「昔のメール」「仕事用」「サブのメール」など、複数のアドレスを使っていると、確認が面倒になりがちです。そんなとき便利なのが メールの転送です。旧アドレスに届いたメールを、普段使うメインのメールへ自動で送れます。
ただし、メールをまとめる方法は大きく3つあります。
- A. 自動転送:届いたら即メインに転送(いちばん簡単)
- B. 取り込み(POP):旧アドレスの受信箱をメイン側で吸い上げる
- C. 送信元の統合(送信エイリアス/差出人追加):メインから旧アドレス名で返信できるようにする
この記事では、まず A(自動転送)を中心に、必要ならB・Cもできるように、順番に解説します。

⚠️先に重要な注意(会社メール・業務メールの人へ)
会社や会計事務所などの業務メールを個人メールへ転送すると、情報漏えい扱いになることがあります。
- 社内規程で転送が禁止されていないか
- 顧客情報・個人情報を含むメールを転送してよいか
- 監査・ログ保全の都合でNGの会社もある
ここが少しでも不安なら、個人アドレスへの転送ではなく、公式の方法(管理者許可、共有メールボックス、ルール設定)で対応しましょう。
A. 自動転送(届いたら即転送)を設定する
1)Gmail → メインのメールへ自動転送する方法
対象:旧Gmailから、普段使うGmail/Outlook等へ転送したい人
手順
- 旧Gmailにログイン
- 右上の 歯車(設定) → 「すべての設定を表示」
- 上のタブから 「メール転送とPOP/IMAP」 を開く
- 「転送」 の欄で
「転送先アドレスを追加」 をクリック - 転送したいメインのメールアドレスを入力 → 次へ → 確認
- 入力した転送先(メイン側のメール)に、確認コード(承認メール)が届く
- そのメールを開き、リンクを押す or コードを旧Gmail側に入力
- 旧Gmailの設定画面に戻り、
「転送を有効にする」 を選ぶ - 「転送してどうするか」も選ぶ(おすすめは下)
- ✓ おすすめ:Gmailの受信トレイにメールのコピーを残す
- 容量を減らしたい人:アーカイブ/削除(ただし消えるので注意)
- 画面下の 「変更を保存」 をクリック
これで何が起きる?
- 旧Gmailに届いたメールが、メインのメールにも届くようになります。
- 「コピーを残す」にしておくと、旧Gmail側でも確認できます(安心)。
2)Outlook.com(Microsoftの無料メール)→ メインへ自動転送
対象:@outlook.com / @hotmail.com / @live.com などOutlook(Web)で設定します。
手順
- 旧Outlook.comにログイン(Web)
- 右上の 歯車(設定) → 「Outlook のすべての設定を表示」
- 「メール」 → 「転送」
- 「転送を有効にする」 をオン
- 転送先のメールアドレスを入力
- 可能なら 「転送されたメッセージのコピーを保持する」 をオン(おすすめ)
- 保存
3)Microsoft 365(会社のOutlook)で転送したい場合
これは会社のルール次第で、そもそも転送が禁止されていたり、管理者設定が必要な場合があります。
ユーザー側でできる可能性がある方法(許可されている場合)
- Outlook(Web)の ルール で転送を作る
- Outlook(デスクトップアプリ)の 仕分けルール で転送する(ただしPCが条件になる場合あり)
ただし、組織で「自動転送禁止」になっていると設定できません。
この場合は管理者に相談が安全です。
B. 取り込み(POP)で「旧メールをメインの受信箱に集める」
「転送だと二重管理になる」「旧メールをメインだけで見たい」人向けです。
メイン側が旧メールを取りに行く方式です。
Gmailで旧メールを取り込む(POPでメール取得)
(旧アドレスがGmail以外でも、POPが使えるなら可能です)
手順
- メインGmailにログイン
- 設定(歯車)→ すべての設定を表示
- 「アカウントとインポート」
- 「メールアカウントを追加」(または「他のアカウントからメールを確認」)
- 旧メールアドレスを入力
- 「別のアカウントからメールを読み込む(POP3)」を選択
- 旧メール側のPOP情報を入力(サーバー、ポート、SSLなど)
- 取得したメールにラベルを付ける設定もできる(おすすめ)
- 追加して完了
※旧メール側でPOPが無効だと失敗します。
※2段階認証を使っているサービスは「アプリパスワード」が必要な場合があります。
C. 返信をラクにする(送信元を統合する)
転送だけだと、「返信するとメインのアドレスで返ってしまう」ことがあります。
そこで、メインから旧アドレス名で返信できるようにすると便利です。
Gmailで「別のメールアドレスとして送信」を追加
手順
- メインGmail → 設定 → すべての設定を表示
- 「アカウントとインポート」
- 「名前」 → 「他のメールアドレスを追加」
- 旧メールの名前・アドレスを登録
- 確認メールで承認
- SMTP設定が必要な場合は、旧メールサービスのSMTP情報を入力
- 完了後、Gmailの作成画面で「差出人」を切り替えて送れる
よくある失敗と対処(ここが一番大事)
1)転送の承認メールが届かない
- 迷惑メールに入っていないか確認
- 入力したアドレスが間違っていないか確認
- 会社メールは外部メールを弾く設定のこともある
→ その場合は個人メール側でなく、別の転送先を検討
2)転送されるのに「一部だけ届かない」
- 旧メール側のフィルタ(振り分け)でスキップしている
- 迷惑メール判定で落ちている
- 転送先で自動振り分けされてアーカイブに入っている
→ 転送先の「フィルタ」「迷惑メール」「すべてのメール」を確認
3)転送すると迷惑メール扱いになりやすい
対策としては、
- 転送先で「この差出人は迷惑メールではない」を設定
- 重要な送信元(銀行・会計・予約系)だけは旧アドレスの受信箱でも確認
が現実的です。
4)2段階認証でPOP/SMTPが通らない
サービスによっては、通常のパスワードではなく
- アプリパスワード
- デバイス用パスワード
が必要な場合があります。ここで詰まりやすいので、設定画面に案内が出たら従ってください。
最後に:おすすめの運用(迷ったらこれ)
- まずは 自動転送(A)でまとめる
- 旧側は「コピーを残す」にして当面は保険をかける
- 返信が増えるなら「送信元統合」(C)を追加
- 旧アドレスを完全に卒業したいなら取り込み(B)や整理へ
「いまさら」どころか、連休や年度替わり、退職・異動、メール整理のタイミングで需要が繰り返し出るテーマです。
丁寧に書いたこの記事は、長く読まれる資産になります。
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