
「お使いのバージョンの Windows はサービス終了」と出るのに更新できない、あるいは「ダウンロードや再起動の途中で失敗」して先へ進めない——そんなご相談が今年も増えています。
本記事では、まず確認すべき基本ポイントから、CPU/ファームウェア要件への対応、公式ツールを使った安全な更新、そして最終手段(上書きインストール)まで、順を追って丁寧に解説します。
あわせて、24H2 以降で強化された要件や注意点も最新情報で補足します。
まず「自分の今」を確認:バージョンとサポート状況
- バージョン確認 …
Win + R
→winver
と入力 → Enter
例)「Version 23H2」「Version 24H2」など。 - 24H2の位置づけ
Windows 11 の最新版は Version 24H2(2024 Update)。Home/Pro のサービス終了予定は 2026/10/13 です(企業向けは SKU により異なります)。詳細は Microsoft の「Release health」で随時更新されています。
古いバージョン(例:22H2/23H2)は順次サポート終了時期が近づきます。更新の必要性は、まずここで判断できます。
よくある「更新できない」原因とすぐ試せる対処
- 外付け機器の干渉:USB メモリ、外付け HDD、プリンタ、ドングル等を一旦すべて外す。
- 空き容量不足:システムドライブ(通常 C:)に20GB 以上の空きを目安に。
- セキュリティソフトの誤検知:更新中のみ一時停止(ネット切断や注意喚起の上で)。
- 更新キャッシュ破損:
C:\Windows\SoftwareDistribution
をリセット(サービス停止→リネーム→開始)。 - システムファイル不整合:管理者のコマンドで
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth sfc /scannow
を順に実行。
上記は安全で汎用的な打ち手です。改善がない場合は要件面(CPU・TPM・Secure Boot・UEFI/BIOS)の確認に進みます。
ここが落とし穴:CPU/ファームウェアの要件
Windows 11 はTPM 2.0 と Secure Boot(UEFI)を前提とし、CPU 世代にも下限があります。特に 24H2 以降は要件の取り締まりが厳格化し、従来“通っていた”環境でもブロックされる例が増えました。
1) 公式ツールで互換性を一発確認
- PC 正常性チェック(PC Health Check)をダウンロードして実行(Microsoft 提供)。
→ Windows 11 の基本要件(TPM/CPU/セキュアブート等)を満たしているか公式に診断できます。
2) CPU 世代の目安と公式リスト
- Intel は概ね第8世代以降が対象。個別型番の可否は Microsoft の「Windows 11 対応 Intel CPU 一覧」で確認を。
- AMD も型番ごとに可否が分かれます。最新のプロセッサ対応一覧ページ(Microsoft Learn)で必ず照合してください(※機種依存のため本文では一律に断言しません)。
3) UEFI/BIOS 設定の見直し
- TPM(fTPM / PTT)が有効になっているか。
- Secure Boot が Enabled になっているか。
- 可能ならBIOS/UEFI を最新化(メーカー配布の安定版に更新)後、再度 Windows Update を。
要件を満たしていない場合、更新の成功率は著しく低下します。無理に進めず、まずは要件クリアに専念してください。
公式ルートでの安全な更新(推奨)
A. Windows Update(通常経路)
- 上記の基本対処&要件クリア後に再実行。
- 「再起動が必要」表示後はいったん“再起動”で適用してから、残りを進めるのが安定です。
B. Windows 11 インストール アシスタント(上書き更新)
- Microsoft の公式配布ページから Installation Assistant を使う方法。環境を保ったままその場で上書きできます。
公式ページ:Windows 11 ソフトウェアのダウンロード(インストール アシスタント/メディア作成ツール/ISO を提供)。
C. ISO からの“上書きインストール”
- 公式 ISO を取得→マウント→
setup.exe
実行→「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」を選択。 - Windows Update でこじれた状態をクリーンに再構成できるケースがあります(※バックアップ推奨)。
いずれもMicrosoft 公式手段で、作業前のバックアップを強く推奨します。
24H2 で強化されたブロックと「非公式回避」について
- 24H2 では、従来より未対応 CPU / TPM 無効環境へのブロックが強化されています。将来の更新受信やセキュリティ保証を考えると、要件を満たすのが正解です。
- Rufus / Ventoy などでチェックを回避する手段が話題になることがありますが、Microsoft 非公認であり、サポート外・将来の更新不可・動作不安定のリスクがあります。業務用途や初心者の方には非推奨です。
それでも失敗する場合の切り分けステップ
- クリーンブートで実行:
msconfig
→ 「サービス」タブでMicrosoft 以外を無効、スタートアップも一時的に無効。 - ドライバーの更新/巻き戻し:特にストレージ/NIC/GPUは影響大。
- イベント ビューアー(Windows ログ → Setup / System)でエラーコードと該当フェーズを確認。
- 完全シャットダウン(Shift + シャットダウン)→ 再度試行。
- ソフトウェア配布フォルダーの再生成後、DISM → SFC をやり直してから再挑戦。
ハード更新という選択肢
- CPU/プラットフォームが要件を満たさない場合、対応マシンへの更新が最短・安全です。
- なお Windows 11 24H2 の Home/Pro は 2026/10/13 までサポート見込みのため、今から要件を満たした環境へ移るメリットは大きいです。
- ✅ CPU要件:Intel 第8世代以降 / AMD Ryzen 2000(Zen+)以降目安(できれば3000以降推奨)
- ✅ セキュリティ:TPM 2.0・Secure Boot 対応(BIOSで有効化できるか)
- ✅ メモリ/ストレージ:16GB以上推奨(最低8GB)/SSD 512GB以上推奨
- ✅ 無線:Wi-Fi 6/6E・Bluetooth 5 以降
- ✅ 端子:USB-C、HDMI等の必要ポート/USB4/Thunderboltの有無/PD充電対応
- ✅ サポート:メーカー保証・延長保証・BIOS/ドライバー更新の提供状況
- ✅ 日本語配列:キーボード配列/本体サイズ・重量を型番で確認
- ✅ 返品条件:初期不良・相性時の返品ポリシー(期間・送料)
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※価格・在庫・仕様は変動します。ご購入前に各商品ページで最新情報をご確認ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 「サービス終了」と出るのに更新欄が空白です。
A. バージョンが古い・要件未達・更新構成の破損が主因です。まず PC Health Check と DISM/SFC、ISO 上書きを順に。
Q. データは消えませんか?
A. 上書きインストールや インストール アシスタントは通常ユーザーデータとアプリを保持できますが、万一に備え事前バックアップは必須です。
Q. 24H2へ上げるメリットは?
A. セキュリティ基盤の更新、パフォーマンスや電力管理の改善、機能追加など。サポート期限の延伸も重要なメリットです。
まとめ
- まずは 現行バージョンとサポート状況を把握(24H2 が最新、Home/Pro は 2026/10/13 まで)。
- PC Health Check で要件(TPM/Secure Boot/CPU)を公式確認。未達ならUEFI/BIOS 設定の見直し・更新を。
- うまく進まない時は、更新キャッシュの再生成 → DISM/SFC → ISO 上書きの安全ルートで。
- 24H2 以降は要件の取り締まりが強化。非公式回避はサポート外のリスクが高く、推奨しません。
「原因の切り分け → 要件の充足 → 公式手段で更新」を守れば、多くのケースで安全に前進できます。迷ったときは、バージョンと要件チェックから順に進めてみてくださいね。
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