
はじめに
「SSDは突然壊れる」と聞いたことはありませんか?
HDDと違い物理的な回転部品を持たないSSDは静かで高速ですが、その代わりに書き込み回数に上限(TBW/書き換え寿命)が存在します。
しかし実際には、正しい方法で健康状態をチェックし、寿命を延ばす使い方をすれば、数年以上快適に使い続けることが可能です。
この記事では、2025年現在おすすめできる SSD寿命チェックツール と、寿命を延ばすための 実践的なテクニック を詳しくご紹介します。
SSDの寿命とは?基本の仕組み
SSDの寿命は、主に「書き込み可能な回数」によって決まります。
SSDに使われるフラッシュメモリには種類があり、それぞれ耐久性が異なります。
- SLC(シングルレベルセル) … 高耐久・高価(産業用など)
- MLC(マルチレベルセル) … バランス型(高性能モデルに多い)
- TLC(トリプルレベルセル) … 一般的な消費者向けSSD
- QLC(クアッドレベルセル) … 大容量だが寿命短め(コスト重視モデルに多い)
たとえば、TLCの1TB SSDであれば、数百TBの書き込みが可能です。
毎日数十GB書き込み続けても数年は問題なく使える計算になります。
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▶ 人気のNVMe SSDをチェックSSD寿命をチェックできるツール
1. CrystalDiskInfo(無料・日本語対応)
日本製のフリーソフトで、SSD健康状態を「良好/注意/危険」と色で分かりやすく表示してくれる定番ツールです。
- ダウンロード:https://crystalmark.info
- SMART情報(使用時間、電源投入回数、エラーカウントなど)が確認可能
- 温度監視もできるので、発熱トラブルの兆候にも役立ちます
2. メーカー公式ツール
各メーカーが提供している純正ツールも非常に重要です。
ファームウェア更新や専用の寿命カウンターが用意されている場合があります。
- Samsung:Samsung Magician
- Crucial:Crucial Storage Executive
- WD / SanDisk:WD Dashboard
- Kingston:Kingston SSD Manager
- Kioxia:SSD Utility
これらは単なる寿命チェックにとどまらず、最適化・安全消去・FW更新といった高度な機能も備えています。
3. Windows標準のSMARTチェック
Windows 10/11でもPowerShellを使えばSMART情報が確認可能です。
Get-PhysicalDisk | Select FriendlyName, HealthStatus, OperationalStatus, Size
「HealthStatus」がHealthy
であれば問題なしです。
SSD寿命を延ばすためのテクニック
1. 空き容量を常に2〜3割残す
SSDは空き領域が少なくなると、書き込み効率が下がり寿命も縮みます。
256GBモデルなら 50GB以上の空きを目安に確保しておきましょう。
2. デフラグは厳禁(最適化はOK)
HDD時代の習慣でデフラグをかけるのはNGです。
SSDはフラッシュメモリなので断片化の影響は小さく、逆に寿命を縮める原因になります。
Windows標準の「ドライブの最適化」は安全なので実行しても大丈夫です。
3. TRIM機能を有効にする
TRIMは、不要になったデータ領域をSSDに知らせ、効率的に再利用する仕組みです。
通常は自動で有効になっていますが、確認方法は以下です。
fsutil behavior query DisableDeleteNotify
結果が 0
であれば有効です。
4. 不要な大容量書き込みを避ける
- 何百GBもの動画ファイルを毎日コピー
- 仮想マシンイメージを何度も上書き
こうした負荷の高い書き込みは寿命に直結します。
大容量データの編集は外付けHDDを使うのも選択肢です。
5. 定期的にファームウェアを更新
メーカーが配布するFWアップデートで寿命や安定性が改善するケースがあります。
(例:Phisonコントローラの一部不具合修正など)
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▶ 外付けSSDのおすすめを見る裏技的な延命テクニック
1. 書き込みキャッシュを活用
Windows設定で「書き込みキャッシュ」を有効にすると、細かい書き込み負荷を軽減できます。
ただし停電時にデータが失われるリスクがあるため、UPS導入やノートPC利用でのバッテリー保護がおすすめです。
2. OSをHDD/別SSDに分離
メインOSと大容量データ保存先を別ドライブにすることで、システムSSDの書き込み負担を大幅に軽減できます。
3. ハイバネーションをオフにする
休止状態(ハイバネーション)は、メモリ内容をSSDに書き込むため、頻繁に利用すると書き込み寿命を縮めます。
使わない場合は無効化しておくと延命になります。
寿命を迎える前兆
- CrystalDiskInfoで「注意」表示
- 書き込みエラーや読み込み速度低下
- OSのフリーズやブルースクリーン頻発
こうした兆候が出始めたら、即座にバックアップを取りましょう。
SSD寿命チェック&延命テクニック
分類 | 内容 | ポイント |
---|---|---|
寿命チェックツール | CrystalDiskInfo | 無料・日本語対応。健康状態を色で表示 |
〃 | Samsung Magician / Crucial Storage Executive / WD Dashboard | メーカー純正。寿命確認・FW更新対応 |
〃 | SMART情報の確認 | 書き込み量・エラーカウント・使用時間を直接確認 |
延命テクニック | 空き容量を2〜3割確保 | 書き込み効率が良くなり寿命延長 |
〃 | デフラグ禁止 | SSDは断片化不要。実行すると寿命短縮 |
〃 | TRIM機能ON | Windows標準で有効。念のため確認推奨 |
〃 | 最新ファームウェア適用 | 不具合修正・効率改善で寿命を延ばせる |
〃 | 大容量書き込みを控える | 動画編集・巨大コピー連発は寿命に直結 |
まとめ
SSDは「見えない寿命」があるため不安に思う方も多いですが、
- CrystalDiskInfoや公式ツールで定期チェック
- TRIM機能や空き容量確保で延命
- ファームウェア更新で安定性維持
これらを実践すれば、安心して長期間使うことが可能です。
日常的にチェックツールを使う習慣を持つだけで、SSDトラブルのリスクを大幅に減らせるでしょう。
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