【2025年7月版】Windows 11 6月アップデート後に多発するエラーまとめ|一部メーカーで発生中の現象と対策

Windowsアップデート中にエラーが発生したノートパソコンの画面と、頭を抱えて困っている女性のイラスト。「Updating Windows…」「Error: A problem occurred during the system update.」と表示されている。

はじめに

2025年6月11日のWindows 11アップデート後、一部のパソコンで突然のエラーや不具合が発生する報告が相次いでいます。

• アプリが起動しない

• インストールが途中で止まる

• ブルースクリーンになる

• エラーコード「0xc0000005」「0x800f0922」などが表示される

SNSやフォーラム、企業サポートなどでも、今回のアップデートをきっかけに様々な現象が起きているとの声が多く上がっています。この記事では、現在わかっている主な現象と、取るべき対策をまとめてご紹介します。

どのようなエラーが多発しているのか?

今回の6月アップデート後に多い主な症状を整理します。

主な症状詳細内容
アプリケーション起動エラーアプリが開かず、0xc0000005エラーが出る
インストール失敗Windows Updateの更新が途中で失敗する
ブルースクリーン(BSOD)SYSTEM_SERVICE_EXCEPTION、MEMORY_MANAGEMENTなど
一部のゲーム・業務ソフトの動作不良DirectX・ドライバー依存アプリでクラッシュ発生
パフォーマンス低下起動が遅くなる、固まる、強制終了

影響が報告されている環境の傾向

今回の現象は特定メーカーというよりも、特定のハード構成やドライバーとの組み合わせで発生している可能性が高いようです。SNSやフォーラムでは以下のような環境での報告が多く見られます。

  • 富士通・mouse製ノートPC(国内モデル)
  • GIGABYTE・ASUS・ASRock製のマザーボード搭載自作PC
  • インテル第12世代以降のCPU構成
  • 新旧ドライバーが混在している環境

あくまで「一部の環境で確認されている事例」であり、すべてのユーザーが該当するわけではありません。

主な原因として考えられるもの

まだMicrosoftから公式な障害情報は出ていませんが、現時点で推測される原因を整理します。

  • 一部ドライバーが新しいセキュリティ機能と競合
  • BIOS設定(メモリ設定やセキュアブート)との相性問題
  • Windows内部のシステムファイル破損
  • メモリの物理障害
  • アプリケーション自体の互換性不良
  • Visual C++ライブラリの不足・破損

今回のアップデートはセキュリティ面の強化が多く含まれており、古いドライバーや周辺機器との互換性に影響している可能性が高いと見られています。

今すぐ試せる一般的な対策

不具合が発生した場合、まずは以下の対策を順番に試してみましょう。

① システムファイルの修復

コマンドプロンプト(管理者)で以下を順に実行します。

sfc /scannow

続いて

DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth

を入力して「実行」してください。

② ドライバーの更新・見直し

  • グラフィック、ネットワーク、チップセットなどのドライバーを最新に更新
  • 逆に、最近更新したドライバーなら「ロールバック」を試す

③ メモリ診断を実施

  • Windowsメモリ診断ツールで物理メモリの状態を確認

④ BIOS設定を確認

  • オーバークロックを無効化
  • メモリのXMPプロファイルを一時的にOFF
  • BIOSの最新バージョンがあれば更新を検討(慎重に)

⑤ 一時的にWindowsアップデートの停止

  • 設定 → Windows Update → 更新の一時停止
    → 状況が落ち着くまで更新適用を一時見送るのも選択肢です。

裏ワザ的な補足対策

データ実行防止(DEP)の設定確認

古いアプリはDEP機能と衝突することがあります。

「システムの詳細設定 → パフォーマンス → データ実行防止」で個別に除外設定可能。

Visual C++ライブラリの再インストール

古いアプリで多発する0xc0000005は、実はVisual C++ランタイム不足が原因になることがあります。2005~2022年版まで一通り最新版にしておくと安心です。

今回の6月アップデートは少し慎重に

今回の現象は、決してすべてのPCで発生しているわけではありません。

普段は正常に動いているPCでも、「環境の違い」「ドライバーの差」「更新タイミング」でエラーが出るケースがあります。

  • 不具合が出ている方は、慌てず順番に対策を
  • まだ更新していない方は、事前にドライバーやBIOSを最新にしてからの適用が安心
  • もし不安があれば「更新の一時停止」を使って、しばらく様子を見るのも有効です

なぜ今、不具合が集中しているのか?

