
「スキャンしようとしたら、パソコンがスキャナーを認識しない…」
「解像度を高く設定したはずなのに、スキャン結果が粗いまま…」
そんなトラブルに遭遇すると、仕事や提出期限が迫っているときは本当に焦りますよね。
実はこの2つの症状は、ケーブルや設定などのちょっとした要因で起きていることが多く、慣れていない人でも順を追って対処すれば解決できます。
この記事では、Windows 10 / 11でスキャナーが「接続できない・認識しない」場合の原因と対処法、さらに「解像度設定が反映されない」問題の解決方法まで、初心者の方でも迷わず進められるように、写真なしでも理解できる手順で解説します。
仕事や学校、プライベートの大事なスキャン作業を止めないための保存版ガイドとして、ぜひブックマークしておいてください。
よくある原因
症状 | 主な原因 | ポイント |
---|---|---|
PCがスキャナーを見つけない | USB接続不良/ハブ経由/ケーブル不良/WSD検出の不安定 | 直挿し・別ポート・別ケーブル。ネットワーク機なら固定IP+メーカーソフト。 |
アプリでスキャン開始不可 | WIAサービス停止/ドライバー不整合(WIA/TWAIN) | WIA起動、メーカーのフル機能ドライバーを入れ直し。 |
解像度が変わらない | アプリ側のプロファイルが優先/ADFのDPI制限 | プロファイルを編集・保存。フラットベッドに切り替えると高DPI可。 |
色が変/ぼやける | ガラス汚れ/圧縮率/補正機能 | ガラス清掃、保存形式と圧縮率を調整、補正をオフにして比較。 |
上記のように、スキャナーの接続トラブルや解像度設定の不具合は、物理的な接続ミスからソフトウェア設定の食い違いまで、原因が幅広く存在します。
特に多いのは「USBハブ経由や長いケーブルによる通信不安定」「アプリとドライバーの設定不一致」です。
まずは簡単に確認できる物理面から順に切り分けることで、短時間で原因を特定しやすくなります。
接続できない/認識しない:やること順にステップ解説
1) 物理接続をリセット
- スキャナーの電源OFF → コンセントを抜いて10秒 → 再接続。
- USB接続ならPC本体の別ポートに挿す(USBハブや前面ポートは避ける)。
- ケーブルを別のケーブルでも試す(データ非対応の“充電専用”ケーブルに注意)。
- ネットワーク機なら、スキャナーとPCが同じLAN(同じSSID)にいるか確認。できればスキャナーは固定IPに変更しましょう。
2) Windows側に再登録する
Windowsの設定画面からスキャナーをもう一度登録し直します。
① スタートボタン → 設定 を開きます。
② Bluetooth とデバイス をクリックします。
③ プリンターとスキャナー を選びます。
④ 「デバイスの追加」をクリックしてスキャナーを探し、表示されたら追加します。
※すでに同じスキャナーの名前が一覧にある場合は、それをクリックして「削除」してからもう一度追加すると、うまくつながることがあります。
3) 動作テスト(Windows標準アプリで確認)
まずは、Windowsに最初から入っているアプリを使って、スキャナーがきちんと動くか試します。
A. 「Windows スキャン」で試す方法
① 画面左下の「スタートボタン」(Windowsマーク)をクリックします。
② キーボードで「scan」と入力します。
③ 入力すると検索結果に「Windows スキャン」というアプリが表示されます。
④「Windows スキャン」をクリックして起動します。
⑤ 画面右側にある「スキャン設定」から、以下を順番に選びます。
«スキャナー名»
使いたいスキャナーを選びます。
«原稿ソース»
フラットベッド → ガラス面に原稿を置く方式
フィーダー(ADF) → 複数枚を自動で読み込む方式
«カラー»
カラー/グレースケール/モノクロのいずれか
«解像度(DPI)»
数字が大きいほどきれいに読み取れます(300~600dpiが一般的)
⑥ 設定ができたら「スキャン」ボタンをクリックします。
B. 「Windows ファックスとスキャン」で試す方法
- スタートボタンをクリックし、「fax」と入力します。
- 「Windows ファックスとスキャン」をクリックして起動します。
- 画面上の「新しいスキャン」をクリックします。
- 「デバイスの選択」画面でスキャナーを選び、「OK」を押します。
- 用紙サイズ・色・解像度などを設定します。
