前回、Hyper-V仮想マシンの『元に戻す』の解説をしましたが、今日はチームで開発をする場合にも使える
【共有機能】について詳しく解説します。

本機能では、異なるハードウェア間での仮想マシンの移動を可能とします。
尚、移動元、移動先のどちらの環境においても、Hyper-V環境が構築されている必要があります。
以下に、仮想マシンのエクスポートとインポート(移行)の仕組みをわかりやすく表形式でまとめました。
仮想マシン移行の仕組み(VM Export Files *.vmcz を使用)
項目 | 内容 |
出発点 | 移行元のPCにある仮想マシン(Hyper-V) |
操作内容 | 仮想マシンのエクスポート(*.vmczファイルとして保存) |
エクスポートされる内容 | 仮想マシンの現在の状態、構成情報、仮想ディスクなど |
出力形式 | .vmcz(VM Export File)という1つの圧縮ファイル |
移行方法 | 出力した.vmczファイルをUSBメモリやクラウド経由でコピー |
移行先環境 | Hyper-Vが有効な別のPCやサーバー |
インポート方法 | Hyper-Vマネージャーで.vmczファイルを読み込み、仮想マシンとして復元 |
メリット | 簡単・手軽に仮想マシンを丸ごと移行できる/設定が再現される |
このように、仮想マシンの完全な状態を1つのファイルとしてまとめて移行できるため、環境の再構築やバックアップにも便利です。
仕組みとしては、仮想マシンの現在の状態や仮想ディスクをVM export Files(*.vmcz)という1つのファイルにして、移行先のハードウェアでHyper-V環境に読み込ませることにより実現します
機能はエクスポートの一種です。
Hyper-Vマネージャーでのエクスポート操作では、チェックポイントもエクスポートされますが、共有機能では、チェックポイントはエクスポートされません。
仮想化マシン『共有』の設定方法
開発用のパソコンで動いているHyper-V環境で作成された仮想マシンをそのまま、本番用サーバーで動いているHyper-V環境に移行するような用途で使用できます
下記画面にある様に、左から11個目のアイコンをクリックすることで、実行できます。
① 共有機能の実行
左から11個目のアイコン『共有』をクリックする。

② ファイル保存先の指定
仮想マシンの出力先フォルダーとファイル名の指定を行い、「保存」ボタンを押下する。
▶︎私の場合はファイル名を「VM−001.vmcz」にしました。

③ 仮想マシンのエクスポート
仮想マシンのファイルへのエクスポートが開始されることを確認してください。
画面の下部に「仮想マシンを共有しています」のメッセージとともに進捗バーが伸びますので、このメッセージが消えるまで待ちます。
注意点・メッセージが消えても、ファイル作成は完了しておらず、エクスポートファイルの作成完了までには、かなりの時間がかかります。
*CPU負荷もかなり高くなります。
私PCでは、完了までに30分ほどかかりました。
④ エクスプローラーの起動
タスクバーのエクスプローラーのアイコンをクリックする。
⑤ エクスポートファイルの確認
エクスプローラーが起動されたことを確認する。
その後、左ペインのディレクトリツリーより、先ほどファイルの保存先で、指定したフォルダーをクリックして開く。

先に作ったファイル「VM-001.vmcz.tmp」が作成され、サイズが増え続けている事が確認できます。
この状態では、まだエクスポートが完了していません。辛抱強く待ちます。
⑥ エクスポートファイルの確認続き
エクスポートが完了し、ファイル名から.tmpが外れることを確認する。

待つこと30分、エクスポートが無事完了し、ファイル名が「VM-001.vmcz.tmp」から「VM-001.vmcz」に変更になりました!
ファイルサイズにして、13.5GBほどあります。
因みに仮想マシン上でディスク使用量を確認すると下記の通りです。

仮想マシン上では、126GBのサイズのディスクが割り当てられており、使用量は29.2GBとなっています。
エクスポートされたファイルはかなり圧縮されたものとなっているようです。
▶︎ここまでで、「共有」という名称のエクスポート機能の説明は終わりです。
続いて、このエクスポートしたファイルをどのようにして、Hyper-Vにインポートするかですが、これは単純なものでした。
エクスプローラー上で、エクスポートしたファイルをダブルクリックすれば勝手に読み込みが開始されるからです。

「4.共有機能」の冒頭にも記述した通り、通常のエクスポート、インポートとは、違うもののようです。

あとがき・Hyper-V仮想マシンを共有
続いて、ファイルのインポートについて記していく予定でしたが、インポートの記述に関してもかなりのボリュームが見込まれる為、切りのいいこのタイミングで区切りにしたいと思います。
次回は、「共有」機能でエクスポートされたファイルを今使用しているのとは、異なるパソコンにインポートしてみて、その状態の確認や操作方法を記していきたいと思います。
(つづく)