
「昨日までは普通に使えていたのに、急にネットが切れる」
「Wi-Fiが途切れて作業にならない」
2025年夏以降、Windows 10および11の環境で「ネットワークが不安定になる」「Wi-Fiが頻繁に切断される」といった報告が増加しています。
特にKB5060533(2025年8月)以降の更新で一部のIntel/Realtekドライバーが影響を受けたケースが確認されており、10月公開のKB5065426でも継続的に修正が行われています。
この記事では、初心者〜上級者まで対応できる「段階的な解決方法」を紹介します。
原因別に整理して試すことで、ネットの不安定さを高確率で改善できます。
【ステップ1】ルーターとモデムを再起動
ネットワーク障害の基本は「まず再起動」です。
内部メモリやセッションが溜まると、通信が遅延・途切れる原因になります。
手順:
- ルーターとモデムの電源を抜いて1分待つ
- 電源を入れてランプが安定するのを確認
- PCのネット接続を再確認
💡再起動で改善する割合は実に30%以上。特にWi-Fiルーターが長期間稼働している場合は効果的です。
【ステップ2】PCを完全再起動する
Windowsアップデート直後は再起動のタイミングで設定が反映されないこともあります。
「スリープからの復帰」ではなく、完全な再起動(Shift+再起動)を実施しましょう。
【ステップ3】LANケーブルやWi-Fi環境をチェック
有線接続なら、LANケーブルの接触不良・断線が原因のことも。
古いカテゴリー(Cat5など)のケーブルをCat6A/Cat7以上に交換すると、通信安定性が向上します。
Wi-Fi接続では、2.4GHz帯→5GHz帯に切り替えるだけで干渉を避けられる場合もあります。
【ステップ4】ネットワークアダプターのトラブルシューティング
Windows標準の「トラブルシューティング」を利用して、
自動診断・修復を実行します。
手順:
- 設定 → システム → トラブルシューティング
- 「その他のトラブルシューティングツール」 → 「ネットワークアダプター」 → 実行
【ステップ5】ネットワーク設定を初期化(コマンド実行)
不明なエラーが続く場合は、設定をリセットします。
以下を管理者権限のコマンドプロンプトで実行してください。
netsh winsock resetnetsh int ip resetipconfig /releaseipconfig /renewipconfig /flushdns
実行後に再起動すれば、DNSキャッシュやIP構成がリフレッシュされます。
中級者向け:ドライバーやセキュリティ設定の見直し
ドライバーの更新
Intel AX201/AX211/Realtek RTL8852BEなど、2025年夏に報告が相次いだチップでは、最新ドライバー(10月版)で改善例が確認されています。
手順:
- デバイスマネージャー → ネットワークアダプター
- 使用中のデバイスを右クリック → 「ドライバーの更新」
- 「自動で検索」またはメーカー公式サイトから手動導入
🪛Intel公式サイト:https://www.intel.co.jp/support/
🪛Realtek公式サイト:https://www.realtek.com/
セキュリティソフトを一時停止
Norton・McAfee・Avastなどのサードパーティ製セキュリティソフトが
通信制御を妨げることがあります。
一時的に無効化して接続テストを行いましょう。
改善する場合は、例外ルールを再設定します。
システムの復元も有効
更新前に安定していた状態に戻したい場合、
「復元ポイント」を使って簡単にロールバックできます。
検索バー →「システムの復元」→ 更新前の日付を選択。
上級者向け:PowerShell/イベントログ診断
PowerShellで詳細確認
Get-NetAdapter | Select-Object Name, Status, LinkSpeedTest-NetConnection -ComputerName www.microsoft.com -Port 443
通信経路・速度を確認できます。応答遅延が続く場合、DNSまたはドライバー設定を見直してください。
イベントビューアーでログ確認
「Windowsログ」→「システム」で
「Netwtw」「NDIS」「TCPIP」などの警告をチェック。
エラーコードをキーにドライバー特定も可能です。
⚙ Microsoftの修正版アップデート情報(2025年10月時点)
月 | 更新プログラム | 主な修正内容 |
---|---|---|
2025年5月 | KB5058379 | 一部Wi-Fi接続不良の修正 |
2025年6月 | KB5060842 | スリープ復帰後の通信断を改善 |
2025年8月 | KB5060533 | VPN安定性・ドライバーエラー修正 |
2025年10月 | KB5065426 | Intel/Realtek系ネットワーク不具合の恒久対応・DNSリセット処理改善 |
これらの更新プログラムはいずれも、ネットワーク関連の安定性を段階的に改善する重要な修正版です。特に2025年10月の「KB5065426」では、過去数か月に報告されていたIntel/Realtek製ドライバーとの互換性不具合がようやく解消に向かっています。
もし「Windows Update」で自動的に届いていない場合は、手動で[設定]→[Windows Update]→[更新プログラムのチェック]を実行してみてください。また、企業PCやドメイン環境では管理者ポリシーにより配信が遅れることもあるため、Microsoft Updateカタログから手動適用も有効です。
なお、更新の適用後には再起動の実施が必要です。特にドライバーやネットワークスタック関連の更新は、再起動しないと反映されないことが多いため、忘れずに再起動して動作を確認してください。
更新後に症状が改善しない場合でも、これらのパッチを適用しておくことで今後配信される修正(プレビューパッチやOOB更新)がスムーズに反映されます。「まず最新状態に保つ」ことが、安定した通信環境への第一歩です。
今後の見通しと対策のコツ
Microsoftは今後もネットワーク関連修正を定例アップデートに含める方針です。
24H2/25H2以降のWindowsではネットワークスタックが刷新されており、
安定性は徐々に改善傾向にあります。
また、IPv6の再有効化や「高速スタートアップの無効化」でも改善報告があります。
常に最新状態を維持することが重要です。
まとめ:段階的に試すのが最短ルート
- 🔹 まずはルーター・PCの再起動
- 🔹 ケーブル・Wi-Fiの見直し
- 🔹 ドライバーとセキュリティ設定の更新
- 🔹 必要なら復元・再インストール
- 🔹 最新KBの適用を忘れずに
複数の要因が絡み合うトラブルほど、「一つずつ潰す」ことが近道です。
焦らず段階的に進めてみてください!
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