
はじめに
2025年8月現在、Windows 11 24H2 不具合の中でも特に多くのユーザーを悩ませているのが、
「スリープから復帰するとWi-Fiが切断される」という現象です。
在宅勤務やオンライン授業、動画会議中に席を離れてスリープにした後、復帰直後にネットが切れてしまうと、再接続の手間や作業の中断で大きなストレスになります。
このトラブルはWindows 10時代から散発的に報告されていましたが、24H2アップデート以降、発生頻度が上昇しています。背景には、ドライバの互換性や省電力制御の仕様変更、さらには累積更新の影響が関係しているケースもあります。
この記事では、最新の情報を踏まえて、原因の特定から解決までを初心者にも分かる手順で詳しく解説します。
本文の途中では、上級者向けのコマンドや設定変更方法も紹介するので、すぐに実行できる状態にしておくと効果的です。
主な原因と背景(2025年8月時点)
以下は、現時点で確認されているスリープ復帰後のWi-Fi切断原因の代表例です。
原因 | 症状の出方・兆候 | 設定場所/確認ポイント | 推奨対処 |
---|---|---|---|
省電力設定でアダプタ停止 | 復帰直後に未接続/接続まで数十秒 | デバイス マネージャー → Wi-Fi →[電源の管理] | 「電力節約のため~オフにできる」のチェックを外す |
Wi-Fiドライバの互換性不良/旧版 | 復帰のたびに切断・再接続を繰り返す | デバイス マネージャー/ベンダー公式サイト | 最新安定版へ更新(Intel/Realtek等の公式配布推奨) |
高速スタートアップの副作用 | 起動・復帰直後のみ未接続になる | コントロール パネル → 電源オプション → 電源ボタンの動作 | 「高速スタートアップを有効にする」を無効化 |
ネットワークスタック初期化遅延 | 5–10秒待つと自動復帰 | ―(仕様傾向) | 復帰後数秒待機/改善なければ他対処を実施 |
最新累積更新未適用 | 既知不具合が残存 | 設定 → Windows Update | 最新KBを適用(例:累積更新など) |
VPN/セキュリティソフト干渉 | 復帰直後のみDNS解決不可・社内網だけ切断 | 常駐アプリ設定・一時停止 | 一時停止して再検証/例外設定を追加 |
スリープ解除デバイス設定 | 勝手に復帰/復帰直後にリンク切れ | 管理者CMD:powercfg -devicequery wake_armed | powercfg -devicedisablewake "Wi-Fi名" で無効化 |
ルーター側の省電力/互換性 | 他端末は正常・PCだけ不安定 | ルーター設定(省電力/チャネル固定) | 再起動/ファーム更新/2.4GHz↔5GHz切替・チャネル固定 |
電源プラン/レジストリ破損 | 設定変更しても再発 | 設定 → ネットワークの詳細/電源プラン | ネットワークリセット/電源プラン初期化 |
Modern Standby(S0)特有の挙動 | フタ閉じ運用で再現しやすい | 電源とスリープの詳細設定 | スリープ条件の見直し/ハイブリッドスリープ無効化を検証 |
特に省電力設定とドライバの組み合わせは、発生原因の大半を占めます。
24H2ではネットワークアダプタの省電力制御が強化された影響で、古いドライバと噛み合わず、復帰時にアダプタが再認識されないケースが多くなっています。
改善策(基本編)
1. Wi-Fiアダプタの電源管理設定を変更する
最も効果が高いのがこの方法です。
- スタートボタンを右クリック → 「デバイスマネージャー」
- 「ネットワークアダプター」を展開し、使用中のWi-Fiアダプタをダブルクリック
- 「電源の管理」タブを選択
- 「電力の節約のために、コンピューターでこのデバイスの電源をオフにできるようにする」のチェックを外す
- 「OK」で保存し再起動
💡 この設定でスリープ中もアダプタが有効のまま保持され、復帰直後の切断を防げます。
[スポンサーリンク]
内蔵Wi-Fiが不安定な場合は、高感度USB Wi-Fiアダプタに切り替えると接続が安定するケースがあります。ドライバ更新とあわせて検討してみてください。
2. Wi-Fiドライバを最新版に更新する
24H2に合わせた安定版ドライバが配信されている場合があります。
- 方法A(自動検索)
デバイスマネージャー → Wi-Fiアダプタを右クリック → 「ドライバーの更新」 → 「自動検索」 - 方法B(手動更新)
Intel、Realtek、Qualcommなど公式サイトから直接最新版をダウンロードし、手動インストール
💡 自動更新よりも公式配布の最新版のほうが安定する例が多いです。
3. 高速スタートアップを無効化する
省電力機能の一部がネットワーク復帰を阻害する場合があります。
- コントロールパネル → 「電源オプション」
- 左メニューの「電源ボタンの動作を選択する」
- 「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリック
- 「高速スタートアップを有効にする」のチェックを外す
- 保存して再起動
4. 累積更新を適用する
Windows 11 24H2 不具合の多くは累積更新で修正されます。
KB5060842や今後の更新を適用することで、ネットワーク不具合が解消する場合があります。
5. ネットワーク設定をリセット
どうしても改善しない場合の最終手段です。
- 設定 → ネットワークとインターネット → 「状態」
- 「ネットワークリセット」をクリック
- 再起動後、Wi-Fi接続を再設定
⚠ パスワードやVPN設定が初期化されるため、事前にメモしておきましょう。
改善策(上級者編)
コマンドでWi-Fiアダプタのスリープ解除を無効化
- 管理者としてコマンドプロンプトを起動
2. 現在スリープ解除可能なデバイス一覧を表示
3. Wi-Fiアダプタ名を確認し、以下を実行
4. 再有効化する場合は -deviceenablewake を使用
💡 常にスリープ時の復帰をWi-Fiから行わないよう制御できます。
実は仕様? 復帰後に数秒待てば直る場合も
一部機種では、24H2のネットワーク初期化処理に5〜10秒程度のタイムラグが発生します。
復帰直後にすぐブラウザやアプリを開かず、数秒待つだけで安定することがあります。
再発防止のポイント
- 定期的にドライバとWindows Updateを最新に保つ
- ルーターのファームウェアも更新する
- 新しい累積更新のリリース情報(Microsoft公式やニュースサイト)を確認する
また ルーターの世代が古いと、24H2環境での速度低下や切断が発生しやすくなります。
[スポンサーリンク]
最新Wi-Fi 6対応ルーターなら、省電力機能の相性改善や高速通信が期待できます。
まとめ|Windows 11 24H2 不具合のひとつ「スリープ復帰後Wi-Fi切断」対策
Windows 11 24H2 不具合として報告が多いこの症状は、ほとんどの場合で設定変更やドライバ更新により改善可能です。
今すぐ試すべき手順
- Wi-Fiアダプタの電源管理設定変更
- 最新ドライバ適用(公式推奨)
- 高速スタートアップ無効化
- 累積更新適用
- ネットワークリセット(最終手段)
💡 同じ症状は将来の更新で再発する可能性があります。今回紹介した方法を覚えておけば、他のネットワーク不具合にも応用できます。
あなたにおすすめの関連記事
▶︎【超簡単】Wi-FiルーターのIPアドレスを確認する方法
▶︎ Wi-Fiは繋がっているのにネットが見れないときの解決法
▶︎ Windowsで「インターネットに接続できません」表示が出るときの解決策
▶︎ ワイヤレスネットワークでデバイス同士にアクセスできなくなったときの解決法
▶︎「新しいネットワークが接続されません」と表示されたときの簡単にできる対処法