
はじめに
2025年11月現在、Windows 11 24H2 環境で「スリープ復帰後にWi-Fiが切れる」事例が点在しています。原因の多くは 省電力設定 と Wi-Fiドライバ(AX201/AX211 ほか) の組合せによるものです。最新の累積/プレビュー更新(例:KB5060842 など)の適用で改善する例もあるため、まずは更新状況を確認してください。
主な原因と背景(2025年11月時点)
以下は、現時点で確認されているスリープ復帰後のWi-Fi切断原因の代表例です。
| 原因 | 症状の出方・兆候 | 設定場所/確認ポイント | 推奨対処 |
|---|---|---|---|
| 省電力設定でアダプタ停止 | 復帰直後に未接続/接続まで数十秒 | デバイス マネージャー → Wi-Fi →[電源の管理] | 「電力節約のため~オフにできる」のチェックを外す |
| Wi-Fiドライバの互換性不良/旧版 | 復帰のたびに切断・再接続を繰り返す | デバイス マネージャー/ベンダー公式サイト | 最新安定版へ更新(Intel/Realtek等の公式配布推奨) |
| 高速スタートアップの副作用 | 起動・復帰直後のみ未接続になる | コントロール パネル → 電源オプション → 電源ボタンの動作 | 「高速スタートアップを有効にする」を無効化 |
| ネットワークスタック初期化遅延 | 5–10秒待つと自動復帰 | ―(仕様傾向) | 復帰後数秒待機/改善なければ他対処を実施 |
| 最新累積更新未適用 | 既知不具合が残存 | 設定 → Windows Update | 最新KBを適用(例:累積更新など) |
| VPN/セキュリティソフト干渉 | 復帰直後のみDNS解決不可・社内網だけ切断 | 常駐アプリ設定・一時停止 | 一時停止して再検証/例外設定を追加 |
| スリープ解除デバイス設定 | 勝手に復帰/復帰直後にリンク切れ | 管理者CMD:powercfg -devicequery wake_armed | powercfg -devicedisablewake "Wi-Fi名" で無効化 |
| ルーター側の省電力/互換性 | 他端末は正常・PCだけ不安定 | ルーター設定(省電力/チャネル固定) | 再起動/ファーム更新/2.4GHz↔5GHz切替・チャネル固定 |
| 電源プラン/レジストリ破損 | 設定変更しても再発 | 設定 → ネットワークの詳細/電源プラン | ネットワークリセット/電源プラン初期化 |
| Modern Standby(S0)特有の挙動 | フタ閉じ運用で再現しやすい | 電源とスリープの詳細設定 | スリープ条件の見直し/ハイブリッドスリープ無効化を検証 |
特に省電力設定とドライバの組み合わせは、発生原因の大半を占めます。
24H2ではネットワークアダプタの省電力制御が強化された影響で、古いドライバと噛み合わず、復帰時にアダプタが再認識されないケースが多くなっています。
改善策(基本編)
1. Wi-Fiアダプタの電源管理を見直す(最優先)
- スタートを右クリック → デバイス マネージャー
- [ネットワーク アダプター]→ 使用中のWi-Fi(例:Intel(R) Wi-Fi 6 AX201/AX211)をダブルクリック
- [電源の管理]タブ → 「電力節約のために…オフにできる」のチェックを外す → OK
- PCを再起動
※スリープ復帰時の“再初期化遅延”で切断される個体は、この設定だけで安定することがあります。
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内蔵Wi-Fiが不安定な場合は、高感度USB Wi-Fiアダプタに切り替えると接続が安定するケースがあります。ドライバ更新とあわせて検討してみてください。
2. ドライバを更新/一段ロールバックして“枝”を固定
AX201/AX211 はドライバの「枝」で安定度が変わることがあります。まずはPCメーカー(OEM)配布の安定版を入れ、症状が続く場合は1つ前の版に戻して固定を検証します。
- デバイス マネージャー → Wi-Fiを右クリック → ドライバーの更新(改善しなければ OEM 版を手動導入)
- [プロパティ → ドライバー]で「ドライバーを元に戻す」が有効なら実行
※フォーラムでも 24H2 以降の AX201/AX211 で相性例が散見されます。枝の固定で落ち着くケースが多めです。
3. 高速スタートアップを無効化する
省電力機能の一部がネットワーク復帰を阻害する場合があります。
- コントロールパネル → 「電源オプション」
- 左メニューの「電源ボタンの動作を選択する」
- 「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリック
- 「高速スタートアップを有効にする」のチェックを外す
- 保存して再起動
4. 累積更新を適用する
Windows 11 24H2 不具合の多くは累積更新で修正されます。
KB5060842や今後の更新を適用することで、ネットワーク不具合が解消する場合があります。
5. ネットワーク設定をリセット
どうしても改善しない場合の最終手段です。
- 設定 → ネットワークとインターネット → 「状態」
- 「ネットワークリセット」をクリック
- 再起動後、Wi-Fi接続を再設定
⚠ パスワードやVPN設定が初期化されるため、事前にメモしておきましょう。
改善策(上級者編)
コマンドでWi-Fiアダプタのスリープ解除を無効化
- 管理者としてコマンドプロンプトを起動
2. 現在スリープ解除可能なデバイス一覧を表示
3. Wi-Fiアダプタ名を確認し、以下を実行
4. 再有効化する場合は -deviceenablewake を使用
💡 常にスリープ時の復帰をWi-Fiから行わないよう制御できます。
実は仕様? 復帰後に数秒待てば直る場合も
一部機種では、24H2のネットワーク初期化処理に5〜10秒程度のタイムラグが発生します。
復帰直後にすぐブラウザやアプリを開かず、数秒待つだけで安定することがあります。
再発防止のポイント
- 定期的にドライバとWindows Updateを最新に保つ
- ルーターのファームウェアも更新する
- 新しい累積更新のリリース情報(Microsoft公式やニュースサイト)を確認する
また ルーターの世代が古いと、24H2環境での速度低下や切断が発生しやすくなります。
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最新Wi-Fi 6対応ルーターなら、省電力機能の相性改善や高速通信が期待できます。
まとめ|Windows 11 24H2 不具合のひとつ「スリープ復帰後Wi-Fi切断」対策
Windows 11 24H2 不具合として報告が多いこの症状は、ほとんどの場合で設定変更やドライバ更新により改善可能です。
今すぐ試すべき手順
- Wi-Fiアダプタの電源管理設定変更
- 最新ドライバ適用(公式推奨)
- 高速スタートアップ無効化
- 累積更新適用
- ネットワークリセット(最終手段)
💡 同じ症状は将来の更新で再発する可能性があります。今回紹介した方法を覚えておけば、他のネットワーク不具合にも応用できます。
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