ある日、いつも使っていたUSBメモリを挿した瞬間に、見たくない表示が出ました。
「このドライブを使うにはフォーマットする必要があります」
…え、いま? 今まで普通に使えていたのに? と頭が真っ白になりますよね。
この記事では、USBメモリに突然アクセスできなくなったときの原因と、やってはいけないこと、そして容量偽装(実容量が小さい偽装品)を見抜くチェック方法まで、初心者向けに手順どおりにまとめます。
先に結論:この画面が出たときにいきなりフォーマットすると復旧の可能性が下がることがあります。まずは落ち着いて、状況を切り分けましょう。
「フォーマットしてください」が出る主な原因
この表示は「USBが壊れた」と断定できるものではなく、次のように複数の原因で起こります。
- 書き込み中の抜き取り(安全な取り外しをせずに抜いた/接触が一瞬切れた)
- ファイルシステムの不一致(exFAT/NTFSが読めない機器に挿した など)
- USB端子・変換アダプタの相性(USB-C変換、ハブ経由、電力不足)
- フラッシュメモリの劣化(寿命、発熱、書き込み回数)
- コントローラ不良(突然RAW化・認識不良)
- 実容量の偽装(表示は大容量なのに、一定量を超えるとデータが壊れる)
特に怖いのが「容量偽装」です。見た目やWindows上の表示だけでは気づきにくく、ある容量を超えた瞬間にデータが破壊されることがあります。
まずやること:フォーマットする前に確認するチェックリスト
焦って「フォーマット」を押す前に、次の順番で確認してください。
- 別のUSBポートに挿す(背面ポート推奨/ハブは外す)
- 別のPCでも試す(できればWindows)
- ケーブル/変換アダプタを外す(直挿しにする)
- エクスプローラーではなく「ディスクの管理」を見る
ディスクの管理は、キーボードでWindowsキー + X → 「ディスクの管理」で開けます。ここで次のどれに当てはまるかが重要です。
| 表示 | 意味 | まずやること |
|---|---|---|
| ドライブ文字があるが「RAW」 | ファイルシステムが壊れている可能性 | フォーマットせずに状況確認(復旧の余地あり) |
| 「未割り当て」 | パーティション情報が消えた可能性 | フォーマットNG、慎重に |
| 容量が不自然(例:128GBのはずが実際は小さい/逆も) | 故障 or 偽装の疑い | 後述の容量チェックへ |
| 認識が不安定(挿すたびに消える) | 接触不良やコントローラ不良 | 別PC・別ポート・直挿しで検証 |
重要:USBの中に大事なデータがあるなら、ここまではフォーマットしないのが基本です。
きっかけが「大きいファイルのコピー」だった場合は要注意
もしトラブルの直前に、動画やバックアップなど大容量ファイルをコピーしていたなら、次の2つが特に疑わしいです。
- 書き込み中断(抜き差し・スリープ・PCのフリーズ・電力不足)
- 実容量偽装(一定量を超えるとデータが壊れる)
「コピーは終わったのに、別PCで開いた瞬間にフォーマット要求」——このパターンは、データ破損や偽装容量の限界で起きやすいです。
【本題】容量偽装を見抜く無料ツール「H2testw」
「容量偽装かもしれない…」と思ったら、H2testwでチェックできます。これはUSBにテストデータを全部書き込んで、その後全部読み出して整合性を確認するツールです。
⚠ 超重要:H2testwは中身が消える前提の検査です。大事なデータが残っている場合は、まず復旧を優先してください(どうしても無理なら「諦めて検査」へ)。
ダウンロード先:https://h2testw.org/
H2testwの結果の見方(ここだけ読めばOK)
H2testwのログは難しく見えますが、見るべきポイントは2つです。
- OK がどこまであるか(例:58.5GB OK)
- DATA LOST / corrupted がどれだけ出たか(ここが出たら危険)
たとえば、次のように「OKが途中まで」で、それ以降がDATA LOST / corruptedなら、実容量が表示より小さい/不良セクターが大量の可能性が高いです。
The media is likely to be defective.