実は今回のように「特定の月のアップデート直後に不具合が集中する」現象は、Windowsの世界ではたびたび起きています。特にここ最近のWindows 11では、その傾向が少し強まっている印象もあります。

その背景には、いくつかの複雑な事情があります。

まず、Windowsのアップデートは毎月細かくセキュリティや機能の修正が入っていますが、その対象となるデバイスの種類があまりにも膨大 です。メーカー製のパソコンだけでも数え切れないモデルがあり、自作PCや法人用カスタマイズ機も加わると、まったく同じ構成のパソコンはほぼ存在しません。

さらに近年では、CPUも「インテル」「AMD」「ARM」が混在し、メモリ規格・ストレージ規格・グラフィックドライバーも複雑化しています。そのため、新しい更新プログラムが意図せず「一部の構成だけに影響してしまう」 ことが起きやすくなっています。


もうひとつの要因が、セキュリティ強化のスピードアップです。マイクロソフトは特に企業や政府向けに「ゼロデイ脆弱性対策」「ドライバー署名の厳格化」「カーネル保護機能の強化」を進めており、これが「古いけれどまだ使われている周辺機器・ソフトウェア」との互換性問題を引き起こしやすい状況になっています。

もちろん、すべての利用者が毎回不具合に遭遇するわけではありませんが、たまたま構成が重なった一部の方だけが突然困ってしまう、というのが今のWindowsアップデートの「難しさ」でもあります。


ただ、こうした現象は決して「自分のPCだけが悪い」わけでも「メーカーに問題がある」わけでもありません。むしろ、これだけの多様な環境をカバーしながら全体を維持しているのが、現代のWindowsのすごさとも言えます。だからこそ、もし何かトラブルが起きても焦らず、順番に対策を試していくことが大切です。

【有効な手段】インプレースアップグレードで修復する方法

どんなときに使う?

「sfc」「DISM」などでも直らない場合、Windows 11の最新版ISOを使って”設定を引き継いだまま”上書きインストールすることで、システムを修復できます。

インプレースアップグレードで修復する手順】
①Microsoft公式サイトから最新のWindows 11 ISOをダウンロード

②ISOをマウントして setup.exe を実行

③「個人用ファイルとアプリを保持」を選んでインストール

これにより環境を保持したまま、破損したWindowsを上書きできます。

更新キャッシュを手動でクリアするという方法

以下のコマンドでWindows Update関連のキャッシュを一掃できます。

コマンドプロンプト(管理者)で一行ずつ実行してください。

net stop wuauserv
net stop cryptSvc
net stop bits
net stop msiserver
ren C:\Windows\SoftwareDistribution SoftwareDistribution.old
ren C:\Windows\System32\catroot2 catroot2.old
net start wuauserv
net start cryptSvc
net start bits
net start msiserver

この作業は、過去にダウンロードされた更新ファイルや一時的なエラー記録をクリアし、Windows Updateを“初期状態”に戻すためのものです。特に「何度も同じ更新が失敗する」といった症状に有効です。

ただし、途中でコマンドが失敗する場合や、フォルダ名を変更できない場合は、すでに他の処理が動作中の可能性があります。再起動後に再実行するか、セーフモードで試してみてください。

【7月2日追記③】24H2適用環境での追加トラブルと対処例

Windows 11 バージョン24H2にアップグレードされた一部の環境で、以下のような追加不具合が発生している報告があります。既存のトラブルシューティングで改善しない場合、参考にしてください。

トラブル内容確認されている影響・傾向対処法
Wi-Fi接続はあるのに通信できないKB5060842・KB5060533との関連が濃厚Windowsファイアウォールの初期化、VPN設定見直し
HDRモード時に音が出ない特定GPU+HDMI環境で音声再生不能HDRをOFF、またはKB5060533アンインストール
エクスプローラーが重い・反応しない24H2適用後の共通現象「おすすめ表示」無効化、インデックス再構築

これらのトラブルは「24H2特有の新仕様」が影響している可能性があり、以前のWindows 11環境とは異なるアプローチが必要です。

【7月2日追記④】「更新を適用すべきか迷う方」へのアドバイス

以下に該当する方は、今すぐの更新を避けることでリスクを軽減できる場合があります。

  • 業務用途のアプリや古い周辺機器を使用している
  • 過去のアップデートでトラブルを経験している
  • CPUやドライバが非公式サポートの構成になっている

「Windows Update」画面の「更新の一時停止」機能や、グループポリシーによる適用延期などの手段を活用し、周囲の状況やSNSの報告を観察しながら慎重に判断されるのが望ましいです。

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まとめ

今回のアップデート後に多発している症状と、原因、対策を一覧表にまとめてみました。

症状考えられる原因対策の例
アプリ起動エラー(0xc0000005)システムファイル破損・ランタイム不足SFC修復・Visual C++再インストール
Windows Update失敗ドライバー不整合・一時ファイル障害トラブルシューティング・セーフモード更新
ブルースクリーン発生メモリ障害・BIOS設定不具合メモリ診断・BIOS設定見直し
特定アプリの不安定化ドライバー互換性問題ドライバー更新・ロールバック

もし上記の対策を試しても改善しない場合は、「セーフモードでのアップデート適用」や「インプレースアップグレード(上書きインストール)」といった方法も検討できます。やや高度な手順ですが、ドライバの競合やシステムの破損が深刻なケースでは有効です。


今回のような現象は、「特定のメーカーが悪い」というより、ソフトウェアとハードウェアの複雑な組み合わせが偶然不具合を引き起こしていることが多いです。少しずつ確認を進めれば、必ず解決に近づけますので、あまりご心配なさらずに取り組んでみてください。

*この記事は、2025年6月26日現在のアップデート状況に基づき作成されています。今後の更新で状況が変わる可能性もあるため、最新の情報にもご注意ください。

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