はじめに
Windows 11 24H2 の累積更新(LCU)はセキュリティと安定性の要です。ところが、0x800f0922 や 0xC1900101 などのエラーで適用できない相談が増えています。
特に最近は、Windows 11 24H2/25H2 環境で0xC1900101エラーが Microsoft Q&A や海外フォーラムでも多く報告されています。 いずれも特定ドライバーが原因でロールバックしているケースがほとんどのため、 本記事ではドライバー周りの確認手順も重点的にまとめています。
まずやること:エラーコードの確認
- 設定 → Windows Update
- 更新の履歴 → 失敗した更新 でコードを確認
代表例:0x800f0922/0x80070002/0xC1900101(番号で対処が分かれます)
メモ:0xC1900101 は総称的に「ドライバー起因」のロールバックを意味することが多いエラーです。まずはドライバーを疑います。
ステップ1:Windows標準の修復(自動)
設定 → システム → トラブルシューティング → その他のトラブルシューティング → Windows Update → 実行
ガイドに従って自動修復を完了。改善しなければ次の手順へどうぞ。
ステップ2:Windows Updateコンポーネントをクリーンにする
キャッシュ破損や配布サービスの不整合を初期化します。
管理者ターミナルで順に実行
net stop wuauserv
net stop cryptSvc
net stop bits
net stop msiserver
ren C:\Windows\SoftwareDistribution SoftwareDistribution.old
ren C:\Windows\System32\catroot2 catroot2.old
net start wuauserv
net start cryptSvc
net start bits
net start msiserver
※実行後に再起動 → Windows Update を再試行。手動リセットはMicrosoftの公式手順でも推奨される代表的対処です。
ステップ3:システムの整合性を直す(DISM/SFC)
ネット接続を有効にし、管理者で次を順に実行します。
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
sfc /scannow
完了後、PCを再起動。DISMはWindows Updateまたは別ソースから修復用ファイルを取得します(Updateが壊れている場合は/Source指定の代替も可)。
ステップ4:容量・ネットワーク・プロキシを見直す
- 空き容量:Cドライブに10GB以上を目安(復元用バックアップや一時ファイルを展開します)。
- ネットワーク:VPNやセキュリティ製品が通信を妨げる場合があります。一時停止→再試行。
- プロキシ/WinHTTP:企業/学校PCやWPAD環境では、WinHTTPの残り設定が失敗要因になります。
ステップ5:0xC1900101(ドライバー)を重点対処
0xC1900101 でロールバックする場合は、以下を優先して更新・見直しします。
【2025年11月時点:24H2/25H2で増えているパターン】
Microsoft Q&A でも、Windows 11 24H2/25H2 へのアップデートや KB5068861/KB5068865 など累積更新の適用時に 0xC1900101 が出る相談が複数報告されています。 いずれも、次のようなドライバーが原因になっている例が多いとされています。
- 古い ストレージ/NVMe/RAID コントローラ ドライバー
- 古い グラフィックドライバー(ノートPCの一体型GPUなど)
- VPN・セキュリティソフトなどの フィルタドライバー
- USB 3.0 コントローラや独自デバイスのドライバー
これらを最新版へ更新しても改善しない場合は、C:\$WINDOWS.~BT\Sources\Panther 配下などのSetupDiag/Panther ログ(SetupAct.log / Setuperr.log / setupapi.dev.log) を確認し、どのドライバーで失敗しているかを特定するのが近道です。Microsoftのサポートでも、同じログの提出・解析が案内されています。
ステップ6:自動更新に固執しない(手動適用の代替)
Windows Updateが繰り返し失敗する場合、Microsoft Updateカタログから該当KB(例:KB5065426、KB5070773 など)をダウンロードし、.msu を直接適用すると通ることがあります。
- Microsoft UpdateカタログでKB番号を検索
- 自分のエディションとアーキテクチャ(x64 / ARM64)に一致するパッケージをダウンロード
- ダブルクリックで適用 → 再起動
(不一致のファイルを選ぶと失敗します。KBとビルドを必ず確認)
ここまでで直らないとき(安全側の最終手段)
- 修復アップグレード(同じバージョンのISOから上書きインストール)
- クリーンインストール(バックアップ必須・公式ツール推奨)
なお、2025年10月の累積更新(KB5066835)後にWinRE(回復環境)でUSB入力不可になる不具合が発生し、緊急パッチ KB5070773 が公開済みです。デスクトップに入れるならWindows Update適用で解消できます。回復ループ中の端末は一時的にPS/2/タッチ/USB回復メディアなどのワークアラウンドが必要になる場合があります。
エラーコード別の要点整理(クイック表)
| エラー | 代表原因 | まずやること |
|---|---|---|
| 0x800f0922 | キャッシュ破損/接続問題/内部コンポーネント不整合など | ステップ2のリセット → ステップ3のDISM/SFC → プロキシ/WinHTTP確認。関連する既知事例や対処はMSコミュニティにも蓄積。 |
| 0xC1900101 | ドライバー起因のロールバック(互換性のないドライバー/フィルタドライバーなど) | ステップ5:ストレージ/チップセット/グラフィック/ネットワーク更新、周辺機器外し、BIOS更新に加え、Panther フォルダのSetupAct.log / Setuperr.log / setupapi.dev.log で原因デバイスを特定。 |
| 0x80070002 | 一時ファイル不整合・欠損 | ステップ2(SoftwareDistribution/catroot2の再生成)→ ステップ3 |
実践チェックリスト(保存版)
▢ 更新履歴でエラーコードを確認した
▢ トラブルシューティングを実行した
▢ Updateコンポーネントのリセットを行った
▢ DISM → SFC を完走させ、再起動した
▢ 空き容量10GB+ネットワーク/プロキシを見直した
▢ 主要ドライバー更新/周辺機器外し/BIOS更新を行った
▢ それでもダメならUpdateカタログから手動適用した
▢ どうしても直らない:修復アップグレード or クリーンインストール
既知問題と注意点(2025年10月時点)
- WinREのUSB入力不能問題:KB5066835の不具合は、KB5070773 で解消。デスクトップでWindows Updateを実行して取り込み。
- インストーラメディアの既知の不具合歴:一部の手作りインストールメディアで将来の更新が受け取れなくなる事象が過去にあり、メディアの再作成で解決したケースが報告されています。
まとめ
- 順番が大事:自動→キャッシュ初期化→DISM/SFC→容量/ネット/プロキシ→ドライバー/BIOS→手動適用
- 0xC1900101は“ドライバーが本命”。メーカー公式で最新にし、周辺機器は一旦外す
- WinRE不具合はKB5070773で対処。適用の有無を確認する
- それでも解決しないなら、修復アップグレードやクリーンインストールを検討(バックアップ厳守)
このページは新しい既知問題や改善策が出次第、随時更新します。
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