直近のWindows 11大型アップデートにより、AIアシスタント「Copilot」が標準搭載され、タスクバーにアイコンが表示されるようになりました。これは、AIの力を手軽に利用できるというメリットがある一方で、「使わないのに常に表示されている」「意図せず起動してしまう」と感じるユーザーにとっては、煩わしさの原因となっています。
「この常駐アイコン、どうにかして消せないの?」
「起動しないように完全に無効化したい!」
本記事では、このようなCopilotに関する悩みを抱えるWindows 11ユーザーに向けて、Copilotを非表示にする基本的な方法から、再起動後も表示されないようにするより高度な設定、そして誤操作を防ぐためのショートカット無効化まで、詳細な手順を解説します。
また、ProエディションとHomeエディションそれぞれの環境に応じた対策についても触れ、ニーズに合わせた解決策を提供します。
Copilotとは?その機能と現状

Copilotは、Microsoftが提供するAIアシスタント機能であり、Windows 11に深く統合されています。主な機能としては、チャット形式での質問応答、テキストの要約、文章の作成支援、設定変更のサポートなどが挙げられます。
しかしながら、現時点では以下のような点がユーザーから指摘されています。
①言語対応: 主に英語をベースとした応答が中心であり、日本語での自然な対話には改善の余地がある。
②機能の限定性: まだ発展途上の段階であり、ユーザーが期待するほど多様なタスクに対応できるわけではない。
③リソース消費: バックグラウンドで動作することにより、システムリソースをわずかに消費する可能性がある。
④自動的なタスクバー表示: アップデート後、ユーザーの意図に関わらずタスクバーにアイコンが自動的に表示される。
⑤再起動後の再表示: 一度非表示にしても、システムの再起動やエクスプローラーの再起動など特定の操作後に再び表示されることがある。
⑥誤クリックによる起動と動作の重さ: 意図せずCopilotのアイコンをクリックしてしまい、起動に時間がかかったり、動作が重く感じられたりする。
⑦Windowsキー + C のショートカット: よく使うショートカットキーである「Windowsキー + C」にCopilotが割り当てられているため、意図しない起動を招きやすい。
これらの要因が複合的に作用し、一部のユーザーにとってCopilotの存在がストレスとなっているのです。
Copilotを非表示にする方法(段階別手順)
ここでは、Copilotをタスクバーから非表示にする簡単な方法から、より根本的な対策まで、段階的に解説します。
方法1:タスクバーから一時的に非表示にする(最も手軽な方法)
これは、Copilotのアイコンをタスクバーから一時的に消すための最も簡単な手順です。
①タスクバーの空いている部分を右クリックします。
②表示されたコンテキストメニューから「タスクバーの設定」を選択します。
③「タスクバーの設定」画面が表示されたら、下にスクロールし、「Copilot(プレビュー)」という項目を探します。
④「Copilot(プレビュー)」の横にあるスイッチをオフに切り替えます。
この操作により、タスクバーからCopilotのアイコンが消えます。ただし、この方法は一時的なものであり、システムの再起動やエクスプローラーの再起動などを行うと、再び表示される可能性があります。
方法2:Windowsキー + C のショートカットを無効にする(誤操作防止に)
Copilotの誤起動を防ぎたい場合は、Windowsキー + C のショートカットを無効にすることを推奨します。
①「設定」アプリを開きます(Windowsキー + I)。
②左側のメニューから「個人用設定」を選択します。
③右側の画面をスクロールし、「キーボード ショートカット」を選択します。(または、「多機能タスクバー」の設定内にある場合もあります)
④「Windows+C キーで Copilot を起動」という項目のスイッチをオフに切り替えます。
これにより、意図せず「Windowsキー + C」を押してしまっても、Copilotが起動することはなくなります。
方法3:グループポリシーエディタで完全に無効化する(Proエディション限定・上級者向け
Windows 11 Proエディションをお使いの場合、グループポリシーエディタを使用することで、Copilotをシステムレベルで完全に無効化できます。この設定を行うと、再起動後もCopilotがタスクバーに表示されることはありません。
▶︎注意: グループポリシーの変更はシステムに影響を与える可能性があるため、慎重に操作を行ってください。
