【2025年最新】Windows Backup for Organizationsとは?機能・導入方法・従来のバックアップとの違い

Windows Backup for Organizationsをイメージした青と白のデジタルイラスト。クラウドに接続されたノートPCとフォルダーアイコン、バックアップを示す矢印、Microsoftロゴが配置され、組織向けクラウドバックアップを象徴している。

Windows 10のサポート終了(2025年10月)が近づく中、Microsoftは新しいバックアップサービス 「Windows Backup for Organizations」 を発表しました。
これは企業や教育機関などの組織向けに提供されるクラウド型のバックアップ機能で、個人向けの「Windows Backup」アプリとは大きく異なります。

組織単位でのデータ保護や復元を可能にし、管理者が一元的に運用できる仕組みを備えているため、特にリモートワークやモバイルワーカーが多い環境で大きなメリットを発揮します。

本記事では、このWindows Backup for Orgsについて、従来との違いや導入要件、メリットや注意点を丁寧に解説していきます。


Windows Backup for Organizationsとは?

Windows Backup for Organizations(以下、Windows Backup for Orgs)は、Microsoft 365のエンタープライズ向けサービスの一部として提供される新しいバックアップ機能です。

  • PCの設定、アプリ、ユーザープロファイルをクラウドに自動的にバックアップ
  • 管理者がIntuneやMicrosoft 365管理センターから一元的に管理可能
  • 災害や端末交換時にも短時間で復旧が可能

といった特徴があり、組織全体のデータ保護を前提に設計されています。


個人向け「Windows Backup」との違い

個人ユーザー向けには、すでに「Windows Backup」アプリがWindows 11に搭載されています。こちらは主にOneDriveを利用して個人データを保護するものです。

一方で、Windows Backup for Orgsは以下のように性質が大きく異なります。

  • 組織単位でのポリシー管理が可能
  • 複数端末をまたいで統一的にバックアップ
  • 従業員のアカウント切替や端末交換時のスムーズな復元

つまり、個人ではなく「組織全体での管理・復元」を目的とした設計になっています。


主な機能

Windows Backup for Orgsには、次のような主要機能があります。

  • ポリシーベースのバックアップ管理:管理者が保存期間や保存先を定義できる
  • ユーザー環境の完全復元:アプリ・設定・ファイルをまとめて再現可能
  • Intuneとの統合:デバイス管理とバックアップをシームレスに実行
  • セキュリティ強化:保存データはMicrosoftクラウド上で暗号化される

これにより、従業員が利用する端末が変わっても、環境を素早く復元できる点が大きな魅力です。


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導入要件

Windows Backup for Orgsを利用するためには、いくつかの要件があります。

  • Windows 11 24H2以降が推奨
  • Windows 10は、ESU(拡張セキュリティ更新プログラム)契約を結んでいる組織のみ一部利用可能
  • Microsoft 365 Business Premium、E3/E5以上のライセンスが必要
  • 管理者によるIntune/Entra ID(旧Azure AD)の設定が必須

メリット

Windows Backup for Orgsを導入することで、次のようなメリットが得られます。

  • 災害時の事業継続(BCP対策)に強い:障害や災害発生後でも迅速に復旧可能
  • 管理効率の向上:従業員ごとのバックアップ状況を一元管理できる
  • セキュリティリスクの低減:暗号化されたクラウドに保存されるため、安全性が高い

デメリット

Windows Backup for Orgsは非常に便利なサービスですが、導入前に知っておきたい制限があります。

  • 無料ではない
     Microsoft 365 Business Premium、E3/E5などの有料ライセンス契約が必要です。個人利用や無償利用はできません。
  • 容量は無制限ではない
     保存容量はOneDrive for Businessの契約に依存します。大量のユーザーデータを保存する場合は、契約プランによっては追加ストレージの購入が必要です。
  • 導入時のエラー発生
     Entra ID(旧Azure AD)やIntuneとの連携設定が正しく行われていない場合、初期構成時にエラーが出ることがあります。特にWindows 10端末ではESU契約の有無で利用可否が分かれるため、要件確認が必須です。
  • 導入の手間
     管理者によるポリシー設定や、既存のオンプレミスバックアップとの共存調整が必要になります。小規模環境では「手間に対してのメリットが薄い」と感じる可能性があります。
  • ネットワーク負荷
     定期的にクラウドへバックアップを行うため、回線速度が遅い環境ではバックアップ処理が長時間かかり、業務に影響が出るケースもあります。

個人利用の代替案

Windows Backup for Organizations は完全に 法人・教育機関向け なので、残念ながら個人で直接利用することはできません。ただし、個人ユーザーが「同じような目的=PC環境やデータをクラウドで保護する」ための 代替手段 はいくつか存在するのでご紹介します。

1. Windows Backupアプリ(個人向け)

  • Windows 11 標準の「Windows Backup」アプリを利用
  • OneDrive と連携して、設定・アプリリスト・ユーザーデータをクラウドに保存可能
  • PCを買い替えたときに復元が簡単
    👉 個人が最も手軽に利用できる公式手段です。

2. OneDrive(個別バックアップ利用)

  • ドキュメント、デスクトップ、ピクチャなど主要フォルダーをクラウド同期
  • 無料は 5GB、Microsoft 365 Personal/Family で 1TB 以上利用可能
  • バージョン履歴やごみ箱機能もあり、誤削除対策にも役立つ

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3. 外付けストレージ+ファイル履歴/バックアップソフト

  • 外付けSSDやHDDに「ファイル履歴」や「Windowsバックアップ(旧イメージバックアップ)」を利用
  • ネットに依存しないため、大容量のデータを保存する場合に有効
  • 有料ソフト(Acronis、Macrium Reflectなど)を使うと、システム全体をイメージ保存して丸ごと復元も可能

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4. クラウドストレージのサブスク活用

  • Google Drive、Dropbox、Boxなどを併用する方法
  • 端末依存しないので、スマホ・タブレットともシームレスに利用できる
  • ただしOneDriveと比べると「Windows復元との統合性」は弱め

もし「個人でもWindows Backup for Orgsを使いたい」と考えているなら、代替案としては Windows Backup(個人向けアプリ)+OneDrive 1TBプラン(Microsoft 365) がもっとも現実的で近い存在です。
さらに、重要データは 外付けSSDにも二重保存 しておけば、クラウド障害や誤操作への備えとして安心です。

まとめ

Windows Backup for Organizationsは、これからの企業や教育機関にとって重要なバックアップサービスです。
特に、Windows 10のサポート終了後の移行戦略 や、リモート環境でのデータ保護を考える組織にとって有力な選択肢となるでしょう。

個人ユーザーにとって直接関係はありませんが、業務でWindows PCを利用している方にとっては、今後のデータ保護の仕組みに関わる注目すべき新機能です。

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