- 「スキャン」ボタンを押して読み取りを開始します。
【補足】
どちらのアプリでもスキャンできない場合は、ドライバーや接続設定に問題がある可能性が高いです。両方のアプリで試すことで、「アプリの問題」か「スキャナーやPCの問題」かを切り分けられます。
4) WIAサービスを起動・自動化
- Win + R → services.msc → Enter。
- Windows Image Acquisition (WIA) を探し、状態が「実行中」か確認。
- 実行中でなければ右クリック→開始。
- スタートアップの種類:自動に変更。
- 依存関係(RPCなど)が停止していないかも合わせて確認。
5) デバイスマネージャーでドライバーを整理
デバイスマネージャーでスキャナーが認識されているか確認しましょう。
- Windowsキー + Xキー を押して、「デバイス マネージャー」を選びます。
- 一覧の中から「イメージング デバイス」「カメラ」「不明なデバイス」という項目を探します。
- もし自分のスキャナーの名前が表示されていれば、右クリックして「ドライバーの更新」や「デバイスのアンインストール」ができます。
- 「不明なデバイス」と表示されている場合や、スキャナーの名前に「!」や「▲」マークがついている場合は、ドライバーが壊れているかインストールされていません。
- その場合は右クリックして「デバイスのアンインストール」を選び、再起動後にメーカー公式サイトから最新ドライバーを入れ直します(このとき「このデバイスのドライバーソフトウェアを削除」にチェックを入れるとより確実です)。
6) Windows Update のオプション更新を確認
Windows Update でドライバーの更新がないか確認します。
- スタートボタンをクリックし、「設定」を開きます。
- 左のメニューから「Windows Update」を選びます。
- 画面右側で「詳細オプション」をクリックします。
- 下にスクロールして「オプションの更新プログラム」をクリックします。
- 「ドライバー更新」という項目があれば展開し、表示されている更新をすべて選択して「インストール」をクリックします。
- 更新が終わったらパソコンを再起動します。
- 再起動後、もう一度スキャナーを試して動作を確認します。
※「オプションの更新プログラム」に何も表示されない場合は、この方法では更新できるドライバーがないという意味です。その場合はメーカー公式サイトから直接ダウンロードしてください。
7) ネットワークスキャナーのコツ
ネットワーク接続の方法を変えると安定することがあります。
スキャナーによっては、Windowsが自動で探してつなぐ「WSD接続」よりも、IPアドレスを指定して登録する方法のほうが安定します。
- スキャナーの取扱説明書やメーカー公式サイトから「インストーラー(セットアップソフト)」をダウンロードします。
- インストーラーを起動し、「接続方法を選ぶ」画面が出たら「ネットワーク(IPアドレス指定)」を選びます。
- スキャナー本体の設定画面や液晶パネルで、現在のIPアドレス(例:192.168.0.25)を確認します。
- そのIPアドレスを入力して進めると、Windowsに直接登録されます。
※IPアドレスが毎回変わってしまうと再びつながらなくなるため、「固定IP」に設定するとさらに安定します。固定IPの設定方法は、スキャナーの取扱説明書またはメーカーサイトで確認してください。
解像度設定が反映されない時のチェックポイント
現象 | 原因のヒント | 対処 |
---|---|---|
300dpiに戻ってしまう | アプリのプロファイルが固定 | プロファイル編集→希望DPIで「プロファイル保存」。次回はそのプロファイルで開始。 |
ADF使用時だけDPIが低い | ADFの仕様(上限DPI) | 高DPIが必要なら「フラットベッド」に切替。もしくはメーカー純正アプリ利用。 |
アプリを変えるとDPIが違う | WIAとTWAINの差/アプリ固有設定 | 同じドライバー系で統一。Adobe等は「システムダイアログを使用」で統一可能。 |
PDFだけ粗い | 保存時の圧縮率/最適化 | 保存設定の「品質」「圧縮」を上げる。PNG/JPEGで検証して比較。 |
色転び・黒ずみ | ガラス汚れ/自動補正 | ガラス清掃(無水エタノール等)。自動補正・色補正をオフにして基準を取る。 |
