お庚申さんのお話

庚申さんってご存知ですか?読み方は「かのえさる」「こうきんのさる」「こうしん」と地方によって違うようですが、私の故郷では、庚申を「おこうしんさん」と呼んで、とても大事にしていました。

コトバンク

デジタル大辞泉 - 庚申の用語解説 - 1 干支えとの57番目。かのえさる。2 「庚申待こうしんまち」の略。…

 

お庚申さんの夜には,人の体内にいる三尸(さんし) の虫が,その体内を抜け出して、天帝にその人の罪や悪事を告げる口すると言われています。

天帝様は、三尸からの報告を聞いて、その人の寿命を削ると言います。

 
それを防ぐため、庚申さんの日は一晩中起きていたという話を近所の老人から聞いたことがあります。

お庚申さんの言う三尸(サンシ)の虫とは

・上尸・・頭の中に潜む、首から上の病気を引き起こす虫
・中尸・・お腹の中に潜む、臓器の病気を引き起こす虫
・下尸・・脚の中に潜む、腰から上の病気を引き起こす虫
 

この三尸の姿は諸説あって

「馬に似ている」

「子供に似ている」

など、様々です。

「見ざる・言わざる・聞かざる」の三猿も庚申信仰の神様として大事に祀られています

日本の庚申信仰

神社の中に庚申さんをお祀りするお社を見かけますが、日本には沢山の庚申信仰の御堂や塔があります。

庚申信仰で名高い京都の「八坂庚申堂」

京都の東山にある八坂庚申堂は庚申信仰の中でも名高い場所です。「八坂」と名前についていますが、八坂神社とは違います。

こちらの八坂庚申堂には、日本で最初に「庚申尊」と書かれた石碑があり、三猿の石碑もあります。

こちらでは「くくり猿」というものがあり、くくり猿に願いを一つだけ託し、欲望を一つ封じると願いが叶うと言われています。

>>八坂庚申堂のアクセス詳細はこちら

庚申塔

東京台東区にある浅草庚申も有名ですが、台東区にはたくさんの庚申塔があります。

>>台東区ホームページ「庚申塔」詳細はこちら

また、千代田区永田町にある日枝神社でも庚申祭が行われています>>詳細はこちら

令和3年度の庚申の日は

1月12日(火)、3月13日(土)、5月12日(水)

7月11日(日)、9月9日(木)、11月8日(月)

となっています。

庚申さんの日の夜はどうやって過ごすのが正解?

庚申さんの日の夜は寝ている場合ではありません。百味の供物を供え、三匹の虫たちを供養する。 それを、「庚申こうしん)待ち」あるいは「守庚申(しゅこうしん)」と、言うそうです
 
寝むりさえしなければ、三尸の虫が天帝の元に行けないので、酒盛りしようが騒ごうが眠らなければ良いそうです。
 
今まで、私は庚申さんにお詣りはするものの、夜通し起きていると言う事はありませんでした。

神社仏閣に行くと見かける、三猿や庚申塔には、このような謂れがあるのです。次に見かけた時には是非思い出して見て下さいね。

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