨 |
特に「File History」が無効だと、ファイル履歴バックアップが動作しないので、ご注意ください。
対処法④:バックアップ先の外部ドライブを確認
外付けHDDやUSBメモリをバックアップ先に指定している場合、以下をチェックしてみてください。
- 容量が足りているか
- 正常にドライブがマウントされているか
- ファイルシステムが破損していないか(chkdsk推奨)
もし、外付けドライブの容量が足りていない場合は、不要なファイルを削除するか、より大容量のドライブへの交換を検討してください。空き容量が数GBしかないと、バックアップが正常に完了しないことがあります。
また、ドライブに破損やエラーがある場合は、
①エクスプローラーで該当ドライブを右クリック
②「プロパティ」→「ツール」を選択
③「エラーチェック」からエラー修復を行うことが可能です。
さらに確実にチェックしたい場合は、コマンドプロンプトを管理者権限で開き、以下のコマンドを入力してみましょう
修復後は、念のため一度ドライブを抜き差しし、バックアップが正常に進むか確認してください。
<補足>
バックアップ先はNTFS形式を推奨。exFATやFAT32だと一部失敗することがあります。
対処法⑤:Windows Updateで修正プログラムを適用
Windows 10 22H2では、バックアップ関連の不具合が複数報告されており、更新プログラムで修正されることがあります。
- 「設定」→「更新とセキュリティ」→「Windows Update」から手動で更新
- 再起動後、バックアップを再試行
裏技:古いバックアップ構成をリセットしてやり直す
バックアップ構成ファイルが壊れている場合、リセットすると改善することがあります。
手順
- 「コントロールパネル」→「バックアップと復元(Windows 7)」を開く
- 「設定の変更」または「スケジュールの無効化」→「新しい設定を構成」
- 外付けドライブの選択をやり直す
【再発を防ぐには】
- OneDriveのバックアップ設定を定期的に確認
- 外付けドライブは安全に取り外す習慣を
- ディスクエラーやドライバの異常は早めにスキャンで確認
バックアップは「一度設定して終わり」ではなく、定期的な確認とメンテナンスが重要です。特に外付けドライブを使用している場合は、物理的な故障リスクもあるため、複数のバックアップ手段を併用することが望ましいでしょう。日々の習慣に「バックアップの見直し」を取り入れるだけで、トラブル発生時の安心感が大きく変わります。大切なデータを守るためにも、ぜひ今日から実践してみてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 何度も「バックアップできませんでした」と出ますが、データは壊れていますか?
→ バックアップ自体が実行されていない可能性があるだけで、元のデータが壊れているわけではありません。
Q. 外付けドライブを変えても直らないのですが?
→ システム側の構成ファイルやレジストリが原因かもしれません。構成のリセットやレジストリ確認を行ってください。
バックアップ機能のトラブルは、すぐに致命的な影響があるわけではないものの、いざというときに復元できないリスクをはらんでいます。この記事で紹介した方法で、エラーの原因を一つずつ取り除きながら、安定したバックアップ環境を整えておきましょう。
また、Windows標準機能でのバックアップに不安がある場合は、別のバックアップソフトを併用するのもひとつの選択肢です。大切なデータを守る手段は一つではないので、安心できる方法を選んでください。
まとめ
「申し訳ございません。PCをバックアップできませんでした」というメッセージは、単なるネットワークや外部ドライブの不具合だけではなく、設定ミス・レジストリ・サービス停止など複合的な原因で発生することが多いです。
1つずつ原因を切り分けることで、再発防止も含めた環境を作ってください。
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