Windows 10のサポート終了が2025年10月に迫る中、「そろそろアップグレードしなきゃ」と考えている方も多いのではないでしょうか?
でも実際には
「自分のパソコンはアップグレードできるの?」
「非対応だったらどうすればいいの?」
と不安を感じている方も少なくありません。
そこで今日は、Windows 11へのアップグレード方法をわかりやすく解説し、さらに非対応PCでもアップグレードできる裏技や、上級者向けの注意点も網羅した“完全ガイド”をお届けします。
Windows 11へのアップグレードとは?

Windows 11は、Windows 10の後継となる最新OSで、より美しいデザインとセキュリティ機能の強化が特徴です。アップグレードとは、既存のWindows 10環境をそのままWindows 11に移行することを意味します。
アップグレード前のチェックポイント
アップグレードできるかを確認するには、次の要件を満たしている必要があります。
- TPM 2.0が有効
- セキュアブートが有効
- Intel第8世代以降、またはAMD Ryzen 2000以降のCPU
- メモリ 4GB以上
- ストレージ 64GB以上
>詳しい確認方法は以下の記事でも紹介しています
▶︎Windows10をアップグレードしようとすると「注意が必要です」と表示された!
公式のアップグレード手順(対応PC向け)
手順1:バックアップをとる
Windowsアップグレード中に万が一失敗した場合に備えて、重要なファイルは外付けHDDやOneDriveにバックアップしておきましょう。
手順2:「PC正常性チェック」ツールで互換性を確認
公式サイトから「PC Health Check」ツールをインストールし、実行してください。
手順3:Windows Update からアップグレード
設定 → 更新とセキュリティ → Windows Update から「Windows 11へのアップグレード」通知が出ていれば、指示に従って進めるだけです。
アップグレードできないPCの対策
「互換性なし」と表示された場合、以下の選択肢があります。
対策 | 内容 |
---|---|
BIOSの設定変更 | TPMやセキュアブートが無効になっているだけの可能性あり。BIOS(UEFI)設定で有効にすることで対応できることがあります。 |
ハードのアップグレード | メモリの増設、SSD換装、対応CPUへの交換などにより要件を満たせる場合があります(自己作業または専門業者へ依頼)。 |
Windows 10を延命 | 企業向けには有償延長サポート(ESU)がありますが、一般家庭向けは対象外の可能性あり。セキュリティ対策を強化して継続利用することも一案です。 |
別OSを導入 | Linuxなどの軽量OSへの移行を検討する方法もあります(中〜上級者向け)。古いPCでも軽快に動作するケースがあります。 |
上記のように、Windows 11にアップグレードできないPCでも、状況に応じた対策をとることで選択肢は広がります。
特に「TPMやセキュアブートが無効になっているだけだった」というケースは非常に多く、BIOS設定を見直すだけで解決することもあります。
一方で、ハードの限界や経年劣化によってどうしても対応が難しい場合は、今後のセキュリティリスクを考慮し、早めに買い替えや他のOSへの乗り換えも視野に入れて検討することが大切です。
「できない」と思い込まず、まずは一つひとつ確認しながら、自分に合った方法を探してみましょう。
TPMの解説記事はこちら▶︎PCでTPM 2.0とセキュアブートを有効にする詳しすぎる解説
裏技:非対応PCでWindows 11を動かす方法(※自己責任)
Microsoftは一部の非対応PCでも、ISOファイルを用いたアップグレードを黙認しています。以下は代表的な方法です。
方法1:レジストリを使ったバイパス
- HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\Setup\MoSetup
- AllowUpgradesWithUnsupportedTPMOrCPU を作成して 1 に設定
(この操作は自己責任で行ってください。公式サポート外になります。)
この方法は、Windows 11のハードウェア要件を回避する裏技として広く知られていますが、Microsoftの公式サポート対象外となるため、今後のアップデートで不具合が発生したり、セキュリティ上のリスクを抱える可能性があります。また、レジストリの編集はシステムに直接影響を与える操作です。誤った変更を加えると、最悪の場合Windowsが起動しなくなることもあるため、バックアップを取った上で慎重に作業を行うことを強くおすすめします。リスクを理解した上で「自己責任」で行うことを前提に、必要な方のみ実施してください。
