Windows Update後に「BitLocker回復キー」の入力を求められたときの対処法【パソコンが苦手な人向け】

ロックされたPC

Windows 11 では、条件を満たすPCで初期設定の流れに沿うと デバイスの暗号化/BitLocker が自動有効になり、Microsoft アカウントでサインインしている場合は回復キーがアカウント側へ自動保存 されます。

そして、大型アップデートや UEFI/TPM の変更などをきっかけに、突然「回復キーの入力」を求められることがあります。そこで今回は 2025年の最新仕様 に沿って、回復キーの探し方/印刷・保管のコツ/更新前の“ひと手間”/回復画面が出た時の落ち着いた対処 を、スクショなしで迷わない順番でご案内します。

※用語メモ:Windows 11 Pro では「BitLocker」Home では(対応機種に限り)「デバイスの暗号化」 の表記です。Homeでも全機で自動有効になるわけではなく、機器要件を満たすPCで利用できます。

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BitLocker(ビットロッカー)とは?

まずは用語の確認から始めたいと思います。

BitLocker(ビットロッカー)とは、Windowsに搭載されているセキュリティ機能の一つで、パソコンの中身(データ)を自動的に暗号化して守ってくれる仕組みです。

簡単に言えば、「パソコンの中身にカギをかける機能」。特に企業や学校で使われているPCでは、出荷時点ですでにBitLockerが有効になっていることがあります。

また、家庭用PCでも、Windows 11や一部のWindows 10機種では、初期設定時にBitLockerが自動で有効になることがあります。

※ 回復画面にはKey ID(短い識別子)が表示されます。Microsoftアカウント側に複数の回復キーがある場合、同じ Key ID を持つエントリが該当PCのキーです。紙に印刷する際は、PC名/取得日/Key IDも書き添えておくと、いざという時に迷いません

回復キーとは?なぜ必要?

BitLockerでは、万が一のトラブル時に備えて「合いカギ」が自動的に作られます。それが「BitLocker回復キー」です。

この回復キーは、以下のような状況で求められることがあります:

  • Windowsアップデート後に構成が変わった
  • ハードウェア(マザーボードなど)を交換した
  • BIOS設定を変更した
  • セキュリティ的に異常が検知された

このようなケースでは、BitLockerが「不正アクセスの可能性あり」と判断し、本人確認のために回復キーを要求してくるのです。

【原因】アップデートで求められる理由

状況なぜ求められる?
Windows大型アップデート直後システム構成の変更を検知し、保護モードが作動したため
パーツ交換・修理後マザーボードやドライブ交換などが「別のPC」と誤認された
BIOS設定を変更したセキュリティブート構成が変わり、BitLockerが再認証を要求した
複数回のパスワードミスなど攻撃の兆候とみなされ、回復キーが要求されることがある

このように、BitLockerは「パソコンにいつもと違う動きがあった」と判断したとき、自動的にセキュリティを強化するために回復キーの入力を求めてきます。

本人にとってはちょっと驚く挙動ですが、これは不正アクセスからパソコンを守るための正常な働きです。

そのため、アップデートや修理のあとに突然この画面が出ても、慌てずに回復キーの確認方法を順番に試してみましょう。

【対処法】回復キーを確認する(確実な順)

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1) Microsoft アカウントで確認(最も簡単・個人PC向け)

  1. 別端末 で 「account.microsoft.com/devices/recoverykey 」にサインイン
  2. 一覧から該当PCを開き、回復画面に出ている「Key ID」と同じエントリ を探す
  3. 表示された 48桁の回復キー を、そのまま ハイフン付きで入力
    ※ ローカルアカウントのみで使っていたPCはここに出ません。

メモ:Key IDの照合 を本文で強調。PC名/取得日/Key ID を紙へ書き添えて印刷保管すると、次回は迷いません。

2) 紙に印刷していないか探す

初期設定時や有効化時に「回復キーを印刷」していることがあります。書類棚・マニュアルの間・引き出しなど、紙を保管しそうな場所 を探してみてください。

3) USBメモリ内を確認

BitLocker Recovery Key を含む .txt ファイルで保存しているケースがあります。古いUSBも含め すべて確認を。見つかったら PC名/取得日/Key ID をファイル名に追記し直すと管理が楽です。

