2025年8月のバッチチューズデー(日本時間:8月13日)では、Windows 11 バージョン24H2向けにいくつかの重要な機能追加と改善が予定されています。これは、2025年7月に配信されたプレビュー更新プログラム「KB5062660」をベースにしており、以下のような変更が正式版として含まれる見込みです。

新機能・改善内容一覧
機能名 | 改善内容 |
---|---|
Quick Machine Recovery | Windows回復環境(WinRE)を利用し、 起動不能などの深刻な問題を自動で検出・修復。 これまでより簡単にPCの復旧が可能に。 |
Black Screen of Death | ブルースクリーンがブラックスクリーンに変更。 UIが洗練され、視覚的な違和感が軽減。 |
Recall機能の拡張 | これまで米国限定だったRecall機能が、 ヨーロッパ経済圏(EEA)でも利用可能に。 データのローカル保存によるプライバシー対応も進化。 |
Windows検索の改善 | 設定内の「検索」オプションが統合され、 設定変更や履歴管理がしやすくなった。 |
Click to Doの強化 | AIによるアクション提案機能がアップデート。 カレンダー・メール・ToDoリストとの連携精度が向上。 |
Thunderbolt GPU問題の修正 | 外付けGPU(eGPU)をThunderboltで接続した際に、 認識されない問題が解消。クリエイターにとって朗報。 |
上記のように、今回のアップデートでは利便性の向上だけでなく、システムの安定性や回復力を強化する機能も多数含まれています。次のセクションでは、これらの変更に伴って確認されている不具合についても見ていきましょう。
報告されている不具合(プレビュー時点)
KB5062660のプレビュー版では、以下のような既知の不具合も確認されています。
- インストール失敗(0x80073712、0x80070005、0x800f0922)
- スリープ復帰後のブルースクリーン(BSoD)
- UIのクラッシュ(スタートメニューやタスクバーが応答しない)
- Microsoft Pluton関連の暗号処理エラー
補足と注意点
- これらの変更は、Windows 11 バージョン24H2が対象です。
- 8月の更新では安定版として配信予定ですが、不具合が心配な方は更新を延期するか、事前にバックアップを取っておきましょう。
特に「Quick Machine Recovery」や「Recall拡張」は、PCを日常的に使うユーザーにとって大きな利便性向上につながります。一方で、新しい機能導入に伴って不具合も懸念されるため、Windows Updateの前には「復元ポイントの作成」や「重要ファイルのバックアップ」をしておくのがおすすめです。
機能の背景と意義
Quick Machine Recoveryは、Windows回復環境(WinRE)をさらに進化させたもので、従来の「スタートアップ修復」や「自動修復」よりも柔軟に動作します。特に近年多発しているアップデート失敗やブート関連のエラー(BCD破損、ドライバ競合など)に対し、自動で修復スクリプトを実行し復旧を試みるのが特徴です。将来的には、ユーザーが操作せずとも“ほぼ放置で回復できる”Windowsを目指している可能性もあります。
Black Screen of Death(BSoD)への移行は、単なる見た目の変更ではありません。実はWindows 11初期にも黒背景のBSoDが一時採用されていましたが、ユーザーの混乱や意見を受けて青に戻された経緯があります。今回の再導入では、背景が黒になってもUIや表示項目がより整理されており、IT管理者にも読みやすくなっている点が注目されます。
RecallのEEA展開については、欧州の個人情報保護規制(GDPR)との整合性が鍵となっていました。Microsoftはローカルストレージでの処理限定や、クラウドとの分離制御を強化することで、ヨーロッパでもRecallが合法的に提供できる体制を整えつつあります。今後、日本でも同様の議論が進む可能性があります。
AI機能を活かすには、ある程度スペックに余裕のあるPCが推奨されています。
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Windows検索機能の改善は、コントロールパネルと設定アプリの“重複問題”を統合する流れの一環です。これまで「検索バーで出てくる項目」と「設定画面の表示」が食い違うことがありましたが、今回の改善で検索UIが統一され、パフォーマンス向上とUIの一貫性が期待できます。
Click to Doの強化は、Copilotとの連携に直結しています。メール文中の内容からタスク登録を提案したり、スケジュールに直接反映させたりと、“手間をかけずにToDoを完結できる環境”に近づいてきています。
ThunderboltのGPU認識バグは、特に外部eGPU(例:ゲーミング用グラボやAdobe系ソフト用の補助GPU)を使っていたユーザーにとって長年の悩みでした。この修正により、クリエイターや3D開発者のモバイルワーク環境が安定すると期待されます。
アップデート前には、大切なデータを外付けSSDなどにバックアップしておくと安心です。以下のようなポータブルタイプなら、設定不要ですぐに使えます。
小ネタ・豆知識:開発の舞台裏
実は、KB5062660で導入された内容の多くは、Windows Insider ProgramのCanaryチャンネルで数ヶ月前からテストされていたものです。特にRecallやQuick Machine Recoveryについては、リーク情報として先に話題になっていました。また、Microsoft内部では2026年に向けてAI搭載PCの一般化を見据えた布石として、こうしたUI・UXの最適化が加速していると言われています。
このように、今回のバッチチューズデーは単なる不具合修正だけではなく、Windowsの中長期的な進化を感じさせるアップデートとなっています。
まとめ:8月のバッチチューズデーで注目すべきポイント
項目 | 内容 |
---|---|
対象バージョン | Windows 11 バージョン24H2(Home / Pro / Enterprise) |
主な機能追加 | Quick Machine Recovery、RecallのEEA対応、Black Screen of Death など |
改善点 | 検索機能の統合、Click to DoのAI連携、GPU認識バグ修正 |
確認された不具合 | アップデート失敗、UIクラッシュ、暗号処理エラー(Pluton)など |
更新前の注意点 | システムのバックアップ・復元ポイントの作成がおすすめ |
今回のバッチチューズデーでは、単なるバグ修正だけでなく、Windows 11の“次のフェーズ”を見据えた機能強化が行われています。
RecallやClick to DoといったAI機能の本格展開はもちろん、リカバリ性やUX向上も着実に進んでいます。更新による恩恵を最大限に受けるためにも、不具合に備えて事前準備をしておくことが重要です。
今後の更新に向けて、この記事を参考に安全かつ快適なWindows環境を整えていきましょう。
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