
「最近、PCの起動が遅い」「何もしていないのに、常に動作が重い気がする…」
そんなとき、いきなり買い替えを考える前に見直してほしいのが、Windowsの設定です。
Windows 10/11 には「標準でオン」になっているけれど、
- ほとんどの人には不要
- オフにすると、起動が軽くなる
- バッテリー持ちがよくなる
といった設定が意外とたくさんあります。
この記事では、2025年時点(Windows 10 / 11 / 11 24H2~)で “オフ推奨” の設定を10個に厳選して紹介します。
PCにくわしくない方でも分かるように、「どこをクリックすればいいか」も順番に解説していきます。
- 1 この記事の前提と注意点
- 2 1. PC起動時に勝手に起動する「スタートアップアプリ」
- 3 2. 裏で動き続ける「バックグラウンドアプリ」
- 4 3. OneDriveの「何でもかんでも同期」
- 5 4. エクスプローラー内の「お知らせ・広告」
- 6 5. Bluetoothの「常時オン」
- 7 6. 使っていないのにオンの「位置情報サービス」
- 8 7. 役に立たない「通知の洪水」
- 9 8. 見た目重視の「アニメーション効果」
- 10 9. 電源モードが「省電力寄り」になりすぎている
- 11 10. 常駐するレジストリクリーナー・謎の最適化ソフト
- 12 逆に「オフにしてはいけない」重要設定
- 13 まとめ:一気に全部変えなくてOK。少しずつ試してみて
この記事の前提と注意点
先にかんたんに前提だけ。
- 対象:Windows 10 / Windows 11
- 想定:一般的な家庭用・個人用PC
- 会社支給PCの場合:会社のルールが優先です(セキュリティポリシーで制限されていることもあるため)
また、「絶対オフ」と書いていても、正確には
✅ 使っていない人はオフにした方がいい
✅ よく分からないけどオンになっているものを整理した方がいい
という意味です。
仕事や趣味で使っている機能があれば、もちろん無理にオフにする必要はありません。
1. PC起動時に勝手に起動する「スタートアップアプリ」
まず一番効果が大きいのがここです。
● 何が問題?
PCの電源を入れたときに、
- メールソフト
- チャットアプリ
- クラウドストレージ
- ゲームランチャー
- 動画配信のランチャー
などが勝手に起動していることがあります。
その多くは「入れたときに自動でスタートアップ登録された」だけで、実は
- 毎回起動しなくてもいい
- 必要なときに自分で起動すれば十分
というものがほとんどです。
● オフにした方がいいものの例
- ほとんど使っていないクラウドアプリ
- ゲーム系のランチャー(Steam、Epic など)
- Adobe Updater などのアップデート支援ツール
- 「常時使わない」Zoom / Teams / LINE などのチャットアプリ類
● 設定方法(Windows 10/11 共通)
- キーボードの 「Ctrl」+「Shift」+「Esc」 を押して「タスクマネージャー」を開く
- 上部のタブで 「スタートアップアプリ」(または「スタートアップ」) をクリック
- 不要そうなものを右クリック → 「無効化」 を選択
または、
- 「設定」 → 「アプリ」 → 「スタートアップ」 を開く
- 起動時に不要なアプリのスイッチを オフ にする
※ よく分からないアプリ名は、すぐに無効にせず、一度名前で検索してから判断するのがおすすめです。
2. 裏で動き続ける「バックグラウンドアプリ」
● 何が問題?
アプリによっては、閉じても裏で動き続けていて
- インターネット通信をする
- CPU やメモリを使い続ける
- バッテリーを消耗させる
ということがあります。
スマホと同じで、「インストールしたまま忘れているアプリ」が多いほど、地味にPCを重くします。
● 設定方法(Windows 11 の例)
- 「設定」 → 「プライバシーとセキュリティ」 を開く
- 下にスクロールして 「アプリのアクセス許可」 を探す
- 「バックグラウンドアプリとアプリの実行」を開く
- あまり使っていないアプリは
→ 「このアプリをバックグラウンドで実行する」を 「常にオフ」 にする
Windows 10 の場合は、
- 「設定」 → 「プライバシー」
- 左メニューから「バックグラウンドアプリ」
と進み、不要なものをオフにします。
3. OneDriveの「何でもかんでも同期」
● 何が問題?
