
「このPCはWindows 11に対応していません」
と表示されても、諦める必要はありません。
2025年9月30日に Windows 11 25H2 が一般提供されました。25H2は24H2と同一コードベースの「有効化パッケージ」で、要件や挙動は24H2と実質同等です(更新でサポート年数がリフレッシュ)。本記事では、非対応PCでの導入手段と“回避できない線引き(SSE4.2/POPCNT)”を最新事情で解説します。
⚠️ 注意:この記事で紹介する方法はすべて非公式です。
Microsoftのサポート対象外となり、アップデート不具合やセキュリティリスクが伴います。必ずバックアップを取り、検証用PCで試すのが安全です。
- 1 はじめに:なぜ古いPCでは24H2にアップグレードできないの?
- 1.1 方法1:Rufusで“要件をスキップしたインストールUSB”を作る
- 1.2 方法2:既存のWindows 10からレジストリを使ってアップグレードする
- 1.3 方法3:Windows 11のインストールメディア(sourcesフォルダ内)にある「appraiserres.dll」を置き換える方法(難易度高め)
- 1.4 【更新ブロックと既知の不具合】・25H2/24H2の既知問題は「Windows Release Health」で随時更新。DRM再生やWUSAの既知不具合など注意が必要です。・Intel SSTドライバ起因の24H2ブロックは 2025/9/26 付の更新で解消済み(該当ドライバ版に更新)。・Windows Updateで“準備ができていません”表示の場合は、Release HealthやFU.WhyAmIBlocked等でブロック要因を確認してください。
- 2 あくまで自己責任で!
- 3 まとめ:古いPCでも24H2を使いたいならこの方法!
はじめに:なぜ古いPCでは24H2にアップグレードできないの?
MicrosoftはWindows 11に対し、次のような「システム要件」を定めています。
- TPM 2.0(セキュリティチップ)搭載
- Secure Bootの有効化
- 第8世代以降のIntelまたはRyzen 2000以降のAMD CPU
など…
これらの条件を満たしていないと、公式にはアップグレード不可となります。
しかし、実際には一部の要件(TPM/Secure Boot等)はスキップ可能だが、 CPU命令は不可する方法が存在しました!
方法1:Rufusで“要件をスキップしたインストールUSB”を作る
いまも TPM/Secure Boot/RAM/MSアカウントのチェックをスキップ可能(最新Rufusで確認)。ただしCPU命令は回避不可です。
【手順】
- まず、以下のものを用意してください。
- 8GB以上のUSBメモリ
- Windows 11 24H2のISOファイル(公式またはUUPdumpなどから入手可能)
- Rufusという無料ツール(https://rufus.ie/)
- Rufusを起動し、「ISOを選択」でダウンロードしたWindows 11のISOを読み込みます。
- 書き込みオプションに以下のような“チェックボックス”が出現します。
- TPM 2.0のチェックをスキップ
- Secure Bootのチェックをスキップ
- Microsoftアカウントの強制をスキップ
- 必要なものにチェックを入れてください(すべて選択がおすすめです)。
- 「スタート」をクリックして、インストールUSBを作成。
- 古いPCをUSBで起動し、そのままインストールを進めます。
*この方法は要件チェックをスキップしますが、SSE4.2/POPCNT非対応CPUでは起動できない場合があります。
方法2:既存のWindows 10からレジストリを使ってアップグレードする
クリーン/インプレースで要件チェックの多くを無効化できる一方、CPU命令は不可です。
すでにWindows 10を使っていて、設定やファイルを引き継ぎたい場合はこちらをごらんください。
【手順】
setup.exeを起動し、インストール準備画面を開きます。
インストール前に「Win+R → regedit」でレジストリエディタを開きます。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\Setup\ に「LabConfig」というキーを作成し、以下の値を追加します。
- BypassTPMCheck → 値:1
- BypassSecureBootCheck → 値:1
- BypassCPUCheck → 値:1
- BypassRAMCheck → 値:1
閉じてからインストールを続行すると、要件チェックをスキップしてアップグレードが可能です。
この方法はファイルや設定を維持できる利点がありますが、システムへの変更が伴うため、不安を感じる方も多いかもしれません。
【補足】スペックが厳しい場合や不安な場合は、Hyper-Vなどの仮想環境で安全に24H2を試す方法もあります。
【2025/10/06 追記|最重要】24H2/25H2の「CPU命令要件」について
