
- 1 はじめに:Windows 10を「安全に長く使う」ための現実的な考え方
- 2 Windows 10のサポート終了とESU(延長セキュリティ更新)の位置づけ
- 3 仮想環境(仮想マシン)でWindows 10を残すと何がいいの?
- 4 仮想環境を作る前に必要なもの(ここだけ押さえればOK)
- 5 おすすめ仮想化ソフト3選(迷ったらこの中)
- 6 安全運用の結論:Windows 10は“隔離”が9割
- 7 ネットが必要なときだけ安全に使うコツ(NAT/ホストオンリー)
- 8 注意:仮想マシンのWindows 10ライセンスは“落とし穴”がある
- 9 メリット・注意点まとめ(判断用の早見表)
- 10 クラウドで残すという選択(必要な人だけ)
- 11 補足:サポート終了後でも残る“関連更新”の話
- 12 まとめ:仮想環境は“時間を稼ぐ”最強手段。けれどゴールは移行準備
はじめに:Windows 10を「安全に長く使う」ための現実的な考え方
「できればこのまま Windows 10 を使い続けたい」――そう感じる方は少なくありません。仕事で使っている古いソフトが Windows 11 では動かなかったり、周辺機器の相性が不安だったり、「買い替え・移行の手間」を先延ばしにしたい事情もあります。
ただし、Windows 10 はサポート終了日を迎えると、通常のセキュリティ更新が止まります。そこで現実的な選択肢になるのが、次の2つです。
- ESU(延長セキュリティ更新)で「もう少しだけ延命」する
- 仮想環境(仮想マシン)で Windows 10 を“隔離して残す”
この記事では、Windows 10 を「危険を増やさずに延命」するために、仮想環境での運用を中心に、必要な準備・安全な使い方・注意点まで、初心者の方にも分かる言葉で整理します。
Windows 10のサポート終了とESU(延長セキュリティ更新)の位置づけ
Windows 10 は 2025年10月14日にサポート終了を迎えます。以降は原則として、通常のセキュリティ更新が提供されません。
ただし、延長セキュリティ更新(ESU)に登録できる仕組みが案内されています。個人向けESUについては、「一定条件のもとで1年延長」の話が報道・解説記事で広く共有されています(例:Windows バックアップの有効化、Microsoft Rewards、または支払いなど)。内容は今後変わる可能性があるため、登録画面の案内に従うのが安全です。
ポイント:ESUは「延命のための時間を稼ぐ」手段です。
一方で「2年・3年…と長期に Windows 10 を残したい」「ネットから切り離して特定用途だけ動かしたい」なら、仮想環境の方が現実的になる場面があります。
仮想環境(仮想マシン)でWindows 10を残すと何がいいの?
仮想環境(仮想マシン)とは、1台のPCの中に“別のPCをソフトウェアで作る”仕組みです。ホスト(普段使うPC)が Windows 11 でも、その中に Windows 10 を「箱」として残し、必要なときだけ起動できます。
最大のメリットは、Windows 10 をネットや普段の作業環境から切り離しやすいこと。つまり、サポート終了後でも「使い方を限定すれば」リスクを下げられます。
仮想環境が向いている典型パターン
- 古い業務ソフト(特定バージョン必須)を動かしたい
- 古い周辺機器(専用ドライバが新OS未対応)を使い続けたい
- 閲覧専用・検証用として Windows 10 を残したい
- Windows 10 を触る回数は少ないが、ゼロにはできない
仮想環境を作る前に必要なもの(ここだけ押さえればOK)
| 項目 | 内容 | 目安 |
|---|---|---|
| 仮想化ソフト | Hyper-V / VirtualBox / VMware など | まずは1つでOK |
| Windows 10 のインストール媒体 | ISOファイル(正規入手のもの) | 手元に保管推奨 |
| ライセンス | 正規ライセンス/認証が必要な場合あり | 後述の注意を必読 |
| ホストPCの性能 | CPUの仮想化対応+メモリ+空き容量 | メモリ多いほど快適 |
不安な方は「まずは仮想マシンを作って起動するだけ(お試し)」→問題なければ運用、という順番がおすすめです。
おすすめ仮想化ソフト3選(迷ったらこの中)
| ソフト | 特徴 | おすすめ |
|---|---|---|
| Hyper-V | Windows Pro/Enterprise系で標準機能。軽快。 | 仕事PC・安定重視 |
| VirtualBox | 無料。情報が多く、入門向き。 | 個人・学習・検証 |
