
はじめに
「Wi-Fiでは問題なく開けるのに、有線LANだとGoogleスプレッドシートが開かない…」
このような現象に遭遇したことはありませんか?
ブラウザに「接続がリセットされました(ERR_CONNECTION_RESET)」と表示されると、まるでネット全体が壊れたように見えますが、実際は “Windows側のネットワーク設定が残っている” ことが原因の場合がほとんどです。
本記事では、Wi-Fiでは動作するのに有線LANではGoogleに繋がらないケースを中心に、考えられる原因と具体的な解決手順を詳しくご紹介します。
1. 症状の特徴
以下のような特徴がある場合、本記事の内容が該当します。
- Chromeでは開けるが、Edgeだけ「接続がリセット」になる
- Wi-Fiでは問題ないが、有線LAN接続時にのみエラーが出る
- Googleスプレッドシート・Gmail・YouTubeなどGoogle系だけが開けない
- 再起動しても変わらない
- VPNやセキュリティソフトをオフにしても改善しない
これらが当てはまる場合は、LANプロファイルに古いネットワーク設定(DNSやプロキシ情報)が残っている可能性が高いです。
2. なぜ有線LANだけで通信が止まるのか?
Windowsは、Wi-Fiと有線LANを別々のネットワークプロファイルとして管理しています。
そのため、VPN・企業ネットワーク・セキュリティソフトを一度でも使ったことがある場合、有線側だけ古い設定が残ってしまうことがあります。
主な原因は次の3つです。
原因 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
DNS設定のズレ | 有線LANだけ古い手動DNS(例:8.8.8.8など)が残っている | 自動取得に戻す必要あり |
プロキシ設定 | VPNや会社LANの自動構成スクリプトが残っている | 「LANの設定」でOFF |
ルーター/スイッチ側のHTTPS制限 | 有線ポート経由でGoogle通信を遮断する機器設定 | 家庭用では稀だが企業ではあり |
3. 解決手順(Wi-Fiは繋がるが、有線LANでGoogleだけ開けないとき)
以下の順に進めてください。どれも安全で、設定変更はすぐ元に戻せます。
✅ 手順①:WinHTTPのプロキシ設定をリセット
- スタートメニューで「cmd」と入力
- 右クリック → 「管理者として実行」
- 以下のコマンドを順番に入力し、Enterキーを押します
netsh winhttp show proxy
netsh winhttp reset proxy
※「Direct access (no proxy server).」と表示されればOKです。
PCを再起動して再試行してください。
✅ 手順②:DNSキャッシュをクリア
- 再度「管理者として実行」したコマンドプロンプトで以下を入力
ipconfig /flushdns
netsh winsock reset
- 「正常にリセットされました」と表示されたらPCを再起動。
DNSやソケット設定がリセットされます。
✅ 手順③:LAN設定を確認(ここが一番多い原因)
- スタートメニューで「インターネットオプション」と入力して開く
- 「接続」タブ → 「LANの設定」ボタン
- 以下のようになっているか確認
- 「設定を自動的に検出する」✅
- 「プロキシサーバーを使用する」❌(チェックを外す)
- OK → OK → Edgeを再起動
これでGoogleサイトに再アクセスしてみましょう。
✅ 手順④:DNSを自動取得に戻す
- スタート → 「ネットワーク接続の表示」
- 「イーサネット(有線)」を右クリック → 「プロパティ」
- 「インターネット プロトコル バージョン4(TCP/IPv4)」を選び「プロパティ」
- 次の設定になっているか確認
- IPアドレスを自動的に取得する
- DNSサーバーのアドレスを自動的に取得する
- OK → OK → 再起動
手動でDNSが「8.8.8.8」など固定されていると、ルーターや社内ネットワークによってはGoogleへの接続が拒否されることがあります。
✅ 手順⑤:Edgeのネットワーク設定を初期化
- Edgeを開く
- 「設定 → 設定のリセット → 設定を元の既定値に戻す」
- 確認ウィンドウで「リセット」を選択
- Edgeを再起動してGoogleを開く
4. Wi-Fiでは動くのに有線ではダメだった理由
Wi-Fiと有線LANは、Windows上ではまったく別の設定として扱われます。
つまり「Wi-Fiは正常」「有線は古い設定」という状態が同時に起こり得ます。
例として:
接続方式 | DNS設定 | プロキシ | 結果 |
---|---|---|---|
Wi-Fi | 自動取得 | なし | 正常にGoogleへ接続 |
有線LAN | 固定8.8.8.8 | 古いVPN残り | ERR_CONNECTION_RESET発生 |
このように、どちらか片方だけが通信できない場合は、「ネットワークプロファイルの差」が原因です。
5. それでも直らないときの追加チェック
- セキュリティソフト(ESET、カスペルスキーなど)を一時停止
→ HTTPSスキャンを行うタイプはGoogle証明書を遮断する場合があります。 - ルーターを再起動
→ 有線ポート側のキャッシュや一時フィルタをクリアできます。 - EdgeのInPrivateウィンドウで開く
→ 開けるなら拡張機能またはCookieが原因の可能性大です。
6. まとめ:焦らず順に設定を戻すのがコツ
有線LANだけGoogleが開けない場合、ハードウェアの故障ではなく、
「Windowsのネットワーク構成情報の残り」が原因であることがほとんどです。
Wi-Fiで正常に通信できるなら、まずは以下の順に試してみましょう👇
- WinHTTPのプロキシをリセット
- DNSキャッシュをクリア
- LAN設定の「プロキシサーバー使用」をOFF
- DNSを自動取得に戻す
- Edgeをリセット
たったこれだけで、ほとんどの「有線だけ通信できない」問題は解決します。
一言アドバイス
有線LANは「安定して速い」反面、設定が残りやすいのが弱点です。
在宅勤務やVPN利用後に問題が出たら、まずは「プロキシとDNSの自動設定」を確認してみましょう。
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