OneDrive 自体はとても便利ですが、設定次第では
- 写真・動画・巨大なデータを常にアップロード&ダウンロード
- デスクトップやドキュメントの大容量フォルダを丸ごと同期
→ 結果的に PCが常にカリカリ忙しい状態 になります。
● 見直したいポイント
- デスクトップや「ピクチャ」「ビデオ」などを全部同期している
- ほとんど開かない大容量フォルダも同期対象になっている
- 回線が遅いのに、常に同期が走っている
● 設定方法
- 画面右下(タスクトレイ)の OneDriveアイコン(雲マーク) を右クリック
- 「設定」 をクリック
- 「アカウント」タブ → 「フォルダーの選択」 をクリック
- 同期したいフォルダだけにチェックを付け、不要なフォルダはチェックを外す
写真・動画を大量に保存する人ほど、フォルダ選びはシビアにした方が快適です。
4. エクスプローラー内の「お知らせ・広告」
● 何が問題?
Windows 10/11 では、エクスプローラーに
- OneDrive の案内
- Microsoft 365 の宣伝のような通知
が表示されることがあります。
表示されるだけで大きく重くなるわけではありませんが、作業中の集中力をそがれる原因になります。
● 設定方法(エクスプローラーのフォルダーオプション)
- エクスプローラー を開く
- 上部メニューから
- Windows 11:「…(その他)」 → 「オプション」
- Windows 10:「表示」タブ → 「オプション」 をクリック
- 「フォルダーオプション」が開いたら 「表示」タブ をクリック
- 詳細設定一覧から
→ 「通知を表示する」 や 「同期プロバイダーの通知を表示する」 のチェックを外す - 「OK」で閉じる
5. Bluetoothの「常時オン」
● 何が問題?
- ワイヤレスマウス
- ワイヤレスキーボード
- Bluetoothイヤホン
を使うときには必要ですが、
何も接続していないのに Bluetooth がずっとオンになっていると
- バッテリー消費
- 電波干渉
の原因になることがあります(特にノートPC)。
● 設定方法
- 「設定」 → 「Bluetooth とデバイス」 を開く
- 一番上の 「Bluetooth」スイッチ をオフにする
ワイヤレス機器を使うときだけオンにする運用がおすすめです。
6. 使っていないのにオンの「位置情報サービス」
● 何が問題?
地図アプリや天気アプリなどでは位置情報があると便利ですが、
デスクトップPCで場所を変えずに使うだけなら、常時オンである必要はあまりありません。
● 設定方法(Windows 11)
- 「設定」 → 「プライバシーとセキュリティ」
- 「アプリのアクセス許可」内の 「位置情報」 をクリック
- 位置情報自体をオフにする
- または、位置情報へのアクセスを許可するアプリを個別にオフにする
Windows 10 も同様に、「設定 → プライバシー → 位置情報」から設定可能です。
ノートPCで外出先でも使う場合は、「全部オフ」ではなく、必要なアプリだけオンにしておく方がバランスが良いです。
7. 役に立たない「通知の洪水」
● 何が問題?
Windows では、アプリやサービスがどんどん通知を出してくるため、
- 作業中にポンポン出てきてイライラする
- 作業の集中が切れる
- 実は大事な通知が紛れてしまう
といったことになりがちです。
● 設定方法
- 「設定」 → 「システム」 → 「通知」 を開く
- 上部の「通知」をオンにしたまま、下にあるアプリごとの通知スイッチを調整
- メールアプリ → 必要ならオン
- よく分からないアプリ → オフ
- ゲーム系・プロモ系 → 基本オフでOK
「トースト通知がうるさい」という方は、とくにゲーム関連・プリインストールアプリの通知を切ると、かなり静かになります。
8. 見た目重視の「アニメーション効果」
● 何が問題?
