2025年5月に配信されたWindows 11 バージョン24H2向けの更新プログラム「KB5058411」において、「ダウンロードできない」「インストールに失敗する」「途中で止まる」といったトラブルの報告が急増しています。(後半に6月5日時点の最新補足情報も追記しています)

そこで今日は、KB5058411特有のエラー内容や原因、効果的な解決法を項目別に詳しく解説します。
■ KB5058411とは?
KB5058411は、Windows 11 バージョン24H2向けに提供されている累積更新プログラムの一つです。
この更新では以下が含まれます。
- セキュリティの強化
- アップグレード前提となる内部構造の最適化
- 次期機能展開のための事前準備コード など
ただし、一部の環境や構成によっては更新が途中で止まる・失敗するといった事象が発生しています。
■ よくあるエラーコードと症状
以下のようなエラーコードが「KB5058411」の更新時に確認されています
エラーコード | 症状・説明 |
---|---|
0x800f081f | 必要なファイルが見つからず、インストールが進まない |
0xc1900101 | ドライバーの互換性問題やハードウェアのエラー |
0x80242016 | 他の更新プログラムと競合または一部破損 |
0x80073701 | システムコンポーネントの整合性エラーが原因 |
これらのエラーコードは、更新プログラム「KB5058411」に限らず、Windowsアップデート全般でよく見られるものですが、特に今回のアップデートではドライバーやシステム構成に起因するケースが目立ちます。
そのため、単なる再起動や時間の経過では解決しないことも多く、以下に紹介するような具体的な対処法を順に試すことが重要です。
また、複数のエラーが連続して発生する場合は、根本的なファイル破損やストレージ不具合も疑われるため、慎重に進める必要があります。
■ 対処法1:Windows Updateトラブルシューティングツールの実行
- 設定 → システム → トラブルシューティング
- 「その他のトラブルシューティングツール」→「Windows Update」を選び実行
自動で修復できる軽微な不具合なら、これで解消されることも多いです。
■ 対処法2:DISMおよびSFCツールを使ったシステム修復
・コマンドプロンプトを管理者として実行し、以下を入力します。
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
sfc /scannow
システムファイルの破損があると、KB5058411が正しく適用されない場合があります。
■ 対処法3:SoftwareDistributionフォルダのリセット
①「services.msc」で「Windows Update」を停止
②以下のフォルダを削除またはリネーム
C:\Windows\SoftwareDistribution
*「リネーム(rename)」とは、ファイルやフォルダの名前を変更することです。
③「Windows Update」サービスを再開
▶︎一時的な更新データが破損している場合、これで改善される可能性があります。
■ 対処法4:セキュリティソフトを一時的に無効にする
サードパーティ製のウイルス対策ソフトやファイアウォールが、更新処理をブロックしていることがあります。一時的に無効にし、アップデートを再試行してみてください。
▶︎Windows 11でファイアウォールを無効にする方法(ローカルネットワーク向け)
【手順1】設定を開く
- 「スタート」メニューをクリック
- 「設定(歯車アイコン)」を開く
【手順2】Windows セキュリティに進む
- 左メニューの「プライバシーとセキュリティ」をクリック
- 右側の「Windows セキュリティ」を選択
- 「ファイアウォールとネットワーク保護」をクリック
【手順3】ネットワークごとの設定を変更
表示されている3つのネットワークのうち、現在使っているネットワーク(通常は「プライベートネットワーク」)を選びます。
【手順4】ファイアウォールをオフにする
- 「Microsoft Defender ファイアウォール」の項目を「オフ」に切り替えます
- ユーザーアカウント制御の画面が出た場合は「はい」を選択
【注意点】
- インターネットに接続している状態でファイアウォールを無効にするのは、セキュリティリスクが高まるため短時間で済ませましょう。
- Windows Updateやドライバー更新が完了したら、必ずファイアウォールを「オン」に戻してください。
■ 対処法5:スタンドアロンインストーラーの使用
Microsoft UpdateカタログからKB5058411を直接ダウンロードして手動でインストールします。
- Microsoft Update Catalog
- 「KB5058411」で検索
- 使用中のバージョンに合ったファイルをダウンロード
- ダブルクリックで手動インストール
■ それでも失敗する場合は?
- セーフモードでのアップデート
- クリーンブート環境の作成
- アップグレードインストール(インプレース)
※既存のファイルを保持したまま更新を行う
これらの手段をすべて試してもアップデートが進まない場合、一時的にKB5058411の適用を見送り、次の月の累積更新を待つという選択肢もあります。
マイクロソフトは翌月以降の更新で問題を修正・改善することがあるため、無理に今すぐ適用しようとせず、PCの安定性を優先することも一つの方法です。
ただし、セキュリティパッチも含まれているため、できるだけ早めの適用を目指すことが推奨されている事は覚えておいてくださいね!
■【2025年6月最新補足】KB5058411に関する続報と追加対策
2025年6月現在、Microsoftは「KB5058411」に関する一部トラブルについて、次回の月例更新(6月第2週配信予定)で改善を行う方針を明らかにしています。
また、KB5058411によるインストール失敗の報告の多くは、以下のような構成に集中していることが判明しています。
- SSDとHDDの混在環境(特に旧式のHDDにOSをインストールしている場合)
- OEM(富士通・NEC・Lenovoなど)独自のドライバが残っているPC
- 24H2への手動アップグレード後、クリーンインストールを行っていない端末
上記に該当するユーザーは、一時的に「Windowsアップデートの一時停止(7日間)」を有効にすることで、次の安定版配信まで様子を見るのも有効です。
また、以下のような新たな回避策も6月時点で一部の技術者から共有されています。
- スタートアップ修復(回復環境から起動し「問題の修復」→「詳細オプション」→「スタートアップ修復」)
- TPMとセキュアブートを一時的に無効化→インストール後に再有効化
- Windows Update Resetスクリプトの活用(PowerShellや.batファイル)
*ただし、これらの操作は上級者向けであり、事前にバックアップを取ってから試すことが推奨されます。
6月中旬には「KB5060134」などの新たな修正パッチも予定されており、KB5058411の置き換えとなる可能性も指摘されています。
無理に今すぐ適用せず、「安定版が出るまで待つ」判断も十分に合理的です。
■ よくある質問(FAQ)
KB5058411のトラブルについては、ユーザーごとに発生状況やPC環境が異なるため、「何が正解かわからない」と感じる方も多いはずです。
ここでは、よく寄せられる質問をもとに、実際のケースに即した回答をQ&A形式でまとめました。
該当する質問があれば、ぜひ参考にしてください。
Q. KB5058411が見つからない場合は?
A. 適用条件を満たしていない可能性があります。バージョンを確認し、必要に応じて24H2適用済みかどうか確認してください。
Q. 何度試しても同じエラーになるのですが?
A. ハードウェアや構成上の問題が疑われます。上記の「スタンドアロン」または「インプレースアップグレード」を検討してください。
■ 関連リンク
■ まとめ:KB5058411の失敗は早めに対応を
KB5058411がインストールできないというトラブルは、複合的な要因によって発生しています。
「ドライバー」「ストレージ容量」「システムファイルの破損」など、1つずつ確認・対処することで解決に近づけます。
特定のKBに特化して調べている読者のために、この記事が参考になれば幸いです。
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