①Windowsキー + R を押し、「ファイル名を指定して実行」ダイアログを開きます。
②テキストボックスに「gpedit.msc」と入力し、「OK」をクリックするかEnterキーを押します。
③「ローカル グループ ポリシー エディター」が起動したら、左側のツリー構造から以下のパスを辿ってフォルダを開きます。
ユーザーの構成
→管理用テンプレート
→Windows コンポーネント
→Windows Copilot
右側のペインに表示された「Windows Copilot を許可する」という項目をダブルクリックします。
④表示された設定ダイアログで、左上のオプションを「無効」にチェックを入れ、「適用」をクリックし、「OK」をクリックして閉じます。
⑤設定を反映させるために、コンピューターを再起動します。
これで再起動後、Copilotは完全に無効化され、タスクバーに表示されることも、ショートカットキーで起動することもなくなります。
HomeエディションでCopilotを無効化したい場合(レジストリ編集・自己責任)
Windows 11 Homeエディションでは、グループポリシーエディタが利用できません。しかし、レジストリを編集することで、同様にCopilotを無効化することが可能です。
▶︎警告//レジストリの編集を誤ると、システムが不安定になる可能性があります。操作を誤らないように十分注意し、事前にシステムの復元ポイントを作成しておくことを強く推奨します。
①Windowsキー + R を押し、「ファイル名を指定して実行」ダイアログを開きます。
②テキストボックスに「regedit」と入力し、「OK」をクリックするかEnterキーを押します。
③「ユーザーアカウント制御」のダイアログが表示された場合は、「はい」をクリックします。
④レジストリエディターが起動したら、左側のツリー構造から以下のキーを探して開きます。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced
⑤「Advanced」キーを選択した状態で、右側の空いている部分を右クリックし、「新規」>「DWORD (32 ビット) 値」を選択します。
⑥作成された新しい値の名前を「ShowCopilotButton」に変更します。(スペルミスに注意してください)
⑦作成した「ShowCopilotButton」をダブルクリックし、「値のデータ」を「0」に設定します。(既定値は0になっている場合もありますが、念のため確認してください)
⑧レジストリエディターを閉じ、コンピューターを再起動します。
これで再起動後、Copilotはタスクバーから非表示になります。
さらに完全に無効化する場合(Home/Pro共通・より深いレジストリ編集)
より完全にCopilotを無効化したい場合は、以下のレジストリキーを編集する方法もあります。
▶︎警告・・こちらの操作もシステムに影響を与える可能性があるため、慎重に行ってください。
①レジストリエディターを開き、以下のキーを探します。
②HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\WindowsCopilot もし「WindowsCopilot」というキーが存在しない場合は、「Windows」キーを右クリックし、「新規」>「キー」を選択して「WindowsCopilot」という名前のキーを作成します。
③作成または選択した「WindowsCopilot」キーの下に、右クリックから「新規」>「DWORD (32 ビット) 値」を選択し、「AllowCopilot」という名前の新しい値を作成します。
④作成した「AllowCopilot」をダブルクリックし、「値のデータ」を「0」に設定します。
⑤レジストリエディターを閉じ、コンピューターを再起動します。
この設定により、Copilot機能自体がより深く無効化される可能性があります。
おわりに
Windows 11は常に進化し、新しい機能が追加されていますが、すべてのユーザーがそれらを必要としているわけではありません。特に、ユーザーが選択できない形で機能が実装される場合、今回のように煩わしさを感じることもあるでしょう。Copilotはまだ発展途上の機能であり、今後のアップデートでより便利になる可能性も秘めていますが、現時点では「必要な時にだけONにできる」という選択肢がユーザーに提供されることが望ましいと言えます。
本記事で紹介した非表示化・無効化の方法を参考に、あなたのWindows 11環境をより快適にカスタマイズし、煩わしいCopilotの問題から解放されてください。