Windows 11 24H2 以降は SSE4.2 と POPCNT に非対応のCPUでは インストールに成功しても起動できません(回避不可)。まず公式の 対応CPU一覧 と Coreinfo で確認してください。
・対応CPUの目安(24H2/25H2):Microsoft公式の「24H2対応 Intel/AMD/Qualcomm リスト」
・確認ツール:Sysinternals Coreinfo(coreinfo.exe -f 実行 → SSE4.2 と POPCNT が * なら対応)
※ Rufus やレジストリ等の「要件スキップ」は TPM/Secure Boot/メモリ等のチェックにのみ有効です。CPU命令の非対応は回避できません。
→非力な WindowsPCを使ってHyper-V仮想マシン環境の作成をしてみた!(前編)
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方法3:Windows 11のインストールメディア(sourcesフォルダ内)にある「appraiserres.dll」を置き換える方法(難易度高め)
互換性チェックを迂回できる既知手法。近年はこの方法が有効なケースが多いが、今後の更新で封じられる可能性あり。CPU命令は不可です。
【手順】
- Windows 11 24H2のISOファイルを準備します(公式またはUUPdumpなどから入手)。
- ISOファイルの中身をPCの任意のフォルダに展開します。
- 別の正常なWindows 10またはWindows 11のインストールメディアを用意します。
- 手順3のインストールメディアの
sourcesフォルダ内にある 「appraiserres.dll」 というファイルをコピーします。 - 手順2で展開したWindows 11 24H2のフォルダ内にある
sourcesフォルダに、手順4でコピーした 「appraiserres.dll」を上書きします。 - 上書きが完了したら、編集したフォルダの内容で起動可能なUSBインストールメディアを作成します。これには、Rufusなどのツールが利用できます(この際、Rufus側の特別な設定は不要です)。
- 作成したUSBメディアで古いPCを起動し、通常通りWindows 11のインストールを進めます。互換性チェックがスキップされるため、要件を満たしていないPCでもインストールが完了するはずです。
【この方法のポイント】
- インストールプロセス自体はほぼ通常通りに進むため、比較的安心感があります。
- レジストリを直接編集するよりも、システムへの影響が少ない可能性があります。
【更新ブロックと既知の不具合】
・25H2/24H2の既知問題は「Windows Release Health」で随時更新。DRM再生やWUSAの既知不具合など注意が必要です。
・Intel SSTドライバ起因の24H2ブロックは 2025/9/26 付の更新で解消済み(該当ドライバ版に更新)。
・Windows Updateで“準備ができていません”表示の場合は、Release HealthやFU.WhyAmIBlocked等でブロック要因を確認してください。
【注意点】
- この方法も自己責任で行う必要があります。
- ファイルの置き換えを誤ると、インストールメディアが破損する可能性があります。
- Microsoftの今後のアップデートで、この方法が無効になる可能性もあります。
*将来の更新で無効化される可能性や、CPU命令の非対応は別問題です。
あくまで自己責任で!
✔️セキュリティ的に万全ではないため、重要な仕事用PCでは非推奨です。
✔️アップデートによる不具合やサポート対象外のリスクもあります。
✔️自己責任で行うことを理解した上で、バックアップを忘れずに!
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インストールUSBの作成・バックアップに必須です。迷ったらこの2つから。
まとめ:古いPCでも24H2を使いたいならこの方法!
CPUが対応していない場合の選択肢
・Windows 10の継続利用(セキュリティ対策の見直し)
・対応PC/CPUへの更新(Intel 8世代~/AMD Ryzen 2000~が目安)
・仮想環境や別OSでの併用
※ 詳細の手順は本記事の“非公式手段”とは切り分け、自己責任で。
今回ご紹介した3つの方法を使えば、Windows 11 24H2の最新環境を、要件外のPCでも導入可能です。
ただし、どの方法も非公式な手順であり、アップデート時の不具合やサポート対象外のリスクが伴います。
実行前にはバックアップを必ず取り、最初は検証用PCや仮想マシンで試すことをおすすめします。
この記事は今後も情報を随時更新予定ですので、ブックマークしておくと便利です!
古いPCを捨てる前に、ぜひチャレンジしてみてください!
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