
はじめに
Windowsを使っている最中に突然ブルースクリーンが表示され、
「DPC_WATCHDOG_VIOLATION(エラーコード:0x00000133)」
というメッセージが出て驚いたことはありませんか?
このエラーは「Windowsの核となる部分(カーネル)」で、内部処理が長時間止まってしまったときに発生します。放置すると再発する可能性が高く、安定した利用に支障が出るため早めの対応が必要です。
本記事では、このエラーの原因・対処法・予防策を初心者にもわかりやすく整理しました。
エラーコード「0x00000133」とは?
正式名称は DPC_WATCHDOG_VIOLATION。
これは「DPC(遅延プロシージャ呼び出し)」や「割り込み処理(ISR)」が規定時間を超えて処理され続け、システムが安全のため強制停止した状態を示します。
わかりやすく言うと…
- Windows内部の裏方処理がいつまでも終わらず渋滞した
- 処理が進まないためブルースクリーンで強制終了した
という状況です。
主な原因
以下が代表的な原因です。
原因 | 詳細 |
---|---|
ドライバーの不具合 | 特にSSD・GPU・チップセットの古いドライバーが影響しやすい |
高負荷作業 | ゲーム・動画編集など重い処理中に発生しやすい |
周辺機器の影響 | USB機器や外付けHDDが原因になる場合あり |
Windows Updateとの不整合 | 更新によって既存ドライバーとの互換性が崩れる |
ハードウェア障害 | SSD・メモリなど物理的な故障 |
最近は特に SSDドライバーや外付け機器との相性問題 が多く、「原因が特定しづらい」ケースも増えています。
初心者でもできる基本対処ステップ
① SSDドライバーを更新
- デバイスマネージャー → 「ストレージコントローラー」
- Intel RSTやAHCIドライバーを右クリック → 更新
② Windows Updateを適用
- 設定 → Windows Update → 更新プログラムを確認・インストール
③ GPUドライバーを更新
- NVIDIA・AMD公式サイトから最新版を取得
④ ディスクのエラーチェック
- エクスプローラー → 「このPC」
- Cドライブ → プロパティ → ツール → エラーチェック
⑤ メモリ診断を実行
- スタート →「Windowsメモリ診断」
- 「今すぐ再起動して確認」を選択
それでも直らない場合の追加対処
システムファイル修復
管理者権限でコマンドを実行
sfc /scannowDISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
クリーンブートで切り分け
- msconfig → サービス → Microsoft以外を無効化
- スタートアップ項目を一時的に停止
再発防止のために
- SSD・GPU・チップセットドライバーを定期更新
- USB機器を外してエラーが出るか確認
- 大型アップデートはすぐに適用せず、安定報告を待つ
- PC内部の清掃や温度管理を行う
上級者向けの追加対処(自己責任)
⚠️ 以下はリスクが高いため、バックアップ必須です。
- AHCIドライバーを標準に変更
Intel RST → 「標準 SATA AHCI コントローラー」に切り替える - SSDファームウェア更新
Crucial・Samsungなど公式ツールでアップデート - BIOSアップデート
マザーボード公式から最新バージョンを適用 - イベントビューアで原因特定
「イベントID 1001」直前のプロセスを確認 - NVIDIAドライバーをクリーンインストール
DDUツールで削除 → 再インストール
【2025年最新動向】
- BIOS更新で症状が激減:SSDやチップセットの制御改善報告あり
- USB接続ストレージ利用時に頻発:大容量HDDや外付けSSD利用環境で多い
- NVIDIA⇔Intel GPU切替環境で衝突:GPU切替のタイミングでタイムアウト発生
Windows 11 Version 24H2以降ではエラー報告が増加傾向にあります。
アップデート直後に不安定なら、ドライバーやアプリを一時的に削除するのも有効です。
裏技&隠れた対処法
ここからは、一般的な解決策だけでは改善しなかった方のために、やや高度ですが効果が報告されている裏技的な方法をご紹介します。あくまでも「自己責任」でお願いします。
- 電源プランの詳細調整
Windowsの電源管理が原因でドライバー応答が遅延するケースがあります。
「コントロールパネル → 電源オプション」から「高パフォーマンス」を選択
詳細設定で「ハードディスクの電源を切る」を「なし」に変更
PCI Express → リンク状態の電源管理 → 「オフ」に設定
これにより、ストレージやGPUの省電力制御が抑えられ、DPCのタイムアウトが改善する場合があります。
- NVMe SSDユーザーは専用ドライバーを試す
標準のMicrosoftストレージドライバーでは遅延が出やすいケースがあります。SamsungやWestern Digitalなど、メーカー公式のNVMeドライバーを導入することで改善したという報告が多数あります。
- 高速スタートアップを完全にオフ
高速スタートアップ機能は再起動時に完全初期化されず、エラーが再発しやすくなることがあります。
「コントロールパネル → 電源オプション → 電源ボタンの動作を選択」
「高速スタートアップを有効にする」のチェックを外す
これだけで「起動直後のブルースクリーンが消えた」というケースもあります。
- ドライバー署名の一時無効化
署名なしの古いドライバーをどうしても使いたい場合、Secure Bootやドライバー署名強制機能がエラーを引き起こすことがあります。
起動オプションで「ドライバー署名の強制を無効化」を選択
ただし、セキュリティ上リスクが高いため常用は推奨できません
- GPUのパワー制御を変更
NVIDIAドライバーの「電源管理モード」を「パフォーマンス最大化を優先」に変更すると、GPUクロック変動によるタイムアウトを回避できる場合があります。特にゲームや動画編集環境では有効です。
- 周辺機器ドライバーを「汎用USB」に戻す
USBハブや外付け機器の専用ドライバーが暴走しているケースもあります。デバイスマネージャーで「汎用USBハブ」に切り替えてみると安定することがあります。
- 仮想化機能の無効化
一部環境では「Intel VT-d」「AMD-Vi」などの仮想化機能が原因でDPC遅延が起きることがあります。BIOSで一時的にオフにして再起動すると症状が改善する例があります。
- Windows Insider情報からのヒント
Microsoft Insider Buildでは、0x00000133の修正パッチが繰り返しテストされています。これは「根本的にOS側で制御改善が進められている」という証拠であり、今後のアップデートで改善される可能性が高いと考えられます。実際、Insider版では特定のSSDやUSB環境で発生していたブルースクリーンが解消したという報告もあります。
「直らないから買い替え」と決めつける前に、こうした隠れた方法を試してみる価値は十分あります。
まとめ
エラー 0x00000133(DPC_WATCHDOG_VIOLATION) は、
- ドライバーやハードウェアの応答遅延
- SSD・USB機器・GPU周辺の不具合
が主な原因です。
- ドライバー更新・ロールバック
- BIOS/SSDファームウェア確認
- USB機器を外して検証
- DISMやSFCで整合性修復
原因を一つずつ切り分ければ、解決の道筋は見えてきます。
どうしても改善しない場合は「インプレースアップグレード」や初期化も選択肢に入れてみてください。
詳しい解説はこちら👉【公式裏ワザ】再インストール不要の“インプレースアップグレード”という選択
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