Windowsを使っている最中に、突然パソコンが再起動し、
「DPC_WATCHDOG_VIOLATION(エラーコード:0x00000133)」
というブルースクリーンが表示されたことはありませんか?
このエラーは、Windowsのカーネル(システムの中核部分)で「応答の遅れ」が発生したときに表示されるものです。放置していると再発の可能性があり、パソコンの動作に大きな影響を与えることもあります。
この記事では、「0x00000133」エラーの原因・対処方法・予防策まで、わかりやすく解説していきます。
◆ エラーコード「0x00000133」とは?

正式名称は「DPC_WATCHDOG_VIOLATION」です。
これは、Windowsの内部でDPC(遅延プロシージャ呼び出し)や割り込み処理(ISR)が、一定の時間を超えて実行されたことで、タイムアウトが発生し、システムが安全のために停止した状態を意味します。
▼ 難しい言葉をかみくだくと…
- パソコン内部の「裏方作業」が、いつまでも終わらずに処理が詰まってしまった
- その結果、Windowsがエラーとして強制終了(ブルースクリーン)した
ということです。
◆ 主な原因
以下のようなものが主な原因とされています。
原因 | 内容 |
---|---|
ドライバーの不具合 | 特にSSD・グラフィック・チップセット系の古いドライバーが影響することが多いです。 |
高負荷状態 | 動画編集やゲームなど、重い作業中に発生しやすくなります。 |
周辺機器のトラブル | USB接続機器や外付けHDDの影響で発生することもあります。 |
Windowsアップデートの不整合 | アップデートにより、既存ドライバーと互換性が合わなくなることがあります。 |
ハードウェアの故障 | SSDやメモリに物理的な問題がある場合もあります。 |
これらの原因は、単体で発生する場合もあれば、複数が組み合わさっているケースもあります。たとえば、「Windowsアップデート後にドライバーの互換性が崩れ、結果的に高負荷状態でブルースクリーンが起きる」といった複雑なパターンも少なくありません。
特に最近は、SSDのドライバーや外部デバイスとの相性によってエラーが発生する報告が増えており、「問題のきっかけがはっきりしない」こともあります。
そのため、原因の切り分けには慎重な確認が必要です。次の章からは、初心者の方でも安心して試せる対処法を順を追ってご紹介します。焦らず一つずつ実践していきましょう。
◆ 対処法:初心者でもできる基本ステップ
① SSDのドライバーを確認・更新
特にIntel RST(Rapid Storage Technology)やAHCIドライバーが古い場合にエラーが出やすいです。
- デバイスマネージャーを開く(Winキー + X → M)
- 「IDE ATA/ATAPIコントローラー」や「ストレージコントローラー」からドライバーを右クリックして「ドライバーの更新」
- 「ドライバーソフトウェアの最新版を自動検索」を選択
② 最新のWindowsアップデートを適用
「設定 → Windows Update」から、更新を確認し、すべてインストールします。
③ グラフィックドライバーを最新にする
NVIDIAやAMD製のGPUをお使いの場合は、各公式サイトから最新版をダウンロードしてください。
④ SSDやHDDのエラーチェック
- エクスプローラーで「このPC」を開く
- Cドライブを右クリック →「プロパティ」
3.「ツール」タブ →「エラーチェック」→「チェック」
⑤ メモリ診断ツールで確認
- 「Windowsメモリ診断」と検索して起動
2.「今すぐ再起動して問題を確認」を選択
◆ それでも解決しないときの対処法
□ システムファイルの修復(SFC)
コマンドプロンプトを「管理者として実行」し、以下を入力:
sfc /scannow
破損したWindowsファイルを自動的に修復します。
□ クリーンブートで原因を切り分け
不要なスタートアップやサービスが原因の場合もあります。
「msconfig」→「サービス」→「Microsoft以外をすべて無効」→「スタートアップ」からも無効化
◆ 予防策・再発防止のために
- 定期的にドライバーを更新する(特にSSD・GPU・チップセット)
- 周辺機器の取り外し→エラーが出るか確認
- Windowsアップデートは安定版が出るまで様子見も有効
- 内部のホコリ掃除など、ハードウェアの温度にも気を配る
◆ まとめ
ポイント | 内容 |
---|---|
エラーの意味 | DPCまたはISR処理が時間内に完了しなかったことを示す |
原因 | ドライバー不具合・SSD・高負荷状態・周辺機器のトラブルなど |
主な対処法 | ドライバー更新、アップデート、エラーチェック、メモリ診断など |
予防法 | ドライバー管理・周辺機器の見直し・Windowsの安定運用 |
