
「Windows 11に、ついにAIで“過去の操作”を見返せる機能が登場!」
そんな話題で注目されているのが、新機能「リコール(Recall)」です。これは、過去にPCで行った作業を、自動的に記録・整理し、あとから検索・再確認できるという、まさにAI時代ならではの機能です。
「とっても便利そうだけど、ちょっと怖い気もする…」という声も多いのが正直なところ。この記事では、Windows 11の「リコール」機能について、何ができるのか、誰に向いているのか、どんな注意点があるのかを丁寧にご紹介します。
リコールとは?AIがあなたの操作を“記憶”する機能
リコールとは、ユーザーの画面上の操作を定期的に記録(スクリーンショットのような形で)保存し、あとから簡単に検索・再確認できるという新しい機能です。
なぜ、いまこのような「記憶するPC機能」が注目されているのでしょうか?
その背景には、私たちの作業スタイルが大きく変化してきたことがあります。たとえば、以前なら1つの作業を集中して行っていたのが、最近では複数のタブやアプリを同時に開き、「マルチタスク」が当たり前の時代になっています。
その結果、「あの資料どこに保存したっけ?」「さっきの調べ物、何のキーワードで検索したっけ?」といった“小さな記憶の断片”を思い出すことが、日常的なストレスになっています。
Recallは、そうした「PCの中で発生した記憶を、AIにまかせて再現する」という、まったく新しい発想のもとに設計されています。
この機能を使うことで、たとえば以下のようなことが可能になります。
- 「昨日見たあのウェブページ、どこだったっけ?」をAIが検索で再表示
- 「書いていた文章のあの一文」を時間軸でさかのぼって確認
- 過去に開いたアプリ・ファイル・会話なども瞬時に再現
まるでPCが“自分の記憶”のように働いてくれる機能ですが、使うには条件があります。
使えるのは「Copilot+PC」のみ
現時点でリコールが使えるのは、Copilot+PC(AI処理用のNPUを搭載した最新モデル)に限られます。IntelやAMDの従来型PCでは使えません。
主な対象機種は、Snapdragon X Elite搭載のノートパソコンなど。以下のような製品が該当します。
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リコールって、本当に便利なの?
「確かにすごい機能だけど、自分にとって必要かな?」と迷っている方も多いと思います。ここでは、リコールが向いている人・向いていない人を、具体的に見てみましょう。
ユーザータイプ | おすすめ度 | 理由 |
---|---|---|
情報収集・研究職 | ◎ | 資料の再確認が多く、時短になる |
Webライター・ブロガー | ◎ | 過去の参照サイトや文章が一目で見つかる |
クリエイター・開発者 | ○ | 作業工程の履歴管理がしやすい |
家族共用のPC利用者 | △ | 他人に操作履歴が見られるリスクがある |
セキュリティ重視のビジネス利用者 | × | 機密情報の自動保存に不安がある |
上記のように、リコールは非常に便利な反面、プライバシーや利用環境に応じた使い方が求められる機能でもあります。とくに共用PCや業務用PCでは、内容の記録が意図しないトラブルにつながるおそれもあるため、慎重な判断が必要です。
プライバシー面の注意点
リコールはあくまでローカル保存ですが、記録される内容には「ログイン画面」「チャット履歴」「閲覧サイト」「アプリ内容」なども含まれます。
また、初期状態ではONになっている可能性が高く、家族と共用のPCや、他人が操作する可能性があるPCでは注意が必要です。
設定からオフにできる?
はい、設定から無効にすることも可能です(正式リリース後に、以下のような手順になると予想されています)。
- [設定] → [プライバシーとセキュリティ] → [リコール] からオフ
- 一部アプリやWebページは除外リストに登録可(例:銀行・医療サイトなど)
リコールは非常に便利な反面、すべてのユーザーにとって歓迎される機能とは限りません。そのため、自分の利用目的に合っていないと感じた場合や、プライバシーが気になる場合は、迷わず無効にすることをおすすめします。
とくに、共有パソコンや仕事用の端末では、他人の操作が記録されたり、誤って機密情報が記録されたりするリスクもあります。また、アプリやWebサイトごとに除外設定ができる予定ですが、記録の対象外にしたい画面をすべて手動で登録するのは手間がかかるため、根本的にオフにしておいた方が安心という方も多いでしょう。
Recallは、必要に応じてオン・オフを柔軟に切り替えられる設計になっているのが利点です。導入時には一度設定を見直して、自分にとって本当に必要かを判断するようにしましょう。
リコールが記録する内容と精度
記録の内容はどこまで細かいのか?という点も、多くの方が気になるポイントだと思います。
現時点の情報では、Recallは数秒ごとに画面全体のスナップショット(静止画像)を記録しており、テキストデータそのものではなく、視覚的な情報を元にAIが解析しています。
つまり、何かの操作をした「瞬間」や、読んでいた「ページのレイアウト」などが、かなり正確に保存されているということになります。
また、AIによる画像内文字の読み取り(OCR)や、キーワード抽出技術が活用されることで、「視覚的に探す」だけでなく、「検索して絞り込む」こともできるのが大きな特長です。
将来的な進化は?
今後、Recallはさらに進化していくことが予想されています。たとえば、特定アプリごとのフィルター、顔認証によるログイン時だけ記録、企業向けのカスタマイズ機能などが検討されているようです。
一方で、AIによる作業履歴の分析が“予期しない行動パターンの把握”につながる可能性もあり、倫理的な議論が今後活発になると考えられます。
技術的には魅力的な一方で、私たちの「プライベートな作業空間」がどこまで記録されるべきかという、本質的な問いを突きつけてくるのがRecallなのかもしれません。
Recallを安全に使うためのポイント
- BitLockerなどでドライブを暗号化しておく
- Windows Hello(顔認証など)でセキュリティを強化
- 業務用PCでは利用を避けるか、管理者による制限を検討
- 共有アカウントでは使用しない
まとめ:Recallは「人を選ぶ」強力な機能です
Windows 11の新機能「リコール」は、PCの使い方を大きく変える可能性を持った強力なツールです。
しかし、そのぶんプライバシー管理や使い方の選択がとても重要になります。向いている方には非常に便利ですが、そうでない方には不安材料にもなりえます。
ご自身のPC利用スタイルに合わせて、必要かどうかをじっくり検討してみてくださいね
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