方法2:Rufusを使ってISOからクリーンインストール
- RufusでWindows 11のブートUSBを作成
- TPM・セキュアブートチェックをスキップ設定して作成可能
この方法では、Rufusというツールを使ってWindows 11のインストールUSBを作成する際に、TPMやセキュアブートのチェックをあらかじめ無効化しておくことができます。
そのため、公式には非対応とされているPCでもWindows 11をインストールできるようになりますが、やはりこちらもサポート外の手段であり、動作保証やアップデートの継続提供がされない可能性がある点には注意が必要です。
また、クリーンインストールになるため、現在の環境やアプリ・ファイルが初期化される点にも留意してください。大切なデータは事前に必ずバックアップを取りましょう。
実行は自己責任となりますが、非対応PCにWindows 11を試したい上級者の方にとっては、有効な手段の一つです。
上級者向けの注意点とおすすめ設定
【注意点】
インストール後のドライバ互換性に注意
古いハードではグラフィックドライバが対応していないこともあります。
Windows Updateが正しく機能しないケースもあり
非対応PCではアップデート対象から外される可能性があります。
セキュリティ強化のためのおすすめ設定
・ファイアウォールの見直し
・BitLockerの導入(TPMがある場合)
・ストレージセンサーの活用
Windows 11はWindows 10に比べてセキュリティ面が強化されていますが、それでも初期状態のままでは不十分なこともあります。上記で紹介した設定を見直すことで、ウイルスや不正アクセス、情報漏洩などのリスクを大幅に軽減することができます。
特に、ファイアウォールの設定やBitLockerによるドライブ暗号化は、個人情報や業務データを扱う方にとって必須の対策と言えるでしょう。こうした基本的な対策をしっかりと行っておくことは、長く安全にWindows 11を使い続けるための重要です!
【2025年6月最新】補足:24H2アップグレードと注意点
◾ Windows 11「バージョン24H2」は年内一般提供予定
2025年6月現在、Windows 11の次期大型アップデート「バージョン24H2(24H2)」は、すでに一部Insider向けに提供が開始されており、年内の一般展開が予定されています。
これにより、今からアップグレードする方は「24H2」が標準になる見込みです。バージョン22H2や23H2と比べて要件がさらに厳しくなる可能性もあり、ギリギリのスペックのPCでは非対応と判断されるケースが増えています。
◾ 非対応PCは、アップデート中に「0xc1900101」などの重大エラーが出ることも
非対応PCでのアップグレードを試みると、以下のようなエラーが発生することがあります。
エラーコード | 内容 |
---|---|
0xc1900101 | ドライバの互換性問題やストレージ不足が原因で発生する代表的なアップグレード失敗エラー |
0x80070005 | 権限不足またはセキュリティソフトの干渉による失敗 |
0x800F0954 | .NET Frameworkの導入失敗による影響(特に古いアプリ使用時) |
これらのエラーに備えて、アップグレード前にはドライバ更新・空き容量確保・セキュリティソフトの一時無効化などを行っておくことが重要です。
◾ 2025年秋以降は「セキュリティソフトやアプリ」がWindows 10非対応に
Windows 10のサポート終了が近づくにつれ、セキュリティソフトや業務アプリの一部がWindows 10のサポートを打ち切る動きが見られます。
- 例:2025年10月以降、Microsoft Defenderの新機能がWindows 10に提供されない予定
- 例:一部のVPN・業務管理ツールが24H2を前提とした設計に移行
そのため、非対応PCでのWindows 10継続利用にはリスクが高まる一方です。できるだけ早めの対策・アップグレードをおすすめします。
まとめ
Windows 11へのアップグレードは、基本的には簡単ですが、PCのスペックや設定によっては手間がかかるケースもあります。
特に非対応PCの場合は、裏技を使うことで実現可能ですが、サポート対象外になるリスクもあるため慎重に判断してください。
今後のセキュリティやソフトウェアの互換性を考えると、可能な限りWindows 11に移行することをおすすめします。
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