4) 学校・職場PCなら IT 管理者へ

組織管理のPCは、Entra ID(旧 Azure AD)や Intune に回復キーが保管されている場合があります。回復画面の「Key ID」 を伝えて、管理者に照会を依頼してください。

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【最終手段】回復キーが見つからない場合の対応

残念ながら、回復キーが見つからなければ、パソコン内部のデータにはアクセスできません。

ただし、パソコンそのものは「初期化」することで再利用が可能です。ここでは、Windowsを工場出荷状態に戻す手順を紹介します。

【手順】Windowsの初期化(リセット)方法


まずはバックアップしておきましょう。詳しくはこちらパソコンのバックアップ完全ガイド

手順1:設定画面を開く

  1. スタートボタンをクリック
  2. 歯車マーク「設定」を選ぶ

手順2:「回復」メニューを開く

  1. 「システム」→「回復」を選択
  2. 「このPCをリセット」の下にある「PCをリセット」をクリック

手順3:リセットの方法を選択

  • すべて削除する(推奨):完全初期化
  • 個人ファイルを保持する:ファイル残し/アプリのみ削除

※BitLockerのトラブル時は「すべて削除」が安全です。

手順4:インストール方法を選ぶ

  • クラウドから再インストール(Wi-Fiが必要/安定)
  • ローカル再インストール(ネット不要/失敗の可能性あり)

手順5:リセット実行

「リセット」をクリックすると再起動され、初期化が開始されます。完了まで30分~2時間程度かかります。

予防:構成変更前は「保護の一時停止」を

BIOS/UEFI更新やメモリ・SSDの換装などの前に、管理者ターミナルで以下を実行すると不要な回復要求を避けやすくなります。

manage-bde -protectors -disable C:
(作業後)
manage-bde -protectors -enable C:


構成変更(UEFI更新・メモリ/SSD換装・大規模更新等)の前に、BitLockerを一時中断してから作業すると、不必要な回復要求を避けやすくなります。

GUI

コントロール パネル →「BitLocker ドライブ暗号化」→ C: の[保護の一時停止]→ 再起動 → 作業 → [保護の再開]

PowerShell(管理者)

Suspend-BitLocker -MountPoint "C:" -RebootCount 1
作業後に必要なら:Resume-BitLocker -MountPoint "C:"

【最終手段】どうしても回復キーが見つからない場合

残念ながら データへはアクセスできません

ただしPC自体は 「このPCをリセット」 で再利用可能です。すべて削除(完全初期化) を選ぶと安全です。

実行方法

  1. 設定 → システム回復このPCをリセット
  2. すべて削除する を選択
  3. クラウドから再インストール(推奨)またはローカル再インストール
    ※ 実行中は電源を切らないでください。状況により時間がかかります。

注記:直近の更新で 「PCのリセット」機能に不具合 が生じた事例があり、修正済みの累積更新 で解消されています。リセットに失敗する場合は 最新の累積更新が適用済みか を確認してください。

【FAQ】よくある質問

Q. 回復キーがないと何もできないの?

→ 初期化することでパソコン自体は再使用可能。ただし、データは失われます。

Q. 初期化に失敗したら?

→ 電源ボタン長押しで再起動 → 再度「PCのリセット」からやり直し。それでもだめならメーカーや修理業者に相談を。

まとめ:落ち着いて、順番に確認を

最後に、状況別の対処法をまとめておきます。

状況対処法
Microsoftアカウントで使用中アカウントページで回復キーを確認
印刷していたかも家中を探す(引き出し・書類の間など)
USBメモリに保存していたかもすべてのUSBを確認(.txtファイルを探す)
職場・学校のPCIT管理者に問い合わせ
どれも見つからない初期化を実行(データは消えるがPCは再利用可能)

BitLocker回復キーの入力を求められると、びっくりしてしまいますよね。

でも、落ち着いて確認をすれば、多くのケースで回復は可能です。今回の経験を機に、回復キーを印刷しておく・USBに保存しておく・スマホに控えておくなど、安全な場所に保存する習慣をつけておきましょう。

自力での復旧が不安な場合は、パソコン修理の専門サポートを利用するのも選択肢です。

今後も、トラブルに出会ったときは、あわてず一つずつ解決していきましょう。

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