
「パソコンを初期化しようと思ったのに、40%で止まってしまった…」「“リセットできませんでした”と出てしまう」「パスワード入力画面から先に進めない」――そんなトラブルに困っていませんか?
この記事では、Windowsの「このPCを初期状態に戻す」機能がうまく動かない場合の対処法を、初心者の方にもわかりやすく、手順を一つずつ解説していきます。
初期化が失敗する原因とは?
パソコンの初期化がうまくいかない原因には、いくつかのパターンがあります。
- Windowsのシステムファイルが壊れている
- ストレージ(SSDやHDD)の空き容量が足りない
- セキュリティ機能(BitLocker)が影響している
- 初期化用の回復パーティションが壊れている
- Microsoftアカウントの同期やPINに関する問題がある
最初に試してほしい簡単な対処法
空き容量を確保しましょう
Windowsの初期化には、最低でも20GB〜30GBの空き容量が必要です。
【確認方法】
- パソコンの「エクスプローラー」を開きます。
- 左側の「PC」や「このPC」をクリックします。
- 「ローカルディスク(C:)」を確認します。
- 「空き領域」が表示されます。
空き容量が少ない場合は、不要なファイルを削除するか、外付けのUSBメモリなどにデータを移してみてください。
パソコンを再起動してから再チャレンジ
パソコンを長時間起動したまま操作していると、一時ファイルがたまり、不具合が起きやすくなります。
一度シャットダウンして、10秒ほど待ってから電源を入れ直し、「設定」→「システム」→「回復」→「このPCを初期状態に戻す」からやり直してみてください。
少し進んだ対処法(中級者向け)
BitLockerの暗号化を無効にする
BitLocker(ビットロッカー)というセキュリティ機能がオンになっていると、初期化が止まることがあります。
BitLockerの確認方法と無効化手順
- 「スタート」ボタンを右クリックして「Windows ターミナル(管理者)」を選びます。
- 開いた黒い画面に、以下をコピー&貼り付けて【Enter】キーを押します。
「暗号化:はい」と出ていれば、無効にします。以下のコマンドを入力してください。
完了するまで、数分〜十数分かかります。終わったらパソコンを再起動し、もう一度リセットを試してみてください。
\\ 注意 //
BitLockerを無効にすると、データが暗号化されなくなります。職場のPCや、他人に貸しているPCでは勝手に実行しないよう注意してください。
システムファイルの修復を行う
システムが破損していると、初期化が途中で止まってしまうことがあります。
修復手順
- スタートボタンを右クリック →「Windows ターミナル(管理者)」を開きます。
- 下記の順に入力して、Enterキーを押します。
終わったら次に
修復が完了したら再起動して、初期化を再試行してください。
リセットしても「パスワード地獄」から抜け出せないとき
ネット接続を一度切ってみる
初期化後、Microsoftアカウントのパスワード入力が延々と繰り返される場合は、一度Wi-FiやLANケーブルを外してから再起動してみてください。
→ ネット接続がないと、ローカルアカウントでログインできることがあります。
ローカルアカウントを強制的に作る裏ワザ
初期設定の画面で Shift + F10 を押すと、コマンドプロンプトが開きます。
そこで以下を入力してください。
これによりネットワーク接続をスキップして、ローカルアカウントでWindowsセットアップを完了できます。
\\ 注意 //
この方法はMicrosoft非公式の回避技です。企業でのPCや、業務用のパソコンでは使わないようにしましょう。
それでもダメな場合の最終手段
USBからWindowsをクリーンインストールする
どうしてもリセットが進まない場合は、インストール用USBメディアを作成して、パソコンを一からインストールし直す方法があります。
【手順概要】
- 他のパソコンで以下の公式サイトにアクセス
👉 Windows 10 ダウンロードページ
👉 Windows 11 ダウンロードページ - 「メディア作成ツール」を使って、USBメモリを作成(16GB以上推奨)
- 作成したUSBを、初期化したいパソコンに挿して起動し、「このPCを修復する」→「Windowsを再インストール」を選びます。
▪️おすすめアイテム(再セットアップに便利です)
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補助的な解決策・代替手段
上記でご紹介した方法(BitLocker無効化・SFC/DISM・USBクリーンインストールなど)は「王道」かつ「成功率の高い解決策」ですが、それ以外にも、状況によっては補助的な手段や試す価値のある方法がいくつか存在します。
1. セーフモードから初期化を試す
リセット機能が通常モードでうまく動かない場合、セーフモード経由で実行すると成功することがあります。
【手順】
1. 「Shift」キーを押しながら「再起動」
2. 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」→再起動
3. 数字キー【4】または【F4】でセーフモード起動
4. セーフモードが起動したら、「設定」→「回復」→「このPCを初期状態に戻す」
2. ログファイルでリセット失敗の原因を調べる
「なぜ失敗したのか」がわからないと、対処も難しくなります。以下のログを確認してみてください。
C:\$Windows.~BT\Sources\Panther\setuperr.log
C:\$Windows.~BT\Sources\Panther\setupact.log
これらは、リセットやアップグレードが失敗した原因が記録されているログです。開くには「メモ帳」などでOKです。
3. バージョンの不一致を確認する
以下のようなケースではリセットが失敗することがあります:
- アップグレード途中に中断している(例:Windows 10→11)
- Insider版やPreview版のWindowsを使用している
- 古いバージョンからリセットしようとしている(1909など)
このような場合は、USBメディアによる最新バージョンのクリーンインストールが最も安定します。
4. 回復ドライブ(USB)を事前に作成していた場合は使用可能
以前に「回復ドライブ(Recovery Drive)」を作っていた場合、それを挿して起動すると簡単に初期化できることがあります。
- USBから起動 → 「トラブルシューティング」→「このPCを初期状態に戻す」
※ これがあると、BitLockerやパスワードループ問題も避けやすくなります。
5. Windowsログインができるなら「新たに開始」を使うのも手
Windows Defenderの機能として「新たに開始(Fresh Start)」が使える場合があります(Windows 10限定)。
【手順】
- 「設定」→「更新とセキュリティ」→「Windowsセキュリティ」
- 「デバイスのパフォーマンスと正常性」→「新たに開始」
→ これにより、個人ファイルを保持しつつ不要なアプリを削除して、クリーンな状態へ戻せます。
🚫 やってはいけない注意点
状況 | やってはいけないこと |
---|---|
BitLockerが有効な状態 | SSDのフォーマットやクリーンインストール(回復不能になる可能性あり) |
Microsoftアカウントでサインイン中 | ネット切断せず初期化(ログイン地獄に) |
データを残したい場合 | SSDの交換や初期化前にバックアップを取らずに作業開始 |
補足:上記のような状況で誤った操作をしてしまうと、データが完全に失われたり、Windowsが起動できなくなるリスクがあります。作業前には、現在の状態をよく確認し、必要なバックアップを取ってから進めるようにしましょう。
おわりに
Windowsの初期化がうまくいかないトラブルは、原因を一つひとつ丁寧に確認していくことで、意外とスムーズに解決できる場合があります。
どうしても難しいと感じたら、無理に作業を進めず、信頼できるサポートや修理店に相談することも大切です。トラブルが起きたときこそ、焦らず一歩ずつ対応して、元の快適な環境を取り戻していきましょう。
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