Window を開いたり閉じたりする際の、ふわっとしたアニメーション。
見た目はきれいですが、スペックの低いPCや古めの機種では負荷になります。
- 画面の切り替えがモタつく
- 体感として「重い」と感じやすい
といった症状がある場合、アニメーションを切るとサクサク感が増すことがあります。
● 設定方法(Windows 11)
- 「設定」 → 「アクセシビリティ」 → 「視覚効果」 を開く
- 「アニメーション効果」 をオフにする
- 同じ画面にある「透過効果」もオフにすると、さらに軽くなります
Windows 10 の場合は、
- 「設定 → 簡単操作 → ディスプレイ」
- 「Windows でアニメーションを再生する」のチェックをオフ
といった形で設定できます。
9. 電源モードが「省電力寄り」になりすぎている
● 何が問題?
特にノートPCでは、バッテリー持ちを優先するために
- CPUの性能を抑える
- 画面を暗くする
といった省電力設定が有効になっていることがあります。
その結果、常に動作がもっさりしてしまうことも。
● 設定方法(Windows 11)
- 「設定」 → 「システム」 → 「電源」 を開く
- 「電源モード」から
- 「バランス」
- 「最適なパフォーマンス」
のいずれかを選ぶ
(※ 省電力寄りになっている場合は「最適なパフォーマンス」に変更)
Windows 10 では、タスクバー右下のバッテリーアイコンから
- 「バッテリー節約」
- 「より良いバッテリー」
- 「より良いパフォーマンス」
などのスライダーが出るので、「より良いパフォーマンス」側に寄せると高速化が期待できます。
常にコンセントにつないで使うデスクトップ寄りの運用なら、多少パフォーマンス寄りに振っても問題ないケースが多いです。
10. 常駐するレジストリクリーナー・謎の最適化ソフト
最後は、設定というより「ソフトウェア側」の話です。
● 何が問題?
- レジストリクリーナー
- PC最適化ツール
- 「ワンクリックでPCが速くなる!」系ソフト
といったソフトの中には、常駐して監視したり、勝手に掃除をしたりするものがあります。
これらは
- かえって PC を重くする
- 重要な設定を消してしまう
- Windows が起動しなくなるリスク
を生むこともあります。
● 対処方法
- 「常時監視」や「常駐して最適化」するタイプのソフトは、
→ 常駐機能をオフ にする
→ もしくはアンインストールを検討する - レジストリをいじる系は、よほど詳しい人以外にはおすすめしません
「何となく入れたまま」の最適化ソフトがある方は、この機会に見直しを。
逆に「オフにしてはいけない」重要設定
最後に、「これはむしろオンにしておくべき」というものも簡単に触れておきます。
● Windows Update(自動更新)
- セキュリティホールを塞ぐために必須
- トラブル時だけ一時停止するのはOKですが、長期間オフのまま放置はNG
● Microsoft Defender のリアルタイム保護
- 無料で使える標準のウイルス対策
- 他社製セキュリティソフトを入れていないのに Defender をオフにすると、丸腰状態 になります
● バックアップ関連機能(復元ポイント・ファイル履歴など)
- もしものトラブル時の命綱です
- 「重くなるから」という理由だけでオフにするのはおすすめしません
まとめ:一気に全部変えなくてOK。少しずつ試してみて
ここまで、2025年時点で「オフ推奨」の設定10個を紹介しました。
- スタートアップアプリの整理
- バックグラウンドアプリの制限
- OneDriveの同期フォルダを整理
- エクスプローラーの通知・広告表示
- Bluetoothの常時オン
- 位置情報サービス(不要なアプリ)
- 不要な通知
- アニメーション・透過効果
- 電源モードの見直し
- レジストリクリーナー・最適化ソフトの常駐
全部を一度にいじる必要はありません。
「起動が遅い」ならスタートアップ、「バッテリーがすぐ切れる」なら電源とBluetooth、といった具合に気になるところから少しずつ試すのがおすすめです。
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