上記のように、「0x00000133」エラーは原因の特定と段階的な対処を行うことで、多くの場合は改善が可能です。特にドライバーの管理やハードウェアの点検は、今後のトラブル防止にもつながります。
一度解消しても再発することがあるため、再発時はエラー発生時の状況を記録しておくと、次回の対処がスムーズになります。焦らずに一つずつ原因を切り分けて対応していきましょう。
上級者向け・裏ワザ対処法(自己責任でお願いします)
「0x00000133(DPC_WATCHDOG_VIOLATION)」は基本対処だけでは直らないケースも多々あります。
ここから先に、ご紹介している「裏技的な対処法」は、一般的な操作に比べてリスクが高く、ある程度の知識や経験が必要な方法も含まれています。
中には、手順を誤ることでWindowsが正常に起動しなくなる可能性や、データが失われるリスクもあります。そのため、
✅ 大切なデータは必ずバックアップを取ってから作業してください
✅ 自信がない場合は、詳しい方に相談するか、専門業者に依頼することをおすすめします
✅ 可能であれば、復元ポイントやシステムイメージの作成もしておくと安心です
✅ BIOSやファームウェアの更新は、途中で電源を切らないように十分注意してください
という点にご注意ください。よろしくお願いします。
① AHCIドライバーを「標準SATA AHCIコントローラー」に変更
Intel製ドライバー(RST)が原因になることが多いため、Windows標準ドライバーに差し替えると改善するケースあり。
【手順(自己責任)】
- デバイスマネージャーを開く(Win + X → M)
- 「IDE ATA/ATAPI コントローラー」→ 対象の「SATA AHCI コントローラー」を右クリック
- 「ドライバーの更新」→「コンピューターを参照」→「互換性のあるハードウェアを表示」
- 「標準 SATA AHCI コントローラー」を選択してインストール
⚠️ この操作は失敗すると起動しなくなる場合があるため、必ずバックアップを取ってから行ってください。
② SSDファームウェアのアップデート
特定のSSD(特に古いCrucial・SanDisk・Samsung)では、ファームウェアが古いとDPC Watchdogエラーを引き起こすことがあります。
- 各メーカーの公式サイトからファームウェアアップデートツールをダウンロード
- アップデートを実行(※電源が切れないよう注意して行ってください)
③ BIOSを最新バージョンに更新
マザーボードのBIOS(UEFI)が古いと、ハードウェア制御に不具合が起こることがあります。
- PCメーカーまたはマザーボードメーカーの公式サイトから最新BIOSをダウンロード
- USBからBIOSアップデートを実施(慎重に!)
④ Windowsイベントログから該当プロセスを特定
イベントビューアーでクラッシュ直前のDPCの詳細を確認すると、原因となったプロセスやドライバ名が判明することがあります。
- 「イベントビューアー」→「Windowsログ」→「システム」→「イベントID 1001 など」を確認
⑤ NVIDIAユーザー向け:ドライバーを「クリーンインストール」
GeForce Experienceを使用せずに、**Display Driver Uninstaller(DDU)**を使って完全に削除 → 再インストール。
【 補足】
これらの手法は、公式サポート外であったり、高度な操作を伴うため、実施には慎重さとある程度の知識が必要ですが、何度もエラーを繰り返しているユーザーの多くがこれらの方法で改善を実感しています。
よくある質問(FAQ)
Q1. このエラーでPCが壊れることはありますか?
→ 基本的にはソフトウェア的なエラーなので、ドライバーや設定を見直せば直ることがほとんどです。
Q2. 初心者でも修理に出す必要はありますか?
→ まずはこの記事で紹介した対処法を1つずつ試してみてください。それでも頻繁に再発するなら、修理や診断を検討してもよいでしょう。
ブルースクリーンエラーは、一見するととても深刻なトラブルに見えるかもしれませんが、原因を一つずつ整理して対処することで、意外とすんなり解決するケースも多いです。
特に今回の「0x00000133」は、ドライバーの更新や不要な周辺機器の見直しだけで改善することもあるため、あまり不安にならず、まずは基本的なステップから実践してみてください。
▪️補足:最近の傾向
2025年に入り、Windows 11 Version 24H2以降でこのエラーの報告が増加傾向にあります。アップデート後に不安定な動作が続く場合は、問題のあるドライバーやアプリを一時的にアンインストールするなど、慎重な対応が求められます。
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