みんなが「辞めとけ」と言うのに…ダメな人に惹かれてしまう理由とは?
― 心理カウンセラーがひも解く“ダメな人に惹かれる心理” ―
■ はじめに
「その人、辞めといた方がいいよ」
「どう考えても幸せになれないよ」
そんな忠告を受けてもなお、どうしても気になる。
むしろ、「他の人が反対するからこそ、惹かれてしまう自分がいる」――そんな経験ありませんか?
この記事では、心理学の視点から「なぜ“辞めとけ”と言われる人に惹かれるのか?」をひも解いていきます。
■ 心理①:自己肯定感の低さが引き寄せる
自分に自信がない人ほど、「私なんかにはこの人くらいがちょうどいい」と思い込んでしまうことがあります。
本当は優しく大切にしてくれる人を望んでいても、「愛される価値がない」と思っていると、つい“問題のある相手”を選んでしまうのです。
■ 心理②:過去の愛情体験の影響(インナーチャイルド)
「怒られるまで気を引けなかった」
「振り向いてもらうには我慢が必要だった」
そんな幼少期の体験があると、大人になっても「苦しい関係=愛」と無意識に思い込んでしまいます。
その結果、みんなが避ける“刺激的な相手”に惹かれてしまうのです。
■ 心理③:自分が救わなければという“救済願望”
相手に問題があると知りながらも、「私が変えてあげたい」「私だけはこの人を理解できる」と感じることはありませんか?
これは「役割を果たすことで存在価値を得ようとする心理」です。
一見、愛情深く見えますが、自分をすり減らす危険も伴います。
■ 心理④:刺激を“愛”と勘違いしてしまう
穏やかで安定した関係が「退屈」に感じ、むしろトラブルの多い相手に“ドキドキ”を感じてしまう――。
これは、「情動の高まり」を恋愛感情と混同してしまう心理です。
感情が揺さぶられることで、「この人しかいない」と思い込んでしまうのです。
■ 心理⑤:「反対されるほど燃える」逆張りの心理
誰かに「やめときなよ」と言われると、“自分の気持ち”を守ろうと反発する心理が働くこともあります。
「どうせ誰もわかってくれない」と感じている人ほど、この傾向は強くなります。
■ どうすればいいの?心を整える3つのヒント

1. 「私が幸せになれる恋か?」と問い直してみる
惹かれる気持ちが強いときほど、「この恋がうまくいくかどうか」ではなく、「この恋で私は幸せになれるか?」という視点を忘れがちです。
恋愛に夢中になっていると、相手にどう思われるかばかりが気になって、自分の気持ちや生活が犠牲になっていることに気づけなくなることがあります。
一度、静かな時間に「この関係を続けた未来に、笑っている自分が想像できるか?」と自分に問いかけてみてください。答えは案外、あなたの中にもうあるはずです。
2. 相手の“現実”を見る勇気を持つ
恋は時に、フィルターを通して相手を見てしまうものです。
「本当はやさしい人なの」「私にだけは特別だから」といった思い込みが、問題点を見過ごす原因になることもあります。
第三者の意見を受け入れるのが難しいときこそ、自分の目で“事実”を見つめ直す勇気が必要です。
・約束を守ってくれるか
・暴言やモラハラ的な言動はないか
・あなたの気持ちを尊重してくれているか
「愛している」と言われるより、行動にどれだけ愛があるかが、あなたの心の安心につながります。
3. 「自分を愛する」ことから始めてみる
誰かを好きになる前に、本当は一番大切なのは“自分自身との関係”です。
自分に自信がない、価値がないと感じていると、無意識に「私を認めてくれる人」に依存してしまいやすくなります。
朝起きた自分を「おはよう」と迎え、疲れて帰ってきた自分に「今日も頑張ったね」と声をかける。
そんな小さな積み重ねが、自分を大切にする感覚を育ててくれます。
自分を愛せるようになると、「これは私の人生にふさわしい恋だろうか?」と自然と冷静な目で見られるようになります。
■ まとめ
誰かに惹かれる気持ちは、理屈では止められないものです。
けれど、「みんなが辞めとけという人」は、なぜ周囲からそう見られているのか、一度冷静に考えてみることも大切です。
自分を大切にする恋でなければ、どんなにドキドキしても、それは“愛”ではなく“依存”かもしれません。
あなたが本当に幸せになれる相手を選べるように、少しずつ心の声に耳を傾けていきましょう。