
Windows 11 バージョン24H2へアップデート後、
・リモートデスクトップ(RDP)が突然切断される
・約60〜70秒で接続が落ちてしまう
といった不具合が一部の環境で報告されています。特に、Windows Server 2016 以前の古いサーバーOSへ接続している場合や、UDP通信を利用したRDP接続を行っている環境で発生しやすいのが特徴です。
この問題は、2025年1月のプレビュー更新(KB5050094)以降で確認され、Microsoftも既知の問題(Known Issue)として認識しています。
本記事では、なぜRDPが切断されるのか、Microsoftが案内している公式な修正内容、そして 更新がすぐ適用できない場合の暫定的な回避策まで、順を追って解説します。
⚠ 重要ポイント
Windows 11 24H2 では、2025年1月の更新以降、古いサーバー(Windows Server 2016 以前)へ UDP経由でRDP接続している環境に限り、一定時間でセッションが切断される既知の不具合が確認されています。
そもそも「RDP」とは?
RDP(Remote Desktop Protocol)とは、離れた場所から別のパソコンを操作できる仕組みです。仕事やシステム管理などで広く使われており、接続が切れると業務に大きな支障が出る場合もあります。
原因:2025年1月プレビュー更新以降のRDP挙動変更
Microsoftによると、Windows 11 24H2 に対して 2025年1月のプレビュー更新(KB5050094)以降を適用した環境で、
RDP 接続が約 60~70 秒で切断される事例が確認されています。
特に影響を受けやすいのは、
- Windows Server 2016 以前のサーバーOS
- RDP が UDP トランスポートを使用している構成
これらが組み合わさった環境です。
Microsoftは本件を 既知の問題(Known Issue) として公開し、後続の更新プログラムで修正を行いました。
解決策:KIR(既知の問題のロールバック)を適用
KIR(Known Issue Rollback)について
家庭向けなど非管理デバイスには段階的に KIR が自動適用。企業管理デバイスでは、必要に応じて KIR 用の特殊 GPO を配布して即時ロールバック可能でした。(※現在は KB5053656 以降を入れていれば KIR不要)
Microsoftの公式対応(KIRと修正状況)
このRDP切断問題は、
2025年3月27日のプレビュー更新(KB5053656)で修正が入り、2025年4月の月例累積更新(KB5055523)以降にも取り込まれています。
そのため、現在は最新の累積更新を適用することで解消するケースが大半です。
なお、更新が行き渡るまでの間、Microsoftは KIR(Known Issue Rollback) を段階的に展開しました。
・家庭向け・非管理PC:自動でKIRが適用される場合あり
・企業・ドメイン管理PC:KIR用グループポリシーの配布が必要な場合あり
更新がすぐ当てられない場合の暫定策(UDPを無効化)
パッチ適用までの一時回避として、RDPのUDP使用を無効にしてTCPのみにします。
※ 会社PCや共有PCでは、グループポリシーの変更が制限されている場合があります。操作前に管理者へ確認してください。
- クライアント側(推奨)
[コンピューターの構成]→[管理用テンプレート]→
[Windows コンポーネント]→[リモート デスクトップ サービス]→
[リモート デスクトップ接続クライアント]→
「Turn off UDP On Client」=[有効]
(同等レジストリ:HKLM\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows NT\Terminal Services\ClientのfClientDisableUDP=1) Windows OS Hub - サーバー側(可能なら)
[…Remote Desktop Session Host→Connections]→
「Select RDP transport protocols」=“Use only TCP” に設定。 Windows OS Hub
※ この設定は 一時的な回避策 です。通信が安定する一方で、環境によっては 画面表示の遅延 や 操作感の低下 が起こる場合があります。
最新の累積更新を適用できたら、UDP設定は元に戻すことを推奨します。
また、会社や共有PCでは管理者権限が必要な場合があるため、事前に管理者へ確認してください。
グループポリシーを編集するときの注意点
グループポリシーはWindowsの動作に大きく影響するため、以下の点に注意しましょう。
- 変更前に「復元ポイント」を作成しておく
- 操作するポリシー名をメモしておく(あとから元に戻すため)
- 企業PCや共有PCでは、管理者の許可を得ること
また、ポリシーが正しく反映されない場合は、再起動や「gpupdate /force」の実行で反映を促すことも有効です。
KIRが適用されたか確認したい場合
KIRはWindows Update の履歴に出ないことがあります。企業向けにはMicrosoftが確認方法を案内しており、イベント ビューアーで
[Applications and Services Logs → Microsoft → Windows → Known Issue Rollback → Operational] を確認します。環境によっては管理者向けのスクリプトで適用状況を検証できます。
KIRで改善しない場合のチェックポイント
・sfc /scannow と DISM の実行(システム破損の有無を確認)
・ネットワーク設定(DNSやFWでRDP関連ポートやUDPがブロックされていないか)
・セキュリティ製品の干渉(一時無効で切り分け)
・最新CUの再確認(KB5053656 以降、またはKB5055523 以降を満たしているか)
KIRが無効になるケースとは?