| VMware | 動作が安定しやすく、設定も分かりやすい。 | 快適性重視 |
「まず触ってみたい」なら VirtualBox が入りやすいです。
「仕事PCで安全に使いたい」なら Hyper-V(使えるエディションなら)も候補になります。
安全運用の結論:Windows 10は“隔離”が9割
仮想環境で Windows 10 を残す場合、重要なのは「ちゃんと動かす」よりも危険を増やさない設計です。ここだけは必ず守ってください。
1)基本はオフライン運用(最強)
仮想マシンのネットワークを無効にし、ネットに出さないのが最も安全です。閲覧専用・特定ソフト専用など、用途を固定できるなら、これがベストです。
2)共有フォルダ・USB接続は最小限
ホスト(普段使いのPC)と仮想マシンの間で、ファイル共有やUSB接続を多用すると、隔離の意味が薄れます。やむを得ず使う場合は、受け渡し前後のウイルスチェックを習慣にしましょう。
3)スナップショット(復元ポイントの強化版)を使う
仮想環境には「スナップショット(ある時点の状態保存)」があります。大きな作業の前にスナップショット→トラブル時に巻き戻し、ができるので、“詰み”を避けられます。
ネットが必要なときだけ安全に使うコツ(NAT/ホストオンリー)
どうしてもネット接続が必要なケース(更新、認証、短時間のデータ取得など)では、ネットワーク設定を工夫すると安全性が上がります。
- NAT:外部から仮想マシンへ入りにくい(ただしネットには出られる)
- ホストオンリー:ホストPCと仮想マシンだけが通信(実質オフライン寄り)
おすすめは、普段はホストオンリー(またはネットワーク無効)、必要なときだけ NAT に切り替えて短時間で済ませる運用です。
注意:仮想マシンのWindows 10ライセンスは“落とし穴”がある
仮想マシンは「別のPC」として扱われるため、ライセンスや認証でつまずくことがあります。
ざっくり言うと、再利用しやすいのはパッケージ版などで、メーカー製PCのプリインストール(OEM)は条件が厳しいことがあります。認証が通らない場合、電話認証やサポート案内で解決することもありますが、契約形態によって扱いが変わるため、無理に断言しないのが安全です。
不安な場合:「今のWindows 10のライセンス形態(OEM/DSP/パッケージ等)」を確認し、仮想環境での使用条件は Microsoft の案内に従ってください。
メリット・注意点まとめ(判断用の早見表)
| 観点 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 安全性 | 隔離しやすい/オフラインなら強い | 共有やネット接続で一気に弱くなる |
| 継続利用 | 古いソフトを残せる/検証にも使える | “普段使い”に戻すとリスク増 |
| 復旧 | スナップショットで巻き戻せる | スナップショット運用をサボると辛い |
| コスト | 手元のPCで始められる | メモリ・容量不足だと快適に動かない |
クラウドで残すという選択(必要な人だけ)
「社内で1台だけ残したい」「ローカルPCに依存したくない」という場合、クラウド上の仮想環境(Azure など)で Windows 環境を用意する選択肢もあります。
ただしクラウドは、費用が従量制になりやすく、ライセンス条件も絡みます。個人の延命用途だとオーバースペックになりがちなので、必要性がはっきりしている場合のみ検討がおすすめです。
補足:サポート終了後でも残る“関連更新”の話
サポート終了後の不安を和らげる材料として、Microsoft は Windows 10 向けに Microsoft 365 Apps のセキュリティ更新を継続提供する方針を案内しています(期限の明記あり)。
また、Defender の定義更新(脅威情報)についても、一定期間継続する旨が案内されています。
ただし、これらは「Windows 10 本体のサポートが続く」こととイコールではありません。OS自体の更新が止まる以上、基本は「延命は最小リスクで」「移行準備は進める」が安全です。
まとめ:仮想環境は“時間を稼ぐ”最強手段。けれどゴールは移行準備
Windows 10 を長く使う方法はいくつかありますが、仮想環境(仮想マシン)で残す方法は、隔離しながら必要な用途だけ維持できるのが最大の強みです。
- まずは ESU で「猶予」を確保
- 長期で残すなら 仮想環境で隔離(ネットは基本オフ)
- 大事なのは「延命」より 移行の準備(データ整理・代替ソフト検討)
仮想環境は“永遠に使うため”の手段ではなく、安全に時間を稼ぐための手段です。今のうちからデータの整理や移行先の検討を進め、必要なときにスムーズに動ける状態を作っておきましょう。

