こんにちは。今回は、Windowsのアップデート後に突然
「BitLocker回復キー」
を入力するよう求められ、
「え?なにこれ?」
と戸惑ってしまった方のために、わかりやすく対処法をご紹介します。
BitLocker(ビットロッカー)ってなに?
まず、「BitLocker(ビットロッカー)」とは何かをご説明します。
BitLockerとは
Bit Lockerとは、Windowsに搭載されている「データを暗号化して守るための機能」です。
簡単に言うと、「パソコンの中身を盗まれないようにカギをかけておく仕組み」のことです。

この機能は、特に企業や学校で配布されたパソコン、あるいは初期設定でセキュリティが強化されているパソコンに自動的に有効になっていることがあります。
回復キーってなに?
BitLockerを使ってパソコンにカギをかけると、
「もし何かあってカギが開かなくなったときのための合いカギ」
も作られます。
これが「BitLocker回復キー」です。
つまり、「回復キー」とは、
パソコンが何かの理由で正常に起動できなくなったときに使う
「緊急用のパスワード」なのです!
なぜWindowsアップデート後に求められたのでしょう?
Windowsの大型アップデートや、ハードウェアの変更
(例えば、パソコンの一部を修理したり、マザーボードを交換したり)
を行った場合、BitLockerが
「セキュリティ上の異常があるかも」
と判断し、安全のために回復キーの入力を求めることがあります。
これが、アップデート後に「BitLocker回復キーを入力してください」と表示される理由です。
回復キーがわからない時の対処法
しかし、回復キーの保管場所を忘れたり、わからない場合もありますよね。
そこで、ここからは回復キーがわからなくなった時の対処法を説明します。
1. Microsoftアカウントで確認する(もっとも簡単な方法)
Microsoftのサイトから、以下の手順で確認できます。
1. スマートフォンや別のパソコンで、下記のページを開きます。
→ https://account.microsoft.com/devices/recoverykey
2. 普段パソコンで使っているMicrosoftアカウント(Outlook、Hotmailなど)でサインインします。
3. 登録されているデバイス一覧が表示されるので、該当のパソコンの「回復キー」を確認してください。
※残念ながら、Microsoftアカウントにログインしていない状態でWindowsを使っていた方は、この方法では確認できません。
2. 印刷して保管しているかも?
パソコンの初期設定時に、
「BitLocker回復キーを印刷しますか?」
と表示されることがあります。
これに従って印刷した方は、紙で保管している可能性があります。
• 書類棚
• マニュアルの間
• 机の引き出し
などを探してみましょう。
3. USBメモリに保存している可能性も
BitLocker回復キーは、USBメモリに保存している場合もあります。
以下のような名前のファイルで保存されていることがあります。
• BitLocker Recovery Key…などの名前で保存されているかも?
• 拡張子が .txt のテキストファイル
など、ご自宅にあるUSBメモリを差して確認してみてください。
4. 管理者や職場のIT担当に相談
企業や学校で支給されたパソコンの場合、IT担当の方が回復キーを管理している可能性があります。
自分で探しても見つからない場合は、早めに相談してみましょう。
どうしても見つからないときは?
残念ながら、BitLocker回復キーが見つからない場合は、パソコンの中のデータにアクセスすることができません。
この場合、初期化(工場出荷状態に戻す)を行うことでパソコン自体は使えるようになりますが、中に入っていたデータはすべて消えてしまいます。
どうしても必要なデータが入っている場合は、パソコンメーカーやサポート窓口に相談してみることをおすすめします。
【補足】パソコンの初期化方法
どうしても回復キーがわからずWindowsパソコンを初期化する方法(工場出荷状態に戻す手順)
※注意!
初期化をすると、パソコン内のデータ(写真、書類、アプリなど)がすべて消えてしまいます。必要なデータはあらかじめバックアップしておきましょう。
【手順1】設定画面を開く
1. 画面左下の「スタートボタン(Windowsマーク)」をクリック
2. 「設定(歯車のマーク)」を選びます
【手順2】「回復」のメニューを開く
1. 設定画面が開いたら、「システム」を選びます
2. 左のメニューから「回復」をクリックします
3. 「このPCをリセットする」という項目の下にある「PCをリセット」をクリックします
【手順3】リセットの種類を選ぶ
表示された選択肢の中から、以下のいずれかを選びます
• 「すべて削除する」
→ 完全に初期化(購入時の状態)になります。
BitLockerのエラーやトラブルがあった場合はこちらが推奨です。
• 「個人用ファイルを保持する」
→ アプリや設定だけ初期化され、写真や書類などの個人ファイルは残ります。
(ただし一部のトラブルでは効果がない場合もあります)
【手順4】クラウド or ローカル再インストールを選ぶ
• クラウドから再インストール
→ インターネット経由で最新のWindowsをダウンロードして初期化します
(Wi-Fiまたは有線接続が必要です。)
• ローカル再インストール
→ パソコン内にある復元データを使って初期化します。
インターネットは不要ですが、失敗する場合もあります。
どちらでも大丈夫ですが、安定性を重視するなら「クラウド」がおすすめです。
【手順5】最終確認 → 実行
1. 最終確認画面が出たら「リセット」をクリック
2. パソコンが自動的に再起動し、初期化が始まります
3. 完了するまで時間がかかることがあります(30分〜2時間程度)
【手順6】初期設定を行う
初期化が完了すると、購入時と同じように初期設定の画面
(言語、Wi-Fi、Microsoftアカウントなど)が表示されます。
画面の案内に従って進めればOKです。
よくある質問(FAQ)
Q. 回復キーがわからない場合でも初期化できますか?
→ はい、初期化すればBitLockerのロックは解除されますが、中のデータは取り出せません。あくまで「パソコンを使えるようにする方法」となります。
Q. 初期化に失敗したらどうすればいい?
→ 電源ボタンを長押しで強制終了 → 再度「PCのリセット」から試してみましょう。
うまくいかない場合は、パソコンメーカーのサポートセンターに相談してください。
まとめ
以下に、今回のBit Locker回復キーが表示された時の原因と対処法を一覧表にしてみました。
状況 | 対処法 |
Microsoftアカウントで使っていた | アカウントページで回復キーを確認 |
紙に印刷して保管したかも | 家の中を探す(引き出し、書類など) |
USBメモリに保存しているかも | 接続して中身を確認 |
職場・学校のPC | IT管理者に相談 |
どうしても見つからない | 初期化を検討(データは消える) |
「BitLocker回復キー」と言われても、普段聞き慣れない言葉なので驚いてしまいますよね。
でも、落ち着いて対応すれば、回復できる場合も多いです。
今後のために、回復キーは印刷したり、スマホにメモしたりして安全な場所に保管しておくと安心です。
パソコンに関する「わからない」を、少しずつ一緒に解決していきましょう。
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