
「連絡先の移行って難しそう」「CSVって何?」という方でも大丈夫です。本記事は、“いちばん失敗しにくい手順”からご案内し、うまくいかないときの回避テクまで段階的に紹介します。作業は無料・数分で完了します。まずはいちばん成功率が高い“最短ルート”から試して、ダメな場合にだけ次の対処に進んでください。
いちばん簡単なやり方(初心者向け・最短ルート)
STEP 1|Google連絡先を 「Outlook CSV」 でエクスポート
- ブラウザで Google連絡先(contacts.google.com) を開きます。
- 左メニューの [エクスポート] をクリック。
- 対象を 「すべての連絡先」(または特定のラベル)にし、形式は「Outlook CSV」 を選びます。
- [エクスポート] を押して CSV ファイル(例:
contacts.csv
)を保存します。
ポイント:
CSVファイルは開かないでください。 Excelで開くと、中身や文字コードが書き変わって失敗の原因になります。誤って開いたら、必ず閉じてからやり直しましょう。
STEP 2|Outlookにインポート(Web版/新Outlookが簡単)
Web版Outlook(Outlook on the web) がおすすめです。新Outlook(Windowsの青いOutlookアプリ)も中身はWeb版相当なので、ほぼ同じ操作です。
- ブラウザで outlook.live.com(または組織のOutlook Web)にサインイン。
- 左下(または左側)の [人(People)] を開きます。
- […]→[連絡先のインポート] を選び、先ほどの CSVファイル を指定。
- 案内に従って取り込みを実行します。完了すれば一覧に表示されます。
ここで終われば成功です。もしエラーが出た場合は、次の「うまくいかないときの回避テク」へお進みください。
うまくいかないときの回避テク(よくあるエラーを順番に解消)
1)「コンバーター初期化」「ファイルエラー」等のエラーが出る
- CSVをExcelで開きっぱなしにしていませんか?
→ すべて閉じてからインポートしてください。開いているとファイルがロックされます。 - ファイル名・保存場所をシンプルに。
→ 半角英数のファイル名(例:contacts.csv
)、パスに日本語や極端に長いフォルダ名がない状態にします。
2)どうしてもWeb版でダメな場合 → クラシックOutlookで実行
Windowsの “古い”デスクトップ版Outlook(クラシックOutlook) は、項目マッピングや細かな調整がしやすいです。
手順:
- Outlook(デスクトップ)を開く → [ファイル]→[開く/エクスポート]→[インポート/エクスポート]。
- [他のプログラムまたはファイルからのインポート]→[カンマ区切り値(CSV)]。
- 先ほどのCSVを指定し、重複の扱い(「重複を許可/置換」など)を選択。
- 取り込み先フォルダー(通常は連絡先)を選ぶ。
- [フィールドの一致(Map Custom Fields)] を開いて、左:CSVの列名 → 右:Outlookの項目にドラッグ&ドロップで対応付け。
- [完了] で取り込みます。
うまく入らない場合は、CSVを 「CSV(カンマ区切り)」形式で保存し直す と改善することがあります(Excelの[名前を付けて保存]で 「CSV(カンマ区切り)(*.csv)」 を選択)。
逆に、文字化けする場合は 「CSV UTF-8(コンマ区切り)(*.csv)」 に保存し直して Web版Outlook 側へ取り込むと直ることが多いです。
3)「1列に全部入ってしまう」「列がズレる」場合
- 区切り記号が合っていない可能性があります。
- Windowsの地域設定で「小数点記号」や「リストの区切り」がセミコロン(;) になっている環境だと、CSVのカンマ(,)が正しく分割されないことがあります。
- 対策は2つ:
- 一時的にWindowsの 「リストの区切り」 を カンマ(,) に変更して保存・取り込み。
- Excelの [データ]→[テキスト/CSVから] で取り込み、区切り記号をカンマに指定してから整形し、再度 CSV(カンマ区切り) で保存。
4)「名前は入るが、会社名・携帯番号が入らない」などの“項目抜け”
- ヘッダー名(CSVの1行目) がOutlookの項目名と合っていないか、マッピングが未設定の可能性があります。
- クラシックOutlookの「フィールドの一致」 画面で、左側(CSV列)から右側(Outlook項目)へドラッグして対応付ければ解決します。
参考:Outlookが認識しやすい代表的な項目名