KIRは便利なロールバック機能ですが、必ずしも永続的に機能し続けるとは限りません。たとえば、以下のようなケースではKIRが上書き・無効化されることがあります。
- Windows Updateで新しいパッチが適用された
- Insider Previewに参加しているPC
- ドメインポリシーやセキュリティ設定がKIRと競合している
KIRを一度設定しても、トラブルが再発した場合は設定を見直すことが大切です。
補足:Insider Previewで24H2を導入した方へ
現在、Insider Previewを通じて24H2を使用しているPCでは、安定性に影響が出る可能性があります。
とくにグループポリシーやネットワーク関連設定を手動で変更した環境では、RDPが切断されやすくなる事例が確認されています。
⚠️Insider Preview版では不具合が長く残ることも
24H2の先行ビルドを使用しているInsider Previewユーザーでは、正式リリースよりも長期間にわたって不具合が放置されることもあります。
Insider Previewでは、不具合が見つかっても 「正式リリース時に修正予定」とされ、KIRなど即時の修正対応が行われない場合があります。そのため、業務用途での利用は避けるのが安全です。
代替案:RDP以外のリモートツールの活用
どうしてもRDPが不安定な場合は、TeamViewer や AnyDesk といった他のリモートツールの利用も検討してみてください。
ただし、これらもセキュリティ設定が重要なため、信頼できる公式サイトから入手し、常に最新版を使うようにしましょう。
RDPが切れる原因はクライアントだけじゃない?
RDPが途中で切れると、つい「クライアント側の問題」と思いがちですが、実はサーバー側に原因があるケースも少なくありません。
特にWindows Server 2012や2016など、古いサーバーOSではKB5050094の影響を直接受けなくても、相性問題や認証処理の変更でセッションが不安定になることがあります。
ログイン先のイベントログ(Event Viewer)も併せて確認することで、原因を特定しやすくなります。
→ Application や System に「切断」「タイムアウト」などの記録が残っていれば要注意です。
今後のアップデートで再発しないために
Windowsアップデートの不具合は、定期的に発生する可能性があります。以下のような再発防止策をおすすめします。
- アップデート前にバックアップや復元ポイントを作成
- 重要な更新後は必ずRDP接続の動作確認
- 公式サイトの既知の問題ページを定期的に確認
RDPが重要な業務ツールである場合、複数の接続手段を確保しておくこともリスク回避になります。
RDP切断トラブル まとめ表(Windows 11 24H2)
| 状況・症状 | 主な原因 | まずやること(最短) | 有効な対処・備考 |
|---|---|---|---|
| RDPが約65秒で切断される | KB5050094以降の不具合(UDP使用時) | 最新の累積更新を確認 | KB5053656(2025/3/27)以降、または KB5055523(2025/4月例)以降で修正済み |
| Windows Server 2016以前へ接続すると不安定 | 古いServer OS × UDPの相性問題 | 最新CUを適用 | 更新できない場合は UDP無効化(TCPのみ) を暫定利用 |
| KIRが効いているか不明 | KIRは履歴に表示されない | イベントログを確認 | Event Viewer → Known Issue Rollback → Operational |
| 企業PCでKIRが効かない | ドメイン管理で自動KIRが無効 | 管理者に確認 | KIR用GPOを配布・有効化 が必要 |
| 更新できない事情がある | 業務制約・検証待ち | UDP無効化 | 更新後は UDP設定を元に戻す 推奨 |
| KIR後も改善しない | 他要因(FW・AV・破損) | sfc /scannow | DISM実行、FW/セキュリティ製品の切り分け |
| Insider Previewで発生 | 先行ビルド特有の不具合 | 安定版へ戻す検討 | 業務利用は非推奨 |
| どうしてもRDPが使えない | 環境依存・再発 | 代替手段を確保 | TeamViewer / AnyDesk 等を併用 |
迷ったら「最新の累積更新が入っているか」を最優先で確認し、難しい場合のみUDP無効化を暫定策として利用してください。
まとめ:セッション切断の不具合に注意
Windows 11 バージョン24H2へのアップデート後、一部環境でリモートセッションが予期せず切断される不具合が確認されています。
・発端:KB5050094(2025年1月プレビュー)以降で、主に古いサーバー(2016以前)とのRDPがUDP経由で不安定に。
・修正:KB5053656(2025/3/27)で対処、2025/4の累積(KB5055523)以降に包含。まずは最新の累積更新を適用。
・暫定策:更新できない期間はUDPを無効化してTCP固定(GPO/レジストリ)。更新完了後は元に戻すのがベター。
・KIR:未管理PCは自動、企業環境はGPOで配布が必要。適用状況はKIRイベントログで確認。
ご自身のPCでリモート接続が切れる場合は、まず KIRの適用状況を確認し、必要に応じてグループポリシーで手動対応 を行ってください。改善が見られない場合は、ネットワーク設定やシステム修復コマンド(sfc /scannow・DISM)も併せて試すと効果的です。
また不具合の影響範囲や修正状況は、Microsoft公式ドキュメント の「Windows release health」ページで随時更新されています。修正版が配信された後は、必ずWindows Updateを再実行して最新の状態にしてください。
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