上記のように、解像度が希望通りにならない原因は、アプリ側の設定やスキャナーの仕様によるものが多いです。特に、複数枚をまとめて読み取るADF(自動原稿送り装置)は、構造上600dpiなどの高解像度に対応していない機種もあります。
また、スキャンアプリを変更したり、ドライバーの種類(WIA/TWAIN)が変わると、設定の保存場所や上限値が違う場合があります。
解像度を変えても反映されない場合は、同じ条件で他のアプリでも試す、またはメーカー純正アプリに切り替えることで改善することが多いです。
実践手順(アプリ別の要所)
A. Windows スキャン(Microsoft Storeアプリ)
- 右ペインのスキャン設定を開く。
- スキャナー/ファイルの種類(PNG/JPEG/PDF)/カラー/解像度(DPI) を指定。
- 原稿ソースが フラットベッド と フィーダー(ADF) でDPI上限が異なる場合あり。
- 毎回戻る場合は、設定後に同条件で一度スキャン→次回起動時に前回値が呼び出されるか確認。
B. Windows ファックスとスキャン(WFS)
- 新しいスキャン → 上部のプロファイルを「写真」「ドキュメント」等から選択。
- 解像度(DPI)、明るさ/コントラストを調整。
- 右下の「プロファイルの追加」で“300dpi・カラー・JPEG”など自分用の定型を作って保存。
- 次回からはそのプロファイルで開始→解像度が勝手に戻る問題を回避。
C. メーカー純正アプリ(推奨)
- 詳細設定(画質・反射除去・シャープネス等)が豊富。
- ADFの上限や長尺原稿の扱いなど、機種固有の制限を明示してくれるため、DPI反映の齟齬が起きにくい。
品質向上の小ワザ
- ガラス清掃:柔らかい布+無水エタノールで拭き、乾拭き仕上げ。
- 保存形式の使い分け
- 写真:PNG(可逆) or 高品質JPEG、
- 文書:PDF(テキスト多めは300dpiでも十分)。
- OCRを使うなら:300dpi以上推奨(原稿が細かい場合は600dpi)。
- ファイルサイズが大きすぎる
- カラー→グレースケール/モノクロに変更。
- 600→300dpiへ変更。
- PDF圧縮(最適化)を上げる。
- 24H2以降で不安定な時:最新ドライバーとアプリに更新(機種により互換性更新が入ることあり)。
それでもダメなら(再インストールの安全ルート)
- アンインストール:設定 > アプリ > インストール済みアプリ → メーカー名で検索 → アンインストール。
- ドライバー消去:デバイスマネージャーで該当を削除(ドライバーも) → 再起動。
- 最新フルパッケージをメーカーサイトから入手 → インストール → 再起動。
- 設定 > プリンターとスキャナーで認識 → Windows スキャンでテスト。
これらの再インストール手順を行うと、古い設定や壊れたドライバーが完全に消去され、新しい状態でスキャナーを登録し直すことができます。
途中で「このデバイスのドライバーソフトウェアを削除」という項目が表示された場合は、必ずチェックを入れて削除すると、より確実に不具合の原因を取り除けます。
まとめ(最短チェックリスト)
- スキャナーの電源を入れ直す。(コンセント抜き差し→10秒待ち)
- USBはPC本体に直挿し(ハブは避ける)/ケーブルを別のポート・別ケーブルで試す。
- 設定 > Bluetooth とデバイス > プリンターとスキャナー > デバイスの追加 で再検出。
- Windows スキャン/Windows ファックスとスキャンで動作テスト。
- WIAサービスが“実行中”か確認(後述)。
- メーカーのフル機能ドライバーを再インストール(WIA/TWAIN両対応が理想)。
- 解像度が反映されない場合は、アプリ側のプロファイルと原稿ソース(フラットベッド/ADF)を見直す。
これらの手順を順番に試すことで、多くの場合はスキャナーの接続トラブルや解像度設定の不具合が解消できます。特に、ケーブルやポートの差し替え、WIAサービスの確認、ドライバーの再インストールは初心者の方でもすぐに実行できるうえ、効果が高い方法です。
もしすべての方法を試しても改善しない場合は、スキャナー本体のハードウェア故障や、OSとの互換性問題の可能性があります。そういった場合は、メーカーサポートに連絡し、機種名・型番・OSバージョン・試した対策を伝えると、スムーズに対応してもらえるので、用意しておきましょう。
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