58.5 GByte OK …
65.4 GByte DATA LOST …
65.4 GByte corrupted …
注意:これは「100%偽装」と断定するものではありません。劣化・故障でも似た結果になります。ただし、新品同様なのに半分から壊れるような挙動は、偽装品でよく見かけるパターンです。
やってよかった対処と、やってはいけない対処
やってよかった(安全側の行動)
- 別ポート・別PCで確認(ハブを外して直挿し)
- ディスクの管理で状態確認(RAW/未割り当て/容量の違和感)
- 大事なデータがあるなら復旧優先(フォーマットしない)
- ログ(H2testw結果)を保存して販売店に相談
やってはいけない(悪化しやすい)
- 「フォーマット」を勢いで押す(復旧の芽が減る)
- 何度も大容量を書き込む(上書きが進むと復旧困難)
- 不安定な状態で抜き差しを繰り返す(コントローラ故障が進むことも)
復旧できる?できない?判断の目安
「フォーマットしてください」が出ても、状況によっては復旧できることがあります。
| 状況 | 復旧の期待 | 理由 |
|---|---|---|
| RAW化しただけ(上書きしていない) | 期待できる | データ本体が残っている可能性 |
| 未割り当て(パーティション情報消失) | ケース次第 | 構造が壊れていても中身が残ることがある |
| 偽装容量で上書きが進んだ | かなり厳しい | 別データで破壊されると元に戻せない |
| 挿すたびに消える・認識しない | 厳しめ | コントローラ故障の疑い |
この記事のテーマである「偽装容量が疑われるケース」は、残念ながら上書き型の破損になりやすく、復旧が難しくなります。
予防が最強:USBメモリで失敗しないための3つの習慣
今回のようなトラブルは、起きてからだと選択肢が少なくなります。だからこそ、予防がいちばん効きます。
1) 大事なデータをUSBだけに置かない
USBは「持ち運び」には便利ですが、唯一の保管場所にするのは危険です。外付けSSDやNAS、クラウドなど、最低でも2か所以上に置くのがおすすめです。
2) 買った直後に「実容量チェック」する
新品のうちにH2testwで検査しておくと、「最初からおかしい個体」を早期に見つけられます。時間はかかりますが、一度だけやっておく価値は大きいです。
3) 「安全な取り外し」を徹底する
書き込み中断は、USB破損の王道パターンです。急いでいても、タスクトレイの「ハードウェアを安全に取り外してメディアを取り出す」を習慣にしておくと事故が減ります。
[PR] 「フォーマットしてください」に備えておくと安心
- 信頼できるUSBメモリを選ぶ:USBメモリを探す(Amazon)
- バックアップ用 外付けSSD:ソフマップで周辺機器を見る
- 接点不良・熱対策の掃除に:エアダスター(Amazon)
よくある質問(FAQ)
Q. 「フォーマットしてください」が出たら、フォーマットしてもいい?
A. 中に必要なデータがあるなら、基本はNGです。フォーマットすると復旧が難しくなることがあります。まずは別PCで確認し、状態を切り分けてください。
Q. 容量偽装かどうか、見た目で分かる?
A. ほぼ分かりません。Windows上の表示も当てにならないことがあるため、H2testwのような書き込み検査が確実です。
Q. H2testwは安全?
A. ツール自体は「テスト用データを書いて検証する」ものなので危険ではありませんが、中身が消える前提です。必ず空のUSBで実行してください。
まとめ
- 「フォーマットしてください」は故障・破損・偽装など複数原因で起きる
- 大事なデータがあるなら、いきなりフォーマットしない
- 容量偽装の疑いがあるなら、H2testwで実容量チェックが有効
- いちばん強い対策は、USBだけに保存しない(多重バックアップ)
USBメモリは便利ですが、「壊れてから気づく」ことが本当に多いです。この記事が、同じトラブルを避けるきっかけになればうれしいです。
おすすめ関連記事
・Windows Update が容量を圧迫する…更新データを軽くする方法はある?