- Name / Given Name / Family Name(名前・名・姓)
- E-mail Address(または Email 1 Address)
- Mobile Phone / Business Phone
- Company / Job Title
- Home Street / Home City / Home State / Home Postal Code / Home Country
- Notes
5)文字化け(日本語が「????」や崩れた記号になる)
- Web版OutlookはUTF-8が得意です。CSVを 「CSV UTF-8」 で保存してWeb版で取り込むと直ることが多いです。
- クラシックOutlookで崩れる場合は、「CSV(カンマ区切り)」(ANSI系)で保存し直すと改善することがあります。
- いずれもダメなら、Web版Outlookでの取り込みを試してみてください。
6)重複が増えるのが怖い
- 先に Google連絡先側で「重複の結合(Merge)」 をしてからエクスポートすると安心です。
- 取り込み時のオプションで「重複を許可」「重複を置換」などを選べます。迷う場合は許可にして、あとでOutlook側の [重複の整理] や検索でまとめて処理する手もあります。
1件だけ安全に試したいときの「テスト作戦」
最初から全件は不安…という場合は、1件だけvCard(.vcf) でテストします。
- Google連絡先で、任意の1件を選ぶ → [︙]→[エクスポート]→[vCard(vcf)]。
- ダウンロードした .vcf をダブルクリック → Outlookの連絡先カードが開くので [保存]。
- 正しく入ったら、本番で CSV(Outlook用) を使い、まとめて取り込みます。
vCardは1件単位のやりとりに向いています。動作確認にぴったりです。
「はじめから強い」テンプレCSV(必要ならご活用ください)
CSVの整形が必要な方向けに、よく使う最小限の列だけを並べた雛形を置いておきます(1行目が列名、2行目がデータ例)。Excelで開かず、テキストエディタで保存してください。
Name,Given Name,Family Name,E-mail Address,Mobile Phone,Company,Job Title,NotesYamada Monaka,Monaka,Yamada,monaka@example.com,+81-90-1234-5678,Kimiyoya,Editor,"メモの例:要フォロー"
ポイント:日本語が含まれる場合は、UTF-8 で保存し、Web版Outlook で取り込むと安全です。
もし、それでも入らない場合の「最後の手」
- 再エクスポート:Google側で 「Outlook CSV」 と 「Google CSV」 の両方をエクスポートし、どちらが通るか試します。
- 分割インポート:件数が多いと失敗することがあります。CSVを数百件ずつに分けて取り込むと安定します。
- 別ブラウザ:Web版Outlookのインポート画面が不安定なときは、ブラウザを替えてみます(Edge/Chromeなど)。
- アカウントの取り違え:個人用Outlook(@outlook.com)と職場/学校(Microsoft 365)のどちらに入れているか再確認します。
作業後にしておくと安心な「整え」
- グループ分け/ラベル付け:よく使う連絡先は、Outlookの連絡先フォルダーやカテゴリで整理します。
- 同期の確認:スマホのOutlookやPeopleアプリで、新しい連絡先が反映されているか確認します。
- バックアップ:念のため、Outlook側からCSVに書き出してバックアップを残しておくと安心です。
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まとめ(迷ったらこの順でOK)
- Google連絡先 → 「Outlook CSV」でエクスポート(開かない)
- Web版Outlookでインポート(最短・成功率高い)
- ダメなら クラシックOutlookで「フィールドの一致」 を使って取り込む
- 区切り記号・文字コード が原因なら保存形式を変える(CSV / CSV UTF-8)
- vCardで1件テスト → 本番CSV の順に進めると安心
- 終わったら重複整理とバックアップで仕上げ
補足:本記事は初心者の方でも最短で成功できるよう、あえて“開かないで入れる”“ダメなら別ルート”の順序にしています。技術的にはいろいろなやり方がありますが、「まず失敗しない道」から進むのがコツです。
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